ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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恐ろしいほどに固有結界の詠唱が評判悪くてびっくり。

無限の剣製の詠唱が生き様というか人生を現している詠唱だから、それを参考に兵夜の半生を参考にした詠唱のつもりだったのだが、まさかここまでドン引きされるとは。詠唱シーンは今後キャンセルする方針で行かないとだめか。





・・・まさか、偽聖剣の強化形態の詠唱は真女王風で似た感じにする予定だったとは思わなかっただろうなぁ。大至急方針変換しないと。


逆転タイム、スタートです!!

 

 我ながら、ちょっとテンションが上がっている。

 

 ダメージがデカいはコクりはしたは、挙句の果てに固有結界。これどう考えても反則だろう。

 

「大丈夫ですか兵夜さま? 実質すごい顔色ですけど」

 

「ああ、大丈夫大丈夫。・・・あいつらボコる分には何の問題もない」

 

 ベルに心配されるほどじゃない。

 

 目の前の曹操たちの一泡吹かせるぐらいは十分できる。この能力、使いこなせば戦局をひっくり返すことぐらいは簡単にできるからな。

 

 固有結界。術者の心象風景を具現化する大魔術。魔術師の一つの到達点にして、最も魔法に近い魔術。

 

 アーチャークラスの魔術師なら、心象風景を具現化した結界を作ることは不可能ではないから魔術扱いだが、身一つでこれと同じものを作り出せる魔術師は存在しない。

 

 その危険度を真に理解しているのはフィフスだけだが、曹操たちも警戒はしているようだ。

 

「・・・ジークフリート。挟み撃ちでさっさと殺すぞ!!」

 

「はいはい。僕たちとしてはもっと楽しみたいけどね!!」

 

 魔槍と魔剣の共演か。確かに普通は恐ろしすぎるところだが、今は違う。

 

「あいにく―」

 

 俺は魔力を込め、狙いを定める。

 

「―お前らは戦力外だ」

 

 俺が言い切ると同時に、全身から血を噴出して二人は倒れ伏した。

 

 ハイ、まずは二人。

 

「・・・ジャンヌ、ヘラクレス!!」

 

 曹操が声を挙げるのに合わせてさらに2人動く。

 

 踏み込みも早い、行動も速い。そして反応も迅い。

 

 だが、今の俺の前には回避できない速度まで高めることはできない。

 

 素早く後転して回避すると同時、ベルが前に出る。

 

「甘いわよお姉さん!!」

 

 ジャンヌがカウンター気味にドラゴンを差し向ける。

 

 聖剣はすべて対光力用に設定しているようだ。ベルとの戦い方をよく理解している。

 

 だが、それも甘い!!

 

「実質、その程度では止められませんよ!」

 

 気合い一閃。戦装飾を身にまとったベルは、拳一発でかちあげた。

 

 さらに、空中でドラゴンの落下速度が空中で静止する。

 

 恐ろしいレベルの念動力だ。吹っ切れて覚醒でもしたか?

 

 その隙をついて、ベルは二人に迫った。

 

「おいおいおい! あっさり完封されてんじゃねえか、何やってんだよ!!」

 

「嘘でしょ!? あの子を空中で止めるなんてアリ!?」

 

 度肝を抜かれる二人だが、その油断が命取りだ。

 

「・・・実質、隙だらけですよ!!」

 

 全身から極光を放ちながら、ベルが狙いを定める。

 

「上等だ姉ちゃん! 相手してやるぜ!!」

 

「いや、さすがにこれは私はやばいわね―」

 

 ヘラクレスは真正面から受け止める構えで、ジャンヌはあわてて後退しようとする。

 

 が、今のベルの前には意味がないし、ジャンヌの後退は俺が食い止める。

 

「喰らいなさい!!」

 

 ガードも後退も間に合わず、ヘラクレスとジャンヌは思いっきり吹っ飛ばされた。

 

 そのままの勢いでベルは曹操へと突貫。

 

 が、曹操は一瞬だけその姿を消す。

 

 おれとの戦いで見せた見るという認識を掻き消す能力か。

 

 だが、甘い。

 

 俺は光魔力を展開すると、ベルの右斜め後方に向けて発射する。

 

 攻撃を入れる直前だった曹操が、あわててそれを弾き飛ばした。

 

「バカな、読んだだと!?」

 

「読んだんじゃなくて、知覚したんだよ」

 

 驚く曹操に俺は告げる。

 

 これが、俺の固有結界の能力。

 

 固有結界内のありとあらゆるものを強化する。

 

 今は全く自由自在には使えないが、魔剣や魔槍の呪いといったわかりやすいものや空気抵抗ぐらいなものすごく強化することができる。

 

 そして、強化する対象の認識しなければ使えない魔術の特性上、驚異的な知覚能力を俺に与えてくれる。

 

 まさに、固有結界にふさわしい強大な能力。これが、俺に秘められた力の本質・・・!

