ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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やってることを考えると、さすがに誤って無罪放免はまずいと思うのです。


主従、逆転してます

 

 イッセーSide

 

 裏京都にやってきた俺たちは、昨日襲ってきた妖怪たちのリーダーぽかった女の子、九重に謝られた。

 

 俺たちとしては謝ってくれたしそれでよかったんだけど、そこで宮白が手を挙げた。

 

「・・・失礼。ちょっと身内で方針を考えますので」

 

 その後、魔術用の結晶体とかを取り出して魔術を発動させて音をシャットアウトしてから、宮白はスクラムを要請した。

 

 で、俺たちが今こうしているわけだが。

 

「・・・イッセー。ここはちょっとぐらい詫びを入れさせるべきだと思うぞ?」

 

「いや、謝ってるんだしべつにいいだろ」

 

 宮白、相手は子供だぞ?

 

 だが、宮白は静かに首を振った。

 

「相手は子供とはいえ、妖怪を大きく動かすことができる相応にビッグな立場だ。こういうのはちゃんと罰則を与えて、しっかりと軽はずみなことをしたら損をすると考えさせたほうがいい」

 

 悪意とかはなく、割と真剣だった。

 

 え? そんな重要な話?

 

「いくら親が誘拐されて大変だったとはいえ、公式に許可を得た立場の者に、軽はずみな行動をしたというのは政治的に見てもいろいろと問題のある行動だ。これを何の罰則もなしで行動すれば、悪魔側の政治対応力に何やら言われるかもしれない」

 

「・・・なるほど。宮白のことだからこれを利用してコネクション形成を行おうとか考えていたような気もしたが、そこまで考えていたのか」

 

「宮白くんって、そういうの得意よねぇ」

 

 ゼノヴィアとイリナも関心している中、宮白は指を立てる。

 

「加えて言えば子供の行動に対して大人がまともな対処をしなかったことも問題だ。今後の政治的展開を考えても、しっかり締めるところは締めておかないとまずいだろ」

 

「そ、そういうもんか?」

 

「年長者は子供の成長のために鬼になることも必要だ。軽はずみに襲撃を仕掛けてゴメンの一言で無罪放免とか、子供の成長のためにもよくない。ちゃんと罰を与えてしっかりと反省を促さないとな」

 

 俺としてはそこまでしなくてもいいと思ったが、そういわれると反論できない。

 

 でも、やっぱりアレな気がしたのか、アーシアがおずおずと手を挙げる。

 

「で、でも宮白さん。あまりひどいことをするのはやっぱり・・・」

 

「わかってるって。その辺は任せておきなさい」

 

 ・・・まあ、いくら宮白でも子供相手にそこまでひどいことはしないだろう。

 

 ちょっと心配だが宮白に任せて、俺たちはちょっと様子を見る。

 

「・・・身内の意思統一に手間取りまして申し訳ありませんでした」

 

 咳払いをしながら宮白がまず一言。

 

「う、うむ。それでお詫びの件なのだが・・・」

 

 なんていうか、ものすごいマジモードなので九重がビビっているが、宮白はそこでにやりと笑う。

 

 ・・・やっぱり止めたほうがいいだろうか?

 

「そうですね。本格的な謝罪方面に関しては上の行動をとるべきですが、そこまでにも時間がかかりますし、当方としての謝罪に対する要求を伝えさせていただきます」

 

 と、宮白は懐に手を入れると一枚の紙を取り出した。

 

「我々は修学旅行を邪魔されたわけですので、直接的な謝罪といたしましてはやはり修学旅行に関係することで挽回させていただきましょう。と、いうことで!!」

 

 なんかポーズをつけて勢いよく突き出したメモ用紙。

 

 俺たちの方からは見えないけど、明かりで透けて文字が書かれていることだけはわかる。

 

 な、何が書いてあるんだ!?

 

「な、なんだ? 難し漢字がいっぱいあって読みづらいぞ!?」

 

「あ、すいません。年齢差を考慮してませんでした」

 

 そりゃそうだ。相手は小学生ぐらいの子供だった。

 

「まあ、相手ごとに聞いたお土産の希望について書かれた紙です。いろいろと要望を聞いて回ったのでピンポイントのもあれば結構アバウトなのもあります」

 

 その言葉を聞いて、九重はちょっとぽかんとした。

 

「まあ何が言いたいのかといいますと。暴走した連中は詫びとしてポケットマネーと労力で俺たちの土産物購入を代われってことです。うちのメンツは外人もいるのでセンスが心配だったので」

 

 ・・・へ?

