ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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カラオケ、行ってきます!

 

 本当に最近忙しいといえば忙しい。

 

 もともと魔術師組合の安定化と権威向上は必要不可欠だ。

 

 根本的に非人間的要素のある魔術師をまとめるには相応の利が必要であるわけだし、そのうえで人道面を配慮するというのはなかなか大変だ。

 

 今のところは冥界の土地開発を利用することで権威向上は何とかなるが、今後の悪魔側からのスカウト攻勢を考慮すると、ゼクラム・バアルの支援を確保できなかったらどうなっていたかわからない。

 

 今のうちにグレモリー卿に頼んで工房向きの土地を確保しておくか。上手く冥界政府との直結にして、冥界政府からの資金援助と土地提供をもぎ取っておかなければ。

 

 兵器開発も必要不可欠だ。蒼穹剣の構造的欠陥の対処はもちろん、対神器戦において圧倒的アドバンテージを持つリゼヴィムを神滅具持ち多数のD×Dで相手するためには相応の武装が必要不可欠。

 

 とりあえず武力介入を辞さない神話勢力に「危険なことはこっちでやるんで資金援助プリーズ。援助額に応じてリターンするベ、技術的に」と売り込んだおかげで研究資金には困らないが、さてどうしたものか。

 

 まあちょうどいいのがあるからそれの大量生産がメインになるだろう。幸い似たようなものは量産体制に入りかけていたし、それを生かせばだいぶ楽になるだろうな。数をそろえればリゼヴィム相手にもだいぶ有利になるはずだ。

 

 それとは別で麻薬騒ぎの対処も必要不可欠。なにせこれは俺が悪魔になる前の付き合いである以上部長たちの力を借りるのは最小限にするのが筋だ。なしといえないのがつらいところだが、まあクリフォトがかかわってるのでそれは良い。

 

 なにぶん規模が規模だから警察だけでも極道だけでも苦戦は必須だ。前から仲介していた俺がいなければ、足並みがそろわなくて逆にグダグダになるのが目に見えている。

 

 そのうえでトレーニングも必要不可欠。今後の戦闘を考慮するのならば、神格の制御などやることは盛りだくさんだ。

 

 作戦指揮においての俺のばらつきも指摘されたしな。今後は長期戦も視野に入れた戦闘スタイルや武装も多めに開発しておかないといけないわけで、マジでしんどい。

 

 そこに舎弟の管理や今後の女性関係の行動もあるわけで本当に疲れるわけだ。

 

「ゆえにストレス発散のお酒とおつまみは必要だと思うんです。過酷な労働を強いられている俺に安らぎをください先生!」

 

「駄目です。宮白君はまだ学生なんですから節度をわきまえてください。大体ここは日本ですよ?」

 

 ロスヴァイセ先生は本当に厳しいです。でもあなた京都でお酒飲んでましたよね!?

 

 くそ! 割と本気で疲れてるから日々に癒しが欲しかったのに!!

 

「いやマジで勘弁してくださいよ。俺間違いなくグレモリー眷属で一番仕事してますよ? 過労で倒れないようにこれでもセーブしてるんですから」

 

「発散するにしてももう少しほかの方法で発散してくださいといっているんです。ほかにないんですか?」

 

 それを突かれると弱い!

 

 ああ、今日はいい酒が手に入ったから呑もうと思ったのに!

 

 じつに残念だが仕方がない。たまにはゲームでもして寝るか。ストレスたまってるし無双系でもしてどっかんどっかん吹っ飛ばすとしよう。

 

「わかりました。まあこれからも徹夜が続きそうですし、お酒はほどほどにすることにします」

 

「わかってくれればいいんです。あ、でもそうだとするとちょっと困りますね・・・」

 

 と、なぜかロスヴァイセさんが困ったような顔をした。

 

「どうかしました?」

 

「いえ、実はその・・・」

 

 何やら神妙な顔つきになって顔を真っ赤にしておられるのだが、一体何があったというのだ。

 

「・・・彼氏役が、必要でして」

 

「はい?」

 

