ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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この話を読んで出るであろうツッコミ




・・・ベルの方が今生でも総計でも年上じゃなかったっけ?


京都、観光中!

 早朝、俺はパソコンを使っていろいろと調べ物をしていた。

 

 アザゼル曰く、九尾の狐をさらった連中はいまだ京都から出ていないという。

 

 出ていたら京都の気の流れがおかしくなるのが理由だそうだが、そうだとすると疑問が残る。

 

 京都は妖怪たちのおひざ元といってもいい場所だ。しかも九尾の狐は彼らにとって最大レベルの重要人物でもある。

 

 そんな状況下でなんで京都から逃げようとしない? どう考えても補足される危険性が高くなるだけだろう。

 

 と、なると考えられる可能性が一つある。

 

 京都という場所も含めて、奴らが何かする計画の一つである可能性があるということだ。

 

 だとするならば、奴らが行おうとしている行動は想像をはるかに凌駕するほどスケールのデカい話である可能性も呪分にある。

 

 ・・・なんとか対策を立てたいところだが、俺一人では限界があるかもしれん。

 

 ・・・アーチャーを巻き込みたくはないが、この場合は仕方がないかもしれないな。

 

 アザゼルがコンタクトをとれたらアーチャーにも連絡するか。仕方がない、俺も面倒事に巻き込まれたものだ。

 

「さて、そろそろ少し体を動かすか」

 

 一通りデータをそろえて頭に叩き込んでから、俺はシャワーを浴びてから屋上へと向かう。

 

 すでにイッセーはトレーニングを行っているはずだ。俺もそれに参加させてもらおう。

 

 定期的なトレーニングは必要不可欠。今後のことを考えれば、何はともあれ最低限の備えはしておかないといけない。

 

「おはようございます、宮白くん」

 

 と、ロスヴァイセさんと顔を合わせた。

 

「おはようございます、ロスヴァイセさん。お早いですね」

 

「教師としましては準備がありますから。宮白くんは何をしに?」

 

 仕事熱心な人だ。おかげでこっちも助かるけど。

 

「ちょっとトレーニングしておこうかと。ある程度体を温めていた方が飯もうまいし非常時は動けますから」

 

「そうですか。先ほど木場くんたちが上がっていくのを見ましたが、もしかして彼らも?」

 

 へえ、あいつらももうトレーニングを始めようってか。

 

 俺が言うのもなんだが勤勉な奴らだよ。ほんと、俺やイッセーはいい仲間を持った。

 

「そうでしょうね。あ、イッセーはもっと先にトレーニングを始めてます」

 

「非常時の可能性があるとはいえ、修学旅行でもトレーニングを欠かさないとは真面目な人たちですね」

 

「いやいや、ロスヴァイセさんだって真面目じゃないですか」

 

 トラブルまみれで仕方がなく始めたはずの教師稼業、真面目にここまでこなすのは十分立派なことだと思う。

 

 そう思って行ってみただけなのだが、なんだかロスヴァイセさんはちょっと狼狽した。

 

「い、いえ! そんなことはないですよ! この仕事も慣れると面白いですからお構いなく!」

 

 ・・・ふむ、先日の件が糸を引いているのだろうか。

 

 最近フラグを立たせすぎだから、むやみに立たせないように気を使ってこっそりオーディンを責めたのだが、知られてしまったせいでこの騒ぎだ。

 

 やはりもう少し気を付けたほうがいいな。

 

 結果的にハーレムになるのを否定するつもりはないが、だからといって意図的に女をかき集める趣味はない。

 

 自分でも気づいたが俺は結構チョロいからな。

 

 自分の性質上モテにくいことを知ってるからから、それでも惚れてくれる人に対して一気に攻め落とされる癖がある。

 

 もちろん魅力的な女性であることもあるし、何より同類としての仲間意識もある。そして全員が全員好意を抱くにふさわしいいい女だからでもあるが、これは気を付けたほうがいいだろう。

 

 そういう意味ではロスヴァイセさんは結構いい女ではある。

 

 ・・・やばいな、本格的に落としたら間違いなく断れん。

 

 ちょっと気を付けたほうがいいな。

 

「まあ、イッセー達ほどトレーニングに重点を置いているわけではないので俺はそこそこですけどね。実践でも武装便りで本体が弱いとう欠点もありますし」

 

「いえ、実質そんなことはないでしょう。手持ちの手札をやりくりして、食い下がっていたレーティングゲームの戦いは見事だと思いますよ」

 

 と、自分に対してマイナス方面にフォローするというなんといいうかアレなことをしている俺に対して後方から妨害の一撃!

