ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ファニーエンジェル編スタートします。

キャラコメ作ってから最近筆が乗って筆が乗って。


生誕祭のファニーエンジェル
大絶賛、煮詰まってます!


 

 物事は、地道にやるのが意外と近道である。

 

 その辺に関しては心の底から断言できるものだ。だって俺がそうだもん。

 

 急激な進化発展なんてものは、その分反動もでかいもんだ。やっぱりこういうのはしっかりとした積み上げってものが大事なのであって、基本は重要だ重要。

 

 俺がいろいろ評価されているのも、一生懸命二つの成長期を基礎を中心に鍛え上げたからだ。

 

 つまりは日々の修業は大事である。スポーツ選手だって定期的にトレーニングしないとすぐになまるしな。

 

 そういうわけで毎日トレーニングするのはまあいんだが・・・。

 

「・・・そろそろいいでしょう。次は私の番ですよ! すぐに代わりなさい」

 

「いや、まだこの程度では納得できない。もっと待ってくれ」

 

「そうはいかない。次は私の番だろう!」

 

「いや、あの、休ませてほしいなーってー」

 

 そろそろ止めないと久遠が死ぬ。

 

 かれこれ半日にわたりぶっ続けで久遠がトレーニングに付き合わされている。

 

 相手は先日心をへし折られた剣士組。伝説の剣をかき集めて英雄のまがい物に遊ばれた挙句、剣士の本質を見せつけられて心底落ち込んだ連中だ。つまり木場とゼノヴィアとアーサー。

 

 なんだかんだでイッセーやヴァーリの影響を受けているだけあって、ネバーギブアップ精神で何とか復活した。そして剣の性能に頼るのではなく、剣が頼ってくるような剣士になろうと一念発起。あれ以来一生懸命切磋琢磨して特訓している。

 

 特訓しているのだが・・・。

 

「お前ら自分でやれ! いい加減久遠を巻き込むなっていうか、こいつアウロス学園の事業でも忙しいんだからセーブしろ!!」

 

 そう、見せつけてしまった久遠をトレーニングに巻き込んでいるのである。

 

 因みに修行そのものは経緯もあって普通の木剣だが、それをもってすることで純粋な技量そのものを上げようとしているのだ。

 

 一回一回ごとにサイズや長さも変えることで全体的に向上を目指している。追加でいえば木場は剣の種類も自由に変更できるのだから、そりゃあ効果はあるだろう。

 

 だけど久遠巻き込むなよ! 過労死するぞ!!

 

「邪魔をしないでいただきたい。・・・あなたとは一度戦ってみたいと思っていたのは前にも言ったと思いますが?」

 

「そうだよ宮白くん。彼女と競い合えばぼくたちはきっとより高いところに到達できるはずなんだ」

 

「剣士としてここは譲れない。どうしてもいうのなら私たちを倒してもらおうか!!」

 

「うんじゃあ全員地獄見ろ」

 

 さっさとイーヴィルバレトを出して速攻でぶっ放す。

 

 とりあえず弾丸は麻酔弾だが、しかし躊躇は全くしない。

 

 安心するがいい、魔術的な加工をしているから過剰な量は体外に排出されるぞ?

 

「うわ本気で撃ってきたぞ!?」

 

「宮白君容赦ないね!? だがこれを切り払えば・・・」

 

「いいでしょう、より高みに至るためにあなたをまず倒させていただきます!!」

 

「お前らしつこすぎるわ!! 久遠いいから戻っていいぞ。・・・明日は明日であれだろう」

 

「え!? あ、・・・はい」

 

 珍しく後半を伸ばさず、顔を真っ赤にしてそのまま逃走を開始する久遠。

 

 ふむ、さて、男して・・・うん。

 

「お前ら全員覚悟しろ。神喰いの神魔(フローズヴィトニル・ダビデ)の神髄は下馬評壊しと知るがいい!!」

 

 この日、身内の喧嘩で伝説クラスの聖剣魔剣に連なるものが大暴れするという珍事が勃発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 あまりのあれっぷりに近づけない。

