ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
さて、そろそろいい加減飽きてきたな。
救助が来ないのはいいんだが、なんで連絡すらないのかがわからない。
いい加減何日も待っているんだからそろそろコンタクトぐらいはしてほしかった。おいておくにしたって一言ぐらい言ってくれてもいいだろう。
アーチャーは魔力供給大丈夫だろうか?
ベルは俺とリンクが離れて倒れてないだろうか?
小雪は意外とメンタル弱いけど、思い詰めてないだろうか?
ナツミは変なことしてないといいんだけど。
「しっかしまだ続いてるってことでいいんだよな? 出なけりゃさすがに宮白のほうは探しに来てくれるだろ?」
「だよなぁ。・・・確かに話に聞く限りやばそうではあるが、いくらなんでも無茶な方法で発動した化け物だから、どこかに欠点があると思うんだが」
新造する体もあとちょっとで完成しそうなイッセーも不安げだ。
何分体が完成しても、戻れなければ意味がないのだ。
「救難信号発生装置はあるし、場所ぐらいつかんでもおかしくないんだが」
そんなにやばい連中だということだろうか?
曹操がヤバイから神は仕掛けてこないだろうが、それ以外の存在だってゴロゴロいるんだし、いくらなんでも遅すぎないか?
「あのさあ兵夜くんー。ちょっと聞きたいことがあるんだけど―?」
「あ? なんだよ一体?」
久遠は何か気づいたことがあるんだろうか?
まさか魔法世界の技術で何とかなるのか!?
「―救難信号発生装置って使ったのー? 私聞いてないんだけどー」
この後イッセーに殴られたが、さすがに反論できなかった。
「よし! 体もできたし反撃タイムだな、宮白!! ・・・本当に起動したんだろうな?」
「した! したから拳を握るな!!」
「さすがにこれは私も殴りたかったよー」
白い眼で見られるが完全に俺が悪いので何一つ反論できない!!
ま、まあいい。これで反撃タイムの準備は整ったわけだ。
あとは今度こそ助けがくるのを待っていればいいだけ―
―とある国のすみっこに、おっぱい大好きドラゴン住んでいた~♪
なんだぁ? おっぱいドラゴンの歌が聞こえてきたぞ!?
「コンタクトの方法としちゃああれだよな? ・・・これどういうことだ?」
「そういえば夢で子供たちがすっげえ暗い顔してたから謡ってくれたら助けに行くとか言っちゃったんだけど、まさかマジで?」
どういう状況だいったい。
『グレートレッドは夢幻を司るからな。もしかしたら子供たちの夢とつながっていたのかもしれん。おそらく、この歌もグレートレッドがつなげてくれているのだろう』
面白い能力を持ってるな、グレートレッドは。
だがまあ、だとするなら―
「ドライグ。・・・グレートレッドにゲートを開けられないかどうか聞いてくれないな?」
「たしかにー。こんないいタイミングで粋なことされたら動かないといけないよねー」
久遠も俺に乗ってくれる。
ああ、俺ははっきり言ってヒーローなんてガラじゃないが、ヒーローの親友やってる自覚はある。
こういう時こそヒーローの出番を用意してやらなきゃな!!
「そりゃそうだ。なにせ俺はおっぱいドラゴンだもんな。・・・子供たちが呼んでんならいかねえと!!」
イッセーも復活早々やる気になってくれてるようで何よりだ。
「んじゃ、行きますか!!」
さいわいグレートレッドは素直にゲートを開いてくれるようだ。
「オーフィス。俺たちは俺たちの居場所に戻ることにするよ」
イッセーがオーフィスにそういうと、オーフィスは少しだけ寂しそうにする。
「そう。それは少しだけうらやましいこと」
「・・・だったら一緒に来い」
そしてまあ、イッセーはやっぱりそういうわけで。
「確かに食生活が不安すぎる。テロ組織のボスを手元に監視できるのはなかなか有効だし、飯の世話ぐらいはしてやろう」
「ネットゲームに興味あるー? あるんだったら一緒に遊ぼうよー」
「・・・我、ドライグ達と一緒に来てもいい?」
まあ、俺としては思うところがないわけではないが、答えなんて決まりきってるわけで。
ほらイッセー。さっさと言えよ。
「あったりまえだろ!!」
そういわれて、オーフィスは少しだけ笑うとイッセーの手を取った。
そしてそんなこんなしているうちにゲートは開いて俺たちは前に進む。
一言礼を言おうとグレートレッドの方を振り返った時―
―ぽちっとぽちっと、ずむずむいや~ん。
・・・俺たちは耳を疑ってついでに頭も疑った。
え? グレートレッドの発言? え?
