ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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京都大決戦、始まります!!

 

 イッセーたちを巻き込んだ京都の大混乱は、終幕に向かおうとしていた。

 

 下手人の名は禍の団英雄派のリーダー、曹操。

 

 同盟の三国志のあれの末裔とかいう男は、九尾のキツネを使って、京都で実験をするといってきた。

 

 しかもあろうことか、実験場をバラしてイッセーたちを指名する。

 

 ゆえに、俺も当然そこに行くことになり、追加メンバーとして匙と久遠も選ばれた。

 

「・・・悪いけど、私はもう少し時間がかかるわ」

 

 アーチャーが地図を確認しながらそう告げる。

 

「京都の力の流れに影響が出てきたわ。当分そちらに集中するから、すぐには駆けつけれそうにないわね」

 

「わかった。あいつらの実験を阻止することも重要だからな。そっちは任せる」

 

 アザゼルはそういうと、俺の方に視線を向ける。

 

「宮白。現地のメンバーの指揮はお前に一任する」

 

「ああ」

 

 第一ラウンドではイッセーがそこそこ指揮を執ることができていたようだが、俺に振るか。

 

 その様子をみて、匙が首を傾げた。

 

「あれ? 兵藤もそこそこできてたって言ってた気がしたけど、宮白に一任なんですか?」

 

「まあそうなんだが、何が起こるかわからない以上、宮白のほうがリアルタイムで的確な対処ができそうでな」

 

「試しに聞くけど、宮白があの状態ならどう指示してた?」

 

 アザゼルの言葉を聞いてイッセーがそういってくる。

 

 そうだなぁ。

 

「アーシアちゃんの護衛は木場に任せるな。魔剣の広域展開ができ、機動力でピカイチの木場なら、壁を張って全方位防御することも、やばいと思ったらかかえて即時撤退することもできる」

 

 アーシアちゃんを護衛しなれているゼノヴィアというのも間違っちゃいないが、光の攻撃を多用するというのなら木場のほうが的確だろう。

 

「切り込み隊長は比較的影響の少ないイリナ。イリナが切り込んで戦線が乱れたところをイッセーとゼノヴィアで殲滅・・・といったところか」

 

「「「「「おお」」」」」

 

 まあ戦闘能力が大幅に落ちているゼノヴィアを警護につけるというのも間違ってはいないが、木場ってこういうと護衛向きの人物だからな。

 

「まあそういうことだ。おまえ元から参謀向きなんだからその辺任せる」

 

「あいよ」

 

 まあそういうのは得意だ。

 

 ・・・とりあえず地下の見取り図を調べて真下からドラゴンショットとデュランダル+アスカロンでも叩き込んでから龍王で仕掛けよう。

 

 解析魔術用の礼装は作ったから、下水道から狙えるはずだ。さすがに規模が規模だから多少の被害は許してもらえるだろう。

 

 まってろよ、英雄派ども・・・っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・痴漢の原因がイッセーにあったとは思わなかったぞ」

 

「俺も、これはないと思う」

 

 俺とイッセーは、心底溜息を着いた。

 

 ある意味最高のタイミングで、イッセーから飛び出た可能性が戻ってきた。このタイミングでこれはものすごい空気が読めているし、是ならパワーアップとかもありえそうだ。

 

 だが、残念なことに問題がある。

 

 ・・・飛び出た可能性は、無差別に人に取り付いて、胸に対する執着心をものすごい高めて回っていたらしい。

 

 つまり、京都で多発していた痴漢の原因だ。

 

 ・・・常人なら痴漢を我慢できない位乳がすきなのか、お前。

 

「ま、まあ、京都を発つ前に見つかってよかったじゃないか」

 

「ああ、デュランダルも戻ってきたし、決戦前というタイミングでなら最高の状況だろう」

 

 剣士二人がそうフォローしてくるが、しかしこれはない。

 

 お前もうちょっと何とかならなかったのかよ。

 

「・・・とはいえ、宮白くんも準備が抜群よね。私別の意味でドキドキしてきちゃったわ」

 

「確かになぁ。お前、準備がいいっていうかどこで用意してきたんだよ」

 