 

「そ、そんなことでいいのか?」

 

 九重は拍子抜けしたみたいにぽかんとする。

 

 俺たちもぽかんとした。

 

 え? そんなことでいいの?

 

「もちろん、筆頭は九重様なのですから一番金出すのはあなたですよ? 八坂さまがお帰りになられたら、お小遣いの削減などをしてローン組んでください」

 

 きっぱりといった宮白の言葉はちょっといたずらっ子のような笑みが連想で来た。

 

 うわあ、子供小遣いから容赦なく金せびってるよ。

 

 まあ超金持ちだろうからそこまでひどい出費にはならないだろうけど、これは子供にはきつい!!

 

「あと公式の謝罪文も必要ですし、今後の悪魔の関係において上方修正などは上同士の会談で決めてください。まあ、ちゃんとお土産を用意してくださったのならサーゼクス・ルシファーに筋は当してもらったと報告させてもらいますが」

 

 な、なるほど。

 

 確かにこれなら落としどころとしてはまあいいの・・・か?

 

「わ、わかった! あんな真似をしたのだし、そこはちゃんとする!! い・・・一年ぐらいお小遣いを我慢すればいいのだろうか?」

 

「まあその辺はほかの方々と相談して決めてください。・・・もちろん」

 

 そういうと、宮白は俺たちの方を向いて苦笑する。

 

「・・・必要とあらば、俺たちは協力を惜しまないですけどね。な、イッセー?」

 

「ああ、もちろんだ!!」

 

 ぐっと腕を握って俺は宣言する。

 

「俺たちの力が必要ならいつでも言ってくれ! ちゃんと助け出すぜ!!」

 

 こんな小さな子供から、母親を引きはがすなんて許せねえ!! アザゼル先生から許可さえ出れば、今から探してもいいぐらいだ!!

 

 みんなも同じ気持ちなのか、どこか張り切りながら一歩踏み出す。

 

「そうだな。デュランダルはないが、そのような話を聞いて黙っている私ではないぞ」

 

「天使として悪魔と妖怪の橋渡しのためにも頑張るわ! ああ主よ、いたいけな子供の妖怪のためにご加護を!!」

 

「もし八坂さんがけがをしていたら任せてください!! しっかり治して見せますから!」

 

 みんな・・・!

 

 やっぱりみんないいやつだ!

 

「す、すまぬ。・・・本当にありがとう」

 

 九重は涙ぐみながら、しきりに頭を下げていた。

 

 こんな小さな子から親を奪うだなんて、英雄派め。

 

 もし見つけたら、絶対に殴り飛ばしてやる!

 

「とはいえ、奴らが京都から出ていないのなら極めて危険だな」

 

 宮白は、眉間にしわを寄せながらそう漏らした。

 

「京都にいることがそんなに危険なのか?」

 

「誘拐をしておきながら相手のおひざ元に隠れたままってことは、隠れるだけの理由があるってことだ。・・・京都がパワースポットであることを考えると、京都そのもので何か起こすことを目的にしているのかもしれない」

 

 うわ、なんか聞いただけでもやばそう。

 

 コカビエルとかぐらいになると都市一つ吹き飛ばす程度は簡単にやってのけるっていうし、英雄派の連中もすごいのがいそうだから、ど真ん中で戦うことになったらやばいかもしれない。

 

 パワースポットを利用するつもりだったら、もしかしたら日本ぐらいなら巻き込んで大騒ぎになるかも・・・!

 

「すまない九重嬢。京都の全体の力の流れを把握しておきたい。資料があるなら取り寄せてほしいのですが」

 

「構わんが、1人で調べられるのか?」

 

 九重が首をかしげるが、俺もそう思う。

 

 いや、宮白はすごいから把握するだけならできるとは思うけど、それを修学旅行の真っ最中に同時進行でやるのはさすがに無理じゃないか?

