ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ウィザード編最終話。

兵夜とイッセーはふんどしを撃退することができるのか!?


年末最後の日に更新できてよかったです。ちょっと嬉しい。


ふんどし、追い返します!!

 ふと目が覚めてみればなんだこの状況かは。

 

 全く訳が分からない。何が何だかわからない。

 

 だが、ナツミがショック状態で久遠までショックを受けていることはよくわかった。

 

 そして目の前には訳が分からないがなんかすごいことになっているふんどしが一人。

 

 ああ、とりあえず一つだけわかった。

 

「お前の仕業かふんどし新世紀がああああああ!!!」

 

 神魔剣状態で俺は股間に一撃を叩き込んだ!

 

「ぐぬぉ!?」

 

 ええいぐにゅっとしてるがそんなことはどうでもいい!

 

 もう一発! 二発! 三発!

 

「ええいしつこいぞ! お前も神にして悪魔なUMAならぺろぺろしてくれる!!」

 

 気合いで弾き飛ばされたが、そんなことはどうでもいい。

 

「上等だコラ! ほぉら美味しいですよ!」

 

 うるさい口に拳を入れて黙らせてから、俺はそのまま口の中に光魔力の槍を叩き込む。

 

 即座に五連発!

 

「ぐふぉ!? だがまだまだ気合いが足りん!」

 

 チッ! 思ったより効きが悪い!

 

 あれだけはでにやれば対抗術式の一つぐらい組まれると思ったが、それにしても効きが悪すぎる!!

 

「こんな気合では止められんぞ! この気合全力の出力で吹き飛ばされるがいい!」

 

「誰が吹き飛ばされるか! 作ったばっかの切り札なめんじゃねえぞ!!」

 

 割と全力で迎え撃ちながら、俺は真正面から殴り合いを敢行する。

 

 ええい、とはいえこいつシャレにならん!

 

 不意打ちでハーデスぶちのめしたときとは話が違う。さすがに三回目ともなれば対策取られるか!

 

 せめてもう一段階何かあればいいんだが、このままだとまずいか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 痛い痛い痛い痛い!

 

 なんていうかいろいろ吹き荒れて、近づきたくても近づけない!

 

 あれに真正面から向かい合ってる宮白がすっげえ! さすが切り札神魔剣! 本当にあいつはいろいろ作ってるけど、俺たち近づけない!

 

「明らかに面倒なことをしてくれるわね! ここから出たらだめよ!!」

 

 アーチャーさんが障壁を張ってくれてるから何とか防げてるけど、これはさすがに強力すぎだろう!

 

「・・・ああ、ありえない、ありえない―」

 

「ひょ、ひょひょひょひょ兵夜ぁ」

 

 桜花さんはいまだに茫然としてるし、ナツミちゃんも立てそうにない。

 

 匙やファーブニルも障壁を張って防いでるけど、これじゃあうかつに使づけないぞ!

 

 くそ! あのふんどしは化け物か!

 

「どうすんだよ兵藤! さすがにこのままにしておくわけにもいかねえだろ!」

 

 と、自力で防いでる匙が声を挙げる。

 

「突っ立ってどうすんだよ! 俺たちだってここから出たら吹っ飛ばされるぞ!」

 

 いや、俺だってできることなら参戦したいですけどね?

 

 外出たら間違いなく吹っ飛ばされるんだよ、この出力!

 

 しかも残念なことに、三宝はガス欠状態だから防ぎようがない。

 

 ええい、どうしたらいいんだ!

 

「い、イッセーさん! おっぱいです! おっぱいに触れてください!」

 

『おぱんつ、いる?』

 

 と、ファーブニルにかばわれてるアーシアがそんなことを言ってくれるけど、残念だがアーシアのおっぱいではどうしようもない。

 

 いや、このままいくとこの施設も吹っ飛びそうだからそれはそれで必要なんだけどね? たぶん今はそんな余裕ないというかね?

 

 外に出た瞬間に今の俺だと吹っ飛ばされる。そして吹っ飛ばされなかったとしてもアーシアのおっぱいでは決定打にならない。

 

 くそ! このままじゃ宮白だってきついってのに・・・!

 

「・・・イッセーさま」

 

 と、俺の方にレイヴェルが手を置いた。

 

「・・・私を使ってください」

 

 な、なんだと!?

 

 れ、レイヴェル? レイヴェルの不死鳥オッパイが・・・俺に?

 

「強大な魔力をもつリアスさまは魔力を供給し、回復力をもつアーシア先輩は治癒の力を増幅させた。イッセーさまの強化は、相手の特性に合わせて能力を変化させます」

 

 ああ、確かにその通りだろう。

 

 俺もほかの人にしたらどんなことになるのか気に放っていた。

 

 それを、ここでやっていいのか?