 ちょっとはしゃいでいるイリナや、少しあきれている匙の言葉を聞きながら、俺はハンドルを握る。

 

 今俺たちが乗っているのは、装甲車だ。

 

 装甲車型魔術礼装、アーマード・バスタード。

 

 設計段階から魔術を盛り込むことによって、驚異的なステルス性を発揮し、目視では相当近くにいないと認識できず、音も把握できない。

 

 さらに、以前から研究していた魔術による科学技術管掌も本格運用。各種センサーに対するステルス性も非常に抜群という優れものだ。

 

 さらに走行そのものも錬金術を駆使して発達し、重量軽減魔術もかけているので、桁違いの頑丈さと桁違いのスピードを持つ。

 

 その気になれば時速200kmは出せるし、戦車の砲撃にもびくともしない。

 

 ・・・乗り物を待っている時間がもったいないし、これなら攻撃を無視して突っ込めるので使用したわけだ。

 

 さらに兵員輸送部分には魔術をしっかりかけているので、強制転移に対する対策も万全。

 

 移動中に絶霧で飛ばされる可能性も全くないという寸法だ。

 

 ちなみに宝石魔術を利用した大型攻撃ユニットも搭載しているので、ちょっとした要塞と言っても過言ではなかったりする。

 

 ちなみに運転しているのは俺だ。免許は取ってないが、自衛隊のコネクションを利用することで装甲車と軍用ヘリの運転位は可能になっている。

 

 ちなみに認識阻害は万全なので、警察に何か言われることは全くない。

 

「なんか前世《昔》の戦闘を思い出すかなー。あ、兵夜くんそこ左ー」

 

 隣で久遠が地図を形に道を教えてくれる。

 

「あんがとな。・・・免許取ったら車買うし、そのとき遠出でもするか」

 

「その時も地図みるよー」

 

「「戦闘前なんだからいちゃいちゃすんなよ!!」」

 

 半分本気でそんなことを言い合ってたら、後ろからダブルドラゴンにツッコミを入れられてしまった。

 

 まあいい。そろそろつくだろうし気合を入れなおすか。

 

「・・・作戦は分かってるな。八坂どのを発見したら、騎士にプロモーションしたイッセーと匙が本気モードで突貫してかっさらう」

 

「で、二人がホテルまで運んでる間に足止めだよねー」

 

 そう、俺たちは真正面から挑まない。

 

 敵の戦力が全く分かってない状態で、不用意にぶつかるのは非常に危険だ。

 

 こちらは誘拐された八坂どのを救出することが目的なんだから、わざわざご丁寧に相手をしてやるまでもない。

 

 ゼノヴィアの真武装もぶっつけ本番なんだからあまり頼るわけにはいかないし、その辺を考えるとやはり時間稼ぎに終始するべきだ。

 

 一撃離脱でさっさと帰る。それに越した事はない。

 

「向こうも不用意に一般人に姿を見せるわけにはいきませんし、距離を取る事が出来れば実質逃げることは容易でしょう。後詰めは私がやります」

 

 ベルが、地図を確認しながらそう告げる。

 

「ケガをしたときは私が治しますけど、無理はしないでくださいね?」

 

 アーシアが心配そうにそういうと、ベルは微笑を浮かべてうなづいた。

 

「大丈夫ですよ。最終日にもう一度お茶と和菓子を食べに行かねばならないのですから、実質無茶をする気はありません」

 

「お? 良い兆候が見えて来たじゃねえか」

 

 俺はついそう漏らしてしまう。

 

 普段のこいつだったら、もっとくそまじめに反していたと思うのだが、どうやら抹茶と和菓子のコンボを食らったようだ。

 

「・・・・・・・・・は! ま、待ってください! い、今のは約束したのだからといういみで、実質抹茶の苦さの後にお菓子食べると美味しいとかそういう意味では実質なかったり」

 

「いやいや、別に良いじゃないですか」

 

 慌てまくるベルの方に手を置きながら、イッセーがいい笑顔を見せる。

 

「ミカエルさんだって喜びますよ。ベルさんが毎日楽しんでいった方が」

 

「・・・そ、そうですか?」

 

 なんかおびえてるような表情をベルは浮かべるが、イッセーは胸を張って断言した。

 

