ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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Q ギャグに対抗するにはどうすればいいでしょう?



スクンサ、ボコります!!

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉおおおおおおおおおおおおお!!! いい加減にしろこの野郎がぁああああああああああああああ!!!」

 

 この突撃を、スクンサはやけになったものだと確信して判断した。

 

 自分のこの能力は無敵だ。強大な超能力と神器の特性がかみ合ったこのギャグ空間を突破することなど、空間の外側から空間そのものに攻撃しなければ不可能だ。

 

 ゆえに、直接攻撃でどうにかするなど愚の骨頂。ましてやギャグマンガのお約束を忘れた攻撃など遅るるに足らず。

 

「ハイ、交通事故ですよぉ!」

 

「ぐふぁっ!!」

 

 そしてもちろん勢い良く吹き飛ばす。

 

 そして宮白兵夜はそこらじゅうの壁にぶつかり跳ね回る。

 

 時折翼を使って速度を殺そうとしているようだがそうはいかない。ギャグマンガに物理法則など存在しないのだから。

 

 がぁんがんがぁんがんがぁんがんがんがんがんがぁんがんがぁんがんがんがぁん・・・

 

 やけにリズミカルに連続でぶつかってるような気もするが、それはまあ別にいいだろう。

 

 自分のやりたいことはただ一つ。この世にギャグの不条理を―

 

 がぁんがぁんがぁんがんがぁんがぁんがぁんがんがぁんがんがぁんがぁんがんがんがぁんがんがんがぁんがんがぁんがんがあん・・・

 

 ・・・やけに長いような気が。

 

 いや、いくらなんでも長すぎる。確かに自分のギャグ補正は強力だが、これはいくらなんでも長すぎる。

 

 なんだ、まさか、「自分からしている」わけでもあるまいし・・・

 

 そこまで考えて、スクンサは視界の中で恐ろしいものを見た。

 

「・・・おわりだ」

 

 ・・・がぁんがぁんがんがんがぁんがんがぁんがんがんがぁんがぁんがんがんがんがぁんがんがんがんがぁんがんがんがぁんがんがぁんがんがんがぁん

 

 次の瞬間、空間が侵食された。

 

 そして同時に、魂が燃え上がるような音楽が鳴り響く。

 

「・・・ま、まさか!」

 

「そう、モールス信号だ!!」

 

 そこに展開されたのは霧に包まれた空間。

 

 間違いない、データにあった宮白兵夜の大魔術である固有結界だ。

 

 そして、それが発動した原因も今ならわかる。

 

 ギャグマンガによる物理法則の超越と、ギャグマンガだとよくある連続反射吹っ飛びを併用し、彼はモールス信号で詠唱したのだ。

 

 普通に詠唱すれば間違いなく勘付かれるところを、しかし吹っ飛ばされる効果音で行うことによって、彼は見事に裏をかいたのだ。

 

 そして、それだけのことをする理由も極めて単純。

 

 追い込まれたところの切り札発動。そしてこのバトル物で流れそうなBGM。すなわちこれは―

 

「処刑用BGM! まさか、この神器の欠点を見抜いたのか!?」

 

「そうさ! ここから先のノリはお前の処刑だ!! ノリにのって倒されるがいい!!」

 

 その瞬間、すでに顔面をしっかりつかまれていた。

 

「さあ、ここからは俺のステージでショータイムだからタイマンでひとっ走り付き合ってお前の罪を数えまくれ!!」

 

 ギャグマンガのノリを考える余裕は、与えてくれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝った! 勝ったぞ、勝ったぞぉおおおおおお!!!」

 

 勝ったんだ。俺はこの不条理に勝ったんだ!!

 

「あ、あれは神喰いの神魔(フローズヴィトニル・ダビデ)!?」

 

「あ、スクンサ・ナインテイルがぼろぼろになって逃げていくぞ!?」

 

「ま、まさか・・・まさか・・・!」

 

 アフロになった天使たちが、俺をみて希望の光をともす。

 

 俺はそれにこたえ、右腕を天に掲げた。

 

「ああ、奴は・・・倒した!!」

 

―うぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!

 

 歓喜の大歓声が響き渡る。

 

 ああ、そうだろう。うれしいよな。

 

 なんていうかむちゃくちゃだったもんな!

