ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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女の戦い、勃発です!!

 ヘラクレスとジャンヌの戦闘能力は幹部クラスなだけあり実に高い。

 

 加えて聖剣のドラゴンを生み出すジャンヌの禁手は結果的に楯として使えるため、俺は安全を確保しやすいという利点がある。

 

 ゆえに、俺は安心して詠唱することができるのだ。

 

「そういうわけでこれで終わりだ」

 

 速やかに固有結界を発動させ、俺は勝ちを確信する。

 

「下らん! 数でも質でもこちらが上回っているのだ。今更何を強化したところで我々を殺せるものか!!」

 

 吸血鬼の1人がこちらに殴りかかろうとするが、俺はそれを恐れない。

 

 真正面から十字架型のハンマーを取り出すと、それを専用の籠手でつかんで真正面から迎え撃つ。

 

「砕け散るがいい、対吸血鬼用ハンマー! 使用者保護装備セットの特注品だオラぁ!!」

 

「馬鹿め! 我々は欠点を克服しているのだ―」

 

 吼えた吸血鬼を叩きのめし、俺はそのまま振り切った。

 

 うん、いい手ごたえだ。

 

「馬鹿な!? 吸血鬼の宿命を克服した我々をなぜこうも簡単に!?」

 

「馬鹿め。どれだけ欠点に耐性を付けようと、お前らが吸血鬼であることを捨て去っていないことに変わりはない」

 

 そう、こいつらの欠点はそこにある。

 

 吸血鬼であることに誇りを持っているから吸血鬼であることは捨てない。ゆえに弱点に関しても耐性を付けているだけで無効化できているわけではないし、吸血鬼である以上弱点であることに変わりはない。

 

 ならば―

 

「俺の固有結界でお前らの吸血鬼としての特性を強化してやれば、比例して欠点の方も再び強化されるって寸法だよ!!」

 

「それなら私も仕事をしたほうがいいようね。吸血鬼対策はちゃんと作ってるのよ!」

 

 と、ジャンヌもジャンヌで対吸血鬼用の聖剣を作り、追加でドラゴンも出してくる。

 

 ここまで来れば後は簡単だ。確かにこいつらは結構凶悪だが、万全の対策が台無しになったことで混乱状態になっているし、まあ実力的にも今の俺なら苦戦はしない。

 

 追加でニンニクエキスたっぷり入れた水を霧化してばらまいているし、この調子ならまあ結界が持たなくなるまでに何とか半殺しで終えれるだろう。

 

 イッセーたちが来る前に終わりそうだが、まあこれぐらいやっとかないとこの二人を連れだして暴れさせた責任を取らなきゃならないしな。

 

 ふふふ、楽に終わらせてやるぜ我が親友!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先手をうって妨害したつもりが、どうやら遅かったようだな、これが」

 

 俺たちを見渡してフィフスが舌打ちする。

 

 やっぱり宮白を警戒してやがったか。だよね! あいつなにするかわかんないもん!!

 

「まあいいか。とりあえず仕事はするわ。・・・全員ここで死んでくれマジで、いい加減めんどい」

 

「それはこっちのセリフだよ、ファックが!!」

 

 拳を構えたフィフスの顔面に向かって、青野さんが素早く一発ぶっ放した。

 

 それを伏せてかわしたフィフスの上から、吸血鬼たちが飛び越えながら突入してくる!!

 

「上等! お前らさっさと片付けるぞ!!」

 

 アザゼル先生がカウンターで槍をぶっ放しながら声を挙げる。

 

 ああ、宮白も心配だしさっさと終わらせるよ!!

 

 と、一歩踏み出した瞬間にまた懐かしい顔が映り込んだ。

 

「はーい♪ 久しぶり、イッセーくん♪」

 

「またお前かよ、レイナーレ!!」

 

 突撃してきたレイナーレの攻撃をアスカロンで受け止めるが、禁手になってなかったので勢い余って城の外に吹っ飛ばされる。

 

 何とか追撃を喰らう前に鎧を纏うけど、こいつの攻撃は喰らうとやばい!!

