ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ついにファニーエンジェル編も最終章!


お説教、いたします!

「はい、反省会始めますよそこ」

 

 通信越しに、俺は三大勢力各首脳の前でそう断言した。

 

『『『はい』』』

 

「言っときますけど、今回の件は、俺完全にとばっちりですからね? しりぬぐいしてやったことに対する感謝の言葉は?」

 

『『『ありがとうございました!』』』

 

「今後はそういうことないように、その手の慰問イベントちゃんとしてくださいよ? 何度もこんなことあったら、俺がクーデターぶちかましますからね!」

 

「わかった! わかったからその辺で勘弁してやれ!!」

 

 いい加減哀れに思ったのか、アザゼルから止められてしまう。

 

 まったく。入りたてのルーキーが何年の前のことのしりぬぐいをしてやったんだ。もっと感謝して謝ってほしいとこなのだが。

 

「・・・まあいい。禍の団の連中がぎゃーぎゃーやってるせいで、テンション上げるイベントの方が重要なのはよくわかってる。本格的なのはあいつらつぶしてからにするか」

 

「お前、目が座ってるぞ」

 

 アザゼルから心配されるが、当然だろう。

 

「この一年足らず、コカビエルの戦争馬鹿から始まり、どれだけ神話級の化け物共に襲われたと思ってんだ、あ?」

 

「わかった! わかってるから落ち着け!!」

 

 あ、駄目だ。目の前のこいつを一発殴ってやりたい。

 

『そのあたりについては本当に申し訳ない。やはり冥界はこれから変わっていかなければならないと切に痛感した』

 

「いや、変わる速度が速すぎるのが今回の原因の一つでしょうが。速度のハイロウが急すぎんだよ馬鹿義兄貴(あにき)

 

『お兄ちゃんと呼んでくれるのかい!?』

 

「お義兄たん♪ 今そこじゃねえだろうがお馬鹿」

 

 はあ。駄目だこの人たちいい人すぎる。

 

「いいですか? 賢者の歯車と愚者の歯車はそのままだとかみ合わないんです。中間で合わせる歯車用意するところから始めなきゃいかんでしょうが」

 

「あー確かに。あほでもわかる理屈用意してやんなきゃいうこと聞いてくれないかぁ」

 

 アザゼルが納得する通りだ。

 

 現実問題本格的な戦争なんてどんなことになるかわからない大惨事。和平は必要不可欠なのはいやでもわかる。

 

 俺はわかるがわからん馬鹿が多すぎるのだ。そのせいで和平後に必要な対応が遅れて、その結果がこの始末。基本的には奴らのせいだが、こっちにも責任はある。

 

 天才の分かりやすいと馬鹿の分かりやすいは違うわけだが、そういう意味では確かにこっちにも責任がある

 

「ホント無理してでも年始にそういうイベント作ること。あのくそ野郎は絶対そのすきついてきますよ。ゼクラム・バアルにも協力を要請しましたんでとにかく悪魔側だけでも特番ぐらい作ってください」

 

『わかった。緊急特別番組を用意することを誓おう』

 

 これで冥界側だけでもガス抜きになってくれればいいんだが。

 

 はあ。頭痛い。

 

『しかし、この出来事で好転したこともあります』

 

 と、今まで神妙な顔をしたミカエルが告げてきた。

 

「なんですか? 神の子を見張るもの(グリゴリ)の増員は天界の減少とイコールですよ?」

 

「おかげで人員が増えてうれしいぜ」

 

 エルトリアのエロ構成により堕ちまくった天使たちは、全員アザゼルの預かりになった。

 

 これが和平後でなければいくらかもめたかもしれない。不幸中の幸いってやつだ。

 

 だがこれはあくまで三大勢力内の人員移動にしかならないと思うのだが・・・。

 

『・・・今回の事態を把握した悪魔払いたちが、クーデターを中止すると連絡してきました。ついては、宮白君が言っていた大規模模擬戦を起こす際に話をしたいと、代表が要求しているのですが、よろしいでしょうか?』

 

「疲れるけど了解しました。あとでやけ酒おごってください」

 

『わかりました。領収書を後で送ってください』

 

 なるほど、天界が滅びる一歩手前ってことで冷や水ぶっかけられたか。

 

 リゼヴィムざまぁ! 遊び半分だからそんなことになるのだ!!

