ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
まあ、俺たちは今でもちゃんと鍛えている。
「・・・チャージ時間がかなり長いですね。やはり連携を前提とした運用が必要になりますか」
「リアスは王ですもの。味方とともにいることは変なことではございませんし、実戦でなら当然ですし、まあ問題はないでしょう」
「そうね。実戦の場合は一対一ではなくてチームで戦うから、この能力も十分運用できるわ」
部長の新技を開発中において、本格的な実戦仕様を開発中だったりする。
なにせ俺たちはレーティングゲームより本格的な大規模実戦のほうが多いチームだ。
生存性を考慮するなら、レーティングゲームで使えないことを考えるほうが合理的だ。
特に部長の特性は破壊力重視。極限まで極めればレーティングゲームのリタイア機能が通用しないものもあるはずだ。
が、実戦なら何の問題もないというわけだ。
「これで、少しはみんなの役に立てるかしら?」
「充分でしょう。賢者状態のイッセーよりも威力はでかいでしょう」
現時点における最大火力だろう。ゼノヴィアでも一発の威力ではかなうまい。
破壊力に特化した、俺たちグレモリー眷属の筆頭。うん、我らが王にふさわしい能力だ。
「やっぱりパワー押しこそがグレモリー眷属の本領ですね。俺としてはやはりゼノヴィアのパワー上昇と、朱乃さんに荷電粒子砲発射能力を付与する方向で一つ」
「貴方はテクニック不足を自分一人で何とかするつもり?」
いや、引かないでくださいよ。
それは木場や俺の仕事なんですから。そこはしっかり俺たちを強化するのが基本パターンにするべきだと思いますね、俺は。
「そういえばイッセーくんは大丈夫でしょうか? 最近調子が悪いようですけど」
「まあ、体消滅して新調なんて真似してますからね。非常識すぎるからそりゃ変化がなくちゃおかしいですけど」
最近じゃ三宝の発動も大変みたいなんだよなぁ。
俺のせいとはいえ、敵が増えちまったこともあるし、さすがに切り札の使用不能は避けたいところだ。
あいつら俺に報復するためなら手段選ばないところあるから、俺以外を集中的に狙ってくる可能性もある。
と、言うわけでイッセーが弱体化してるっていうのは間違いなく、そこを突かれると大変なので何とかなってほしい。
「まあ、というわけなんでちょっとイッセーの様子を見てきますね」
「イッセー! そっちの調子はどうだ?」
と、俺は汗を拭いているイッセーたちの様子を見に戻った。
「やっぱし調子悪いな。三宝は出せそうにないぜ」
俺が渡したスポーツドリンクを飲みながら、イッセーはそうぼやく。
やっぱりドライグの負担がでかかったか。赤龍帝の鎧は、ドライグがOSとしてサポートをしているからこそあの性能だ。翻せば、ドライグの調子が悪ければ赤龍帝の鎧はフルで性能を発揮することができない。
ただでさえオッパイネタで心労重ねてたからなぁ。さらに負担がかかったせいでいい加減オーバーフロー気味か。
「念のために、教会側に戦力強化の要請をしておいてよかった」
「いつの間にやっていたんだい?」
木場が苦笑しながら、魔剣の調子を確かめる。
「そっちの方も苦戦中か?」
「まあね。ジークフリートが全力でグラムを使えなかったわけだよ」
苦笑している木場の顔色は少し悪い。
やはり、安定運転でも魔剣の発動はキツイか。
と、なると直接運用ではなく保険によるサポート運用をするべきか?
