ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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原作でもそうでしたが、本作は超獣鬼は完璧に添え物にします。

グレモリー眷属のピンチとそこからの逆転を中心にし、獣鬼騒動はおまけという原作のスタンスを突き詰めることにしました。


発動、業魔人!!

 

 急いで駆け付けてみれば確かにやばいことになっていた。

 

 ヘラクレスはボロボロで、ジャンヌは多少傷ついているが子供を抱えて剣を突きつけている。

 

 見る限り、状況が悪くなったので人質作戦を取ったというところか?

 

 生徒会はボロボロだしギャスパーは倒れてるしなぜかサイラオーグ・バアルはいるしでどうなってるんだこの状況は。

 

「リアス! よかった無事だったんですね!!」

 

「か、かかか会長ー!? 元ちゃんも大丈夫ー!?」

 

 イッセーは喜色満面で久遠は顔真っ青とこっちも大変だな。

 

『『『『『・・・・・・・・・』』』』』

 

 そして全員ぽかんとした顔をこちらに向けている。

 

 ああ、そういうことか。

 

「イッセー。お前本人だと思われてないぞ」

 

「ええ!? なんかひどくね!?」

 

「体消滅してるんだから仕方ないよー」

 

 まあ、体が消滅しているのは確定事項だから信じられないのも無理はない。

 

 さて、どうやって信じてもらおうか―

 

「えーっと、おっぱい! グレートレッドの力を借りて復活してきました!!」

 

「イッセーだわ!!」

 

 と、思ったらこんなあほなセリフで部長が確信したよ!!

 

 ほかの連中も一斉に確信するし、俺の親友はひどいなホント!!

 

 と、思っていたら木場がジャンヌが抱えていた子供をその隙に奪い取っていた。できる同僚がいると動くのが楽でいいな。

 

 ・・・その後、ドーピングしたジャンヌが逃げようとしたがイッセーのエロ技の前にあえなく敗北。

 

 そして残るはヘラクレスだけとなった。

 

「・・・クソが。ついに俺だけかよ」

 

「投降するなら一応待遇は考えてやるが? ・・・この状況下で勝てると思うほど馬鹿でもないだろ」

 

 俺としてはそんなことが言える程度には余裕がある。・・・というか、俺来る意味あったのかと本気で考えたくなるほど圧倒的優勢だったりする。

 

 完膚なきまでに勝ち目がないというか、どうもサイラオーグ・バアルに叩きのめされ続けたらしい。

 

 衝撃拡散を突破する打撃と、爆発をものともしない耐久力の前に終始追い詰められっぱなしとのこと。うん、イッセーの対抗馬はチート過ぎて困る。俺はよくこんなのと戦えたな。

 

 ヘラクレスは周りを見て負けを悟ったようだが、しかし戦意は失わなかった。

 

 そして懐からフェニックスの涙とジャンヌが使ったドーピング薬を取り出すと、それをそのまま放り投げる。

 

 ・・・真正面から威風堂々と叩きのめすサイラオーグ・バアルに感銘を受けたのか。

 

 敵の心すら成長させるとはまさに英雄。いろいろな意味で彼には感服せざるを得ない。

 

 そしてヘラクレスは真正面からサイラオーグ・バアルと殴り合い・・・倒れ伏した。

 

「最後の最後で英雄としての誇りを取り戻したか。・・・最後だけは悪くなかったぞ、ヘラクレスよ」

 

 そしてサイラオーグ・バアルの大物ぶりがヤバイ。

 

 そんなこんなでとりあえずあとはデカブツを何とかするだけだと思ったとき、俺は気配を察知して振り返った。

 

「ようやくご登場か、曹操」

 

 もったいぶって登場しすぎて、幹部連中が軒並み全滅とか笑えない展開だ。正直ちょっとだけ同情してもいいかと思う。

 

 が、曹操はそれとはまったく違った意味で表情をこわばらせていた。

 