 

「事態が事態ですのであまり修学旅行に意識を向け続けるわけにはいきません。魔術師《メイガス》が動いているなら魔術的な視点で利用してくる可能性もありますし、魔術にかかわる者としての視点における助言だけは可能にしておかねば何かあってからでは遅いでしょう」

 

 額に手を当てて宮白は息を吐いた。

 

「大規模な霊地ともいえる京都を利用した大術式でも用意されたら何をされるかわかったものじゃない。万が一、奴の目的が京都の地脈を利用して聖杯の機能を拡張することだったりした場合、ネームバリューを考えれば英霊がさらに七騎呼ばれることすら普通にあり得る」

 

 その言葉に、俺はその光景を想像した。

 

 アーチャーさんばりの戦闘能力をもった奴が、七人も京都で大暴れする光景。

 

 ・・・うん。間違いなく俺なんか死んじゃうね。

 

「で、でもそれだと宮白が修学旅行できないじゃねえか」

 

「だからって今から魔術師を呼び出すわけにもいかないだろ。今まさに京都にいるんだから俺が動くのが当然―」

 

「―だったら私がやっておくわ」

 

 と、そこにはいないはずの声が聞こえた。

 

「あ、アーチャー!?」

 

 目を見開いた宮白の視線の先に、一体いつからいたのかアーチャーさんが、ため息交じりで立っていた。

 

「馬鹿な! 何も伝えてないはずだぞ!?」

 

「裏切りと策謀が本分の私が、こんな平和な国で過ごしてきた若輩者の動きも読めないと思ってたの? 朝からしっかりつけまわしてたわよ」

 

 アーチャーさんがこともなげに言ってくれたんですが、え、朝から!?

 

「全く気付かなかったぞ・・・。アザゼル総督並に恐ろしいお方だ」

 

 ゼノヴィアがポツリとつぶやくが、やっぱこの人も規格外だよなぁ。

 

 こんな人がバックについてるんだから、俺たちってものすごく恵まれてる気がする。

 

 そして敵にはこんなのが六人もいるっていうんだからほんと最悪だよなぁ。

 

「どこかの誰かが変な気を使って内密にしていたようだけれども、わざわざ同じところに来るんだから相応の対処ぐらいはしているのよ? 仮にもサーヴァントがマスターに何の安全策も用意してないと思ったのかしら」

 

「え・・・あ・・・えっと・・・」

 

 鋭い視線に、宮白はものすごく汗をかきまくっている。

 

「私はサーヴァントであなたがマスターだということを理解していないようね。聖杯戦争の基本的なルールはしっかりと把握しておくべきではないかしら?」

 

「は、はい、おっしゃる通りで」

 

 宮白。視線を合わせろ。

 

 ま、まあ仕方がないといえば仕方がないか。なんたって・・・

 

「才能は確かにあれだけども、別段無くても問題ないのに子供を生贄にするとか、戦術もわきまえずに魔力供給を削減するとか、格の差をわきまえずに勝手に嫉妬するとかするならともかく。勝つために最大限の努力を惜しまず行動し、足りない前衛戦力をしっかりと補うマスターにそこまでしてもらわなくても協力ぐらいするわよ」

 

 さすが正真正銘の女王様。怖い!

 

「まあいいわ。この件については修学旅行が終わってからよ。資料は?」

 

「は、はい! 今すぐ!!」

 

 うん、使い魔(サーヴァント)(マスター)の関係じゃないな、これ。

 

「・・・なるほど。私たちの世界はしらないけど、この世界の京都の場は大規模魔術儀式のための土壌としては一級品ね。その気になれば願望機として使うだけなら十分聖杯戦争を作れる土壌だけれども、とはいえ完成させるには数か月から一年はかかるはず。だとするならもう少し単純なものでしょうね」

 

「大量の亡霊でも呼び出して、京都全体を死の都にでもするつもりか?」

 

「まさか。 英雄派は旧魔王派よりはよっぽど頭がいいわ。やるとするならもう少しまともな方向で来るはずね」

 

 ものすごいスピードで話が進んでいく。やっぱり頭がいい人はいろいろと違うな、オイ。

 

「とりあえず、龍脈含めた魔力の流れに細工はしておくから、あなたはさっさと修学旅行に戻ってなさい。人手が必要な時は連絡するわ」

 

「イエスマム!」

 

 ・・・いや、だからそれ主従関係逆転してるって!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 まさかバレてるとは思わなかった。

 

 ちょっとげんなりしながら、俺は屋上で外の空気に当たっていた。

 

 わずか数時間でアーチャーは思いっきり働いてくれました。

 

