ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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最近非常に筆が乗らないせいで遅れてしまいました。

たぶんいろいろと遅れるでしょうがご了承ください


紅き龍の王道

 

「じゃあとっととくたばりやがれこれが!!」

 

 そうフィフスが言い放つと同時に、後ろのエドワードンがミサイルを一斉に放つ。

 

 俺はイーヴィルバレトでそれを撃ち落しながら、次の攻撃を警戒する。

 

「これぞ意気揚々の戦い! 戦いの血と魂が戦を生み出す!!」

 

 と、真正面からバーサーカーが突進する。

 

 たしかバーサーカーの狂化って言語能力に影響が出るんじゃなかったっけ?

 

 などと思うがとりあえず光魔力の槍を正面からたたきつける。

 

「まずはあいつを片づけるわよ! 一斉攻撃!!」

 

 部長たちも突出しているバーサーカーに向かって、一斉に攻撃をぶちかます。

 

 これだけ喰らえば最上級悪魔クラスだろうとただでは済まないはずだが、バーサーカーは平然と突破した。

 

「敵意こそ戦う力な我!! 不滅な我は敵意とともに!!」

 

「ちょっとバーサーカー、しゃべり過ぎよ!!」

 

 レイナーレがツッコミを入れる中、バーサーカーは剣を振り上げて俺に切りかかる。

 

 まあ食らう程バカではないので素早く後退する。

 

 と、その背中に静かに手が置かれた。

 

「・・・油断大敵だな、悪魔よ」

 

 とたん、衝撃が直接体内に叩き込まれる。

 

「ぐ・・・っ!」

 

「我が鎧通のハサンの拳は、衝撃を相手に通す。・・・その程度の鎧など意味がないと知るがいい」

 

 アサシンが後ろから回り込んでやがったか!

 

 ええい、乱戦状態で大量のアサシンとか厄介以外の何物でもない!!

 

 俺は素早く空を飛んで追撃を避けるが、そこにエルトリアが現れた。

 

「あなたも全裸にしてあげるわぁん!!」

 

「気を付けるんだ宮白くん! その女のアーティファクトは相手の衣服を破壊する!!」

 

「しかも誰もが習う初級魔法で、遠距離攻撃が可能だ!!」

 

 木場とゼノヴィアの声に俺は戦慄した。

 

 なにそのイッセーの上位互換!! 久遠のいた世界は大丈夫か!?

 

 っていうかそれどう考えても俺の天敵!!

 

「あ、当たってたまるかぁあああああああああ!!!」

 

 分身まで出して全力でかわす。

 

 せ、戦闘中に全裸なんて意地でも勘弁だ!!

 

 そもそも強化武装の大量運用が基本の俺にとって、武装解除なんて脅威以外の何物でもない!!

 

 逃げる! 全力で逃げる!!

 

 そして逃げた先にはエドワードンがいた。

 

「・・・あ」

 

 は、嵌められた!?

 

 目の前でビーム砲が発射されそうになったその瞬間、俺の体は突然何もないのに引っ張られる。

 

 そのおかげでかろうじて躱せた。危なかった。

 

 と、思った瞬間俺の顔が柔らかいものに埋まる。

 

「兵夜さま! ご無事ですか!?」

 

「べ、ベルか!? いったいどうやってここに!?」

 

 いや、この状況下でぱふぱふされるのはちょっと恥ずかしいんだが!?

 

「ご主人がカッコいいところ見せたたのに黙ってみてるわけにもいかなかったんでな。・・・ベルフェゴールと瞬間移動能力と座標攻撃能力全部使って助けに来たんだよっと!」

 

 後ろからナツミまで抱き付いてきた。

 

 ・・・まて、座標攻撃って小雪のあれだろうけど、あれ反動がひどかったんじゃないだろうか?

 

「あ、小雪から伝言。『ファックなことにここまでだから、あたしの分までフィフスをボコれ』だってさ」

 

 小雪ぃいいいいいいいいい!! ありがたいけど無茶しやがってぇええええええ!!

 

 だ、だがこれで戦力は増えた!! これならいけるか!?

 

「なかなか面白いことになってるわねぇん! あなたも向いてあげるわぁん!!」

 

 は! 気を取られていたら後ろからエルトリアが猟犬を連れてこっちに来やがった!!

 

 ナツミがターゲットにされている!?

 

「に、逃げろナツミ!!」

 

「え? なんで?」

 

 全裸にされるからに決まってるだろうがぁあああああああ!!

 

 ツッコミを入れるより早く、エルトリアが武装解除を行う。

 

 まずい!? ナツミが裸に―

 

「だから大丈夫だって」

 

 ―ならない!?

