ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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来客、大物です!

 昇格試験の勉強をしていると、ふと気になることが出てきた。

 

 妖怪についての項目で、猫又や化け猫の類の発情期についての資料が出てきたのだ。

 

 ・・・そういえばナツミって化け猫だよな?

 

「あれ? 兵夜まだ勉強中?」

 

 しかもそんなタイミングに限って現れたよこの子。

 

「よ、ようナツミ。どうした?」

 

「お夜食持ってきたよ~」

 

 おお、なんか不格好だがおにぎりがいくつかできている。

 

 不揃いだが何だか気合入ってる感じだ。これってまさか!?

 

「お前が作ったのか?」

 

「うん! 使い魔だからご主人様のために頑張ったよ!!」

 

 ほめてといわんばかりに頭を差し出してくるので、俺は苦笑しながらその頭をなでる。

 

 こいつがこんな方向で頑張るとか、俺愛されてるなぁ。

 

「ねえねえ兵夜? ボクになにかできることある?」

 

「え? えっと・・・」

 

 ・・・よし、ちょっと聞こう。

 

「な、なななナツミ!?」

 

「どうしたご主人? 顔真っ赤にして」

 

 こ、これはあくまで試験のための参考資料!!

 

 決して発情期のタイミングを把握してエロいことをしやすくしようだなんて馬鹿なことは考えてない! 考えてないぞ!!

 

「ば、化け猫って発情期あるらしいけど、ナツミはあるのか!?」

 

「え? あるよ」

 

 あっさり言われた。

 

「・・・へー? ほー? ふぅん?」

 

 しかもものすごい上から目線!!

 

「そっかそっか? 仕方ねえよなぁ試験に出るんだから調べねぇと。・・・そのあとイヤンなことしてもいいよね~っと!」

 

 わーい読まれてるよ!!

 

「ふんふん? それで? ボクにどんなことしたいの? イッセーの本で知ってるからやってあげるよ?」

 

 イッセー! 今度からお前のエロ本隠ぺいは俺が責任をもって行わせてもらう!!

 

 ナツミになんてことを!! なんてことを!!

 

「にゃ~んっと」

 

 と、ナツミが俺に抱き付いてきた。

 

「どうよご主人? ツルペタボディに見えて意外にあるだろ?」

 

 ・・・なるほど、年齢が年齢だから意外とあるようだ。

 

「これでもボクの家系は合法ロリが多い家系だからね。小猫にゃ悪いがロリ属性で攻めることができるってわけよ?」

 

「お前そのポジション狙ってんのか!?」

 

 女性としてそのポジションを積極的に狙うのはいかがなものかと思いますが!?

 

「つったってナイスバディは小雪とベルで充分だろ? 久遠も胸も背も小さい方だけどまだ成長しそうだし、こうなったらそういった属性で行こうと思ってるんだけど・・・ダメ?」

 

 小悪魔みたいな表情でそんなことを言われてしまう。

 

 い、嫌かどうかといわれると・・・。

 

「・・・ロリもいけるので大丈夫だけど」

 

「前から思ったけど、兵夜って節操なしじゃない? 性癖ってどんな感じなのさ」

 

 お前聞いといてその回答はなくね!?

 

「うるせえよ!! ええ俺はその辺節操なしだよ!! 特定ジャンルにはこだわってるけどお前に言うと絶対からかわれるから絶対言ってやらないからな!!」

 

「おいちょっと待てご主人!! どうせならリアルで見てみたいと思わねえのか!! そりゃあんまりひどいのならやらねえけど、ちょっとやそっとのアブノーマルなら試してやっても構わねえんだぞ!?」

 

「しなくていいから!! フィクションで十分だから!!」

 

 割と本気でシャレにならないから絶対避けないと何されるかわからんのだよ!!

 

 コスプレとレズが好みなのは黙っておかんと、久遠と連携で魔法少女タッグプレイとか見せつけそうで怖い!!

 

 そんなことされたら俺は悶死する!!

 

 ええい! このままではらちが明かん!!

 

 話を変えねば!!

 

「そういえばお前はよくて小猫ちゃんはだめってどういうことだ!?」

 

「露骨に話変えるんじゃねえよご主人!! ・・・いや、小猫の種族って未成熟だと出産の負担がひどいんだけどね」

 

「これまたあっさり言ったな!?」

 

 しかしまたそれは大変だな。

 

 今回の件でイッセーが部長とレッツパーリィする可能性は高くなってるわけだし、その勢いでなだれ込むと小猫ちゃんもなんというか焦るかもしれん。

 

「・・・念のためイッセーたちに釘を刺しておくか」

 

「あ、それもそうだね」

 

 よし!! 話を変えることに成功したぞ!!