 いったいどういうこと?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おばあさんに彼氏がいるって言っちゃった?」

 

「みたいなんだよ」

 

 次の日、俺は昼休みに木場たちと飯を食いながらそのことについて説明した。

 

 テストも返却されていろいろと話題になっているが、俺はすべてにおいて平均点を余裕で上回っているので安心安心。

 

 まあ、授業真面目に聞いて予習も復習もして教科書丸暗記している俺はテスト勉強なんてしなくても平均点は余裕なのでこういう時楽だ。

 

 で、話は戻すがロスヴァイセさんの方だ。

 

 なんでも祖母と話をしていた時にその場の勢いで悪魔に転生したことをとやかく言われ、口論一歩手前になったらしい。

 

 で、その祖母が彼氏でもできてるなら安心できるといったところ、その場の勢いでつい彼氏がいるといってしまったらしい。

 

 そして面倒なことにその祖母がこっちに来るという連携コンボ。進退窮まったロスヴァイセさんは彼氏役を欲していたというわけだ。

 

「まあ、彼氏らしいところを見せてくれとか言うわけだし? 仕事多い俺に頼むのも気が引けたんだろう。だからといってイッセーにするというのもアレな気もせんでもないが」

 

「宮白くんも気に入られていたような気がするけどね。 名乗り出てもよかったんじゃないのかい?」

 

 木場が冗談めかして言うが、それを言ったらお前が一番適任だろうに。

 

 隠れ悪党の俺に変態帝王のイッセーに女装男子なギャスパー。癖が強すぎて、自分でいうのもなんだが適任かといわれると首を傾げる。

 

 そういったところがほぼない上に学生として完璧なこいつが適任なのは火を見るより明らかだ。

 

「お前が一番適任だと思うがな。ま、イッセーは彼女たくさんいるからある意味なれてるって言えばなれてるわけだが」

 

「それなら宮白くんもそうだよね。忙しくなかったら引き受けてた?」

 

「あ・・・どうだろうな」

 

 確かに最近彼女たくさんいるし、言ってはなんだが部長たちよりそういうことに理解ありそうだから適任かもしれん。

 

 だが、彼女がたくさんいるという状況下で彼氏のフリは―

 

「―だめだ、不実すぎる。俺一応、久遠が愛人になった時点で女遊び全部断ち切ったんだぞ? いくら仲間のためとはいえ、そんな真似はできん。っていうかあそこまで派手にスキャンダルになった俺だと逆に不安になるだろ」

 

「言われてみれば。でもそんな素早く行動してたんだ」

 

 なぜか木場があきれてる感じなんだが、俺は誠実に対応しただけだぞ?

 

 いや、その後も女作りまくりなのは確かに誠実かどうかといわれたら反論できんが、それでもなぁ。

 

「え? お前久遠のアレでそこまでやってたのかよ。どこで呆れたらいいのかわからねえな」

 

 と、トレイを持って席を探していた匙が会話に介入してきた。

 

「お、最近順調な生徒会の男手が参上か。会長の夢は順調で何よりだな」

 

 シトリー眷属の方は結構順調に進んでいる。

 

 俺もいろいろ反対派の説得工作に動いたりしたが、誰もが通えるレーティングゲームの学園建造は順調で、モデルケースがそろそろ出来上がる予定だ。

 

 いやぁ、説得には苦労したぜ。

 

 やれ余計な手間を全部シトリーに押し付けて見どころありそうな連中を鍛え上げるチャンスだとかいったのが功を奏した。俺はそういう黒い説得や取引はなれてるからねぇ。ああいう手合いは価値観に合った乗せ方があるんだよ。そしてメリットをちゃんと提示してあげる必要があるんだよ。

 

 まあ、さすがに今は仕事が多いので手を貸していくわけにはいかない。貸したら俺が死ぬ、過労で。

 

 でもまあ軌道には乗っているようで何よりだ。今後の講師のあっせんぐらいは、余裕があったら手を貸すとしよう。

 

 すでに人造魔術師の製造も可能となった現在。あえて魔術師を送り込むことでこちらの都合に合った人材を育成する機会にも恵まれるからな。このチャンスを逃すほかはない。

 

「ついでだ、席も空いてるしここで食ってったらどうだ?」

 

「やめとく。それよりお前はアイツを何とかしとけよ」

 

 と、匙がわざわざ片手を開けて反対側を指さした。

 

 ん? いったいなんで・・・。

 

「あ、あ、あぅうー」

 

 あれ? 久遠?