 

「なあヴァーリ。アーサー止めて来いよ」

 

「兵藤一誠こそ行ったらどうだ? 俺としてはこういうのもお互いと高めあって面白いと思うんだが」

 

 そりゃすごい戦いだとは思うけどさ、だけどあれはねえだろ。

 

 なんでも木場たちは最近トラウマができたとかで、その原因の桜花さんとの特訓で乗り越えようとしてるらしい。

 

 木場はここ最近いつもグラムをどう使うかにとらわれていた節があるし、これでいい感じに落ち着いてくれるといいんだけど。別の意味で困ったことになっていた。

 

 いくら魔剣の性能を引き出しても上をいかれて絶望しかけてたら、剣士の技量で上回って勝利をつかまれたらしい。うん、ゲームとかでもそういうタイプいるよね。キャラクターの性能を引き出すことに特化しているタイプと、どのキャラクターを使っても勝てる戦い方を作ってくるタイプ。

 

 そりゃ使うもの選ばなくていいんだから優れてるのは桜花さんの方だ。俺たちなんだかんだでいろいろなものに選ばれてるから、そういうの無しでも強いってのはちょっと勉強になる。

 

「あの件についてはおれも反省したよ。魔王末裔だの白龍皇の末裔だのにとらわれすぎていたのかもしれないな、俺は」

 

 ヴァーリがすごい感慨深げに言う。

 

 ああ、そういえばこいつが一番そういう設定すごかったっけ。

 

「まあいいことじゃないかしら? どんなことでも研鑽というか経験と学習は必要よ?」

 

 と、アーチャーさんが酒瓶片手にやってきた。

 

「飲みなさい。蜂蜜酒をベースに作った身体調整用の薬用酒よ。断裂した筋繊維の回復を助けてくれるわ」

 

「礼を言おう。それと、例の件はよろしく頼む」

 

 と、アーチャーさんとヴァーリが俺にはわからない話をし始める。

 

「え? いったい何の話?」

 

「ああ、悔しいが、魔王の血の濃さではリゼヴィムに負けるし、白龍皇の光翼でリゼヴィムを倒すのは悪手だ。極覇龍を極めればいわゆる処理落ちを狙えるかもしれないが、それではあまりに効率が悪い」

 

 ヴァーリは悔し気に、だけど穏やかにそういった。

 

「本当に桜花久遠の戦いは目が覚めるようだった。俺はおろかにもあの二つにとらわれていたが、それ以外にもアプローチの方法はあったのだ」

 

 その目は、なんていうか探し物をようやく見つけたような輝きがある。

 

「そういうことにゃん? これから白音と一緒に手取り足取り教えてあげるわ」

 

「まあリアスさんにも頼まれましたし。その代り面倒ごとを起こさないでくださいね?」

 

 と、黒歌とロスヴァイセさんがいろいろ本も持ってきながらヴァーリのところにやってくる。

 

「え? どういうこと?」

 

「宮白兵夜も奴と戦っていた時に取った手段さ。神器以外の攻防手段を鍛え上げ、それをもってして奴にぶつかる」

 

 ヴァーリはニヤリと笑みを浮かべる。

 

 ああ、やっぱこいつバトルジャンキーだよ。

 

「魔法攻撃ならば奴にも通用するだろう、それをもってしてあのくそ野郎を切り刻んでやるさ」

 

 リゼヴィムも馬鹿なやつだ。こいつ怒らせてただで済むわけないだろうに。

 

「まあ、今日のところはさわりだけね。私もこれから忙しくなるからそれが終わってからにしてもらうわよ」

 

 と、アーチャーさんはちゃっかり蜂蜜酒を飲みながらそう言った。

 

「あれ? 何かあるんですか?」

 

 確かに最近は最近でD×Dとしての仕事が多かったけど、それ以外の魔術師組合の仕事はひと段落住んでその分楽ができそうだったけど・・・。

 

「何言ってるのよ。もう一月切ってるのよ?」

 

 ひと月? 今月は12月だけど・・・。

 

「あ、いたいた!」

 

 と、イリナの元気な声が響いてきた。

 

 それについてくるのはアーシアや朱乃さんに、青野さんまで!