 

「今度こそ私がきれいに殺してあげる。誰に最初に首を見せたいか応えてくれると嬉しいな」

 

「そうはいかないぜレイナーレ。悪いがさっさと終わらせる」

 

 物騒なことを言ってくるけど、しかし俺だって以前の俺じゃない。

 

 嫌なこと思い出しすぎて前は本調子じゃなかったけど、本来の俺は女相手ならほぼ無敵なんだよ!!

 

 チェーンソーを弾き飛ばしながら、俺は煩悩を解放する。

 

 食らうがいい、女性をあっさりと倒してきた俺の黄金コンボ!!

 

「広がれ俺の夢空間! 乳語翻訳!!」

 

 俺の理想郷が想像され、レイナーレはもろにそれを喰らう。

 

 フハハハハ! 以前は混乱して出すのを忘れていたけど、これさえあれば女性相手なら怖いものなしなのだよ俺は!!

 

「あなたはどうやって攻めるのかな?」

 

『そうねぇ。まずはその貧相な股間の物を切り落とすためにしたから仕掛けようかしら』

 

「貧相じゃないもん! 匠認定でそこそこあるっていわれたもん!!」

 

 見てもいないのになんてひどいことを言うんだこの女! いやいってないけど。

 

 だけどオッパイが語ってくれている以上俺は翻弄されない。

 

 カウンターでアスカロンをたたきつけて。出もそれはかわしてくるだろうからドラゴンショットを撃ってかわしたところを曲げて当ててやる―

 

『でもアスカロンを使ってくるからとりあえずかわして・・・あ、今度はドラゴンショットを曲げて当てようとしてくるのね』

 

 ―へ!?

 

 俺の考えていることを言ってくるレイナーレのおっぱいに翻弄されて、俺はカウンターをことごとく外してしまう。

 

 そんな俺の姿を見て、レイナーレは薄く笑った。

 

「なぜ考えていることが分かるのかって顔ね? ・・・馬鹿ねぇ、読心術なんてこの世にいくらでも存在するのよ」

 

 そういってレイナーレが取り出したのはネックレス。

 

 あれ、なんかアザゼル先生が使ってた宝玉と似た色合いなんだけど、すっごい嫌な予感が。

 

「それにエスパーの読心能力ならこちらの対策にも引っかからないからもう完璧。しかもイッセー君用に聖杯で強化までしてもらったのよ」

 

 ・・・えええええええええええ!? ベルさんとこの超能力ぅうううううう!?

 

 しかも聖杯を使って俺用に強化って、なんでわざわざ女にそこまで使ってまで俺対策すんの!? 普通に男を持ってくるとかなんとかあるだろ!!

 

「素敵でしょ? これの適性が一番高いから私はフィフスに助けられたの。その力を使って私を追い込んだイッセーくんを倒すだなんて、どこかの物語の主人公みたいじゃない」

 

 レイナーレはネックレスに頬ずりまですると、静かに、しかししっかりと息を吸い込んだ。

 

 なんかデジャヴを感じるんだけど、なんかフィフスみたいなことしてるんだけど!!

 

 まさかまさかまさか、こいつも滅竜魔法とか使えるんじゃ―

 

「天神の怒号!!」

 

 それっぽいの使ってきたぁあああああ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佑斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセーくんがレイナーレに弾き飛ばされたのと同時、窓を突き破ってホムンクルスが襲い掛かってきた。

 

 く! イッセーくんを確実に始末するつもりか!

 

 だがそれならフィフス自ら動いたほうが適任のはず。いったいなんでだ?

 

「アイツテンション上がってるな。まあいい、俺は俺で面倒そうな奴を片付けてやるよ!!」

 

 フィフスが炎を巻き上げながら突撃するのはベルさんだった。

 

「お前が一番あいつのところに行けそうだからな。仕事はしっかりするんだぜ俺は!!」

 

「そうはいきません。体術で後れを取るようではミカエルさまにも兵夜さまにも申し訳が立ちませんからね実質!!」

 

 灼熱を閃光。それを纏った拳がぶつかり合い、その余波で部屋が崩壊する。

 

 このチャンスは逃せない。すぐにイッセーくんのサポートに行かないと!!