 

「レイヴェル・・・いいのか?」

 

「はい、私も、あんなものを見せられて黙っているわけにはいきませんわ」

 

 と、レイヴェルがクローンの入ったカプセルに視線を向ける。

 

 そうだよな。レイヴェルだってあんなもの見せられたら悔しいんだ。何とかしたいと思うよな。

 

「わかった。・・・力を借りるぜ、レイヴェル!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気の波動が強力すぎるせいで、小技を使う暇がない。

 

「オラオラオラオラぁ!」

 

「温い、温すぎるぞUMA! そぉらペロリ」

 

 ウザイうえにキモイ!

 

 真正面からの殴り合いではさすがにこちらが不利か! ええい、このままではらちが明かん。

 

 何とかする方法は一つある。だが、今のラッシュ状態ではそんなことをする暇がない。

 

「すいませんが少しの間動きを止めてくれませんかHUNDOSHI! そしたらクリティカルヒットを与えてやるからさぁ!」

 

「誰がうなづくと?」

 

 ですよね!?

 

 ええい、こうなったら力押しで何とかするしかない!

 

 と、思った瞬間にふんどしの動きが止まった。

 

 え? 何一体?

 

 と、死線を向けた先にはイッセーがふんどしに組み付いている。

 

 全身から放出される気の奔流にダメージを受けているはずだが、受けた端から炎を噴出して回復していた。

 

 これはまさか!

 

「フェニックスのおっぱいで不死の力を得たのか! ええいなんというUMAだ! ちゅぱちゅぱ」

 

「うぉおお気持ち悪いから早くしてくれ宮白ぉおおおおおお!!」

 

「よしきたイッセー! 少し待て!」

 

 イッセー! お前の犠牲は無駄にしない!

 

 俺は義足の封印を解除し、出力を解放する。

 

「砕け散るがいい! これぞ俺の必殺技!!」

 

 まあ誰もが想像できると思うが、ハーデスの足を使って完成させたこの義足、当然ギミックの一つぐらい組み込んでいるのだよ!!

 

「くらえ! ハーデスありがとうございましたキック!」

 

「嫌がらせに走りすぎだから改名しろ宮白!!」

 

 あ、やっぱり?

 

 などと思いながら放たれた必殺の蹴りが、真正面からふんどしの顔面に直撃し、吹っ飛ばした。

 

 冥府の神の力を全開放する必殺攻撃。俺だって男だから必殺技の一つぐらい欲しかったんだ!

 

「ぐふぉおおおおおおおおおお!?」

 

 勢いよく吹っ飛んでいくふんどし。

 

 ふっ。さすがに神魔剣状態での子の蹴りは効くだろう。効かなかったらむしろ泣くぞ俺は。

 

「ぐぅううううう!? なんという力! だがまだ立てるぞ!!」

 

 と、壁にめり込みながらもふんどしは動こうとするが、それより早く決着がついた。

 

「させるわけがないでしょう」

 

 と、一瞬の隙をついたアーチャーが魔法陣を操作する。

 

 次の瞬間、ふんどしを中心として空間がゆがんだ。

 

「これは!? 意図的に空間を崩壊させたのか!?」

 

「そういうことよ。この人数であなたを相手にするのはどうにも不利みたいだし、このあたりで終わらせてもらうわ」

 

 確かにその通りだ。

 

 いくら神魔剣とはいえ限度というものは存在する。

 

 ハーデスを瞬殺できたのは対神武装を満載した状態で初見殺しを不意打ちで叩き込めたからであり、万全の状態だったらさすがに五分五分が限界だっただろう。

 

 圧倒的な相性差による攻撃といえど限度があるし、さすがにこれ以上は俺が持たない。正直心底助かった。

 

「いいだろう! だが気合いを込めれば脱出など容易! 気合の入れ方が足りんブロッサに先を行かれる程度のお前たちでは、このUMAへの愛を止めることはできないと知るがいい!」

 

 と、異空間に引きずり込まれながらもふんどしが自信満々でそんなことを言ってい来る。

 

 全く、二度と会いたくないがきっと会うことになるんだろうな。

 

 それまでに対策の一つぐらいは用意させてもらう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてすべてが終わった現地で、俺は久遠とナツミの近くにいた。

 

 いろいろな意味で衝撃的だったふんどしによって、ショックを受けている二人を見舞うべきだと思ったのだ。

 

「・・・ほら、ココアを入れた。飲んで落ち着け」

 

「うん。・・・美味しい」

 

 気が緩んだのか、ナツミが涙をホロリと流す。

 

 久遠もココアをすすっているが、しかしまだショックが抜けてないようだ。

 

「うそだー。一年ぐらいであの年からあそこまで持ち直すなんて、嘘だー」

 

 自分がスランプに悩んでいるところを衝撃的過ぎる強さで、相当やられたらしい。

 

 うん、まあ気持ちはわかる。

 

「あのふんどし、どれぐらい強さが戻ってるんだ?」

 

「かなり戻ってるよー。ジャック・ラカンとだって真正面から殴り合える、あの化け物っぷりが一年で戻ってるよー。ありえないよー。27から戻すなんてありえないよー」

 

 ふらふら揺れながら漏らす言葉は、よほど衝撃的だったのかかなり危なっかしい。

 

 ジャック・ラカンというのはわからんが、相当強いやつなのだろう。例えに使うのだからもしかしたら久遠をはるかに凌駕する使い手なのかもしれない。

 

 とにかくショックを受けすぎてるってことだけはよくわかる。

 

 うん、さてどうしたらいいものか。

 

「・・・見方にとってはいいことではないですか」

 

 と、俺の後ろから会長の声が飛んできた。

 

 見れば、会長はむしろ少し呆れたかのような表情を浮かべている。

 

 いや、かなり精神的にショックを受けるようなことだと思うんですけど!?