「だって、宮白が俺の事だけ考えて自分の事全く気にしてなかったら嫌ですから!」

 

 ・・・なんか照れるな。

 

 そして、ベルは何やら顔を真っ赤にするとうつむきながら、

 

「・・・抹茶と和菓子の組み合わせがおいしかったので、今度茶道部にお邪魔したいんですが、実質手伝ってもらえないでしょうか?」

 

 とだけいった。

 

 やれやれ。

 

 まあ、それなら手伝っても問題ないか。

 

 まあ交渉の場に引きずり込むぐらいなら何とかなるだろう。そのあとはベル次第だ。

 

 俺はそう伝えようとして、

 

「兵夜くん、前ー!!」

 

 久遠が声を上げるのと、装甲車が霧に包まれるのは同時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霧が晴れた瞬間、人も車もなくなっていた。

 

 ついでに言えば空の様子もおかしい。

 

「・・・やられたね。どうやら彼らが実験を起こすのは京都を模したフィールドと言う事か」

 

 外の様子を伺いながら、木場がそうつぶやく。

 

 おそらく次元が違うだけで、京都と密接にリンクしている空間なんだろう。

 

 黒魔術や呪術に近いな。似た姿を用意することで魔術的にリンクしているのだろう。

 

 京都の方で動いている連中はおとりと言う事か。

 

 そして俺たちはゲストとしてご招待ってことかよ、なめてくれる!

 

 くそ! これじゃあ逃げても意味がない!

 

 と、いうか転移対策してても転移されたよ! 神滅具怖い!!

 

 作戦が台無しじゃねえか!! やばいぞこの状況下は!!

 

「全員! 作戦変更だ! こうなりゃ難易度は上がるが曹操を叩き潰して人質作戦で脱出をー」

 

 振り返って呼びかけた瞬間、目の前に刀身が表れた。

 

「・・・はい?」

 

 目が点になるが、これは刀じゃなくてやりだな。

 

 ・・・ランサー!?

 

「・・・行って下さい!!」

 

 ベルがそう叫ぶと、瞬間移動で車の外に出る。

 

 次の瞬間には槍が引っこ抜かれた。

 

『・・・急いで曹操か八坂を確保して下さい!! こいつは私が食い止めます!!』

 

 頭の中に声が響いて、そのまま轟音が響き渡る。

 

 くそっ! 確かに足止めを食らっている場合でもない!!

 

 俺は設置したスピーカーを起動させながら声を張り上げる。

 

「ベル!! おそらく刀身に影響がでるタイプの宝具だ! クロスレンジに持ち込んで格闘に持ち込めば有利だ!!」

 

 奴の戦闘能力はそこまで高くない。ベルなら足止めはいけるか!!

 

「こっちが曹操か八坂どのを確保するまで時間稼ぎに徹しろ! 人質作戦で令呪で動きを止めさせる!!」

 

『了解しました・・・って噛みつかれて実質痛いんですが!?』

 

「耐えろ!!」

 

 っていうか早いな!

 

 はずれサーヴァントにもほどがあるな。日本出身の知名度補正はどこ行った!?

 

「宮白! ベルさんは助けなくていいのか!?」

 

「正直アレの能力ならベルで充分だろ。足止めに徹すれば負けることはまずない」

 

 たぶん戦略的には最弱のサーヴァントじゃないだろうか?

 

 おっかしいなぁ。日本出身なら知名度補正でステータスが上がっても全然おかしくないんだが。

 

 などと言い合いながら城に突っ込んで突入する。

 

 まってろ曹操! 時間がないからさっさと片付ける!!

 

 




兵夜が足を用意したので、九重は追いついていないのでそのまま出発です。

あっさり転移されましたが、個別に転移させることはできなかったのでそこそこ役には立っている新兵器。腐ってもアーチャーとアザゼルの合作なだけあります。

そしてネタバレしますと、兵夜は致命的なミスをしました。またやらかしました。

ヒントは活動報告とこの作品におけるサーヴァントの絶対条件。さすがに最後のファクターは気づかれない自信はありますが、ある程度は予測可能です。




なお、次の章で新キャラが登場します。いろいろ特殊な予定なのでご注目ください。

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