 

「よ、ヴァーリ。コンビニで新作出てきたから買ってきてやったぜ?」

 

「お、それはいいな。礼を言うよ、小雪」

 

 青野さんから新作のカップ麺を渡されて、ヴァーリは表情が明るくなった。こいつ本当にラーメン好きだな。アザゼル先生からうかつに触れるなといわれたわけだ。

 

「それでアーチャー。採寸は確か今日だったよな?」

 

「ええ。ようやく少し暇ができたし、今のうちに仕上げておかないと」

 

 ?? 青野さんたちがにこやかに話してるけど、いったい何の話だ?

 

「え? 何の話?」

 

「あらあら、イッセーくんったらわかりませんの? すごく好きそうですのに?」

 

 朱乃さんまでいったいなんだ? 何の話?

 

「イッセーさん、日本ではクリスマスは友達や恋人と過ごすって本当ですか?」

 

 アーシアが小首をかしげてかわいい声でそう聴いて、ようやく俺は思い至った。

 

 そうだった! クリスマスのことすっかり忘れてた!!

 

 クリスマス。そう、クリスマス。冷静に考えろ!

 

「・・・うおっしゃああああああ! オカ研のサンタコス見放題だぁあああああ!」

 

「ちょっとうるせえよ!」

 

 青野さんに怒鳴られたけど、だけどこれは興奮するほかない!

 

 ミニスカサンタに身を包んだリアスやアーシアたちの姿! くそ、想像しただけで鼻血が!!

 

「あまり露出が多すぎると寒いだろうから気を付けるけど、あなたも気に入りそうなものにするのは約束するわ」

 

 アーチャーさんありがとうございます! あなたほどの匠なら最高のものができる!!

 

「鼻血出すほど興奮すんな」

 

 あきれ果てた青野さんの言葉なんて聞こえない。ああ、待ってましたよ待ってました!!

 

 ああ、でも想像するとすっごく興奮するなぁ。今からでも楽しみだなぁ。

 

「感謝しろよ。本当ならこういうのは参加しないし、できれば兵夜にだけ見せる気だったんだぜ?」

 

「それが、宮白さんは今回はイッセーさんたちとも一緒に楽しみたいとおっしゃいまして」

 

 ・・・宮白、まさか、俺に四人のサンタ姿を見せるために!?

 

「単純にイッセーが好きすぎて割り切るのが難しかったからでしょう。普通に考えれば今後は四人を優先するべきだけど、こんな状況になるなんて想定できなかったから心の準備がついてないだけではなくて?」

 

 あ、そりゃそうか!

 

「ま、まーな? 朱乃に見せる分には別に構やしねーし、アザゼルも来るだろうからバラキエルにも声かけといたんだけどよ?」

 

 あ、青野さんも結構宮白要素強いよね。

 

 なんていうか、アザゼル先生とバラキエルさんは親代わりって感じなのか。そっか、年離れてるもんな。

 

 ちょっと不思議に思ってたんだよ。仮にも異性のアザゼル先生やバラキエルさんが宮白にとっての俺なら、恋愛感情に発展してもおかしくない気がするし。

 

 そっか、親代わりって感じなんだ。まとも側なんだよな青野さん。

 

「あらあら、でも私は小雪と一緒に()()な恰好がしたいですわ♪」

 

 と、朱乃さんが青野さんにしなだれかかる。

 

「ちょ、あ、朱乃!?」

 

「聞いてますわよ? 宮白くんは女の子同士の絡みが大好きだって。イッセーくんだって嫌いではないでしょう?」

 

「超興奮します!!」

 

 うん、なにせ俺も宮白に教育されてるからね!

 

 おっぱいのすばらしさは俺もしっかり伝えたけど、それとは別で女の子同士のすばらしさは伝えられてるからね!!