 

「この状態なら肌と一体になってるようなもんだから、脱ぎようがないもん」

 

「「なんと!?」」

 

 思わずエルトリアと一緒に驚愕してしまった。

 

 それ服じゃなくて毛皮ってことか! なるほど、それなら脱げない。

 

「そゆことだから、兵夜はベルと一緒にほか行って! こっちは―」

 

 いうと、ナツミはベールフェゴルからグレゴリーへと変化する。

 

 全身の宝石が光り輝き、エルトリアが放った魔力攻撃を全弾撃ち落とした。

 

「・・・この裸族の相手をしっかり務めておくからよぉ!!」

 

 マジで頼れるぜ俺の女は!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここは、どこだ?

 

 ふと気づくと、暗闇の中にいるみたいだった。

 

 何とかしなくちゃいけないとは思っても、どうしてもたちがる気になれなかった。

 

 ・・・なんで、あんなタイミングでレイナーレが出てくるんだよ。

 

 もう終わったことだと思ったのに、過去が全力で追いすがってきやがった。

 

 今更になってようやく気付いた。

 

 俺は、女性と恋愛関係になるのが怖いんだ。

 

 騙されるのが怖い。掌返しされるのが怖い。デートしててもつまらないと思ってるんじゃないかって思ってしまって怖い。アプローチしてくるのが実はただからかってるんじゃないかって思ってしまって怖い。

 

 なにより、自分が嫌われてるんじゃないかって思ってしまって怖い。

 

 情けない話だよ。誰よりも女体を求めてる俺が、実は女のこと仲良くなるのが怖いだなんて。

 

 ・・・初めての彼女だったんだ。初めてのデートだったんだ。生まれて初めての恋愛だったんだ。

 

 だけど、全部嘘っぱちで、本心からつまらないといわれて、そしてアーシアにひどいことして、俺もアーシアも一度はあいつのせいで死んで。それで部長に殺されて、それで終わりだと思ってた。

 

 だから、まだ生きてることを知って怖くて怖くてたまらない。

 

 あの顔を見るだけで思い出す。

 

 あの声を聞くだけで思い出す。

 

 ・・・俺は、弱い。

 

 そういう意味じゃフィフスの言うとおりだ。

 

 ハーレム王になれると聞かされて頑張ってる時点で、あいつの言う通り俺は弱いんだろう。

 

 それが子供のヒーローだなんて笑わせる。そんなんだからレイナーレにあっさりやられるんだ。

 

 気づけば、宮白たちがフィフスたちと全力で戦っていた。

 

 だけど、俺はとてもそんな気にならない。

 

 おれなんかが頑張ったって、結局何にもなりはしないんじゃないかって思ってしまう。

 

『らちが明かないわね。とりあえず、前の因縁だけは終わらせてもらおうかしら』

 

 戦闘にいらだったレイナーレが、光の槍を俺に向かって投げつける。

 

 あれを喰らえば、楽になるんだろうかと思ってしまう。

 

 いや、きっと楽になれるだろう。

 

 こんな弱い俺が至って、きっと何にもならないのだから。

 

 そう思ったとき、目の前に立ちふさがる人影があった。

 

『やらせん!!』

 

 ゼノヴィアが、エクスデュランダルで光の槍を迎え撃つ。

 

 拮抗した攻撃は爆発して、悪魔であるゼノヴィアの体を痛めつけたけど、それでもゼノヴィアが迎撃しきった。

 

『邪魔しないでくれるかしら? そうすれば楽に殺してあげるわよ?』

 

『バカげたことを。どこの世の中に惚れた男をむざむざ殺させる女がいる』

 

 ダメージでふらつきながらも、ゼノヴィアはしっかりとエクスデュランダルの切っ先をレイナーレに向ける。

 

 そして、向けられたレイナーレに消滅の魔力と雷光が叩き込まれる。

 

『自分の不始末でイッセーを殺させたりはしないわ!!』

 

『そう好きにはさせませんわよ!!』

 

 部長と朱乃さんが放つ攻撃を、しかしレイナーレはやすやすと翼で弾き飛ばした。

 

 弾き飛ばされた魔力が部長たちを襲うけど、部長たちは自分たちの体を楯にして俺を守る。

 

 やめてくれ!

 

 おれなんかのために部長たちが傷つくことなんてない!!

 

『・・・隙あり』

 

 そんな部長たちに注意を向けていたレイナーレは、後ろから襲い掛かってきた小猫ちゃんの攻撃をあわててかわす。

 

 それで攻撃が止まったタイミングで、アーシアが部長たちを回復させた。

 

『しぶといわね。・・・ええ、本当に面倒だわ』

 

『当然でしょう? なんであなたたちにやさしくしなければならないのかしら』

 

 にらみ合う部長たちとレイナーレ。

 

 その時、ふとレイナーレが苦笑した。

 

『そんな弱い赤龍帝がそんなに大事なのかしら? ・・・探せばもっといい男がいくらでもいると思うけれど』

 

 ・・・っ。

 

 そう、だよな。

 

 部長たちはみんないい女だし、探せばもっといい男がいっぱいいるはずだ。

 

 そんな部長たちをハーレムに加えたいとか、俺って本当に情けない―。

 

『フィフスにしてもあなたにしても、男を見る目がないようね』

 

 え?

