ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ヒーローズ編に突入しました!


筆のノリがよすぎてたまってきたので本日三回目!!


補習授業のヒーローズ
襲来、冥界の危機!!


シャルバ・ベルゼブブによって発生した魔獣事件。

 

 堕天使総督アザゼルによってもたらされたこの緊急事態に対して、冥界政府は早急に迎撃態勢を整えていた。

 

 超獣鬼(ジャバウォック)、および豪獣鬼(バンダースナッチ)と名付けられた二種類の巨大なモンスターが、冥界政府に出現し、各主要都市を目指し進撃を続けていた。

 

 すでに迎撃部隊が結成され攻撃を行っているも、獣鬼たちはあらゆる攻撃に耐え進撃し、さらに無数のモンスターを生み出すがゆえにその歩みを止めることはできない。

 

 現時点において民間人に死者が出ていないということ自体賞賛に値すべきことで、サーゼクス・ルシファーら現四大魔王の手腕を認めるほかなかった。

 

 本来な同盟を結んだ神々が出てきてもおかしくないほどの非常事態だが、それはできない。

 

 それはくしくも、同じくアザゼルによってもたらされた情報が原因だ。

 

 亜種禁手、|極夜なる天輪聖王の輝廻槍《ポーラーナイト・ロンギヌス・チャクラヴァルティン》。この存在がネックとなっている。

 

 神を殺す聖槍の禁手。それも状況対応能力において禁手の中でも頂上領域に到達しているこの槍がある以上、たとえ神といえどうかつに動くことはできない。

 

 それにより対応が遅れ、獣鬼の進行が大きく進んでしまっているのだ。

 

 そして、裏で流れている一つの話が明快に大きな波紋を及ぼしている。

 

 ・・・赤龍帝、兵藤一誠の死亡。

 

 直接確認されたわけではないが、彼の悪魔の駒だけが帰還し、さらに龍殺しの極致として名高いサマエルの毒が反応したことが確実とみなされている。

 

 これにより現魔王派の悪魔に波紋が及んでおり、さらにそれを突かんとするであろう大王派などに隠すための動きをしなければならないことが、状況の悪化につながってしまっている。

 

 さらにこれはそれに比べると些末事だが、同じくグレモリー眷属の一員である宮白兵夜と、彼と愛人関係にあるシトリー眷属の桜花久遠も同時期に行方不明になっている。

 

 目撃情報によると、英雄派及びフィフス・エリクシルと戦闘を行う苦戦。その後フィフス・エリクシルが生み出した空間のゆがみに飲み込まれてしまったということだ。

 

 情報解析によると次元の狭間に飲み込まれたようだが、今の状況では救出に行くこともままならない。

 

 無にあてられて死亡しているのではないかという意見も出ており、兵藤一誠の死がそれを納得させてしまう。

 

 その影響は、特にグレモリー眷属に及んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・まあ、グレモリー眷属の情愛の深さはなくしたときのダメージのデカさに直結するが、ここまでファックなことになってるとはな』

 

「ええ、大切なものを失うのは、まだ若い彼らには耐え難い苦しみでしょうけど、相手が相手だから大変なことになってるわ」

 

 通信ごしで溜息をつく小雪の声を聞きながら、アーチャーは眉間に指を当てて息を吐く。

 

 兵藤一誠がグレモリー眷属にとって中心人物であることはいまさら言うまでもない。

 

 眷属の諸問題解決に貢献し、その人柄から主であるリアス・グレモリーに並ぶ主柱と化していた彼の存在は、リアスをトップとするならば眷属の中心だった。

 

 ましてや眷属女性陣のほぼ全員の好意を寄せられているのだから、失われればそういうことになるのは目に見えている。

 

 彼自身はそのあたりの自覚は薄かったかもしれないが、兵藤一誠は主戦力であることもあって一番倒れてはいけない人物なのだ。

 

『実質致命傷ですね。よりにもよってそのタイミングで冥界にこれほどの事態が起こるのは最悪というほかありません』

 

『まあ、こんだけの規模でいまさらリアスたちがいない程度でそこまでどうにかなるわけでもないけどね。・・・できれば手伝ってほしいけど』

 

