ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
イッセーSide
「サイラオーグさん! こいつを取り押さえれば何とか勝てます!!」
「そうか、俺たち二人ならやれないわけがないことだ!!」
そう、俺たち二人なら絶対にやれることだ!!
おれは真騎士の状態でそれを言った後距離を取る。
真戦車の状態じゃあ、あいつの技量を超えて直撃を当てることなんてできはしない。
真僧侶の攻撃を素直に喰らってくれるタマじゃない。
だったらやることは一つだけだ。
俺はちょうどいい距離を取ると、そのまま全力で特攻をかける。
ありえないレベルで加速された俺は、そのままアスカロンをヘラクレスへと叩き込む。
スピードがのって攻撃力が上昇した一撃が、受け流すことすら許さずヘラクレスののけぞらせた!!
真戦車の状態じゃオーラは爆発で受け止め攻撃は衝撃拡散で何とかするだろうけど、これだけ加速した状態の質量攻撃なら受け止めきれないだろう!!
一時的にのけぞったヘラクレスに、サイラオーグさんが組み付いた。
「雄雄雄雄雄雄雄っ!!」
ジャンプして壁にたたきつけてくるヘラクレスだが、その動きは明らかに遅くなった。
その瞬間に俺も組み付いて今度こそ動きを止める。
もちろんこのままの状態じゃ攻撃したら俺たちも喰らうけど、今からするのは攻撃じゃない。
「動きは止めたぞ!!」
「アーチャーさん!!」
「・・・ええ、任せなさい」
龍の外套まで展開したアーチャーさんが、頭突きを回避して短剣を突き刺した。
次の瞬間、ヘラクレスの気配が元に戻ってそのまま意識を失った。
・・・よし! これで何とかなった!!
佑斗Side
巨大なオーラの攻撃が叩き込まれる瞬間、灼熱が僕たちを生める瓦礫ごと二人を吹き飛ばした。
「うぉおおおおおおおお!?」
セイバーに首根っこをつかまれて走らされ、レイヴンが悲鳴を上げる。
こ、これは一体!?
「どうやら間に合ったようだな」
聞き覚えのある声に顔を挙げれば、そこにはアポロベ・フィネクス卿の姿が!!
来てくれたのか!!
「大体の敵が片付いたので一部の勢力とともに救援に来てみれば、なんだこの事態は。・・・大丈夫かね?」
とても頼りがいになる姿を見せ、彼は眷属に指示して僕たちを助け起こさせる。
「こ、この状況下でまさか来るとはね」
頬を引きつらせながら、しかしレイヴンはまだ余裕を崩さない。
それだけセイバーの戦闘能力に自信があるのだろう。脅威であることには変わりはないし、油断できる余地がない。
「いいだろう、今度はもう片方の腕ももらうとしよう!!」
目の色が変化する。
また魔眼を使用する気か! 今度は一体何を―
「ではどこを切ろう・・・か?」
と、目の色が元に戻った。
時間制限がいっぱいいっぱいだったのか? と、思ったが、僕の目の前でその理由がはっきりと示される。
レイヴンの全身に文様が浮かぶ。あれは、あの文様は!?
「・・・バアル眷属!?」
「そういうことだ。サイラオーグ様を追ってきてみれば冥界の大敵を見つけることができるとは幸運だった」
少し離れたところに、バアル眷属も勢ぞろいしていた。
近くにいることは知っていたが、彼らも来てくれたのか!!
「こ、こ、この状況下で!!」
「これでその厄介な魔眼は使えないな。正直すこしトラウマになっていたので幸運だった」
明らかに動揺しているレイヴンを冷ややかに見つめながら、アポロベ卿が全身から炎を噴き上げる。
「では、覚悟してもらおうか!!」
Other Side
飛び回る巨人を迎撃していると、キャスターがつまらなさそうに口を開いた。
「なんか全然変わらないし、そろそろ追加で行ってみようか!!」
その言葉とともに、軽快な音楽を伴って飛行機が接近する。
そして、次の瞬間にロボットへと変形した。
「またアザゼルが好きそうなものを作ってくれるわね!!」
この状況下であの兵器が強敵じゃないわけがない。キャスターが生み出した兵器が強くなかったことはないのだ。
その驚異に戦慄した瞬間、巨人は地面にたたきつけられて爆発した。
「・・・はい?」
出オチっぷりにキャスターが唖然とする中、地面にたたきつけた影はそのままキャスターが入っている巨人に殴りかかる。
とっさに迎撃した巨人は弾き飛ばされ、一回転して何とか地面に着地する。
そして、弾き飛ばしたものの姿を見て、リアスは目を点にした。
「・・・グランソード・ベルゼブブ?」
「カッカッカ! 久しぶりだなリアス・グレモリー!! ちょっと投降しに来たぜ?」
リアスたちをかばうように構えながら、グランソード・ベルゼブブは巨人をにらむ。
「・・・やっぱり君たちは裏切るんDA? いや、マジ☆面★倒!」
キャスターはこの展開が予測できているのか、グランソードがいること自体にはなにも驚かない。
「・・・どういうつもりですか? 貴方は禍の団の一員だと思いましたが」
ソーナは疑念を口にするが、グランソードは肩をすくめると溜息をついた。
「わかってねえなぁお前ら、俺様をそんな馬鹿どもと一緒にするんじゃねえ」
心底呆れてそう言い切ると、鋭い視線をキャスターに向ける。
「禍の団はオーフィスを頭にしたグレートレッドを倒すための組織だ。グレートレッドを倒したくねえからオーフィスを排するなんてふざけた行動、認めるわけがねえだろうが!!」
「たぶんキミぐらいじゃない? そこまでオーフィスに忠誠誓ってるのは♪」
そういいながらキャスターは巨人に魔力砲撃を放たせる。
曲線を動きながら放たれる一斉攻撃。明らかに今までの攻撃より密度も濃い。
それに警戒するリアスたちを意に介さず、グランソードは両手を構える。
「温い!!」
一喝すると同時に、拳が掻き消える。
それが見えるようになった時には、すべての魔力砲撃が弾き飛ばされ消滅していた。
まるでサイラオーグ・バアルのような連撃に、リアスたちは目を見開く。
「やるね♭ でも、君一人でどこまでできるかな?」
「舐めるな、外道」
静かに構えを取りながら、グランソードは不敵に笑う。
そして次の瞬間、リリスを覆うように転移魔法陣の群れが発動する。
「俺の舎弟が、堅気のガキども巻き込むような下種なまねを見逃すようなクズどもだと思ってんじゃねえぞ、外道!!」
・・・のちに、冥界政府の歴史においてこの戦闘は様々な評価がされることとなる。
彼の行動は皮肉にも批判点としてあげられることが多い。
なぜなら、冥界政府の危機でありながらその首都が「起こした側の内輪もめ」の規模が最も大きいところとなったのだから。
レイヴンの欠点
直死の魔眼がチートすぎる=魔眼さえ何とか出来ればごっそり弱くなる
グランソードの設計コンセプトは「実は魔王の名もちで一番まとも」
仁義にあつい好青年。その人柄ゆえに部下にも恵まれた男、グランソード。割と早い段階で味方かは決定しておりました。
彼は「家柄才能込みで、自分がどこまでやっていけるか」という理由で行動しており、堅気に迷惑をかけるのは避けるし、たぶん禍の団でもトップクラスでグレートレッド妥当を真剣に考えていたレベル。将来的に倒す気満々のヴァーリや、異世界知って対抗しないとやってられないリゼヴィムに次ぐレベルです。
・・・どいつもこいつも問題児が多いから、問題児の皮をかぶった常識人を入れたかったんだ。