ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ベル、気張りすぎです!!

 駅のホームで、俺は見送りに来ていた小雪やナツミと会話していた。

 

「しかしまあ、なかみ30過ぎてんのに修学旅行とかある意味ファックだな」

 

「いうな。前世じゃ高校の修学旅行はいきそびれたし、その辺ちょっとは期待してたんだがな。・・・京都は親父の付き添いで何度か言ったからちょっと残念だ」

 

 まあ、その分土産の用意は簡単にできそうだからそういう意味では好都合ではある。

 

 まあ、これまでの経験から言って何らかのトラブルが発生する可能性が非常に高いし、その辺の対策を中心に考える予定だ。

 

 アザゼルあたりはできうる限り修学旅行を楽しませようと動くだろうが、サーヴァントが絡む可能性もある以上、聖杯戦争参加者として黙っているわけにはいかない。

 

 アーチャーも連れていくし、その辺は仕方がないからな。うん。

 

「じゃ、何かあったらすぐ知らせろよご主人。俺様がひと暴れして何とかしてやるからな!!」

 

「ああ、期待してる。だからいつでも行けるように待ってろよ?」

 

「うん! お土産待ってるね!!」

 

 ナツミの頭をなでながら、俺は小雪の方を向く。

 

「で、そっちはそっちで頑張れよな」

 

 小雪は今回干渉できそうにない。

 

 なんでも禁手が俺並みにイレギュラーだということで、ちょっと時間をかけてデータを取り行くそうだ。

 

 数日かかるみたいだし、神器システムに影響がないか本格的に調べるみたいなので、今回何があったとしても駆けつけるのは難しいらしい。

 

「ま、心配はしてねーよ。お前らのことだから自力で何とかしそうだしな」

 

「そいつはどうも」

 

 俺は苦笑すると、ちょっとだけ視線を周りに向ける。

 

 よし、誰も見てない。

 

「それじゃあまあ―」

 

「よいご旅行をってな」

 

 そのまま一瞬だけ顔を近づけてキスを交わす。

 

「あ、小雪ずるい!! ボクもっ!!」

 

 飛び上がってきたナツミとしたときは、勢い余ってちょっと歯が唇に当たって少し痛い。

 

 ま、キスなんて慣れてないしこんなもんか。

 

「旅行先では久遠といちゃついてなファック野郎」

 

「帰ってきたらご飯いっぱい作ってよね!!」

 

「了解。じゃ、行ってくるよ」

 

 そういうと、ちょうどいいタイミングだったので素早く新幹線へと乗り込んだ。

 

 まあ何度か行ったとはいえ数年前だし、駅前は少しは変わっているだろう。

 

 ・・・世界全土に旅行にふさわしい名所はいくらでもある。そして全部回っていけば次くるときは結構変わっているところもあるかもしれない。

 

 そう考えると長い人生というのも悪くないかもしれん。研究するべきテーマも結構あるし、これは結構退屈しないかもな。

 

 なによりいい女が三人もいるんだ。あまり文句を言えるような立場でもないか。

 

「遅いわよマスター。それで、京都はどれぐらい楽しめるのかしら?」

 

「一応ガイドマップは用意したよ。何かあったら呼ぶから、それまでゆっくりしてな」

 

 私服で待機していたアーチャーに、記憶を思い返しながら作ったガイドマップを用意する。

 

 せっかく日本の名所に行くんだ。アーチャーにはついでに結構楽しんでもらいたいところだ。

 

 特に京料理は気に入ってもらいたいな。あれが結構美味いんだ。

 

「京都とくれば日本でも有数のパワースポット。もしかしたら駒王町より快適に過ごせるかもよ? この世界なら間違いなくハイスペックだろ」

 

「それは楽しみね。あの生活もそれなりに楽しめたけど、たまには静かに落ち着いた生活もしてみたいわ」

 

 へえ、結構気に入ってくれてるんだな。

 

「上流階級には騒がしすぎると思ったけど、そういってくれるとうれしいよ」

 

「・・・魔女と呼ばれる女にあんな風に接してくれるのは珍しいもの。使い魔(サーヴァント)相手にここまで普通の生活をくれるマスターなんて、あなたぐらいなものよ?」

 