 

 振り返れば、ジャージ姿のベルが汗を拭きながらこっちに来ていた。

 

「今朝だっていろいろと調べ物をしていたのでしょう? 私たちがただやみくもにトレーニングをしているだけという状況下で先を見据えたプランの構築を行うとは、本当に見事だと思います」

 

 なんか、一流アスリートを見るかのような視線を向けられてむず痒い!!

 

「ベルさんもおはようございます。走り込みでもしていたんですか?」

 

「ええ。京都は土地勘がないので、ランニングも兼ねて周辺の地理を把握していました。やはりこういうのが戦術的に優位になることもありますから」

 

 と、お姉さんキャラ二人が会話に花を咲かせているので、俺はボロを出さないうちに退散しよう。

 

 ・・・なんか二人とも俺のことこう評価してるんだよなぁ。一緒にいるとさらにエスカレートしそうで不安になってきた。

 

「じゃ、俺はイッセーと合流しますんでこの辺で」

 

 そそくさと階段を上がりながら、俺は少し不安になってきた。

 

 ちょっと人にフラグを立てるのもいい加減にしておかないと大変だなこれ。

 

 チョロい俺がうかつなまねを連発すると、むやみやたらに女をひきつけるとかいうオチになりかねない。

 

 さばききれるだけの能力もないのにそういう真似をするわけにはいかないだろう。

 

 さて、気を付けて行動しないとな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、三年坂はもう通り越したぞ」

 

「そ、そうですか」

 

 ガッチガチに緊張していたベルが、息を吐いて全身から力を抜いた。

 

 その手にはロングサイズの木刀が握られていて、杖のように構えていた。

 

 この女、三年坂の転ぶと三年以内に死ぬという言い伝えを本気にして、転ばないように全力を出しまくっていたのだ。

 

 ・・・アグレッシヴにボケおってからに、落ち着けよお前。

 

「気分転換にくじでも引いたらどうだ? 日頃世話になってるしそれぐらいなら出すが」

 

「そ、そうですか? ミカエルさまに仕えるものとして異宗教のものに手を出すのはどうかとも思うのですが・・・」

 

「それぐらいなら何もないだろ、ほら、やってみろって」

 

 少し位楽しみを持った方がいいと思ってやってみるが、ベルはなんかおっかなびっくりしながらくじを引く。

 

 その程度でとやかく騒いでいたら、十二月にクリスマスやらかす日本には大災害起こると思うから大丈夫だって。

 

 などとおかしく思っていたら、なんか急に顔を真っ赤にさせてくじをびりびりに破いた。

 

「え? なにがあった?」

 

「じ、じじ実質なにもありません!! お、お気遣いなく!!」

 

 なんかあわててイッセーたちの方に走り出した。

 

 ・・・何となく興味が出てきたのでちょっと修復してみる。

 

―想い人 思いが通じる。

 

 ・・・・・・・・・。

 

「当たるも八卦当たらぬも八卦・・・証拠隠滅」

 

 魔術で速攻焼却焼却。

 

 よし、見なかったことにしよう。

 

 というか俺は、わずか数か月でどんだけフラグを立てる気だ。

 

 いやいやいやいや。そもそもベルが惚れている相手が俺だという保証もないしな! うん、そうだよな!!

 

「さて、次行こうか!!」

 

「一体どうしたんだよ、宮白!?」

 

 いいから行くぞイッセー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・銀閣寺というからには、銀を使用していると思ったのですが実質違ったんですね」

 

「ああ、俺はまあ歴史の教科書とかで見てたからわかってたけど、こうしてみるとどこが銀なんだって感じだよなぁ」

 

 銀閣寺を見ながら、俺とベルはそんなことを語り合う。

 

 ちなみにゼノヴィアがなんかとんでもないショックを受けているのだが、そこまでショックを受けるほどのことか?