「・・・まさか、生きていたとはね兵藤一誠。シャルバはサマエルの毒を所持していたはずなんだが」

 

 まあ、普通それだけあれば死んだと思うはずだ。

 

 真相を聞いてこいつもマジでビビリ始めている。

 

「なあ、俺ってそんなに恐れられることしてんのか?」

 

「してないと思ってる事がまず恐ろしいわ」

 

 イッセーは自分の化け物ぶりの自覚が足りなさすぎる。

 

 普通は肉体を消滅したら死ぬし、そんな展開に都合よく最強の存在が出てきたりなんてしないんだよ。

 

 そんな計算もできないようなことばかり起こされれば、計算して動く曹操あたりにしてみれば悪夢というほかないだろう。

 

「キミは一体何者だ。赤龍帝なんて言うレベルじゃない。もはやある意味龍神の領域すら超えて―」

 

「だったらおっぱいドラゴンでいいじゃねえか」

 

「よくねえよ。そういう問題じゃねえよ」

 

 さすがにイッセーのぶった切りっぷりがひどかったんで、俺としてもツッコミを入れざるを得なかった。

 

 異常すぎるんだよお前の場合。いい加減俺も原理を解明したいんだけど? っていうか呼び方の話じゃないんだよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・面倒なことになってきたが好都合か」

 

「フィフスさま、それでは?」

 

「ああ、俺としてはテストの相手としては奴を選びたいなこれが」

 

「・・・承知しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴァーリまで来て、俺たちの勝ちはほぼ確定だろう。

 

 最上級死神とかいうプルートを瞬殺した切り札は驚愕というほかない。しかもまだ伸びしろがあるとか、イッセーは最悪の宿敵を持ったというほかないだろう。

 

 そして、このチャンスを逃すほかはない。

 

「さっさと全員で片づけるとするか。・・・まさか、つい先日オカ研無双しておいて一対一なんてできると思うなよ英雄症候群」

 

「冗談抜きで危険だもんねー。誰がなんて言っても袋叩きでいくよー」

 

 俺と久遠は挟み込むように移動しながら、曹操をにらむ。

 

 奴の禁手は特殊能力をもつ攻撃兵器の確保。

 

 しかも、武器破壊、女性封印、強制空間移動、攻撃転移などどれも切り札として使うに十分すぎるものだ。

 

 これ以上のさばらせておくのは危険すぎる。ここで仕留めないと何が起こるかわかったものではない。

 

「ああ、君たちならそういうと思っていた。・・・この状況下で俺を相手にして、尋常な勝負なんてガラじゃないだろう」

 

 わかっておきながらあえて出てきたということは、まだ隠し玉があるってわけか。

 

 ・・・一体何を隠している?

 

「・・・だから業魔人(カオス・ドライブ)だ」

 

 いうが早いか、注射器が曹操に突き刺さっていた。

 

 確か例のドーピング剤!!

 

 そして、それを理解した瞬間俺の体に激痛が走る。

 

「んがっ!?」

 

 痛覚干渉を発動するが、全身に力が入らない。

 

 しかもこのダメージ、これ以上受けると本気で死ぬぞ!?

 

 本気で背筋が冷えた次の瞬間、俺たち全員を覆うように強力なエネルギーが展開される。

 

 だいぶ痛みは消えたが、ダメージがひどすぎて動けない!?

 

「ああ、オーフィスがいたのを忘れていたよ。だけどこの状況下ではそれが精一杯だろう?」

 

「曹操の言う通り。今の我、曹操のオーラを防ぐので精一杯」

 

 残りかすとはいえ、二天龍を凌駕するオーフィスですらそこまで言わせるか!?

 

 くそ! 発動能力はオーラの増幅か!?

 

 超広範囲に展開されたオーラが、触れた連中に影響を与え続けている!