 

 そう思い踏み出そうとした瞬間、真上から殺気が襲い掛かってきた。

 

「そうはいかないって感じ!!」

 

 放たれた波動を飛び退って回避する。そしてそこから舞い降りたのは、リット・バートリだった。

 

「最近いいところがなかったから扱いが悪いのよ。ちょっと活躍して待遇よくしてもらわないとね~」

 

 そういいながらリットは槍を構える。

 

 アレは今までにはなかった武装だ。それに動きに意外と隙がない。

 

 彼女は魔法攻撃タイプであった以上、いきなり近接戦闘に目覚めたというわけでもないはず。と、いうことは―

 

「英霊の力を宿したというわけか。全く、本当に全力を出してきたというわけかい・・・!」

 

 これではイッセーくんの救援に行く余裕がない。

 

 さすがにここでいきなりグラムを振るうわけにもいかない。これは時間がかかるか。

 

 せめて誰か一人でもイッセーくんの救援に行ければいいんだけど、潜り抜けたものは誰かいないのか?

 

 そう思い視線を一瞬だけ周りに向けると、一人だけ姿が見えなくなっていることに気が付いた。

 

 でも、でもあの人は!?

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 よかった! 滅竜魔法じゃなかった!!

 

 吹っ飛ばされたけどカウンターでこっちもドラゴンショットをぶつけれたし、何より思ったよりダメージは少なかった。

 

 でも威力はかなり高くて厄介だ。これはマズイってマジで!!

 

「ふふふ。厄介な宮白兵夜対策の滅神魔法だけど、イッセーくんにも意外と効くみたいね? 素敵」

 

 明らかに変な方向にテンションが高くなっているレイナーレは、そのまま手を傷口に当てる。

 

 ・・・げ、傷が消えていってるんだけど!?

 

「どう? 天空の滅神魔法は傷を治すの。イッセーくんがどれだけ思いのたけをぶつけてきてもすぐに直してまた相手をしてあげるわ」

 

 異世界技術は本当に厄介だな本当にもう!!

 

 敵に回してはじめてわかるこの厄介さ! しかも滅神魔法とかもう名前からして物騒だよ!! 明らかに宮白対策だよだってアイツ神様だもん!!

 

 本気で宮白倒す気で来たのがよくわかるよ!! くそ! この調子じゃほかにも神対策とかしっかりしてるんじゃないか!!

 

「どんだけ本気で神対策してるんだよ!! まさか対神サーヴァントとか用意してるんじゃないだろうな!!」

 

 俺はレイナーレと打ち合いながらなれてないけどカマをかけてみる!!

 

 乳語翻訳はレイナーレの胸の内を語ってくれるけど、それで俺がどう考えているのか読んでくるから長くなるしすぐ変わるしで意味がない。

 

 くそ、読まれているのならこっちも読んじまえばいいとかなんて対策だよ。俺は魔法とか苦手だから対策もとれないし超能力は乳語翻訳と同じでアプローチが違うからたぶんうまくいかないしで厄介だ!!

 

 油断してた! 俺たちが強くなれば当然向こうだって強くなってくる!!

 

 うん、元カノに殺されかかるとか冗談じゃないよね!!

 

「逃がさないわイッセーくん。あなたはここで私に殺されるのよ!」

 

 しかもレイナーレの方も相当鍛えられたのか、動きが鋭く隙がない!!

 

 木場やサイラオーグさんとかの武術の達人でも何とかなりそうな技術だ。まだまだ経験の足りない俺じゃあ追いつけない!!

 

「二度にわたって同じ女性に殺されるだなんて運命を感じない? 私も運命を感じちゃうわ。だってあの赤龍帝を二度も殺した女なんて私ぐらいよきっと!!」

 

 怖いよぉおおおおお! これなんかヤンデレだよぉおおおおお!!

 

 ヤンデレ萌えとか嵌った時期もあったけど、リアルにいても怖いだけだよ!!

 

 俺なんで俺を殺した元カノにさらに執着されてんの? あれ、だまされただけだよね! 最初からデレなんてなかったんだよね!!

 

 くそ、リアスのおっぱいが恋しい。アーシアの癒しが恋しい!!

 

 だれかぁああああ! まだ覚悟できてなかったからかわってくださぁああああい!!

