ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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駒王町、大激戦です!

 攻撃を何とかかわしながら、俺はヒット&アウェイで銃弾を叩き込む。

 

 関節部があるならそこを突けばあるいはとも思ったが、残念なことに関節部の金属も頑丈なものを使っているのかなかなか攻撃が当たらない。

 

 ええい、実に面倒かつ厄介な。

 

 こうなれば近接戦闘でたたき切ってくれる。

 

 だが、俺もなにもせずに好きにさせていたわけではない。

 

 時間は稼いだ、さあ、反撃タイムと行かせてもらう。

 

「・・・3」

 

 これまで周囲を囲むように移動していたのをやめ、逃げる方向をある程度合わせて走っていく。

 

「2・・・」

 

 当然敵も追いかけていき、どんどん街中を進んでいく。

 

「1―」

 

 そして交差点を通過し奴がそこに差し掛かった瞬間―

 

「―0!」

 

 真横から砲弾を何発も浴びて撃墜された。

 

 あはははははははは!!! こんなこともあろうかと、魔王様を経由して自衛隊の戦車を手に入れていたのだ!!

 

 ゴーレム使って動かして、待ち伏せで用意しておいたのだよ愚か者め!!

 

 あとあとややこしいことになりそうだが、そこはもう悪魔の超パワーと影響力でごまかす! とりあえずカッコだけでも何とか出来ればあとはもう力技だ!!

 

 さて、ではゆっくり残りの暴徒を撃破するとしようか。

 

 と、振り返ったところでロボットがもう一台俺の目の前にいて銃口を向けていた。

 

 ・・・あ、やばい。

 

 完全に虚を突かれたせいで体が反応してない。

 

 やばいわー、すごいゆっくり動いているよあれだよ事故にあったときにゆっくり見える的なあれだよマジやばいよー。

 

 と、思った次の瞬間、ロボットに白い筋が走ったような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 くそ! なんだこの頑丈な奴は!!

 

 殴っても殴ってもぴんぴんしてやがるうえに、あいつ、こっつの攻撃を気にしなくてもいいからって遊ぶように攻撃を叩き込んでやがる。

 

「あはははははははは!!! 我らがハーデス様を貶めた報いを仲間の代わりに受けるがいい!!」

 

 どんだけ宮白に憎しみ向けてんだよ! もとはといえばそっちがガキどもに八つ当たりしたのが悪いんだろうが!!

 

 つったってこれだと何をやっても倒れそうにない!!

 

 なんていうが頑丈なんじゃなくてそもそも攻撃が成立してない感じだ。

 

 アーチャーさんの魔術も木場の聖魔剣もゼノヴィアのデュランダルも通用しない。

 

 宮白みたいなタイプが頭働かせないと勝ち目ないか!?

 

「教えてやろう。これは宮白兵夜がいた世界の英雄アキレウスの力だ」

 

 勝ちを確信してるからか、死神が勝ち誇ってそんなことを言う。

 

 アキレウスってアキレス腱で有名な?

 

 ってたしか、アキレス腱以外は攻撃が通用しないとかいうとんでもないやつじゃなかったっけ?

 

「命すら削った改造と適性を加えてもここまで再現するのは至難の業だったが、それゆえに私は貴様たちには負けん。さあ、私は弱点を狙わせるほど愚かではないぞ?」

 

 くそ! ただでさえ動きがすばしっこいのに、そんなピンポイントで攻撃しないとだめなのかよ!!

 

「・・・まあそれはいいのだけれど、それよりいいのかしら?」

 

 と、アーチャーさんがほかの死神をハチの巣にしてから優雅に首を傾げる。

 

 さすが元王女様。すっごい似合う!!

 

「例えそうだとしても、神の力を持つ兵夜が相手では攻撃も通るでしょう? 肝心の兵夜に対する備えが悪いのではないかしら?」

 

 ああそうだ! 宮白は神だった!!

 

 肝心の宮白に通用しないんじゃ意味ないんじゃね!?

 

「奴は私がこの手で殺してやろう。もっとも、人の目を気にした戦いではどうしようもないだろうがな」

 

 なんだ? 何を確信してる?

 

「こんなところで堂々と悪魔の力を使えば、愚かな人間たちが迫害するのは目に見えている。だが、今回投入した兵器を異能を使わずに倒せるとも思えん。・・・奴が戻ってくる前に1人でも殺せれば最初ののろしとしては十分だ」

 

 おいおい、最初から宮白じゃなくて俺たちを殺すことが目的かよ!!

 

「さあ死ね! 宮白兵夜という愚か者を仲間に持ったその報いを受けるがいい!!」

 

 そういって死神が鎌を振り上げる。

 

 ちっ! 宮白も不安だけどこいつに背中向けるわけにも。

 

『・・・イッセー! 組み付け!!』

 

 と、宮白が通信越しに声を挙げた。

 

『十秒間でいい、動きを止めろ! そうしたらケリはつく!』

 

 よっしゃわかった! お前のことだからほんとに何とかすんだろ!!