 京都の魔力の流れのデータを調べて、わずかな違いから召喚系の術式と使っているのではないかと推測、対抗手段として特定部分の遮断を可能にすることで時間稼ぎ可能というところまで来ている。

 

 俺の十倍仕事が早い。やはり次元が違った。

 

 ・・・できればもっとゆっくり過ごしてほしかったが、本人が乗り気なら仕方がない。

 

 俺にできることは、必要になった時に即座に行動して結果を残すことだ。

 

 偽聖剣の調整もしたほうがいいかと思い、ちょっと展開しようとして、足音が聞こえてきた。

 

 やっべ、出すのやめとかないと―

 

「あ、兵夜くん発見ー」

 

「ってお前か久遠」

 

 ビビって損した。

 

「聞いたよー。京都の人たちって誘拐事件でてんやわんやだったんだってねー」

 

「ああ。寄りにもよってこのタイミングでことを起こしてくれちゃって、マジ迷惑だ」

 

 おかげでアーチャーに休暇を与えようかと思ったのにわずかな時間になってしまった。

 

 チャンスがあったらこのお礼はしっかりとしておかなければなるまい。

 

「確かに残念だねー。あ、応援が必要ならすぐ来るからねー」

 

「ああ、悪いな」

 

 タイミングの悪い時に仕掛けやがって、全く面倒以外の何物でもない。

 

 そう溜息をついていると、久遠が俺の隣に寄り添った。

 

「ん? なんだ?」

 

「いやー。兵夜くんにとっても残念だなって思ったからー。ちょっといい女が寄り添ってプラスにしてあげようと思ってー」

 

 ちょっと照れながら、久遠はそういうと俺の腕に抱き付いた。

 

「・・・まあ確かに、イッセーとの修学旅行が楽しめなかったのは残念だな」

 

「だよねー。私も、いろいろ考えずに修学旅行にこれたのは初めてだから、ちょっと残念だなー」

 

「そっか、だったらすり寄ってプラスにしてやろう」

 

 くるりと回り込んで、後ろから抱き付いてみると、久遠はにへら~っと笑いながら、そのまま全身で味わうようにすりすりしてくる。

 

「兵夜くんも私も素直に残念がるところだし、イッセーくんやアーチャーさんにとっても残念だろうから、チャンスがあったら頑張ってお仕置きしようかー」

 

「ああ、そうだな」

 

 高校の修学旅行だなんて、普通に考えれば一度しか味わえないもんだ。

 

 かくいうおれも、イッセーとの京都は初めてだったし、結構楽しみであったことに今更ながらに気づいた。

 

「お互い無事に帰ろうねー。そうじゃないと、私が残りの人生楽しめないからー」

 

「ああ、そうだな」

 

 英雄派がどういうつもりかは知らないが、俺たちには俺たちの生活がある。

 

 それを捨て去るつもりは毛頭ない。

 

「やってくるなら―」

 

「―ぶった切っちゃおー♪」

 

 頼んだぜ、アーチャー。

 

 とっとと終わらせて、修学旅行を気兼ねなく楽しみたいもんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この後、ロスヴァイセさんからイッセーが出血多量なので救助に来るよう要請されて、ちょっと甘いこの空気が台無しになった。

 

 イッセー。俺だって、彼女との甘い空間は大事にしたいんだけど。

 

 

 




仕事はちゃんとして一生懸命対応しているので、アーチャーは兵夜をマスターとして認めています。そして女王様です。

超失礼な方法で呼び出したのに、かなり積極的に協力してくれているので、兵夜はアーチャーにものすごい後ろめたい気持ちになっております。そしてやとわれて行動することになれてます。

結果として時折主従逆転していたり、マスターなのにサーヴァントを優先しすぎるところがぽつぽつと。









そして久遠のヒロイン力の高さに、俺は書いてて自分でビビっている。

生徒会ポジションなのでからませられないときはとことんまで絡ませられないのでちょっと不安に思うところもありましたが、ほかを引き離すヒロイン力の高さだと思えました。

初キスも初告白も久遠が最初という事実に、無意識に優遇しまくっていることにようやく気が付きました。だけど初Hは小雪が上な! あとあったのはナツミが先!

ベルも少し優遇したいですけど、さてどういった方面で優遇するか。・・・一番ネタキャラだからなぁ・・・
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