 

 いずれこれ以上に使いこなして見せるが、今は曹操たちの撃破が最優先だ!!

 

「く・・・っ! ゲオルグ、取り押さえろ!!」

 

「わかっている!!」

 

 黒い霧が俺とベルを包み込もうとする。

 

 おれを転移させて無力化するつもりだろうが、そうはいかない!

 

「ベル!!」

 

「はい!!」

 

 ベルの強化を集中し、彼女の空間転移能力を速やかに強化。

 

 俺とベルは、霧の範囲外に転移した。

 

 さあて、そろそろ魔力がつきそうだが、イッセーはイッセーで頑張ってる頃だろうかねぇ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は、もう割と本気で泣きたくなりながらもランサーを倒すと決意した。

 

 俺の仲間を操って、俺の仲間に殺させようとする奴を許してなんておけるかよ!!

 

 なにより・・・っ!

 

「おっぱいおっぱいいう先輩との別れの不満、全部まとめてぶつけてやらぁあああああ!!!」

 

「知るかぁあああああああああっ!!!」

 

 全力で放たれたこぶしを、ランサーは大慌てで避ける。

 

 からぶった俺の拳はしかし、GSに当たって思いっきり殴りたすことになった。

 

「ざっけんなバーカ! お前みたいなやつの相手なんてしてやれるか!! もっと弱いやつ殺して血を飲む生活続けるんだよ!!」

 

 ランサーはそう捨て台詞を吐きながら、全力で後ろに走っていく。

 

 なめんな、逃がすと思ってんのか、ああ!?

 

「モードチェンジ! 龍星の騎士(ウェルシュ・ソニックブースト・ナイト)!!」

 

 分厚くなっていた装甲が逆に極限まで薄くなり、背中に大量のブースターが接続される。

 

 一瞬だけためて、俺は一気にランサーへと追いついた。

 

「ランサぁあああああ!!」

 

「ちょ、ちょっと待てぇええええ!?」

 

 ランサーは小刻みに動きながら逃げ回るが、今の俺なら十分追いつける。

 

 ドラゴンショットを連発して逃げ道をふさぎ、俺はランサーに組み付くとそのスピードを利用して、上空へと投げ飛ばした。

 

 さあ、とどめと行くぜ!!

 

「喰らいやがれ、龍牙の僧侶(ウェルシュ・ブラスター・ビショップ)!!」

 

 鎧そのものは元の形へと戻り、だけど全く違うものが背中にできる。

 

 それは二門のキャノン砲。僧侶の力を砲撃に特化させた、先龍帝の破壊の力だ。

 

 俺は、部長や朱乃さんみたいに得意な属性なんてない。ロスヴァイセさんみたいにいろいろな魔法を使いこなすことなんてできない。宮白みたいな小細工なんて全くできない。対女用セクハラ能力特化とか、冷静に考えると確かに変態扱いされても文句は言えない。

 

 だけど、ためて撃つだけなら俺でもできる。

 

 これはそのための力だ。

 

「ま、待って待って待って待って待って待って―」

 

「待つかぁあああああああああああっ!!!」

 

 ためらう必要なんてない! これで止めだ!!

 

「ドラゴンブラスタァアアアアアアアアアアッッッ!!!」

 

 本気で踏ん張りながら、打ち上げたランサーにとどめの一撃をぶっ放す。

 

「クソ、クソクソクソ、思うぞんぶん殺して血ぃ吸い尽くせると思ったのに、そりゃねえだろぉおおおおおおおお!?」

 

 絶叫しながら、ランサーは跡形もなく消滅する。

 

「・・・誰がてめえの好きにさせるかよ、クソ野郎!!」

 

 もうこれ以上顔も見たくない。

 

 宮白は大丈夫か・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 




今回はキリがよかったので短めに。


・・・そして全く使いこなせていない状況下で無双状態の命の水。

正しい使い方は味方の強化と感知能力を生かした指揮系サポート能力なのですが、そこは搦め手重視の兵夜。譲渡の存在があるので考えもせず対人嫌がらせ戦術に走っています。

こと、肉体に悪影響を及ぼすデメリット持ちの能力使いに対してはまさに鬼門。魔剣の呪い受けまくりのジークフリートにとっては下手なドラゴンにとってのサマエル並みに凶悪な相性差を発揮しました。



そしてあっさり退場のランサー。いや、ベル攻略のためにキャラ付けしたはいいのですが、そこからのストーリーがどうにも組み立てられなくて。一発屋になってしまいました。ランサー不遇の歴史は結局は変えられなかったということか!

残るバーサーカーはもう少し長く生き残らせたいところだがさてどうなるか。ちなみに、マスターはあっと驚く人物を予定しております。

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