 

 俺は聖騎士状態で突貫する。

 

 奴もいきなり俺がノーガードで突っ込んでくるとは思わなかったのか、組み付かれた。

 

「舐めるな! 私はギリシャの魔法も使えるのだよ!!」

 

 と、下半身を包み込むように魔力が放出される。

 

 これじゃあアキレス腱は狙えないか! くそ、当たるか!!

 

『充分だ。でかしたイッセー』

 

 次の瞬間、奴の胴体を槍が貫いた。

 

 ついでに俺に直撃して吹っ飛ばした。

 

『イッセーを誘導ビーコンとして精密攻撃を行う投げやりだ。・・・イッセー頑丈だから多少威力でかくても大丈夫だと思ったがまさかこんなところで役に立つとは』

 

「役に立つじゃねえよ! おまえいきなり何やらかしてくれてるわけ!?」

 

 おまえ本当に俺のこと大好きなんだよね!? 扱いが微妙に悪くないか!?

 

「っていうか宮白!! そっちは大丈夫なのかよ!?」

 

『ん? ああ、大丈夫大丈夫。今住人の記憶制御とかいろいろやってくれているすっごい助かった人がいてさ、おかげで大助かり』

 

 ・・・え? どういうこと?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ失敗したみたいだな。・・・だが、これで奴らは警戒してくれるだろうし最低限の目的は達成できたか。お前も面白かったかエデン?」

 

「まあなぁん。・・・一度ああいったチープな技術は作ってみたかったが、有効利用できたようで何よりだぁん」

 

「だけ★どさ♪ これであいつらは麻薬中毒者を扇動することによる騒ぎに警戒せざるを得なくなったね♯ この忙しい時に苦労しそうだよ♭」

 

「そういうことだこれが。幸い場所がグレモリー領だったからほかの神話勢力もいきなり全面的な行動はしないだろう。・・・どうせ中二病こじらせた爺の対策で全面的行動せざるを得ないとも知らないでな」

 

「だからって開き直ってこういったことをするとは、パラケ☆ラススもビックリさ♪ 次のプランもできてるんだろう?」

 

「ああ、これから忙しくなる。ルーマニアは地獄だなぁ、これが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

「うめえなこりゃ! よし! お代わりもっともってこい!!」

 

 いろいろ終わった街中で、スルト・セカンドさんが宮白が作った郷土料理を食べて声を挙げる。

 

 なんでも鹿肉とイノシシ肉の串焼きらしいけど、あいつミリキャスさまの歓迎のためにそんなことまでしてたののか。

 

「いやいや、セカンドさんは何もしてないんだからそんなにがっつかないでほしいッスよ」

 

「そういうお前も何もしてねえっていうか来てもいなかったじゃねえか!」

 

「俺はだから控えめにしてるんで。ほら、こういうのは活躍した総司さんやマクレガーさんが食べるところでしょうッス!」

 

 サーゼクスさまの眷属たちが、豪勢な料理を食べながら漫才してる光景とかあれだな、オイ。

 

 なんでこんなことになったのかというと、前回の魔獣騒動がきっかけらしい。

 

 あれで全員集合してから、たまには全員で集まるのもいいだろうということで、何人かが集まることになったらしい。

 

 で、その適当な理由としてミリキャスさまの護衛をすることになったのだが、その際に例の暴動騒ぎが勃発。

 

 目立つことは避けようと思ったけど一般人の避難ぐらいは手伝おうと、パシリされていなかったベオウルフさん以外が来てみたら、宮白が不意打ち喰らいそうになっている現場に遭遇して木場の師匠の沖田さんが介入。

 

 そのあと、マクレガーさんがその魔法技術でごまかしたりしている間に宮白が俺たちに援護射撃したというわけだ。

 

 いや、おかげで犠牲が出ずに死神たちを倒せてよかったよかった。本当に助かりました!!

 

「・・・なあグレイフィア。こうなったらテレビ番組で堂々とサタンレッドとおっぱいドラゴンの対決をすればいいのではないだろうか。今はいろいろあって立て直しに忙しいが、だからこそ冥界の子供たちを沸かせるイベントが必要だと思うのだよ」

 

「駄目です。おふざけも大概にしてください」

 

 と、隣でサタンレッド姿のサーゼクス様がグレイフィアさんに怒られてる。

 

 なんでも、ミリキャスさまに「サタンレッドよりおっぱいドラゴンのほうが好きです」といわれて落ち込んだらしい。

 

 忙しい中時間を縫って俺に勝負を挑もうとしたのだが、グレイフィアさんに感づかれて説教喰らったそうな。

 

 ・・・そのせいで来るのが遅れて終わってから来たのだが、できればさっさと来てほしかった。

 

「まあ、これからは気を使って宝石魔術を利用して俺の力を宿した武器を大量生産しよう。・・・くっくっく。現実問題必要があるから、これは大儲けの余地だらけだ。ふ、ふふふ、フハハハハ!」

 

「ちーとばかし死神連中がかわいそうになってきたんだが、このファックは止めたほうがいいんだろうかねぇ?」

 

「いいんじゃない? 向こうが悪いことしてるのは間違いないんだし。・・・アレなのは認めるけど」

 

 野望を燃え広がらせている宮白に、青野さんとナツミちゃんが微妙に引いている。

 

 うん、俺の親友は商魂たくましいです!

