ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
ちょっと進行が滞っておりました。
「
「宮白! 小猫ちゃん!?」
聞きなれない女の声に続けるように、イッセーの悲鳴まじりの声が響いてくる。
うるさいな、いわれなくても聞こえてるよ。
「そりゃどう・・・も!!」
光の槍を放つが、手ごたえはない。
爆発の煙がはれ、ようやく視界が元に戻った。
「痛ぇな畜生。・・・小猫ちゃん、無事か?」
「・・・何とか」
俺の隣で小猫ちゃんが立ちあがるが、その体は傷だらけで、しかもふらついている。
仕方ないと言えば仕方ない。
対ライザーを視野に入れていた俺は、コネを使ってある物を調達した。
非常に燃えにくい防火素材だ。
これをコートにすると同時に、魔術的な加工を施して簡易的な対火炎用の、魔術礼装というマジックアイテムに仕立て上げた。
そのおかげで、小猫ちゃんを突き飛ばす形になった俺は軽い打撲程度で済んでいる。
「ただでさえメンバー不足の敵チーム。多少の駒を
「当たり前だ爆発女。こちとら悪魔になった理由『勝ったところを油断して後ろからブスリ』だぞ」
さすがに一度死んだすぐ後に、同じ理由でやられたりはしない。
「二人とも大丈夫かよ!? ・・・降りてきやがれ! 俺がぶっ飛ばしてやる!!」
イッセーが怒りに燃えた目で敵の女を睨むが、女は下りてきたりはしない。
こりゃ、イッセーが飛べないのを見抜かれたな。
小猫ちゃんは・・・ダメだ。喧嘩慣れしてるからだいたいわかる。これはかなりダメージを受けてる。
となれば、ここは俺の出番ということだな。
「小猫ちゃんはいったん回復。イッセーは木場と合流しろ。・・・こいつの相手は俺がする」
素早く翼を出して宙へと浮かぶ。
「宮白飛べんの!?」
「・・・早いですね」
空を自由に飛びたかったからな。便利すぎるから頑張って習得した。
「はいはい感想は後にして早く行動しな。・・・来いよ爆薬女。俺の光は痛いぞ?」
「あらあら。私の役目を奪わないでほしいですわ」
上空から、朱乃さんがドSオーラをまきちらしながら舞い降りてきた。
既に電気がバチバチなっていて、完璧に戦闘状態だ。
「イッセーくんの新技も完成したようでよかったですわ。さあ、ここは私に任せて祐斗くんのところに向かいなさい」
「いや、さらりと流しましたけどアンタ知ってましたね!? なにセクハラ技に協力してんですか!」
予想はしてたがこの人応援してたよ!?
別荘の時から思ってたが、この人スケベの許容値が高すぎる!!
「でも朱乃さん!」
イッセーが俺のツッコミを無視して食い下がる。
よっぽど俺と小猫ちゃんがダメージ受けたことに怒ってるな。
ホント、俺は友達思いのいい親友を持ったぜ。
「イッセーくんにはイッセーくんの役目があるでしょう? 大丈夫、二人の借りは私がかえしますわ」
女王対女王。ここは任せるのが得策か。
「了解しました。・・・行くぞイッセー!」
「お、おう! 頼みました朱乃さん!!」
「・・・お願いします」
敵女王の相手は朱乃さんにまかせて、俺たちは一斉にかけだした。
とにかく木場と合流しなきゃな。
木場との合流は思いのほかあっさりなうえに、嬉しい誤算があった。
『ライザーさまの兵士三名、戦闘不能』
想像以上に良好な報告だ。
これで敵兵士の数は残り二名。俺たちと同じ数になった。
そんなことを考えながら走る俺たちに木場が合流、今はその場で待機している状態だ。
「木場、運動場の方は片付いたのか?」
流れからいって敵は運動場を見張っていた連中のはず。だが、木場は静かに首を振った。
「いや、何とか見回りの兵士だけは倒したんだけどね。ここを任せられている騎士、戦車、僧侶の三人が動きを見せないんだよ。というより、兵士三人を使って僕の攻撃を見ていたみたいだね」
「・・・さっきの女王のセリフといい、ライザーの奴は
あっちから数を減らしてくれるなら好都合だが、現実に部下を戦わせる戦いでこれは趣味がいいとはいえないな。
こりゃ激戦だな。小猫ちゃんが回復するのを待っている余裕はないか。
「な、騎士に戦車に僧侶が一人ずつかよ」
イッセーがのどを鳴らしてそれにおののく。
確かに、数はともかく駒価値からいえばさっきより上だからな。
「緊張しているのかい?」
木場、言ってやるな。
「あ、当たり前だ! 戦闘経験のあるお前と違って、俺たちはド素人だ。それでいきなり本番なんて、緊張するに決まってるだろ」
まあ、超強力な力を持っているにしても、戦闘なんて最初は緊張するはずだ。
「ほら」
そんなイッセーに木場が自分の手を見せる。
・・・その手は少し震えていた。