 

 しかしまあ、ちょっと思うところがあるんだが・・・。

 

「お前さあ、そのジャージいったい何なわけ?」

 

「これですか? 実質安かったので買ったのですが、問題だったでしょうか」

 

 ベルが来ているのは誰が見てもわかるぐらい安物のジャージだったりする。

 

 どう考えても観光地に行く時に来ていくような服ではない。寝間着とかに使うような類だろう。

 

 と、いうかそんな恰好でこっそり監視ができると思ったのだろうか? 間違いなく悪目立ちしてすぐわかる。

 

 衣服はTPOをわきまえなければすぐ目立つのだ。こんなのがこそこそしていたらそれこそ観光できなかったであろう。

 

 うん、俺はナイス判断をした。

 

「シャツにジーンズとか普通に着てるのに、なんでわざわざジャージなんだよ」

 

「あの時は仮にも上級悪魔との会合でしたので、手持ちの中で一番TPOに合ったものを用意したんですが・・・今回はだめですか?」

 

「少なくとも、観光に来ていく服じゃないな」

 

 なんてもったいない。

 

「お前そんなナイスバディの美人なんだから、もうちょっと服装は気を付けろよ」

 

「ふむ、そうですか?」

 

 自分のかっこうを見直しながら、ベルは少し首をかしげていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「~~~~~~~~~~っ!?」

 

 悶絶しているベルを、俺は初めて見た。

 

 金閣寺を観光しながら抹茶を呑みに来たわけだが、あろうことか一気飲みしたよこの人。

 

「べ、ベルさん大丈夫ですか!? ほら、俺の饅頭上げます!!」

 

「あんた天然だろうけどそれ食いかけだからね」

 

 元浜があわてて天然でボケるが、桐生が素早く首根っこを捕まえて引っ張り上げる。

 

「普通一気飲みするような飲み物じゃないからな、ソレ」

 

「は、はい。いい匂いだったのでつい・・・っ!?」

 

 涙目のベルが口直しに羊羹を食べて、今度は喜色満面になった。

 

「こ、これは!? すごくおいしく感じます!!」

 

「そりゃよかった。まあ、抹茶は茶菓子を味わうための飲み物とかいうし、まあ納得だな」

 

 苦すぎたのか涙目になっているが、あまりこういうところを見たことがないのでちょっとかわいかった。

 

「っていうかお前一気に飲みすぎなんだよ。もう少しゆっくりと・・・って全部食うな!! 残りの抹茶どうすんだ!!」

 

「ああ!! 実質すっかり忘れてました!!」

 

 さらに涙目になったし。

 

 と、いうか残すという発想はないようだ。

 

「ああもう。ほれ、落雁分けてやるから今度はちびちびと食え」

 

「す、すいません。このお詫びは必ず」

 

「いや、こんなんでそこまでしなくていいから。落ち着いて少しずつ食え」

 

 恐縮しながら再び抹茶に挑戦するベル。

 

 ・・・いや、ちびちび食えっていうのはハムスターみたいにはむはむ削り取れって意味じゃないんだが。

 

「・・・イッセーに続いて宮白までも! くそ、なんで俺たちには春が来ない!?」

 

「落ち着け松田。ホテルに戻ったらイッセーともども殴り倒せばいい」

 

「落ち着きなさい2人とも。そんなことばっかり言っているとあそこの痴漢みたいになるわよ」

 

 なぜか・・・なぜか! 嫉妬の炎に包まれる2人を止める桐生の示す先には、痴漢騒ぎを起こしてとっ捕まる奴がいた。

 

 なんか、京都に来てから痴漢を目にする機会が多いような気がする。

 

 以前来たときは一度も見なかったような気がするというか、普通目にしないと思うのだがどういうことだ?

 

 まさか英雄派の行動の影響とか言わないだろうな。

 

 もしくは妖怪が何かしでかしているのか?

 

 いや、いくらなんでもそんなことはないとは思いたいが、しかしそう考えたほうがいいかもしれない。

 

「・・・実質ここで仕掛けるとは思いませんでした」

 

 ベルの言う通り、このタイミングでやってくるからな。

 

 すでにイッセーたち以外の、つまり一般人はみんな気を失って倒れている。

 

 しかも店員を見てみれば、狐の耳が生えていた。

 

「・・・本当に、ややこしいことになったもんだ」

 

 俺はちょっと溜息をついてしまった。

 

 




味方側主要オリキャラの精神年齢ランキングを作るとこうなります

1位 久遠

2位 小雪

3位 兵夜

4位(同率)ナツミ&ベル


今生においてはトップの年齢であるベルですが、実は中身は一番子供だったり。

ナツミが前世の記憶との食い違いから精神年齢が一度リセットされてるのに対して、ベルは情操教育が未熟なので成長が遅い感じ。

そのため、この五人でつるんだ場合、兵夜が指揮して久遠がなだめ、小雪がツッコミを入れてベルとナツミが引っ張られる形になると思います。

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