 ベル・アームストロングとナツミも表情が暗い。

 

 兵藤一誠というのは彼女らにとってもそれなりの影響力があるため、ダメージもその分大きいのだ。

 

 それゆえに、今のリアスたちがどれだけショックを受けているのかもある程度わかってしまう。

 

『こういった経験に乏しいリアスちゃんたちに無理は言えませんし、実質彼女たちは戦力に入れるわけにはいきませんね』

 

「木場佑斗は一応持ちこたえているみたいだけど、無理をしているのは目に見えているわ。あのまま連れ出しても足を引っ張るだけでしょう」

 

 ベルに対して厳しい同意を示しながらも、アーチャーは目の前の剣から目を離さない。

 

 偽・外装の聖剣の改良は自分にとっての重要課題だ。仮にも主から頼まれたことであるし、この事態の解決においても相応の成果を見込める切り札になりえる可能性もある。

 

 第一自分はサーヴァントだ。主から指示を出されていない以上、わざわざ前線に出るのもあれだろう。

 

「・・・アーチャーさん。食事の用意ができたとのことです」

 

 扉を開けて、一間平静を装った木場佑斗が入室する。

 

「そう。キリがいいところですぐいくと伝えてもらえる?」

 

「はい。・・・あ、青野さんたちと通信していたんですか?」

 

 特に隠しているわけでもないのに気付くのに遅れている。

 

 やはり彼にとってのショックも大きいようだ。この状態で戦場に連れて行っても、致命的な失態を犯しかねないだろう。

 

『いいからお前も休んでろ。そんなファックな状態じゃあなにもできねえよ』

 

「そういうわけにもいきませんよ。・・・イッセーくんも宮白くんもいない以上、僕達がもっと頑張らねばならないんですから」

 

 小雪が忠告するが、佑斗は静かに首を振った。

 

 確かに、冥界全土の危機といってもいいこの状態で、将来の冥界に大きな影響を与えるリアス・グレモリーが何もしないわけにもいかないだろう。

 

 それがわかっているからこそ、聞くわけにはいかない。木場佑斗は自分たちの立場というものをよく理解していた。

 

「小雪さんやベルさんこそ大丈夫なんですか? ・・・このタイミングで動いている反対勢力も大きいと聞きますが」

 

『と、いうよりここぞというタイミングで動き出している派閥がそれなりにいますね。・・・幸いこちらも証拠をつかんでいる者ばかりなので、カウンターで拘束したりしているのですが、意外と大物が多くて手こずっているので実質情けないです』

 

 ベルはそういうと通信越しに部屋の光景を見せる。

 

 その部屋の中は大きく破壊されており、激戦がおきていたことを物語っていた。

 

 内部引き締めとほぼ同じタイミングで起こったこの騒動により、状況はだいぶ混乱しているといっていいだろう。

 

 ベルも小雪もその拘束のために動いており、冥界の方の援護にはいけそうにないのが現状だった。

 

 かろうじてナツミだけが豪獣鬼撃破のために参戦しているが、だからといってそううまくはいかないだろう。

 

 実際、今の現状では足止めすらうまくいっていないのだ。

 

 それがわかっているからこそ、佑斗は今の現状が歯がゆくて下がない。

 

「宮白くんだってこんなことになって、僕達が何とかしなくちゃいけないのに・・・っ!」

 

 今ここにいない仲間のことを考えると、膝を屈してしまう層になる。

 

「いや、兵夜は別に死んではいないでしょう」

 

 だから、そんなことをあっさりとアーチャーが行ったことに思わず目を剥いた。

 

「・・・だ、だけど! 状況証拠があまりにも―」

 

『いや、兵夜さまが無事なのは確実ですよ?』

 

 戸惑いながらも、ベルが佑斗の言葉を遮る。

 

『兵夜さまが死亡されたのなら、兵夜さまとのつながっている私やアーチャーさんにある程度のフィードバックが発生するはずです。特に何の影響もないことから考えれば、少なくとも生存は実質確実ですよ、佑斗くん』

 