―ぽちっとぽちっと、ずむずむいや~ん。ぽちっとぽちっと、ずむずむいや~ん。
何度もそのフレーズを繰り返しながら、グレートレッドは振り返るとそのまま去っていく。
『聞こえん! 僕にはなにも聞こえないも~ん!!』
「イッセーくんー! ドライグが大変だよー!?」
「ずむずむいや~ん」
ドライグはさらに心を病むはさすがの久遠も大慌てだわオーフィスまで乗っかるわさあ大変。
「「・・・伝説の赤いドラゴンはなんでこの歌が大好きなんだー!!」」
俺とイッセーはシンクロで叫んでしまった。
で、出てきたら出てきたで面倒なことになってるのがまるわかりだ。
場所は悪魔側の冥界首都であるリリス。
そしてところどころ煙が上がっていて明らかに非常事態なのがまるわかり。
そして都市から離れたところには人型のキメラ(超巨大)が数名の悪魔と超絶大バトル中。
・・・とりあえず俺の判断はただ一つ。
「急いで部長たちとコンタクト!! とりあえずデカブツは後回しっつーか、ここでオーフィスと鉢合わせるとややこしいことになること間違いなしだ!!」
「判断速いねー。まあ、いきなり戦えなんて無茶いうほどセラさま鬼じゃないし大丈夫だとおもうけどー」
「っていうかリアスたち巻き込まれてないよね!? 無事だよね!?」
ラージホークを急いで離脱させながら、俺は急いで部調達と連絡を取る準備をする。
あのデカブツはシャルバがやらかした礼のアレなんだろうが、まさかここまで肉薄してるとは思わなかった。
とにかく部長かアーチャーと連絡とって迎撃準備を取らねば!
『・・・いきなり反応が出たから何かと思ったら、なんでイッセーまでそこにいるのよ』
と、思ったらアーチャーが連絡を取ってくれた!!
「アーチャー!! とりあえず俺も久遠もあとイッセーは微妙だが無事だ!! 説明はどれぐらいいる!?」
「あなたと久遠が生きているのはほぼ確定で、イッセーも魂は無事なのは示唆されていたけど体まであるのは驚いたけどまあいいわ。・・・あなたがいるなら代用品ぐらい用意してもおかしくないし」
俺が用意したわけではないし俺の技量じゃ無理だけどね!!
「いや、通りがかったグレートレッドに助けられたんで、ついでにちょっと体もらって新しくつくりかえました」
『自分がとんでもないことを言っている自覚はちゃんとしなさい。・・・まあいいわ。いい知らせと微妙な知らせがあるけどどちらから聞きたい?』
いろいろツッコミ入れたいのを我慢してくれるアーチャーはいい人だと本気で思う。
まあそれはともかく今はさっさと情報を集めねば。
視線が俺に集中したので、俺の判断で聞くことに使用。
「いい知らせから頼む」
『例のアレ、完成したわ。いろいろ事情があるからそこで受け渡ししましょう』
マジか!! 速すぎるぐらいじゃねえか!?
『イッセーから聞いてると思うけど、
よし! これでどんな状況でも一矢報いれる切り札が手に入った!!
場合によってはあのデカブツを相手にすることになってもそこそこ行けるぞ!!
「じゃ、じゃあ微妙な知らせはー?」
テンションが上がっている俺の代わりに、久遠がそこをひきつぐ。
『・・・いま、生徒会とオカルト研究部が英雄派と戦闘を行っているはずよ。場所は転送するからすぐに急行しなさい』
・・・・・・・・・それは大変だ!!
毎度恒例の兵夜のうっかり。さすがにイッセーも我慢できませんでした。
これは仕方がない。自分でも一回殴り倒したくなります。