 

「か、会長ー?」

 

「つまり、あなたたちの世界の強さは、十代後半程度で成長が止まるようなものではないということでしょう。十代のあなたならもっと伸びしろがあるはずですよ?」

 

 あ、なるほど!

 

 確かに27のあのふんどしが全盛期の強さをかなり戻せたのなら、十代の久遠が戻せない道理はないか!

 

「で、でも体格が全然違うんですよー? 隊長は体つきが結構近かったからできたかもしれないけど、私は成長期すぎてるからどうしようもー」

 

「落ち着きなさい。悪魔は姿形を変えられるのです。どうしても成長が無理ならそのあたりを使って対処するという方法もあります」

 

 ・・・あ、そっちもすっかり失念してた!

 

「確かに憂慮すべき事態ではありますが、考えようによってはあなたがまだまだ自力で強くなるという余剰が示されたわけです。私としてはここはポジティブシンキングで行くべきだと思いますよ?」

 

 と、会長がニコリと微笑んで久遠の両肩に手を置いた。

 

 その感触を実感してから、久遠が顔をくしゃくしゃにする。

 

「か、会長ー。強く、なりたいですー」

 

「大丈夫。あなたの隊長が実例を示して見せたのですから、部下のあなたがそれを追いかけるのは当たり前です。・・・強くなれますよ」

 

「はいー! 頑張りますー!」

 

 どうやら、俺の出番はないようだ。

 

 だが、あのふんどしの化け物っぷりは気を付けないといけないな。

 

 強くなることを止めたつもりはないが、強くならざるを得ない事態が頻発しすぎだ。

 

 ああもう面倒くさいことになってきた。頼むからもっと心休まる時間を俺にくれ!

 

「・・・兵夜」

 

 と、ナツミが俺の袖を引っ張った。

 

「なんだ、ナツミ」

 

「あのふんどし、また来るのかな?」

 

 肩が震えているのを隠しきれてないな。

 

 俺は、とりあえずかがみこむとそっと抱き寄せる。

 

「・・・大丈夫。俺の使い魔に手を出す不届き物は、しっかりとお仕置きしておいてやるからさ」

 

「うん。うん・・・っ!」

 

 よほど追い回されたのがトラウマになっているのか、ナツミは震えながら強くしがみついた。

 

 うん。ナツミをここまで怖がらせてくれやがって。

 

 この借りは必ず返させてもらうぞ、ふんどし・・・っ!

 

 




と、いうことでウィザード編終了です。

レイヴェル版はまあシンプルに再生能力強化。ただでさえ根性とタフネスで打たれ強いイッセーに再生能力まで加わるため、壁に徹された場合実にいやらしい能力です。




そしていきなり神魔剣に拮抗する化け物が登場しましたが、これはまあこいつがチートなだけですのでご安心ください。神魔剣はオカ研側において最強クラスなのはマジです。




ふんどしがチートなのは前にも書いてましたが決定事項でした。その戦闘能力はジャック・ラカンのチョットしたぐらい。わかりやすく言うと武器を使うと弱くなるのがジャックで使った方が強いのがふんどしです。

本作品において前世基準で原作の最強クラスとぶつけて普通に勝ち目があるレベルなのは彼ぐらいデス。サミーマだって聖十大魔導「候補」ですのでマカロフやジュラと戦えば普通に負けますし、カタログスペックなら超度7の複合能力者であるベルは並びますが、以前書いた通り彼女は使い方において大きく劣るので兵部と戦えば遊ばれるでしょう。型月世界と禁書世界は強者クラスが化け物すぎるので言うまでもなく、久遠もスペックは高いですがネギと戦えば闇の魔法を使わせればいい方ですね。

ふんどしだけが、まともに勝負してもいいと思える程度の勝算をたたき出せるわけです。雷天大壮までなら普通に行けます。

最初に登場させた時点で三章終わってからぐらいに登場させて今までにないぐらいの化け物っぷりを見せつけるのは確定事項でしたが、ちょっと前の感想で言い指摘があったので、化け物っぷりを見せつけるついでに久遠に試練を与えてみました。そしてナツミにとっては山の中で追い回すというトラウマを植え付けた張本人なのでショックっぷりは見ての通り。

現禍の団でも最上位クラスの強者ですので、これからもグレモリー眷属の壁として立ちふさがってもらいます。


来年からはデイウォーカー編に突入。新年に入りまして、ケイオスワールドもヒートアップしていきます!

それでは皆様、よいお年を!!

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