 その言葉に、佑斗は確かに一理あると考えていた。

 

 確かに言われてみればその通りだ。

 

 文字通りベルとアーチャーの生命線になっている兵夜が死ねば、何かしらの影響が二人にあるはずだ。

 

 むろん安全策を用意しているのが兵夜だが、それを一切し使用していない状況下なら、生存しているという確信を抱いても間違いない。

 

「・・・一応その手の対策はとっているからまああと一週間は大丈夫でしょう。ただ、いまは救助部隊を送っている余裕はないし、イッセーのことがあるから今助けると余計なことをしそうだもの。意図的に放っておいてるのよ」

 

 アーチャーがあっさりと言い放つが、それに佑斗たちは何も返せなかった。

 

 ひどいような気もするが、グレモリー眷属の落ち込み具合から考えると何も言えない。

 

 変に背負い込むところのある兵夜がイッセーの死を知れば、確かに何をやらかしても不思議ではない。冗談抜きで危険すぎる。

 

『っていうか知った途端にショック死しねえだろうかご主人。心臓止まるぐらいなら何とかなるけど、破裂したら止められねえぞ』

 

「人が不安に思っていることをはっきり言わないでくれるかしら?」

 

 ナツミのいうことは実際にありえそうで怖い。アーチャーですら一筋の汗が流れてしまっているほどだ。

 

 なんだかんだで彼は生存能力も高い。確かに飲み込まれた時に対応できているのなら、生きているのではないかという安心感が浮かんでくる。

 

『まあ、兵夜がいるなら久遠も大丈夫だろ。あいつなんだかんだで仲間想いだから、見捨てるファックなことはしないだろうよ』

 

「その通りです」

 

 小雪の発言に応えたのは、佑斗でもアーチャーでもない。

 

「会長?」

 

「声が聞こえたので申し訳ありませんが邪魔させてもらいました。・・・ええ、久遠が死ぬなんてありません」

 

 自信に満ちた声で、ソーナ・シトリーは断言する。

 

「彼女は私の最強の眷属。この程度の危機で彼女が死ぬなんてありえません」

 

 ハッキリと、ソーナは言い切った。

 

『信頼されてんだな、久遠の奴』

 

『まあ、なんだかんだで切り抜けそうだよね、久遠は』

 

『兵夜さま一人だとうっかりしそうですけど、久遠ちゃんがいるなら何とかしそうですもんね』

 

 三人ともそれには異論がないのか、うんうんとうなづきながら無事をなかば確信する。

 

 そこには確かな信頼があった。

 

「・・・まあ、ここでこれ以上何か言っても進まないでしょう」

 

 そういうと、アーチャーはキリがいいところになったのか立ち上がる。

 

 そして部屋を出る前に、佑斗の頭に手を置いた。

 

「今はしっかり手を尽くして、それから落ち込み切っておきなさい。・・・下手に禍根を残すと人生を誤るわよ」

 

 苦笑しつつ、彼女は心底佑斗たちを思ってそういたわる。

 

「そしたら反撃に移りましょう? 私を敵に回してただで済むと思われるのもしゃくですもの」

 

「・・・はい。アーチャーさんの言う通りですね」

 

 佑斗はその言葉で少しだけ気分が上向きになるのを感じた。

 

 駄目だとわかっていても、あがくぐらいはしてもいいだろう。

 

 やるだけやったのなら多少は禍根も残らない。今はそれだけの余裕もないが、だがしっかりとこの借りは返さなければいけないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side Out

 

 




全く心配されていない兵夜くん。とはいえ理論的な理由もあるのである意味納得なのだが、理論的な理由によって捜索されていないという悲劇!!









初期のプロットでは重傷状態で意識不明。取り戻してからジークフリート戦に乱入して、「イッセーがやられたからこそイッセーが望むことをしなきゃだめだろうが!!」とイッセー大好きすぎるのを逆手に取った説教をかます予定でしたが、大幅な方針変換で没になりました。








とはいえまあ、報復がすごいことになりそうなので危険なことには変わらず、ラヴァーズからは心配もされず放置というひどい目にあっているので流れとしては割を食ってますが。
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