ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
さてさて、今度はどうなるでしょうか?
Other Side
戦場の空は、悲鳴渦巻く惨状と化した。
圧倒的優勢かと思われた戦いの場が、一瞬で砲火に包まれた処刑場へと変化する。
「ぐ、ぐあぁあああああ!?」
「え、ちょ、まってうわぁああ!?」
「そんな馬鹿なぁああああああ!!!」
次々と撃ち落とされる同胞たちの姿に、悪魔の一人がどうしたことかと周りを見渡す。
「な、なんだこれは!?」
この高さから攻撃を仕掛けられる悪魔祓いなどごく僅かのはずだ。少なくともそれだけの実力者なら業界でも名を知られているはずである。
にしてあまりにも撃墜される悪魔たちの数が多く、そしてあまりにも散っている。
意味が分からず下を見下ろしたその悪魔は、さらに信じられない光景を目にした。
・・・敵の陣地となっているのは、標高数百メートル前後の山である。
その山に、ハリネズミのごとく対空砲や榴弾砲が設置されていた。
こんな砲門は今までなかったはず。
一体どういうことだと考えて、そして一つの事実に気が付いた。
「ま、まさか・・・エクスカリバー!?」
「その通りだ」
ぽんと、肩に手が置かれた。
「そう。エクスカリバーは近年の研究でレプリカが開発された。実は今回の模擬戦で悪魔祓いに善戦してほしい存在によって技術提供がなされていている。下手な聖魔剣より性能が上のレプリカを作ることに成功したよ。莫大なコストと引き換えだったがな」
静かに、恐怖に震えながら振り返った。
「お、お前は・・・?」
「知らないものもいるだろうから名乗っておこう」
そこにいたのは、邪龍最強ともいわれるクロウ・クルワッハを手玉にとった男。
「・・・暗部部隊モルドレット所属、ゲン・コーメイだ」
次の瞬間、彼は次の脱落者となった。
「・・・実質無双ですね。幻術でごまかした山に対空陣地を構成してカウンターを叩き込むなんて、実質驚愕かと」
「はっはっは! 人間の技術も日々日進月歩ということだ。私達主に使えるものも精進しないといけないな」
「では、私は少し休ませてもらおう。・・・さすがに二日間不眠不休は疲れた」
「はい! 実質お疲れさまでした。クリスタリディ猊下」
Side Out
「・・・え? 教会って人間の軍事技術研究してたの?」
昼飯の肉じゃがを食べながら、俺はそんな事実に軽く驚いた。
ちなみにカウンターで千人近く撃破されたのでかなり余った。大食いの人には僥倖だが、これ絶対余るよなぁ。
「まあね。核兵器とか出てきたらそりゃ警戒するからさ? そういう一環で表の軍隊の研究とかもしてるんだよ」
肉じゃがに舌鼓を打ちながらのデュリオの説明に、俺たちは心底納得すると同時に、この戦いはうまくいかないと判断する。
これまでの神話勢力のたたきは、そういった陣地形成などが難しかったし、することがなかった戦いだ。
最近の軍事兵器は、下級悪魔ぐらいなら一撃で吹き飛ばせるようなものがいろいろあるから、これは面白いかと担ってきた。
「いいねえ。これはホントに全力出しても負けそうだ」
「い、いやいや。そう簡単には負けれないよ」
思わずにやつく俺にツッコミを入れるように、木場が声をかけてきた。
「なにせこちらにはイッセー君がいるからね。そう簡単にはいかないさ」
確かに、イッセーは今回主力陣営に配置されており、戦闘においても真っ先に選ばれている。
だが―
「いや、イッセーは間違いなく早期敗退するぞ?」
そうは問屋が卸さないいんだよなぁ・・・。
イッセーSide
嘘だろ!? いきなり思いっきり大苦戦じゃん!!
学園都市の技術がなくても、兵器の力ってすごいな!! 下級や中級がメインだけど、悪魔がごっそりやられていく。
一万人規模の超大規模模擬戦とはいえ、これは本当に三日で決着がつきそうだ!
「・・・だけど、あっさりやられるわけにはいかないよな!!」
宮白から連絡がきた。今俺が進んでいる先に敵の大将格がいるらしい。
主力を力技で叩き潰すなら俺の出番だ!! 状況ひっくり返しなおしてやるぜ!!
どうせやるなら全力で、誰も死なない戦いだし、思う存分発散して吐き出すものを吐き出すのが今回の目的だ。
宮白は悪魔側が負けた方がいい結果だっていうけど、わざと負けたって納得できないししてくれないしな!!