 

 あいつ絶対一枚かんでるからな。これで少しは溜飲が下がった。

 

 ・・・にしても、中級悪魔に直接会いたいとか、どういう了見だ?

 

「考えてることがわかるから言っておくが、魔王すら超えかねない最重鎮とコネがあり、新技術を思いっきりばらまいた組織のリーダーやってるお前は十分重要人物だからな? 大体大規模模擬戦の発案者だろうが」

 

 それもそうか。

 

 まあいい。それではもう一つの本題に入ろう。

 

「・・・アーチャーの研究成果で、いい報告と悪い報告ならぬ、悪くていい報告があります」

 

『・・・それは?』

 

 これまで黙っていたシェムハザ総督の言葉にこたえて、俺は懐から一つの結晶体を取り出す。

 

魔術師(メイガス)形式の錬金術によって、悪魔の駒のベースマテリアルの生産に成功しました。コストパフォーマンスは要相談ですが、これで万が一アグレアスが抑えられても悪影響は最小限で済むかと」

 

『それは素晴らしい! 天界としては転生天使は急務ですので、これはいい報告が聞けました』

 

『悪魔としても転生悪魔の存在はもはやなくてはならないものだ。これで一安心だが・・・しかし錬金術か』

 

 サーゼクス様が真っ先に気づいたようだ。そして当然アザゼルも気づいている。

 

「しかし錬金術といえばフィフスやキャスターの本領。あいつらだって悪魔の駒の一つぐらい入手してるだろうし、こりゃ面倒なことになってきたな」

 

 そう。悪魔の駒の最大の特徴は多種族の悪魔化だが、問題はそれだけではない。

 

 チェスの駒を模した転生悪魔はその特性を様々な形で強化することができる。トランプを模した転生天使も、与えられた称号でチームを組むことによって役を発生させることで強化される。

 

 このように、この結晶体は強化アイテムとして運用することができるわけだ。

 

「つまりクリフォトはドーピング技術を新たに手にしたようなもの。・・・これ、将来的に面倒なことになりますよ」

 

 さっさとおわらせないと今回のような出来事が起こるのに、しかし終わるどころかさらに泥沼になりかねない。

 

 ままならなさ過ぎて涙出てきそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃっはぁああああああ!! ターキーだぁあああああああ!!!」

 

「宮白!? お前ちょっとヤバイ薬決めてないか!?」

 

 うるせえイッセー!! 俺だってキャパシティってもんがるんだよ!!

 

 もう許さねえぜリゼヴィムぅうううう!!! 今度会ったら玉つぶしてやらぁ!!

 

「もう今日は仕事も終えたし遊ぶぞ!! さあ、どうぞアーシア部長!!」

 

「え、あ、はい! 確かにみんなで遊ぶのは面白そうですね!!」

 

 なんと、オカルト研究部の次の部長はアーシアちゃんに決定したのだ。

 

 ちなみに俺はとっくの昔に断っている。そんな余裕は俺にはない! 俺だって休みたいのだ!!

 

 ちなみに副部長は木場だ。適任といわざるを得ない。

 

「確かにそうだな。年が明ければ私は生徒会選挙に出馬するため忙しい。遊ぶ余裕もなくなるかもしれん!! 遊ぶぞおおおおおおお!!!」

 

 ゼノヴィアものっかってくれてうれしいぜ!!

 

 時期生徒会長になるべくスイッチを入れるゼノヴィアにもハレってやつは必要だ。レッツひゃっはぁ!!

 

「イッセーくん! 私もヒャッハーしていいかしら? なんだかすごく楽しそう!!」

 

「イリナも!? ちょっと勘弁してくれよ!?」

 

 イリナも、大天使ミカエルじきじきにAである理由が明かされてよかったな!!

 

 天使を代表するにふさわしい人物とか、もうベタボメだろ!!

 

「行くぜ野郎ども!! こうなったら俺がイッセーの喜ぶ展開をエロゲで教えてやる!! いちから講座のスタートだぁああああ!!!」

 

「おお!! 私たちとイッセーの共同エロゲを阻害してきた宮白が遂に許してくれるのか!!」

 

「ついに始まるのね!? ああ、主よ宮白君にお慈悲を!!」

 

「え、いいんですか? 宮白さん暴走してません?」

 

 何を言ってるんだ君たちは? いいから行くぞ!!

