ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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大仰な異名、つきました!

 魔法使いとの契約は、悪魔にとっても結構重要だ。

 

 なにせ、魔法使いにとって契約した悪魔はステータスであるように、悪魔にとっても契約した魔法使いはステータスだ。

 

 下手な小物と契約すれば、自分の価値を大きく下げる。グレモリー眷属は若手の中では希代の大物なのだから、下手なことをした場合の下げ幅は非常に大きい。

 

 そんな状況下で大量に志願者が出ているので、負担がとても大きかったりする。

 

 うん、とても悩んで大変なことになる。

 

 と、言うわけで。

 

「雪侶と契約することが前から決めていた俺は上から高みの見物ができるというわけでマジラッキー」

 

「リアス! 宮白をいっかいぶんなぐらせてください!!」

 

「抑えなさい。後でしっかり選考のための仕事を押し付けるから」

 

 しまった藪蛇!!

 

「大体なんで雪侶ちゃんは宮白なんだよ! こういう時は普通俺じゃないか!?」

 

「自分が俺の義兄弟になる可能性を理解してくれて嬉しいな。ま、俺の方が術的な実利が大きかったことが理由の一つだ」

 

 なにせ俺は厳密にいえば違うがマジモンのメディアをサーヴァントにしているからな。

 

 必然的にその恩恵はすごいことになるし、術式共同研究という意味ではお互いにもっとも効果を発揮できる。

 

 と、言うわけで俺はここ数十年は女王の嗜みとの契約が中心になるだろう。

 

「なに、雪侶はお前の契約相手になりたいんじゃなくて眷属悪魔狙いだから安心しろ」

 

「できれば俺も悩みたくなかったから雪侶ちゃんと契約したかったよ」

 

 目の前に積まれている資料の山を見ながら、イッセーはため息をついた。

 

『いやー、こちらとしても神喰いの神魔(フローズヴィトニル・ダビデ)との契約希望者はすごく多かったんだけどね? 真っ先に断られたら仕方ないから最初から盛り込んでないんだよね』

 

 魔法使いを束ねているメフィスト・フェレスがそう残念そうに言う。

 

 因みに神喰いの神魔(フローズヴィトニル・ダビデ)とは最近俺についた異名だ。

 

 フェンリルの別称とジャイアントキリングの先駆けであるダビデを組み合わせたすごい異名だが、ロキ撃破の功績を持っているうえにハーデスを瞬殺したため納得されたらしい。

 

 ・・・正直この方面は想定してなかった。そのせいですごい恨まれすぎて報復のためだけに禍の団が強化されるし、いや、ちょっとやりすぎたかも。

 

「なんで頭の回転は速いのにこういうところは考えが及ばないのかしらねえ?」

 

「全くですわ。宮白くんは深く考えられるのに浅い考えをするところが多いですわねぇ」

 

 アーチャーと朱乃さんがドS的なことを言ってくれるよ。ホント、最近仲良くなってくれたことで。

 

『とはいえそこは防備が高かったはずだけど想定外の方向から襲撃を受けたみたいだね。そこにいるフェニックス家のお嬢さんの護衛は気にしたほうがいいよ』

 

 と、少し不安になることを言われてしまった。

 

 なんでも、フェニックスの涙のコピー品が出回っているらしい。

 

 それだけならまあ珍しくもない話なのだが、最近の作品は非常に精度が高いそうだ。コピー品ってかなり粗悪なものが多いと思うのだが、なんだか買いたくなってくる制度の高さだ。実はこっそり調査用に回してもらおうとメールを送っているの内緒だ。

 

「そういえば学園都市の科学技術で何とかなるんじゃないかな?」

 

「神秘的要素に付いては真逆の要素なのでそう簡単にはいかないとか小雪は言ってたぜ?」

 

 イッセーの疑念はアザゼルがすでに考慮していたようだ。

 

 確かに、悪魔とかは神秘的要素が強いから量産となると難しかもな。

 

「とはいえそれが解決すれば、日本円にして1人数十万で一年前後で数万人は行けるから、可能になったらかなりやばいとも言っていたが」

 

 質より量を地で行く戦法になりそうだな。フェニックスの涙は数が少ないことが欠点だから一気に逆転されそうで怖いんだが。

 

 大御所が消えたと思ったらややこしいことが出てきて実に大変だ。

 

「人間世界もアフリカでは軍需産業が台頭しすぎて戦争一歩手前だし、まったく、平和ってのは意外と長く続かないもんだぜ」

 

「どこの世界も問題は出てくるものね」

 

 アザゼルと部長が溜息をつくが、まあ俺も相応に警戒しないといけないな。

 