 

 しかもオーフィスが防いでなおこの威力か。もしとっさにオーフィスが防御行動をしておかなければ俺は死んでいたな。

 

「特に宮白兵夜は動けないだろう。そもそも、悪魔と神格を併せ持つ君は聖槍にとって絶好のカモだ。今ので死んでないことが奇跡以外の何物でもない」

 

 ・・・うっかりしてたがその通りだ。

 

 最強の神殺しにして最強の聖槍である黄昏の聖槍は、いわばイッセーにとってのアスカロンに匹敵する俺の天敵。

 

 しかもその出力は間違いなくアスカロンを凌駕する。今の状態でもこれ以上喰らい続ければかなりやばい。

 

「さあ、さすがのヴァーリも今の俺相手ではさっきの力を使っても楽には勝てないだろう? そしてガス欠の今じゃあ勝ち目がない」

 

「やはりお前に対して使うべきだったか。・・・プルート相手に大盤振る舞いしすぎたのは認めるしかないな」

 

 ヴァーリも自虐的な笑みを浮かべるほどの圧倒的優勢状態。

 

 やばい、口上たれてる暇があるなら、さっさと攻撃入れておくべきだった。

 

 見れば全員ダメージがひどすぎて膝をついている。

 

 アーシアちゃんが回復のオーラをだそうとしているが、ダメージがひどすぎて出したくても余力がない。

 

「さあ、今ならオーフィス以外はろくに動けないだろうし、オーフィスも防衛で精いっぱい。つまりは倒したい奴を好きなタイミングで倒せるというべきなんだが―」

 

 そういった瞬間、曹操は聖槍を振りぬく。

 

 その一閃が、久遠の一太刀とぶつかり合って火花を散らした。

 

「・・・あまり、舐めてもらっちゃ困るよねー」

 

「いや、想定内だ。キミの禁手の性能なら、戦闘可能なレベルのダメージに抑え込むことはできるだろう」

 

 次の瞬間、曹操は七宝の一つを足場にして舞い上がり、久遠はジグザグに瞬動を使いながらそれを追尾する。

 

 ・・・いくら久遠でも無茶だ!

 

「オーフィス、悪いが少し無茶してくれ」

 

 俺は呼吸を整えると、全身を魔術で操作して無理やり立ち上がる。

 

「宮白!! そのダメージでどこ行く気だよ!!」

 

「イッセー。少ない勝率を無理やりぶんどるのがお前の役目なら、俺の役目は勝率そのものを高くすることだ」

 

 ・・・正直ギャンブルに近いが、方法が一つある。

 

 今まともに戦えるのはあいつだけだ。だからって、愛する女一人に全て押し付けるほど俺は情けない男になったつもりはない!!

 

「・・・そうですね。それが私たちの役目というものです」

 

 会長もうなづき、ふらつきながらも立ち上がる。

 

「匙。・・・貴方の力が必要です。頑張れますか?」

 

「当たり前です会長。いま桜花が命がけで頑張ってるんだ。俺たちが気合い入れないでどうするんですか!!」

 

 アイツもいい上司と仲間に恵まれたもんだ。

 

 踏ん張れよ、久遠!! 今すぐ追いかける!!

 

 




まあ誰もが想定していましたとは思いますが、今の兵夜にとって曹操はまさに天敵。

因みに今更になってですが「弱っちいことを自覚してるので力を集めることをいとわなかった結果、自力でリカバリー不可能の弱点を作った」という意味においても共通しているという曹操との嫌な共通点があることに気づきました。




そして曹操担当は久遠。

もう開き直って出番出せるときに大活躍させる方針にしたら非常に書きやすい書きやすい。

ちなみにウロボロス編とヒーローズ編は久遠編にすることにしました。

第四章はヒロインをもう一瞬スポット当てようと思ったおですが、久遠が出しやすいヴァルキリー編は諸事情あって出しづらいので、割り切った結果先取りすることにしました。

・・・初キスにしろ初結ばれにしろ、ことごとく兵夜ラヴァーズの中で先を行く女です。自分でもビックリ

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