「ヴァーリのところはそこそこ行けそうだけどな」

 

「アレはやれ戦闘だのうるさそうだもの。魔女扱いされなくていい生活っていうのも悪くないわね」

 

 ・・・なるほど。確かにバトルマニアのところでは平凡な暮らしは過ごせそうにないな。

 

 ビル並みの階数の一軒家で暮らすことが平凡かどうかはさておくが。

 

「生前は神のせいでさんざんな目にあったもの。聖杯戦争にも関わらず、ここ数か月もこんな暮らしができるとは思わなかった」

 

 苦笑しながら、アーチャーは持ってきていたお菓子を口に運ぶ。

 

「毎日普通に食事がでて、夜はおつまみと一緒に美酒をのみ、魔術で成果を挙げれば普通に喜ばれて報酬までもらう。そしてかわいい子にかわいい服を着せて鑑賞できる。どう考えてもサーヴァントの暮らしじゃないわよ。あなたたち、使い魔の扱いを考えてみたらどう?」

 

「お前を使い魔扱いする気はないよ。魔術師はどうだか知らないが、俺としては優秀な師匠で頼れる用心棒に、そんな扱いをさせる手合いは嫌いでね」

 

 そもそも圧倒的にアーチャーの方が格上なんだ。命令を聞かせるだなんてそれこそあれだろう。

 

 提案や指示をちゃんと聞いてくれるだけ十分すぎる。令呪はブーストにしか使いたくないな。

 

「だから要望があったらいつでも言ってくれ。無理がなければ反映するよ、俺は」

 

「考えておくわ。それじゃあ、私は席が違うから」

 

 そういうと、アーチャーは別の車両に去っていく。

 

 その時の表情が苦笑だったのか照れ笑いだったのかは俺にもよくわからない。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・どうしてそうなった」

 

 メールでイッセーから連絡のあった内容を見て、俺は本気で頭を抱えた。

 

 赤龍帝の残留思念と接触してパワーアップを図る作戦において、歴代における男女の最強赤龍帝が接触を図ってきたというのだ。

 

 それはまあいい。

 

 そしてこの二人はドライグを含めても好意的で、イッセーのパワーアップを図るために協力してくれた。

 

 これは素晴らしい。

 

 それはなんというかはこのような形をして、イッセーが魔王様から与えられたアクションがカギのような形で発動して開けることができたとか。

 

 それをここでするのはちょっとやばくないか? うっかり波動が放たれたら新幹線が大破しそうなんだが。などと思ったがここまではまあいいだろう。

 

 問題は次だ。

 

 なんか箱の中身が飛んで行ったとか。

 

「・・・なんでだよ?」

 

 なんで飛んでいくんだよ?

 

 っていうか回収できるのか?

 

 新幹線から飛び出てないよな?

 

 不安しかない。何やらトラブルの予感がさらに増えて、もう本当に何と言っていいのかわからないが嫌な予感しかしない。

 

「死ぬほど不安だ」

 

「・・・実質どうかしましたか?」

 

 頭を抱えた瞬間に、何やら聞き覚えのある声が聞こえてきたのでふと頭を挙げる。

 

 なぜかそこにはベルがいた。

 

「お前なんでいんの? 用務員は修学旅行に参加しないだろう、普通」

 

「いえ、アザゼルが万が一のトラブルを警戒して戦力を集めようとしてまして。・・・兵藤一誠ら三名の抑え役として戦闘能力の高い人物を監視役に派遣するようにとねじ込んだのです」

 

 なるほど真理だ。

 

「松田とかいう人の戦闘能力に対応できると判断されたのは実質私だけだったので選ばれたんです。お手数おかけすると思いますが、まあいないものとして扱ってくれてかまいません」

 

「いやいや。お前京都行きなれてんのか? どうせだったら姿を現したって一向に構わねえぞ?」

 

 こっそりついて行かれているとかいうのもあれだし、いっそ堂々と監視して楽しめばいいだろうに。

 

「いえ、いつ何が起こるかわかりませんし、私はいつものことですので実質お気になさらず。どうぞ楽しんでいってください」

 

 さらりと笑顔でそんなことを言うが、その言葉に俺はちょっと気になった。

 