「赤龍帝参上!! さあ、敵の大将はどこ・・・だ・・・?」
と、そこには思いっきり集まっていた悪魔払いの人たちが。
しかも、割と本気で敵意を向けている。
「ほう、さすがは付き合の長い輝く腕だ。読み通りだ」
代表格の一人がそういうと、全員が一斉に構えをとった。
え? どういうこと? なんで待ち伏せされてるの?
っていうか敵の大将は?
・・・と、そこで俺は一つ大事なことに気づいた。
そういえば、宮白は企画しただけであって指揮権は別の人が持っていたはず。
あれ? そういえば宮白はこうしろとか言ってなくね?
そして、宮白は最近よくこういった。
―お前、一度教会にシメられろ。
「あ、あの野郎ぅううううううううう!?」
「死に腐れ女の敵がぁあああああ!!!」
「なんでお前なんかがアスカロンに選ばれてんだぁあああああ!!!」
「聖人を汚すなぁ!!」
「何人も裸にしたらしいわね!! この女の敵!!」
「なんでこんな奴がもててんだ一人分けろ!!」
「・・・おい、聖職者として恥ずべきものがいるぞ」
「ついでにボコれ!!」
「あ、しま、ギャアアアアアアア!?」
なんかついでにボコられてる人がいるけど、俺ここで終わりかよぉおおおおおお!?
っていうか待って待って待って待って! それエクスカリバぁああああああああああ!?
Other Side
赤龍帝脱落の報は、戦場および観戦者に大きな動揺を及ぼした。
三大勢力の窮地を幾度となく救い、禍の団の幹部を何度も撃退した若き英雄。ブリテンの赤い龍を宿した最も優しい赤龍帝の名は広く知られている。
間違いなく今回の悪魔側最大戦力の一角であり、戦場の趨勢を握る切り札でもあった。
その赤龍帝が混乱する状況に踊らされ単騎特攻。その果てに精鋭部隊の集中攻撃を浴びて撃破されるという事実は、先制攻撃を見事に迎撃された悪魔側をより混乱させた。
因みに、教会の本来の在り方を考えればヘイトは高くなっており、見つけられたら速攻で集中攻撃を喰らう可能性は確かに高いと識者からは納得されている。
この事実に対してのちに宮白兵夜は「自分が推測した情報を料理の片手間に話したら、いつものノリで勘違いした親友が暴走した。ちょっと失敗したとは思うが、自分に責任を求めるのは筋違いだ」と反論をしたという。
とにもかくにも、この損失が大きな影響を及ぼし、平均的な戦力地では有利であったはずの悪魔側はより不利な状況へと追い込まれていくのである。
Side Out
「・・・イッセーはやられたそうだ。ベルにメールでプロットを送っておいて正解だった」
「汚い、さすが宮白汚い!! っていうか本当に汚いぞおまえ!!」
昼食時、イッセーがやられたことを報告したらゼノヴィアにツッコミを受けた。
とりあえずあいつは一度シメられた方がいいと持ったから、締められる状況を作っていて正解だった。
ここまで状況が教会側に傾くとは予想外だったから、イッセーには撃墜されて戦果になってもらおうと思っていたがちょっと悪いことしただろうか?
いや、あいつはそもそも変態で女の敵だ。教会としては不満も大きいだろうし、ここはシメておいた方がいいだろう。
最近怒られなくて調子に乗ってる恐れもあったからな。定期的な刺激が必要なのだよ。
「宮白きゅんは物騒だね。料理は甘めなのに作戦は辛口だよ」
もぐもぐと肉じゃがを食べながら、デュリオはそう評価してきた。
まあ、この戦いは教会のガス抜きだからな。教会が勝っても何の問題もない。
だが・・・。
「このままやられるのもなんだな。さすがに少しぐらいは戦果をあげないとだめだろう」
と、俺は腰を持ち上げた。
「ど、どどどどこに行くんですか?」
「簡単だスパロ。配下として指揮官に意見を具申するのさ」
とりあえず、そろそろこっちも本気で行かないと失礼かな?
イッセー撃墜。
いや、冗談抜きでイッセーのようなタイプは、作中で所業の分だけお仕置きされて初めて人気が出るタイプだと思うのですよ。覗きを実行するスケベキャラって、それとワンセットな気がしません?
と、いうわけでイッセーは早期退場。これにより悪魔側の士気はガタガタ、さらにごっそりと減りますよ。
兵夜「正直やりすぎた(;・ω・)」