 

 まあイッセーは「レイナーレ倒してしっかりケリ付けてから」って言ってるから大丈夫だとは思うが。

 

 まあ部長たちから攻めてくる可能性はそこそこあるだろう。部長にしろ朱乃さんにしろゼノヴィアにしろ強引に迫ってくるからな。逆にそれが原因で引かれてるところがあるが、万が一があるかもしれん。

 

 などと思ってイッセー部屋の前まで来ると、ナツミがあっさりとドアを開けた。

 

「イッセー! 注意しに来た・・・よ!?」

 

「こらナツミ。そういうときはちゃんとノックし・・・ろ・・・」

 

 思わず注意しようとしたら、目の前の光景にくぎ付けになった。

 

 ・・・半裸の小猫ちゃんがイッセーにせまってる。

 

「「フラグだったぁああああああああ!?」」

 

「いや、何のはなし!?」

 

 状況がわかってないイッセーのツッコミが響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そっから先がてんわやんわだった。

 

 やれ小猫ちゃんが発情期にマジで入っているやらで大騒ぎ。

 

 とりあえず俺はイッセーに去勢薬を調合しようとしたのだが、そこでイッセーが我慢するといってきたのでとりあえず様子を見ることに。

 

 まあ、効果が利きすぎてEDになったら目も当てられんしそれは仕方がない。

 

 で、その話の流れでアザゼルが来客があるとか言ってきたのでとりあえず歓迎の準備のために高級茶葉を買って待ってみれば―

 

「・・・我、ドライグに会いに来た」

 

 ・・・オーフィスでした。

 

 ちなみに俺は三分間ぐらい気絶した。

 

 だってそうだろう。俺たちが束になっても瞬殺したっておかしくないというか普通の化け物だぞ。テロリストのボスだぞ。そして何より世界最強の存在とか言われてるんだぞ。

 

 なんで連れてきたアザゼル!!

 

 なんでもヴァーリがとりなしたらしいが、とりなしていけるような展開かオイ!!

 

 ええい! こうなれば仕方がない!!

 

「見るがいい!! これができたてのミルクレープだ!!」

 

「いやそれはおかしいぞ宮白!!」

 

 イッセーのツッコミは華麗にスルーする。

 

 っていうか俺はもうマジで疲れたんだよ!! 吹っ切れないでやってられるか!!

 

 アザゼルが言っていた驚異ってのは大体予想がつくが、そんなことはどうでもいい!!

 

 どうせ脅威なことには変わらないから、内輪もめでいくらでも争って戦力を減らしてくれといいたいぐらいだ。

 

 だから問題を起こすのだけは勘弁してくれ!! 俺たち本当に忙しいんだよ!!

 

「さあ今のうちに風呂洗ってくるから待ってろよ!! 今日は城崎温泉のお湯を直接回収して入れてやるから問題マジで起こすな!! 夕食は刺身にしてやるから本当に問題起こすな!! 寝るときは子守歌にクラシック引いてやるからお願いだから問題を起こすなよ!!」

 

 こんなことがばれたら俺らもいらん責任負わされていろいろと活動に支障が出るではないか!!

 

「・・・あなた、苦労してるのね」

 

 黒歌に同情された!?

 

「いろいろ苦労してると人生損するにゃん。よかったらお姉さんがいいことしてあげましょうか?」

 

「結構だ。もっとしっかりとした服装で問題を起こすな問題を起こすな問題を起こすな」

 

 俺はさっさとこいつらの分の晩飯を用意するためにキッチンに向かっているのに、この女からかう気満々なのかついてきやがる。

 

 割と本気で殺意を向けてみるが、腐ってもSS級はぐれ悪魔だ。全然こたえずカラカラわらっている。

 

「そんな邪険にしなくてもいいじゃない。強い子を産みたい身としては、魔術師(メイガス)の魔術回路には興味あるのよ?」

 

 そんなことを言いながらしなだれかかってくるが、俺はさすがにそんなつもりはない。

 

「四人も女を侍らせている状態で、さらに女遊びをする趣味はない。遊び相手も全員関係を断ってる状態でだれが不倫するか」

 

「誠実なのかふしだらなのかわかりにくいにゃ。なんなら言いわけできるように術でもかけてあげましょうか?」

 

 どうやらマジで興味があるようだ。

 

 まあ、魔術師(メイガス)の魔術は魔術回路がなければ使いようがないから当然といえば当然か。

 

 すでに人造魔術師技術は開発できているが、アレはできる限り秘密にしておきたいし、フィフスもその辺はノータッチだろうから興味を持ってもおかしくない。

 

 とはいえ、ここでこいつに問題を起こされてはこっちが困る。

 