 

 よし、この歓喜のまま俺は行く。

 

「あの変態たちは俺と仲間たちに任せてくれ! あんたたちは邪龍の始末を!!」

 

「ああ! 邪龍たちは何としても我々が倒して見せる!!」

 

「そっちは任せた! こっちは任せろ!!」

 

 俺と天使たちは通じ合い、そしてそれぞれの役目を果たすべく駆け出す。

 

 うぉおおおおおおおお! このテンションのまま駆け抜けるぜぇええええええええ!!!

 

 待ってろよ、変態どもぉおおおおおおおお!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 うぉおおおおおおお!!!

 

 強いぃいいいいいいいいいいい!?

 

「ドラゴンショットドラゴンショットドラゴンショットぉおおおおお!!」

 

「何の、触れないからこそ興奮するものがある。おさわり禁止フィールド!!」

 

「「「「「おう!!」」」」」

 

 頑丈すぎる!! 多重結界だから透過だと逆にガス欠になるし大変だよこいつら!!

 

 なんて奴らだ。これだけの変態の群れが相手だと本当にきつい!!

 

「なっ!? 私の未来視を上回る速さですって!?」

 

「当然だ。俺はうなじを観察するためだけに後ろに回り込むこと限定の超加速を身につけたのだ」

 

 すごい、俺に匹敵する煩悩が、リアスすら追い詰める・・・って

 

「お前何俺の女のうなじに触れてんの!?」

 

「ふぐぁあああああ!?」

 

 男相手にはさすがに発動できなかったのか、そいつは俺の前に一撃で叩きのめされた。

 

「ええい! リアス! ほかのみんなは!?」

 

「だめね、戦闘が激しすぎてはぐれてしまったわ」

 

 なんてこった! これが変態たちの力だっていうのか!!

 

 ファーブニルにしろ、エルトリアたちにしろなんて力なんだ!!

 

「すごい迷惑だな、あの変態たちって!」

 

「・・・・・・・・・・・・あなたも人のこと言えないわよ?」

 

 酷い!? 俺はまだましだよ!?

 

 さっきからスカートが持ち上がるだけの上昇気流を半径一キロにわたって発動させる男やら。男の股間を強制的に勃起させる女などすごい変態技の使い手がたくさん出てきて、俺はもう限界に近い。心が。

 

 周りの人たちから見たら、俺も同類に思われてるかもしれないことがすっごくきつい。

 

 うん、一緒にしないで、お願い!!

 

「あらぁん? ついにきたのねぇん?」

 

 はっ! この声は本命!!

 

 そして振り返った俺の目の前にすごいおっぱいが!!

 

「・・・やべ、マジ興奮してきた」

 

「・・・イッセー?」

 

 いやすいませんこれは無理です。 むちゃくちゃすごいです。

 

 うん、さっきから結構我慢してたけどこれはすごいよ。すごすぎだよ。

 

「あ、だめだ。鼻血が」

 

「イッセー! 出すなら私で出しなさい!!」

 

 ごめんリアス! これで出すなってちょっと無理だよ!!

 

「・・・まさか、乳龍帝に邪魔されるだなんてねぇん? あなたはこんな世界をまもるというのぉん?」

 

 エルトリアは心底失望したかのように俺を見ると、天界を見渡した。

 

「この、色欲という何より人のすばらしさを司る感情を抑制した世界。この世界を救おうとは本当に思わないのぉん?」

 

「いや、ちょっと待ってください。それ言いすぎ」

 

 うん、俺はあまりいたくないけどね? もっとエロエロな毎日送りたいけどね?

 

 それはないよ? ない。ないから。

 

「・・・答えはわかりきっているようねぇん」

 

「当然よ。和平を結んだ三大勢力の一員として、天界を崩壊なんてさせないわ!!」

 

 おお、さすが俺の愛するリアス。かっこいいこと言ってくれるぜ!!

 

 でもいろいろとやる気がなくなりかけているのはわかってるよ。俺も頑張るから、頑張ろう!

 

 そして、エルトリアは全身から莫大な魔力を放ち始める。

 

 ・・・ヤバイ。一気にシリアスに戻った。

 

 これ、魔力だけならヴァーリより上だ。

 

 これが、リゼヴィムと同じ真の魔王の末裔の本領なのか!?

 

 こんなあほな展開でこんな力を相手にすることになるのか!?

 

「・・・せめて、死姦はしてあげるわぁん」

 

「「いや、やめて」」

 

 俺とリアスは同時にそう返答し、その答えはぶっとい魔力の塊だった。




A まずはギャグマンガのノリを何とかしましょう。糞まじめにやっていれば思うつぼです

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