「・・・いっそのこと当分の間研究施設に送り込んで調べるっていう手もあるか?」
「いや、これだけの武装を使わないでいるのはもったいないよ。・・・できればこのまま使い続けたい」
お前はテクニックタイプなんだからそこまで馬鹿でかい火力はイランと思うのだが。
「攻撃力より防御力の方が不足してるんだから、そっちの方を中心に何とかしとけばいいと思うがねぇ?」
「インフレが激しいから今更しても追いつきそうにないしね。かわして切れれば何とかなるさ」
やれやれ。思想の違いは面倒だ。
「で、ゼノヴィアはエクスカリバーは何とかなるか?」
「やはり祝福や夢幻、支配はどうしようもないな。天閃や擬態はだいぶ使えるようになったんだが」
ふむ、やはりシンプルなタイプの方がゼノヴィア向けか。
祝福は俺が慣れてるから指導しやすかったが、しかしあわなかったか。
「ってことは外すのは支配と祝福と夢幻が中心だな」
とりあえず、デュランダルの方針としてはサブプランを検討中だ。
偽聖剣の技術とエクスカリバーの有用性を考慮に入れて、一部のエクスカリバーだけ残してあとはレプリカを使って代用しようという話だ。
のちにこの技術を流用して、七本のエクスカリバーすべてにそれ以外のレプリカを搭載した発展形を開発する予定だ。これにより七人のエクスカリバー使いが誕生して発展するだろう。
因みに、平行してゼノヴィア用の改良型強化武装も開発中だ。たぶんこっちも間に合うだろうが、それはそれこれはこれ。
最終的に決着を突けようとは思うが、決めるのはゼノヴィアなのだからそういった保険をかけておくのはまあいいだろう。
それに、考えてるってことはゼノヴィア自身が強くなるために向き合ってるって証拠だからな。それはそれでいいことだ。
「・・・ま、意見があるならその時ちゃんとハッキリ言ってやるよ。俺もいくつかアイディアがあるんでな」
そして、トレーニングは順調でも日常はそういうわけではなかったりするわけだ。
「待ってくれ久遠! 話を、話だけでも!!」
「あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうああうあうあうあうあううあうあうあうあうあうあうあうあうあぁあああああ~!?」
ええい、なんだこの別れたがる女に無理やり追いすがる悪質なダメ男みたいな展開は!
くそ! なんでこいつは公衆の面前どころか冥界ネットで告白してくるのにこういうところでウブなんだ!!
「こ、こここここここれから、道場破りに北海道行くからごめんなさいー!」
「どこまで行くんだ久遠!?」
思わず突っ込んだかが、次の瞬間には久遠は消えていた。
・・・おい、こんなところで瞬動使うな!? 人が見ていたらどうするつもりなんだ!?
あわてて周囲を確認するが、不幸中の幸いで見てるやつはいなかった。・・・さすがにそれを確認するだけの判断力はあったのか。
「くそ! いつになったら久遠と話ができるんだ」
俺は割と本気でへこんでいるんだが。
っていうか、襲ってきたのは間違いなく何の反論もなくそちらですよね? なんでお前が逃げてんだオイ。
「・・・あいつまだファックに照れてんのか?」
と、バイト返りの小雪に発見されていた。
「おい、お前ら四人全員で納得して襲い掛かったんじゃないのか?」
「いや、その通りなんだけどな。まあ、言うのは簡単だがやるのは難しいってのはよく言うだろ?」
つまり、聞くだけなら何の問題はないと思ったけど、実際やってみたら結構きたと。
「ああもう、どうしたらいいんだよ畜生!」
ここ最近ずっとこれだぞ!?
ええい、いつになったら久遠とまともに話できるんだ。
「いい加減泣きたいんだが」
「っていうかお前も、もっと奇襲してせまれよ。あいつ攻められると弱いんだから、一度でも捕まえれば何とかなるだろ」
「あのなぁ、自分の女にそんなひどいことできるわけないだろうが」
「なんで本命相手だと微妙にヘタレなんだ、お前もイッセーも」
小雪に肩をすくめられた。
ええい、誰がヘタレだ! 俺は百人切りすら実行する経験豊富なテクニシャンだぞ!
ええい、ちょっとマジで何とかしないとでもどうしようか・・・。
と、そんな時に電話がかかってきた。
見ると部長だ。そういえばもう部活の時間だったな。
「はいもしもし? 悪いんですけど今ちょっとへこんでるんでもう部活休みたいんですが」
『そういう問題ではなくなったわ』
ん? なんだか真剣な感じだな。
『吸血鬼との会合の日時が決まったわ。・・・明日の夜よ』
ええい。またしても大変なことになりそうな予感がしてきた。
頼むから久遠のことが解決するまで休ませてくれ!!
レーティングゲームをあえて視野に入れずに強くなろうとしていたのが兵夜ですので、これからのグレモリー眷属方針とはぴったり合っていると思います。
しかし敵の方もどんどん強化していくので、それでもなお追いつくかどうか。
頑張れ、グレモリー眷属!