「イッセーくんの言うとおり、たしかに僕は戦闘経験は豊富だよ。でも、レーティングゲームの経験はない」
「そういうもんか」
よくわからないが、これはそういうたぐいなんだろう。
俺はまだまだ悪魔歴が短いからよくわからないが、悪魔歴の長い木場にとって、このレーティングゲームは実戦以上に意味があるのか。
「ま、それならそれで気が楽だ。・・・コンビネーションとまでは言わないが、お互いやるだけやらないとな」
いい感じなので俺が締めてみる。
とはいえ、このレベルだと本気でいかないとマジでヤバいな。
などと考えていると、野球部のグラウンドの方からすんだ声が響いた。
「こそこそと腹の探り合いをするのはもう飽きた! 私はライザーさまに仕える騎士、カーラマイン! リアス・グレモリーの騎士よ、貴様に騎士としての誇りがあるなら、いざ尋常に剣を交えようではないか!」
ライザーの眷属が剣を抜きはなって堂々と立っている。
・・・ここで影から狙い撃とうとか考えた俺は、少し正々堂々とした戦いを学んだ方がいいのかもしれない。
「どうするよ?」
「名乗られてしまったしね。騎士としては隠れているわけにもいかないよ」
そう言い残し、木場は堂々とその姿を見せる。
「あのバカ。カッコイイじゃないか」
イッセーもその後に続く。
こりゃ仕方ない。俺も出るとしますか。
「僕は、リアス・グレモリーの騎士、木場祐斗」
「俺は兵士の兵藤一誠だ!」
「同じく兵士の宮白兵夜だ。まともな判断でもないだろうが、とりあえずよろしく」
女騎士は俺達の名乗りに、満足そうな表情を見せた。
「確かにその通りだな。私も、まさか本当に出てくるバカがいるとは思わなかった」
だったらするなよ。まあ、俺達囮だから仕方ないけど
「だが、私はお前たちのようなバカが大好きだ。さて、やるか」
「騎士同士の戦いか、俺達観戦した方がいいか?」
「そうだね。僕も尋常じゃない斬り合いを演じたいものだよ」
俺の言葉に嬉しそうにしながら、木場は剣を抜いて前に出る。
「よく言った! グレモリーの騎士よ!!」
相手の騎士の言葉がきっかけとなり、すごい速さで切り合いが始まる。
剣と剣が火花を散らしてぶつかり合う。目で追うのも一苦労だ!
早すぎて一瞬消えているような錯覚すら見える。木場の本気がここまでとはな。
「え、エールでも送るべきか?」
イッセー、それはちょっと恥ずかしいと思う。
「ヒマなら、私の相手をしてもらおうか?」
後ろから声がかかる。
振り返った先には仮面をつけた女性と、ドレスを着た少女の姿が。
流れからいってこいつらが戦車と僧侶か!
「まったく、カーラマインったら兵士をサクリファイスする時も渋い顔をしてましたし、困ったものですわ」
ドレスの子はなんか文句がタラタラらしい。
「せっかく可愛い子を見つけたと思ったのにそちらも剣バカ。泥臭くてたまりませんわ」
なかなか余裕だなオイ。
「イッセー、やるぞ」
「おう! ブーステッド・ギア!!」
素早く神器を展開すると、相手の戦車も拳を構える。
あれ? 僧侶は?
「私は相手はいたしませんわよ。イザベラ、あなたに任せましたわ」
あれ? バトルは?
「もとよりそのつもり。さあ、リアス・グレモリーの兵士よ。手持無沙汰なら戦おうか」
「・・・宮白は休んでろ。ここは俺が行く」
イッセーが相手に呼応するかのように前に出る。その目は俺に魔術を使えと言っているかのようだ。
・・・コートの下の怪我ぐらいは治しておこう。こっそり魔術回路を起動させる。
だが、なぜ戦わないんだ?
「アンタもライザーの下僕じゃないのか?」
「失礼な。下僕ではなく妹ですわ」
そうか、妹なのか。
・・・妹?
「ああ、知らなかったのか。彼女はレイヴェル・フェニックス。特殊な方法で眷属悪魔となっているが、ライザーさまの実の妹君だ」
律儀にもイザベラとかいったライザーの戦車が、イッセーと戦いながらも教えてくれた。
「「いもうとぉ!?」」
ハモってしまったのは仕方ないと思う。
「ライザーさまがいうには『妹をハーレムに加えることには世間的にも意義がある。ほら、近親相姦っての? 憧れたり、羨ましがるやつ多いじゃん? まあ、俺は妹萌えじゃないから形だけ眷属悪魔ってことで』だそうだ」
バカがいるぞ!
誰か止めなかったのかあのバカを!
イッセーはたぶんうらやましがるな、アイツ妹いないし!
俺はいるけどな! でも、そんなこと考えたことは一度たりともないんだけど!?
なんかやる気出てきた。そんなド級バカを夫に迎えるかもしれない部長が本気でかわいそうな気がしてきた! ここは頑張るしかない!
「・・・それでいいのか、お前は」
「しかたがありませんわ」
いろいろな意味で大波乱だぞ、このレーティングゲーム!!