 

「ま、まさかあんな愛人発言でそこまでしてくれるなんてー。あぅー」

 

 やべぇ、顔真っ赤だ。

 

「本人もそこまで本気対応されるとは思ってなかったみたいだね」

 

「不意打ち喰らうともろいんだよ。捌くのと躱すのはうまいけど耐久力あるわけじゃねえからな」

 

 後ろで木場と匙がうんうんうなづきながら会話してるが、お前ら手伝ってもらえませんかねえ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前なぁ、放課後になるまで顔真っ赤にすることないだろ?」

 

「だ、だってー」

 

 放課後になって、ようやく久遠は本調子を取り戻した。

 

 どうやら授業中も顔を真っ赤にしていたらしく、保健室を勧められたりもしていたらしい。

 

 いい加減俺も読めてきたが、久遠はダメージを計算して戦闘するタイプだ。ある意味俺とタイプが近い。

 

 想定内のダメージを受けるのは平気だが、想定外となると一気にもろくなる。基本的に攻撃をかわすタイプで受けるタイプでもないしな。

 

 実戦においてはそれにもなれてるようだが、どうにも恋愛方面だとそううまくいかないらしい。

 

 だったらそこを突いて反撃して主導権を握るのもいいかもしれないとか思いたい。思いたいけどそれは無理だ。

 

 だってダメージ大きすぎると逃げるもん。そのあと大変だから面倒だもん。

 

 冷静に考えると俺の周りの転生者ってまともな恋愛経験ある奴ほとんどいない喪女一歩手前なわけだろ? 少なくとも前世でまともな恋愛したとかいう話は一つたりとも聞いたことがない。そして俺もない。

 

 そんな状況下で変な駆け引きやったらうまくいかないのは目に見えているわけで・・・。

 

「ほら二人とも! 次はだれがするの?」

 

 一時間ほどカラオケするときもみんなでいったほうがいいというわけだ。

 

 一曲歌い切ったナツミが順番を譲ろうとマイクを差し出す。

 

 ナツミ、マイクを差し出されてもリモコンで入力してからじゃないとできないわけでな?

 

「じゃあファックだがあたしが先にするか。・・・何にするかな」

 

「じ、実質こういうのは全く経験がないのですがどうしたらいいのでしょうか!? 歌ったことなんてろくにないんですけど!?」

 

 微妙に手馴れてるというか美声で歌いまくりの小雪と、まあ想定してたけど経験ゼロで混乱状態のベルを見てると、別の意味で落ち着く。

 

 たまには息抜きしたほうがいいかと思ってサービスも兼ねて一時間ほど謡に来たが、こういう光景もたまにはいいもんだ。

 

「まあ待て小雪。ここは俺が一曲歌わせてもらう。これでも話に合わせるために週一で歌番組を見てるんでな。喉はそこそこ鍛えている」

 

「あ、兵夜くんずるいよー。私だってアニソンぐらいなら歌えるからねー」

 

 とまあ、慣れてるメンツで取り合いも発生するがそれはそれで平和だ。

 

 これから忙しくなるだろうし、まあたまにはいいよねって感じでお願いします!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




彼女たちとのイチャイチャも忘れないようにしないといけませんね。

・・・ロスヴァイセを兵夜ヒロインにするかイッセーヒロインにするかは割と本気で悩んでおりました。

だけどまあ、ここは徹底的にオリジナルヒロイン重視でいったほうがいいような気もしたので、あえてイッセーヒロインを取るような方向は取らない形にしようと思います。

そういうのはまた別の機会に取っておきますという感じでお願いします!

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