 ・・・まあいい。ついでに聞いておきたいことはあったんだ。

 

()()()()とはいえ派手に事を起こした女と今何かすると致命傷なんだよ」

 

 カマをかけるとしよう。

 

「・・・・・・・・・あんた、どこまで知ってるの」

 

 どうやら当たりらしい。

 

「別に? 俺は物的証拠なんて何も持ってねえよ。状況証拠から推測しただけだ」

 

 仮にも眷属に殺されたなんてことがあったせいで、黒歌の主の家系はそこそこダメージを受けてたからな。こういう家系は糸を垂らすと面白いぐらいにつかんでくれる。おかげで良質な領地を安く借りれたよ。

 

 黒歌の弱みでも握れないかとついでに情報を聞き出そうとしてみたが、他言無用の約束をする代わりに結構いろいろ聞き出せた。

 

 ・・・こいつの主が眷属強化に無茶な方法を取りまくっていたことぐらいは掴んでいる。

 

 駒もそこそこ余っていたみたいだし、眷属の血縁にも手を出していたみたいだ。一応調べてみたが出るわ出るわ改造の痕跡が。

 

 だが小猫ちゃんにはなかったからそんなこったろうと思ったが、やっぱりそれが理由か。

 

「やるんだったら連れ出すぐらいしてやれよ。関係者が小猫ちゃんの処分を検討するぐらい読めただろうに」

 

「飼い猫に野良猫の生活させてもうまくいくわけないでしょう? 幸い勘付いてるやつもいたみたいだし、ほっといても何とかなると思っただけにゃ」

 

「それでPTSDはノータッチだとするなら情けないことだ。意外とその時はうぶなねんねだったみたいだな?」

 

「アンタ、性格悪いって言われるでしょ」

 

 ああ、よく言われる。

 

「まあ俺は隠しておきたい事実について理解はあるし? 悪役気取りたいなら黙ってやるのも人情だってわかってるからバラしゃしねえよ。・・・実際恨まれて当然のことした敵に情けかけてやるつもりもないし、仲直りしたいなら自分でしな」

 

「それで? 黙ってやるから何をしてほしいのかにゃん?」

 

 ・・・いいねえこの駆け引き。最近こういうのしてなかったから懐かしい。

 

 少し前の常套手段を思い出しながら、俺は振り返ると軽く手を前に出す。

 

「安心しろ。交渉ってのはウィンウィンが基本だ。搾り取ることだけ考えた挙句、相手のセーフラインも見極めずに後ろから刺されるほど俺は馬鹿じゃない」

 

 恐喝っていうのはただ弱みを握ればいいってもんじゃない。サスペンスを見ればすぐにわかる内容だろう。

 

 相手の限界も見極めずに得ることだけ考える奴は恐喝者として失格だ。やばいラインがわかるようになって初めて三流になれる。相手に利益を与え、いうことを聞くと得になると思わせて初めて二流。

 

 そして自分から報酬のために行動させてくれないかと思わせるようになって一流ってやつだ。

 

 恐喝とはあくまで相手の行動を抑制するための首輪として使い、相手を動かすための餌は別に用意するのが交渉の肝だ。

 

 そして指示する行動も相手が抵抗を持たず、むしろ動きたくなるようなことを命じるのがベスト。

 

 まあ、つまり何が言いたいのかというと。

 

「実は小猫ちゃんが面倒なことになってるから、いろいろ把握してる身としてしっかり面倒を見てくれればそれでいいってことだ」

 

 ・・・仲良くできるなら仲良くしろ、ということだ。

 

「・・・あんた、性格悪いおせっかいってよく言われるでしょ」

 

「性格がよかったらこんなことやってねえよ。まあ晩飯は期待していて構わんがな」

 

 やれやれ。マジで問答なこって。

 

 




ナツミと小猫ちゃんの最大の差は、現時点でエロ行為ができるか否か。

つまり合法ロリのまま突き進めるのがナツミ、できないのが小猫ちゃん。




総合的にオカン気質なのが兵夜なので積極的に世話を焼いてしまう苦労人気質。この気質がのちのパワーアップにつながるといいね

因みにこの時点で曹操あたりがオーフィスに何かしようとしていることは察知しているが、それで共倒れになってくれれば好都合なので好きにやってろというのが本音だったり。それでも面倒を見るあたり悪人になり切れない。





とはいえ基本的には悪なので、偽悪的な行動は積極的に暴いたりはしないわけです。なのでそのあたりはノータッチ。

完全に相手だけが非を持つような怨恨による殺人とかだと、真相に気が付いてもあえて犯行を見逃すタイプなわけです。むしろ自分側に危害が加わらない限りこっそりフォローすることもあり得る奴。

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