 

「あ、あううう。主の教えとしてはどうすればいいか・・・」

 

「最近は寛容になっているし、今は悪魔なんだから深く考えなくてもいいだろう」

 

 困惑しているアーシアにヴァーリがアドバイスしてる。

 

 意外な展開に驚いてるけど、それより目の前の姿に目が離せないぞ!!

 

 朱乃さんの手はエロい手つきで青野さんの躰をなでる。

 

 宮白が開発したのか、青野さんは見事に反応して時々震えるのがすごくエロイ! エロいですよみなさん!

 

「日本のクリスマスでは恋人同士がそういうことになるのも珍しくも何ともありませんし、どうかしら、どうせなら一緒に二人を・・・」

 

「い・い・か・げ・ん・に・・・しろ!!」

 

 ・・・あ、頭突きが入った。

 

「あ痛!? ・・・ちょ、ちょっとぼけただけですのにこの威力はないじゃない!?」

 

「なにを阿呆なこと言ってんだ! ふぁ、ふぁふぁふぁファック!!」

 

 そのまま顔を真っ赤にして、青野さんはトレーニングルームから外に出て行った。

 

「もうかわいいんだから。そういうところがあるからいじめたくなっちゃいますのよぉ~」

 

 そして朱乃さんもそれを追いかけて行って、俺たちは顔を見合わせる。

 

「やっぱあの二人仲いいよな」

 

「幼馴染なのでしょう? 気心が知れた間柄がいるのはいいことだわ」

 

 アーチャーさんが大人の余裕でそう言いながら、氷入りの水を魔術で用意してくれる。

 

 助かった。ちょっと興奮しすぎて頭が熱かったんだよ。

 

「でもちょっと乱暴ではないでしょうか? 小猫ちゃんのツッコミよりも鋭くて痛そうなんですけど・・・」

 

「まあそうだろう。以前あいつの体術を教えてもらおうと思ったが、断られたことがあってな」

 

 と、アーシアちゃんの疑問にヴァーリが答える。

 

「え? 断られたの? あの人面倒見がいいから教えてくれそうだけど」

 

「そうなんだ。「あたしの技術は高速接近してからの暗殺特化だ。戦いを楽しむような奴が習得する類じゃねーよ。捌き方だけ教えてやるからそれで終われ」・・・とのことだ。実際一撃の破壊力の大きさより、一般人レベルの急所を一撃で貫くのが本懐の動きでだったよ」

 

 ・・・あの人の前世って、俺たちの誰よりも悲惨な過去だよなぁ。

 

 ベルさんや木場もなかなかだけど、積極的に暗殺の道具として使われたこともあるらしいし、やっぱ一番悲惨かもしれない。

 

「それに、別にそんなにひどいことはしてないさ」

 

 と、ヴァーリは悪戯を思いついた子供のような表情を浮かべて出て行った先を見る。

 

「あいつがツッコミと同時に暴力をふるうだなんて、実はそんなめったにあるもんじゃない。基本的には大きく二つに分けられて、うち一つは即座にたたき伏せないと暴走することがわかりきっている相手だ。いわば鎮圧だな」

 

「もう一つはなんですか?」

 

 アーシアがかわいく小首をかしげるが、ヴァーリはあまり気にしないでさらりと続ける。

 

「・・・少しぐらい暴力をふるっても苦手意識を浮かべない、アザゼルとかだ。つまりあいつなりの甘え方なんだよ」

 

 ・・・へえ、甘え方かぁ。

 

 そういえば、宮白たちには躊躇ねえし、朱乃さん相手にも出てたよなぁ。

 

「ってことはちょっと残念かもな」

 

「はい、そうですね」

 

 俺とアーシアは二人そろってちょっと残念な気分だった。

 

 だって、俺たちそこまで気安くなってないってことだもんな。

 

 ・・・できればもっと気安くなってほしいんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ファニーエンジェル編は小雪変です。

他と違っていろいろとあるから、話のタネがかなりあります。とはいえD×Dで出すには暗すぎるのですが、一つ出してみようと思いました。

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