ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ついにラグナロク編も最終章。


眷属、全員集合!!

 

 

 レキだったかフレキだったか知らないが、残ったフェンリルの子供にイリナの光の槍が直撃して、ついにぶっ倒れた。

 

「やったわ!! 見事フェンリルの子供を倒しました!! 見ていてくださいましたかミカエルさまぁあああああああ!!!」

 

 最後のシメを飾って、イリナが感動の涙を流しながら祈りをささげた。

 

 とはいえ、ようやく終わりか。

 

 なんか匙は匙でぶっ倒れてるし、割と本気で大変な戦いだった。

 

 なんか俺たちこんな戦いばっかしてる気がするな。・・・ハードモードすぎじゃね?

 

 とはいえ、フェンリルも何とか出来たしこれでひと段落か。

 

「・・・これで打ち止めのようですね」

 

 と、額に浮かんでいた汗をぬぐいながら、ヴァルキリーのお姉さんが息を吐いていた。

 

 たしかロスヴァイセさんとかいう人だったな。

 

「お疲れ様です。おかげでだいぶ助かりました」

 

「いえ、もとをただせばこちらの内乱ですから、むしろご迷惑をおかけして申し訳ありません」

 

 ロスヴァイセさんは真面目な方なのか、申し訳なさそうな表情すら浮かべている。

 

 とはいえこれは彼女の責任でない。そこまで重く考えられてもこっちも困るな。

 

「・・・これだけの大きな動きがあればトラブルの一つも発生するでしょう。けが人は出ましたが犠牲者は出なかったのですし、お気になさらないでください」

 

 あまり気張らせないように笑みを浮かべながら、俺は務めて軽く言う。

 

 量産型ミドガルズオルムをポンポン撃墜してくれなかったら、こっちは数に呑まれていたかもしれない。

 

 何気に撃墜数ならトップクラスかもしれない。

 

 おかげでだいぶ楽ができたし、それにフェンリルも何とか確保することもできたしな。

 

 一応奴が倒れたあたりには転移封じを大量に用意したし、これでフェンリルを奪われるなんてことは―

 

「あれ? 兵夜、フェンリルのとこドロドロだよ?」

 

 ナツミがそんなことを言ってきた。

 

 ・・・なんだとぉ?

 

 あわてて振り返れば、フェンリルがぶっ倒れている当たりが泥だらけになっている。

 

 な、なんだいったい―

 

「隙ありぃ!!」

 

 なっ!? 美候が如意棒でフェンリルをシュート!

 

 そのまま泥だらけなので勢いよく転がるフェンリルは、なぜか凍結した泥だらけの地面を、泥でぬれているので滑って勢いよく移動!!

 

 そのまま滑った先には空間がぶった切られてゴールイン!!

 

 ・・・視線を逸らせば、ヴァーリチームがなんというかやり遂げた顔をしながら空間の裂け目に入っていた。

 

 最後のライダーが、なんかすっごい笑顔を浮かべていた。

 

「うむ! それでは諸君、さらばである!!」

 

「せっけええええっ!?」

 

 逃げやがったぁあああああああ!!!

 

 黒歌が作った泥で滑りやすくなった状況下で、美候が勢いよく全力でシュートして、ライダーが凍らせてさらに滑りやすくして、アーサーが作ったゴールに入れやがった!!

 

 おのれぇえええええ!! ぬかったぁあああああ!!

 

 はっ!! 気づけばフェンリルの子供もいない!!

 

 おのれいつの間に!!

 

 爪が! 牙が!! フェンリルという素材がぁ!!

 

「覚えてろ畜生がぁああああああああ!!!」

 

 この恨みはらさでおくべきかぁああああああ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

「本命はヴァーリにとられたがぁん、神殺しを手にすることはできたのでよかったのだぁん」

 

「それがザムジオに手を貸した理由か? 確かにヴァーリだけに渡しておいても面倒そうだけどな」

 

「そうだろぉん? いろいろといじくることもできるだろうしぃん、これはこれで使えると思うぞぉん」

 

「なら期待させてもらおうか。・・・そういえば、グレモリー眷属はどうだった?」

 

「テストの相手には素晴らしいなぁん。お前はどうなんだぁん?」

 