「・・・ベル。お前、好んで食べる食事とかあるか?」

 

「よほど味が悪くなければなんでも。この国のデリバリーの一つはあれですね。生活に必要な栄養バランスをちゃんと整えているのがあるので、あれにトレーニングに必要な栄養素がある惣菜を毎日買って食べてます」

 

「・・・休息する時間とか何してる?」

 

「基本的には模擬戦とかの映像を見ていますね。とはいえ私クラス以上の実力者は自画自賛ながら実質少ないので、同じものを繰り返し見ることも多いのですが、ほかに勉強できるものもありませんし」

 

「・・・映画とかバラエティとか見たことは?」

 

「付き合いで見たことはありますが何か?」

 

「・・・・・・そのこと、大天使ミカエルは知ってるか?」

 

「まさか、私の戦闘スタイルはミカエル様のそれとは違います。教えても何にもならないでしょう?」

 

 俺は静かに立ち上がると、そのままの勢いで新幹線でエロDVD見ようとしている馬鹿どもの方に向かう。

 

「イッセー!!」

 

「うぉおおお!? なんだ宮白!! いいだろ別に楽しんでも!!」

 

「いろいろツッコミたいが今はそれどころじゃない!! 松田も元浜も桐生もアーシアちゃんもゼノヴィアもイリナもよく聞け!!」

 

 説教はとりあえず後回しだ!!

 

「・・・松田が京都で暴走したら取り返しがつかないということでベルが監視役についてしまった。ついては一緒に行動してついでに観光も楽しんでもらおうと思うのだがどうだろうか!!」

 

 ベルの奴、人生がつまらなさすぎるだろう!!

 

 前世どん底で現世仕事馬鹿ってアホか!!

 

 この機会に思いっきり観光を楽しませて娯楽っていうものを教えてやらんとアカン!!

 

「い、いえ、それだと監視ができませんし、実質私のことなど忘れてくれてかまいませ―」

 

「マジ!? 俺のために駒王学園No1巨乳のベルさんが一緒にいてくれるのか!? ヒャッホウ!!」

 

 ベルの言葉を遮って、松田がハイテンションになった。

 

「おお! 美少女三人とその他一名に、さらに美女が一名つくとは何てラッキーなお知らせだ!! これは楽しみになってきたぞ!!」

 

「おぉ~。なんていうかからかいがいのありそうなお姉さんねぇ。よっしゃ!! どうせだから一緒に愉しみましょう!!」

 

 元浜と桐生もノリノリでテンションが上がっていく。

 

「い、いえ! 実質私は仕事で来ているので―」

 

「そういえばあなたのプライベートは全く見たことがないな。ちょっと興味がわいてきたぞ」

 

「そうよね! ベルさんって空いた時間もいつも勉強熱心で遊んでいるところとか見たことないもの! たまには一緒に遊びましょう!!」

 

「ベルさんも京都を観光しましょう! ミカエルさまもきっと喜んでくださいます!!」

 

 教会三人娘もハイテンションで同意してくる。

 

 うん、大天使ミカエルが引き金になったのか、ベルもちょっと引っ張られてるぞ。

 

「み、ミカエルさまも? で、でしたらまあ、ちょっとだけなら・・・」

 

 まったく。まさかこんな不発弾があったとは思わなかった。

 

 そういえば付き合いでテレビとか見ているときもなんというか戦闘がらみの話題になった途端にしゃべりだすところがあったからな。

 

 こっちで美味い飯も食って感想も言っているのにこれとは驚きだ。

 

 前世じゃひどい人生だったみたいだし、こっちじゃもっと愉しんだってバチは当たらんだろう。

 

「どうせだし、思いっきり楽しい旅行にしてやろうぜ。な、イッセー?」

 

「あったりまえだろ!! ベルさんにはいつもお世話になってんだし、俺たちも本気出すぜ!!」

 

「ど、どうも。・・・実質、お世話になります」

 

 任せておけよ。

 

 思いっきりお世話してやるからな。

 




なんだかんだで気張りすぎなベル。


一応、兵夜たちは息抜きぐらいはしっかりしています。というか、息抜きもできない奴は未成年飲酒なんぞに走りません。

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