 

「しかし素晴らしい術式だ。魔術回路の存在が必須とはいえ、これほどの繊細な術式はそう見つからない」

 

「正真正銘ただの人間にこれほどの力を使わせるこの世界の魔法体系のほうが常識外れだと思うのだけれど。特にこの出力を発生させる方法が驚きだわ」

 

 アーチャーさんとマクレガーさんが魔法談議に花を咲かせているのも印象的だ。

 

 歴史に名を遺す大魔法使い同士の会話はなんというか高度でついていけない。

 

「・・・しっかし俺がいないところでなんか騒がしいことになってんなオイ。フィフスの奴もいろいろと忙しい時にやってくれるぜ」

 

「実質ミカエル様の方も大変だそうです。立て直しが必要な時に気にしなくてはいけないことが増えたとのことで」

 

 一方ベルさんはアザゼル先生と今後のことで話し合ってる。と、いうよりはミカエルさんの苦労について話し合ってるといった感じのようだ。

 

「イッセー兄さま。今日は本当に大変でしたね」

 

 と、ミリキャスさまが俺にそう話しかけた。

 

 かなり真剣な表情をしていて、いつものかわいらしさがすこしかけてる感じだった。

 

「まあ、最近もっとでかい規模が多すぎるからこれぐらいなら何とかなるほうでしたよ。・・・大変なのは本当ですけど」

 

「リアス姉さまたちはいつもこんな戦いを潜り抜けていたんですね。・・・僕はこれだけの戦いに巻き込まれたことはないのですごく怖かったです」

 

 うんうん。今回は俺んちの周りや商店街の近くが戦場になっただけだからあまり被害は出てないほうだけど、それでも危険な戦いであることには変わりないよな。

 

 ホント、俺たちひどい目にあいっぱなしだ。感覚がだいぶマヒしてるよ。

 

「でも、こんな戦いを何度も潜り抜けても生き残っているイッセー兄さまたちは本当にすごいです」

 

 いや、そんなことを言われるとちょっと自慢してもいいかな~って思うけど。

 

「いつもこんな大変なことをしていたんですね。僕達悪魔のために、こんな大変なことをしていたなんて、少し申し訳ないです」

 

「いや、それは気にしなくていいですよ」

 

 そのあたりははっきり言っておかないと。

 

「・・・え?」

 

「そりゃぁいろいろと大変なことは多かったですし、巻き込まれて大変だと思うことはありますけど、俺だって何とかしなきゃいけないと思ったんだし、そこまで気にする必要がないですよ」

 

 うん、たぶん誰かがやらなきゃいけないことだったんだし、それは気にすることはないと思う。

 

 うん、だからミリキャスさまが気にすることはないと思おう。

 

 でもなんだかそれでも不安そうだ。

 

 う~ん。こうなったら仕方がない。そういえばさまづけも気にしてたみたいだし、よし! こうなったら!!

 

「ミリキャス! 俺はお前の兄さまなんだろ! だったら冥界のことを気にしたって当然なんだから気にすんな!!」

 

「・・・はい! イッセー兄さま!!」

 

 うん。子供はやっぱり笑顔が一番。

 

 これからもいろいろと大変な気がするけど、俺も負けないように頑張るぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




番外編もこれにて終了!









と、フィフス側は増大した戦力を積極的に利用して暗躍中。

これにより、「禍の団による麻薬中毒者を利用した神秘を一切使わないがゆえに隠す気もない作戦の同時進行」を常に警戒しなくなったわけです。実際それでやばいところまでいったわけなので、警戒しないという選択肢は存在しない。

一回しか使えない切り札を、そうと知らない相手に速攻で使うことで「こいつはまたつかってくるかもしれない」と深読みさせて注意力を割く手段とでも言いましょうか。とにかく注意力を割いています。ちなみにこれにはもう一つの陽動が隠されていますがそれは四章の後半になるかと。


んでもって四章のメインになるフィフス側のタネも本格的に説明。

サーヴァントの力を上乗せするドーピング技術。これで原作で登場したサーヴァントの能力もポンポン出せます。もう「これほとんどオリジナルじゃん」だなんて言わせない!!

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