「正直楽しみだよ。彼らの相手をするのはいい経験になりそうだ」

 

「・・・まあ、こちらは研究成果を見ることができればそれでいいからなぁん、曹操」

 

「ああ、本当に楽しみだ。・・・戦える時を待っているよ、赤龍帝」

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず揉め事は何とか解決できた。

 

 ロキはしっかり捕縛したし、フェンリルの子供の爪や牙もしっかり切り取った。

 

 会談も無事終了。これで日本神話と北欧神話の提携というあら穴発展ができたということだ。

 

 その仲介をしたこともあるし、三大勢力もその恩恵にあずかることができるだろう。俺もこれでいろいろな材料をより集めやすくなったし、今後のためにもとてもラッキーだ。

 

 まあ、ヴァーリの件は失敗した。

 

 さっさと結界にでも包んでおくべきだった。まさかあんなカーリングのような真似で対処するとか想定外だったぞ。

 

 これでフェンリルの牙が無効にわたったことになる。今後の展開には警戒する必要があるな。

 

 最悪おれが出張る必要があるな。取り逃がした責任は取らなければ。

 

 まあ、それはまた後ほどのことだ。もともとロキのいうことを聞いていたわけだし、まさかそのまま投入してくることはないだろう。時間はかかる。

 

 と、いうわけで最後の対処のために携帯を取って電話を掛ける。

 

 番号は念のために交換しておいてよかったよかった。ジャパニーズ春画は交渉材料として非常に素晴らしい。

 

 大体何がくるのかがわかっているのか、少し時間はかかったがちゃんと出てくれたので開幕からひと言。

 

「あんたどうすんですか一体」

 

『・・・・・・容赦無いのう』

 

 オーディンが視線をそらしているのが、電話越しでもよくわかるといったものだ。

 

「会談が終了したら護衛おいて速攻で帰るとか馬鹿ですか? 馬鹿なんですか?」

 

 そう、この爺さんやらかしやがった。

 

 護衛に来ていたヴァルキリー、ロスヴァイセさんを置いて帰りやがったのだ!!

 

 何考えてんのこの人!?

 

「いろいろうまくこなせてるから感心してたのに一気に台無しだよ!! あんたなにやってんですか!!」

 

『いや、ロキがつかまったと聞いてつい安心しての。うっかり忘れておった』

 

「忘れてたじゃないだろうがぁ!! これもう戻りたくても戻れないよ!? あんた彼女の人生どうするつもりだよ!!」

 

 人生完璧に転落してるじゃねえか!!

 

 彼女に責任が一切ないっていうのが本当にひどい。責任は一切ないけどコレもどるに戻れないぞ!?

 

 案だけ頑張って成果まで上げたのにこれはないだろ!! ちょっと上げた株どんだけ下げれば気が済むんだよオイ!!

 

「・・・とりあえず、現状を確認したらもう一度電話するんで、土下座の準備しといてください」

 

 ・・・電話を切ったがさてどうしたものか。

 

 生活そのものは何の問題もないだろう。

 

 仮にも主神のお付きをやっているのだから秘書的な能力も優秀なはずだ。

 

 そのポテンシャルを発揮できる職業を紹介することはできるし、部長もその辺は考えていたはずだ。

 

 とはいえ相当ショックだろうなぁ。主神のお付きとか神話体系で考えるなら間違いなくトップクラスの役職だぞ。間違いなくエリートコースだ。

 

 それが主神のうっかりのせいでこんなことになったら落ち込むどころの騒ぎじゃない気がしてきた。

 

 などとちょっと不安になりながら部屋に戻れば、何やらイッセーを中心として騒がしい。

 

「・・・なにがあった?」

 

「ああ、朱乃さんがイッセー君に軽くキスしてね。それで部長たちが」

 

 木場が苦笑しながらの説明で、俺は大体理解できた。

 

 やれやれ。いつものごとく・・・か。

 

「ああ、宮白くんもこちらにいたんですか」

 

 と、何やらすっきりした表情のロスヴァイセさんがこっちに近づいてきた。

 

 ・・・うん? なにやらロスヴァイセさんから悪魔の気配が。

 

「・・・え? もしかして転生しました?」

 

「はい! リアスさんの提示してくれた内容が非常に素晴らしかったので、戦車の駒をいただきました!!」

 

 早い、早いよ!?