 

「んじゃパソコン持ってくるぜ!! レッツゴー!!」

 

「ゴーじゃないから!! ちょ、マジで勘弁して!!」

 

 イッセーが悲鳴を上げているが知ったことか!! 俺だって久しぶりにエロゲーがしたいんだ!!

 

「こ、これすごく暴走してない?」

 

「だ、誰か止めてくださいぃいいいい!!!」

 

 男どもが悲鳴を上げるがそれがどうしたというのだぁああああ!!

 

「あらあら。では私も混ぜてもらおうかしら? 宮白君から見たイッセー君の好みを知りたいですわ」

 

「あ、それいいかもしれないわね」

 

 お姉さまがた、ありがとうございますいらっしゃいませ!!

 

「・・・小猫さん、これ物理的に止めた方がいいのでは?」

 

「とはいえ割って入りづらいですね。ベルさんとナツミちゃんは疲れて眠ってますし、桜花さんはいませんし・・・」

 

 なんか外野が妨害入れそうだからさっさと行くか!! 俺たちの覇道はとめさせん!!

 

「さて行くぞ諸君! 今こそ我らのぱらいぞが―」

 

「いい加減にしろファックがぁああああああ!!!」

 

 ドガン!!

 

 ぐ、ぐが、ぐがが・・・・っ

 

 なんか衝撃がきた。しかもこれ、一度に同時に音がなった感じだ・・・。

 

 見れば、ばか騒ぎに興じていた全員まとめて地面に沈んでいた。

 

「お・ま・え・ら・わぁああああ!!! 何ファックなことしてんだ!! どんな恥辱プレイだ!!」

 

 と、見ればさっきまでトイレ行ってた小雪が戻ってきていた。

 

 くそ、ばか騒ぎはこれで終了か。

 

「ったく。その辺にしとけよあほ共が。あたしはもう寝る」

 

 と、もうこんな時間だったからか、小雪はないとキャップに一杯飲むとそのままリビングの扉を開ける。

 

 と、外に出る前に少し立ち止まった。

 

「・・・ありがとう、みんな」

 

「「「「「「「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」」」」」」」

 

 その言葉に、俺たちは全員唖然としたが、小雪は何も言わずに外に出て行った。

 

「・・・そういえば」

 

 と、置いてけぼりになっていたレイヴェルがふと何かに気づいた。

 

「この場合、元凶の宮白先輩だけツッコミを入れればいいのに、騒いでいた全員にお仕置きしてましたわね」

 

 あ、そういえば。

 

 ・・・なんとなく気づいてたことがある。

 

 小雪は、あれで結構甘えるのが下手なのだ。

 

 物理的ツッコミは火急の事態でなければ、たいてい甘えていい相手にしか出してこない。

 

 ・・・そっか。

 

 俺たちは、顔を見合わせると誰からともなく笑いだす。

 

 メリークリスマス、小雪。

 

 ・・・今度こそ、俺たちは仲間になったんだな。

 




さて、今回は小雪編となったファニーエンジェル編。

テーマは単純に過去との克服。過去起きた事件で発生する復讐劇と絡めるのに、これほどうってつけのものはありませんでした。

小雪は過去にいくつも罪を犯し、それを後悔してきた身。一度目の死で最低限の落とし前はつけましたが、当事者がこの世界にいるならそれで我慢できるわけもないです。

それに対して、今の仲間は軽いのか? 今作り上げた思い出を守ることは、その一人である小雪自身の価値はどうなんだ? とでいいたい仲間たちが背中を押し、彼女は甘えられる人たちを増やしました。

 今度同じ事が起こったときは、彼女は前を進むために仲間に頼るでしょう。本当に困っているときぐらい、甘えてほしいのが彼らなのですから。









 そしてそれをぶっ壊して参上するのがエルトリアたち。

 いや、天界って時点でここをエロに襲撃させるのは決まってました。原作でも屈指のシリアスをなんとか薄めたかったしね!

 裸王は力作。エロをエネルギーに変えるイッセーのアンチテーゼとして、さらにその上を出してみました。








 さて、次回は生徒会選挙のデュランダル編。

 後半はだいぶ原作から乖離擦る展開です。

 そして、事実上四章すべてかけて行われたベル編の最終幕でもありますよ・・・?

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