 彼らには悪いが、何よりイッセーたちとの平和な生活こそが大事だからな。悪いがその辺には一線を敷かせてもらう。

 

「・・・ま、何とかしていくしかないんだけどな」

 

 ほんと、そういうほかないんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・とりあえず小猫ちゃんは仙術関連になるだろうから、悪い気を取り込まないように善玉傾向が強いやつにして、ギャスパーは対人恐怖症がまだ残っているからネットなどでのコミュニケーションがとりやすいやつをピックアップ。ゼノヴィアは宗教関連での揉め事を避けるために、元から聖書の教えに対して比較的友好な連中を挙げておいたぞ」

 

 数日かけて選考を行う中、当然のごとく空いている俺は仕事が押し付けられた。

 

 いっそのこと雪侶に仲介させようかとも思ったが、それだとメフィスト・フェレスの顔が立たないと思ってさすがに自重。とりあえず選考人数少ないところからさばいていこうと行動開始。コンセプトを決めてバッサリ減らさせてもらった。

 

 部長に関してのピックアップはいずれ必要不可欠だが、その前になれてないから練習しておかないとさすがにきつい。

 

「・・・助かります」

 

「ね、ネットでどういったことをするかの傾向までまとめてくれたんですか!? あ、この人趣味が合いそうです」

 

「宮白は本当にこういうことが得意だな。・・・選考基準に攻撃力重視の研究が多いのは偶然か?」

 

 すいません意図的です!

 

「さすがに最近はもう少しテクニックを磨こうと思うのだが・・・。とりあえず少しぐらいはエクスカリバーを使えた方がいいだろう。どうせ宮白のことだから贋作ぐらいは用意できるのだろう?」

 

「確かに用意できるが、俺はお前にエクスカリバー重視させるの反対派だって忘れてないか?」

 

「まあ、最低限使えた方がいいというのはもっともな意見だと思ってな。簡単に使える技術ぐらい習得しても損はすまい」

 

 く! 木場の説得にゼノヴィアがなびきかけてる!!

 

 とはいえエクスカリバーのレプリカとか大量生産するとそれはそれでもめそうだから、あまり作るのは避けたいんだがな。

 

「・・・レイヴェルは大丈夫でしょうか?」

 

「ん? やっぱり気になるか?」

 

 資料のメリットデメリットを調べなおしながら、子猫ちゃんが少し不安そうにしていた。

 

 結構喧嘩もしているが、なんだかんだで仲がいいから気になるのだろう。

 

「まあ、いろいろな意味で懸念事項ではあるがあいつら隠れるの上手いから難しい話でもあるしな。・・・それとなく一緒にいてやるのが一番だろう。それともイッセーとべったりさせとくか?」

 

「・・・それは嫌です」

 

 おやおや、同い年同士だとやっぱり取り合いがきつくなるか。

 

「僕の方も大変なことになりそうで不安です・・・」

 

「ああ、吸血鬼業界が接触したいとか言ってるからなぁ」

 

 ギャスパーの方も大変だな。

 

 吸血鬼業界については俺もそこそこ調べてきてるが、現悪魔側をはるかに上回るほどの貴族主義にして純血主義だ。当然のごとく吸血鬼以外は敵視しており、和議など考えられない。友好的接触をしてくるとはとても思えない相手だ。

 

 絶対にひと悶着あるだろうな。吸血鬼武装は絶賛開発中だ。

 

「そして宮白の懸念通り、教会の方も和平に対して不満が続出しているらしい」

 

「予想の範囲内だったがやはり来たか。フィフスがアサシンを動かして暗躍してるだろうなぁ」

 

 必ず来るとは思ってたけど、予想以上に早くて此方も面倒だ。

 

 代用武装は開発中だが、まだ数か月はかかりそうだ。その間はエクス・デュランダルは残しておく必要があるし、その間に爆発しそうで非常に怖い。

 

 ああ、英雄派との戦いがほぼ終わったと思ったら結局大変だ。なんで悪魔になって一年たってないのにこんなに大変な目に合わなきゃいけないんだ。

 

 終わったら燃え尽き症候群になってしまいそうだ。その阻止のためにもいろいろ考えないと。

 

 ハーデスに対する嫌がらせとして、ハーデスTS完堕ち系ブ○イク級同人エロゲを製作するのは当分先になりそうだ。今そんなことしたら過労死する。過労死の原因がそんなことだと知られたら末代までの恥だ。

 

 うん、気を付けよう。

 

 

 




中二病を患ったことがあるならだれもが一度は考える異名。やはり主人公には付けたほうがいいかと思いつけてみました。


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