 

「さあイッセー君! このルーマニアに赤龍帝最後の地という異名を刻み込むのよ!! どうせ童貞も卒業してるだろうし思い残すことはないでしょう!!」

 

「まだもらってないから断固拒否するわ!!」

 

 ハイになっているレイナーレの真横から魔力の塊が襲い掛かった。

 

「ちぃっ! 人が感極まってる時に邪魔しないでよ!!」

 

 とっさに全弾迎撃するレイナーレから離れて、魔力が放たれた方向に顔を向ける。

 

 まあ誰かなんて見るまでもなくわかってるけどね! 俺があの人の声を聞き間違えることなんて決してないもん!!

 

「私のイッセーの貞操は私がもらうのよ!! その邪魔をするようなら滅するわ! カラス!!」

 

「リアスぅううううううううう!! 怖かったですぅううううううううう!!!」

 

 うわぁあああい! リアスぅうううううう!!

 

 さすがは俺の愛しい人!! とても嬉しいですううううう!!

 

「あらあら。あなたごときが今更出てきて何をするというのかしら? たかが上級悪魔の跡取り程度が、神殺しと赤龍帝の戦いに割って入れるのかしら?」

 

 余裕の表情ですごい毒を吐くレイナーレ。しかし部長も負けてはいない。

 

「あらあら。強大な力を与えられて調子に乗るだなんて、典型的な悪役ね。知ってるかしら? そういうのって基本的に小物って呼ばれるのよ?」

 

「負け犬の遠吠えって知ってるかしら? しょせん初デートなんて永遠に無理な小娘にはわからないわよねぇ? ごめんなさぁい。イッセーくんの初めてのデートを先取りして」

 

「調子に乗ってこきおろおした男に叩きのめされるテンプレートな負け展開よりかははるかにましだわ。そもそもそんなことを気にするような小さな自分は卒業したのよ」

 

「あらあら、弱い犬ほどよく吠える。・・・あ、違ったわね、あなたは弱くないわ、周りが強すぎて追いつけないだけ。うん、気にしちゃだめよ♪」

 

「無理やり上乗せされただけの中級ごときが言えた義理じゃないわね。しってる、分不相応なドーピングに調子に乗るのは自滅フラグなのよ?」

 

「・・・イッセーくんは今私と戦ってるの、邪魔するんじゃないわよ、処女臭いガキが」

 

「イッセーは私の男なの。邪魔はあなたよ、使い古された中古品」

 

 元カノと今カノが俺を巡って口論をしている。字面はそうなんだけど全然嬉しくない展開だ。

 

 だが今のレイナーレはリアスじゃ分が悪い。助けてもらってうれしいけどここは俺が頑張らないといけない展開かも。

 

 と、思った俺の視界にいきなり赤い騎士が現れた。

 

 アレはバーサーカー!? しかもリアスの真上から現れやがった。

 

 しまった! 驚きのあまり乳語翻訳が解けてた!! くそ、間に合うか!!

 

「リアス! あぶ―」

 

「大丈夫よ、イッセー」

 

 リアスは俺の言葉を遮って微笑むと、上を見ずにバーサーカーの攻撃を受け止めた。

 

「「・・・え?」」

 

 思わず俺とレイナーレの声がハモった。

 

 え? リアスは確かに強いけど、接近戦の使い手ってわけでもないのに何であっさりとサーヴァントの攻撃を受け止めれるの?

 

 しかも、リアスが持ってる剣からなんかすごいオーラが出てきてるんだけど一体何あれ!?

 

「レイナーレ。一ついいことわざを教えてあげるわ」

 

 リアスはバーサーカーの攻撃を受け流すと、剣の切っ先を正面から突きつける。

 

「・・・因果応報。後付で強くなった気でいるお調子者は、後付で強くなった女で十分なのよ」

 

 そして、俺は今気づいた。

 

 今部長が来ているのは制服だけじゃない。

 

 黒と赤で彩られた外套から、なんか恐ろしいオーラが放たれていた。

 

「来なさい。私のイッセーに手を出した報い、万死に値するわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 




味方のサポート向けの能力を嫌がらせ戦術に使用する兵夜はやはり性格が悪い。

発動中は味方を自由自在に強化可能という支援特化型の固有結界ですが、もっぱら敵に対して使って嫌がらせに使う兵夜。出力で圧倒的開きのあるイッセーがいるためそもそも発想してない節があります。




そして今カノと元カノが男を取り合って殺し合い勃発。・・・うん、なにも間違ったことは書いてないけど何かが間違ってるね!

リアスの強化武装については次回詳しく説明します

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