 

 あと部長、それはまさに悪魔のささやきです!! 人の落ち込んだところに漬け込むとかまさに悪魔の所業!! あ、悪魔か!!

 

 まあ前向きになっているのはいいことだし何も言うまい。あとオーディンはもうちょっとダメージ追ったほうがいいし当分内緒にしておこう。

 

 しかしこれは考えようによってはすごいラッキーなことだ。

 

 北欧の主神のお付きをやるほどの実力者が眷属だなんて、すごい事なきがしてきた。

 

 しかも戦車の駒は攻撃力と防御力を高めるわけだ。

 

 ・・・砲撃手としてはこれ以上ないほどのメンバーだ。やばい、すごいことになってきたかも!!

 

 いつものことながら部長の引きはものすごい!!

 

「そうでしたか! これからよろしくお願いします」

 

「宮白!! それはともかく助けてくれ!!」

 

 追い詰められている状況下のイッセーが情けない悲鳴を上げる。

 

 ・・・割と本気でビビってるな。やれやれ、そんなことじゃハーレム王なんて夢のまた夢だぞ。

 

「はいはい!! そこの方々はちょっと落ち着きなさい。イッセーがこうなることなんて想定内でしょうが」

 

 ハーレム王になる男の嫁狙っている連中がまったくなんてザマなんだか。

 

 家族問題がある程度解決してフラグが一気に進行してるんだから、ちょっとぐらい大目に見てあげなさいよ。

 

「いや、兵夜くんはやっぱりいうことが違うよねー」

 

「カッハハハ。さすがはご主人だな」

 

「こらそこ! いつの間にいたか知らないけどいたなら止めるの手伝え!!」

 

 というか久遠はいつの間に来ていた!?

 

 と、何やら二人は顔を見合わせるとちょっとすねた表情を浮かべながらそっぽを向く。

 

「・・・なんだよ? 俺が何かしたか?」

 

 何かしたならさっさと行ってくれると助かるんだが。

 

 治すにしろツッコミを入れるにしろ、何が原因かわからなかったら話にならない。

 

「・・・戻りたくても戻れないよー」

 

「・・・彼女の人生どうするつもりだよ・・・だっけ?」

 

 ・・・・・・・・・。

 

「お、お前ら!? いつの間に聞いてた!?」

 

「兵夜くんは、イッセーくんとそっくりだよねー」

 

「増やすのは構わないけど、ご主人はもうちょっと自覚を持ったほうがいいと思う」

 

 いやいやいやいや!! 別にそういうんじゃないし!!

 

「俺は別に当然の行動をとっただけだし!! なに勝手に裏がある風に言ってるわけ!? っていうか裏があるなら聞こえるように言うから!! 聞こえないように言ったりしないから!!」

 

 君らなに失礼なこと言ってるわけ!!

 

 俺は今での十分にもててるのに、これ以上フラグ立てるつもりとか無いから!! そんな節操なしじゃないから!!

 

「・・・あ、ありがとうございます」

 

 ロスヴァイセさんも顔真っ赤にしないで!!

 

 電話番号知ってたらイッセーでもしてるから!! フラグならあいつに立てて!!

 

 俺ハーレム作れるほどの甲斐性ないから!! 正直そんな自信ないから!!

 

「なんだ? ファックなことにでもなってんのか?」

 

「・・・イリナの様子を見に来たら、実質何をやっているんですか、あなた」

 

 手土産片手にやってきた小雪とベルまであきれ顔だし!!

 

「・・・最近イッセー先輩の影響が露骨に表れてますね」

 

 子猫ちゃん!? なにを言ってるのかな君は!!

 

 影響は受けまくっているがそれは前からだよ!! 俺はイッセーとは別ベクトル目指すからね!?

 

「・・・何やってんだか。ほら、兵夜も少しは落ち着け」

 

 ため息交じりで小雪がとりなしてくれるが、もしかして俺はイッセーの同類扱いされているのだろうか?

 

 いやいやいやいや。確かに最近フラグ立てまくっているが、俺はもう少し自覚あるしこれからは気を付けるからな?