 

『イッセーは確かにスケベで、そしてフィフスの言う通りハーレムを作る努力が足りなかったのかもしれない。・・・だけど、それは決して弱いなんてことにはならないわ』

 

 部長はボロボロになった服で、だけど威厳を損なわない。

 

『そうですわね。人を本質で見るその心は、決してあなた方には理解できないでしょうし、評価できないのも仕方がありませんわね』

 

 朱乃さんが、レイナーレをあざけるようにそういいながら、倒れたままの俺の体を抱き寄せる。

 

『うむ。そして仲間のためならばミカエル様にも直談判するその強さ。これが弱いなどと笑わせるな』

 

 デュランダルを構えながら、ゼノヴィアも決して逃げ出さない。

 

『イッセー先輩の強さは、あなたたちの思う強さとは全くの別物です。・・・私たちは、そんな強さがほしい』

 

 猫又モードを展開しながら、子猫ちゃんも俺に仙術をかける。

 

『レイナーレさま。私たちは、あなたたちが求めるものとは別の道を進んでいます』

 

 そして癒しの力をかけながら、アーシアが俺を抱き寄せた。

 

『そしてその先にいるのが、イッセーさんなんです』

 

 ・・・皆。

 

『どうしたイッセー!! ここまで言われてまだ倒れてんのかお前は!!』

 

 エドワードンの攻撃をさばきながら、宮白が俺に向かって声を張り上げる。

 

『お前にはお前の強さがあるだろう。弱くても、まっすぐにものを見て、止まりながらもしっかり進んできたお前の強さは、決して嘘をつかないはずだ!!』

 

 よそ見をしながらだから攻撃を喰らいつつも、だけど宮白は俺に声をかけ続ける。

 

『俺が強いのはお前が強いからだ。俺が信じるお前の強さ、その盲目どもに見せてやれ!!』

 

 ・・・俺を、信じてくれるのか?

 

『そうだ! イッセーくんは決して弱くなんかない!!』

 

『イッセー先輩がの強さがあったから、僕達はここまでやってこれました!!』

 

 木場・・・ギャスパー・・・っ!!

 

『どうしたのだ兵藤一誠。お前を待つものがこんなにいるんだぞ?』

 

 フィフスと真っ向から打ち合いながら、サイラオーグさんが静かに声をかける。

 

『立って見せろ。お前は、冥界の期待を背負うだけの男だろう?』

 

 俺は・・・俺は・・・俺は!!

 

 見れば、俺の目の前に歴代赤龍帝の姿があった。

 

「待っているぞ、覇を見せる時が来た」

 

「そうだ、あの堕天使を破壊するのだ」

 

「天龍を軽んじるあいつらに、真の力を見せる時が来た」

 

 ・・・なるほど。どうやら俺が覇龍を使うと思ってるのか。

 

「・・・すっこんでろ」

 

 ハッキリ言ってやると、目の前の歴代たちは目を見開いた。

 

「なんだと?」

 

「あんな力で勝ったって、俺が強いなんて話にゃなんねえよ。俺が使うのは、もっと違う力だろうが」

 

 そう、俺が使うのは覇の力なんかじゃない。

 

 あほなことをいって成仏していった二人を思い出す。

 

 そう、俺は覇と違う形で赤龍帝の力を引き出すと誓ったはずだ。

 

 フィフスの強さは覇の強さだ。俺はそう思う。

 

 だから、フィフスに弱いといわれることは別に何の問題もないんだ。

 

 俺は、あいつとは違う強さで戦わなきゃいけないんだから。

 

「俺が戦うのはいつだっておっぱいの力だ。エロでスケベでいやらしくて、だけど、だから俺はここまでやってこれた」

 

 そして、そんな俺のことを皆は大好きだって言ってくれる。

 

 今でもちょっと不安だけど、だけどもう迷わない。

 

 ・・・待っててくれ、部長、アーシア、朱乃さん、子猫ちゃん、ゼノヴィア!!

 

「行くぜぇえええええ!! 赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)、オーバーブースト!!」

 

 今なら言える。

 

 俺は、みんなが大好きだ!!

 

「そんな馬鹿な! 赤龍帝の力は覇の力だ!! 覇道でない天龍など―」

 

「勘違いしてんじゃねえよ先代!!」

 

 どうにも勘違いしてるやつらが多いから、俺ははっきりと言ってやる。

 

 俺は覇じゃない。天龍なんてたいそうなもんじゃない。

 

 そうー

 

「俺は乳龍帝おっぱいドラゴン! 子供の夢と素敵なオッパイを守る、いやらしい龍の帝王だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 




次回、 イッセー復活!!




レイナーレを絡ませてイッセーの負の側面を爆発させたので、復活は同じぐらい劇的にしてみました。仲間の声を受けて立ち上がる主人公って燃えません?


周りを利用し上り詰めていく個の力で戦うフィフスに対し、仲間と肩を支え合って這い上がっていくのがイッセーということです。

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