 

「俺はイッセーを生暖かい目で見守る担当なんだよ。・・・どいつもこいつも俺をフラグメーカーみたいに言わないでくれないか?」

 

 さすがにこれ以上は自粛するって。そもそも俺みたいな変人に好意持つ類だってそう多いわけじゃないんだし―

 

「そうか。だったら・・・」

 

 小雪が苦笑しながら振り向くと。

 

「・・・んっ」

 

 ・・・へ?

 

 く、唇に柔らかい感触が・・・。

 

「・・・今生(こっち)処女(初めて)やったんだから、あたしの待遇は考えとけよな、ファック野郎」

 

 ・・・やべ、照れながらの笑顔がマジかわいい。

 

「・・・兵夜くんー?」

 

「オイご主人。そんな話全く効いてねえぞ?」

 

 さ、殺気!?

 

 馬鹿な! これはイッセーの役目だったはず!? なぜ俺が!?

 

「こ、こ、こ、小雪さん? あんた何してくれちゃってますか!?」

 

 お前はそういったキャラじゃなかったはずだろう!?

 

「・・・ちょっと、気を抜いてみようと思ってな。ま、もてる男の税金ってやつだ」

 

 確かにもてる男はそれ相応な奴じゃないといけないとは思うけどさぁ!?

 

「アーチャーヘルプ!!」

 

「・・・それぐらいはちゃんとしなさい。私は不貞な男が嫌いなのよ? ちゃんと面倒見きれないならむしろ契約を切るわよ?」

 

 見捨てられた!!

 

 なんでこうなるんだぁあああああああああ!!!!!

 




ちょっと今回は長めです





ふと気づいた、イッセーと兵夜の違い。


イッセーラブ組・・・「LOVE」の一言をなかなか言わないため、イッセーが感知できない。あと方向が斜め上なのが難点。


兵夜ラブ組・・・「LOVE」を兵夜が認識しているから、ある意味吹っ切れたストレートなアプローチなのでわかりやすい。結果的に兵夜の社会的生命にダメージが。


うん、我ながら対照的にできてるな。









この章で本格的に絡み始めたオリジナル旧魔王派三人組ですが、設計コンセプトとして「馬鹿であっても小物ではない旧魔王血族」でした。

ぶっちゃけ三人組はもちろんリゼヴィムもなんというか人間的に小物なのが難点ですよね。D×Dの敵って強敵臭は強くても大物集があまりないのが作品の欠点。サイラオーグとかヴァスコ・ストラーダは結果的に敵対しただけって感じだし。ディハウザーに期待したいですね。

なのでカマセにならない敵を設計し、ケイオスワールドの方向性に合わせて「異世界の力」を使ってさらに強化する方針で出ました。

今回掘り下げられたザムジオは「真面目馬鹿」って感じです。

まじめすぎるあまり暴走し、しかも本当に強いため始末に負えないというタイプ。真面目な話、新魔王血族の若手で対抗できるのって現時点いませんし。ザムジオはサイラオーグでも手こずりますし、瞬間最大火力と戦術的戦力展開能力では上回っている(・・・と、いうか単独で戦略すら動かせるザムジオがチート)ので現時点でもやりようでは翻弄できるという猛者です。

特にルレアベは我ながらいいアイデアだと思っております。キャスターが初めてキャスターらしいこともしましたし、大物の武装にふさわしい来歴で、いい出来だと自負しております。結果的にキャスターの強敵オーラも出てきたので最高。

ほかの二人もイッセーたちにとって強敵になる実力者になるので、お楽しみください。









そして次回からはパンデモニウム編。

以前伏線を張っておいた兵夜の魔術特性がついにその真の姿を見せます。ついでに魔改造も施します。

イッセーの真女王に相当するモードも、紆余曲折ありましたが決定しました。上記の魔改造を利用して発動します。

どちらも策士で搦め手な兵夜に合わせた特殊能力です。馬鹿正直でないが、確かに凶悪だと納得させれるものだと自負しております。まあピーキーな欠点もあるのですが。

さらに、最後の陥落であるベルの攻略も同時に遂行。そして新たなるサーヴァントも搭乗します!!

戦闘も、今回は戦略的にも動けると思っておりますので、その辺もごきたください!!!







ちょっとだけネタバレ







アーチャーの宝具をついにお披露目します。まさにぴったりな使い方で曹操をビビらせますので期待してください。

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