ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
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イッセーSide
「この野郎がぁあああああ! 俺の、俺の異世界侵略を何だと思ってやがるぁああああああ!!!」
激高するリゼヴィムの拳を軽々つかみ、フィフスはガ・ボルグを呼び出した。
「ぶっちゃけ迷惑」
その言葉とともに首をはねると、フィフスは苦笑しながら肩をすくめる。
「いやさ? そもそも研究者である
首をコキコキと鳴らしながら、フィフスはそう言い切った。
世界なんて、おまけだと。
「目的のためなら国一つクーデター起こしてやろうが、リスクだらけの異世界侵略なんて心底無駄。まあ、秘匿の観点から言えば誰もいらない世界に移動するのもありだが、想定外のことが起こりそうだからな。一応宮白兵夜にアポプス達を差し向けたし、相打ちになってくれるのが理想形だな」
宮白の無事も心配だけど、それより心配するべきなのは父さんと母さんだ。
「二人とも、下がってくれ。・・・こいつは本当にやばいんだ」
「あ、ああ・・・」
「イッセー、気を付けて」
二人の心配してくれる言葉が身に染みる。
だけどそれを味わってもいられない。それぐらいやばい。
「そして、俺の周りは全員わりと俗物だ。リゼヴィムとの共闘は面倒以外の何物でもない。それが俺らの結論さ」
そして、奴らはリゼヴィムを裏切った。
思えば、この計画をエルトリアは知っていたんだろう。だからあんな思わせぶりなことを言っていたんだ。
逆に、ザムジオは切り捨てられる側だろう。あいつまじめすぎるから、グレートレッド撃破は最初から曲げてないし
「トリプルシックスがあれば、神話勢力が五つやむっつまとめてきても返り討ちにできる。抑止力としては十分だ」
文字通り、命が宿りつつある巨大戦艦を背にしながら、フィフスは静かに拳を構える。
「じゃあ、邪魔者の抹殺を狙うとするか―」
・・・来る。
フィフスの両手が燃え上がり、そしてさらに変化する。
その炎はまるで毒のように鮮やかすぎる紫に染まり、周囲の床が溶け始める。
「新技、モード毒炎竜」
そう言い放ち、フィフスは突撃する。
「兵藤一誠、下がれ!!」
ヴァーリは魔法障壁まで這って迎撃するが、フィフスの拳はそれに真正面からぶつかり合う。
「両親を連れて距離をとれ! ・・・極覇龍を使う!!」
ヴァーリにそこまで言わせるほどかよ!
くそ、だからって俺も何もしていないわけじゃない!
「我は万物を打ち砕く龍の豪傑なり!!」
戦車を展開して、俺もまた殴り掛かる。
ああ、距離をとっている暇はない。
こいつはここで倒すしかないんだよ・・・!
そして、フィフスはそれを見て歯を剥いて笑う。
「ああ、ああ、ああ! そう来ると思ってたぜこれが!!」
俺たち二人の攻撃を捌きながら、しかしフィフスの体には傷が増える。
二天龍のタッグならなんとか行けるか? いや、こいつのことだから何か隠しているはず!!
それより先に・・・ここで倒す!!
「いや、甘い」
その瞬間、俺たちは全く別々の場所に飛ばされていた。
・・・空間転移!? いつの間に!!
「魔術師なめたらいけないな。自分から用意した戦闘空間にトラップの一つぐらい設置してる」
そうあざ笑うフィフスの手には、一振りの警棒が握られていた。
・・・ヤバイ。
間違いない。心から言える。
あれが、フィフスの切り札だ。
だけどこの一瞬のスキはどうしようもなくて―
Other Side
それは、『黒』だった。
あらゆる光を飲み込むような、漆黒の鎧。
どこか機械的な鎧は、しかしスマートな外見から生物的な印象も与えていた。
そして何より、そのオーラだ。
放たれるオーラはそれこそ二天龍の鎧に匹敵・・・それ以上の出力を放出している。
隠す気など一切ない。これを抜いたからには真正面から敵をつぶす。
それだけのシンプルな殺意が、滾々と湧き出ていた。
「|幻想の暗黒鬼《フルウェポン・ジャバウォック・パワードアーマー》。超獣鬼は強力だが大味すぎでな。こっちの方が兵器として使いやすい」
そう告げながら、黒い鎧に包まれたフィフスは、己の体の調子を確かめるかのように体を動かす。
そして、その視線がヴァーリに向いた。
「さて」
そして拳がめり込んだ。
「・・・が・・・ぁ・・・っ!!」
緊急事態に隙ができていたとはいえ、あまりの事態にヴァーリはダメージすら忘れて唖然となる。
史上最強の白龍皇である自分が、反応すらろくにできなかったという事実に、目の前の脅威が異常の極みであることを自覚する。
そしてそのままヴァーリを壁に殴りつけながら、フィフスは即座にイッセーに向かう。
それに対して、迎撃の拳を放てたイッセーは十分すぎるほどの凄腕だった。
それも、とっさの迎撃ではなく、本気の一撃を叩き込むなど高い判断力の表れすぎだろう。
だが、すべては足りなかった。
拳と拳がぶつかり合た瞬間、飴細工のようにイッセーの右腕が砕けた。
「ぐ・・・ぁあああああああ!?」
「イッセー!?」
父親の絶叫を聞きながら、イッセーは歯を食いしばって膝はつかない。
が、その隙は致命的だった。
ひざげり、ボディブロー、かかと落とし、ハートブレイクショット。
一瞬でそれだけの攻撃を受け、兵藤一誠は全身から血を噴出して吹き飛ばされる。
そして、それを見てからフィフスは構えを取り直した。
「さて、まだ動けるだろう? |余
フィフスは全く油断していない。
二天龍を圧倒するという異形も、しかし彼を安心させるには全く足りない。
あまりにも足りないのだ。兵藤一誠は間違いなく胸の力を覚醒させるだろう。
「さあ、早く乳を持ってこい。つつくか? すうか? もむか? 嗅ぐか? まあさせないが、やる努力ぐらいは許してやる」
一切のスキなく、何かの動きが出てきた瞬間に殺しに行ける出力を維持しながら、フィフスはそう告げる。
いつ覚醒しても何らおかしくない。だから警戒は怠らない。
フィフスは何の油断もなく、攻撃態勢を整えた。
しかし、何も起こらない。
フィフスはそれに大してため息をつくと、即座に殺しに行くべく駆け出した。
「さ、させんぞ! 俺の息子は殺させないぞ!!」
目の前にイッセーの父親が立ちふさがり、母親もかばうが、かまわない。
危害は加えるなといわれたが、相手から邪魔してきた場合は話は別だ。
第一兵藤一誠なら覚醒の一つや二つして無理やり起き上がって守るだろう。そのついでに殺してしまえばいい。
そう割り切ってフィフスは拳を突き出そうとし。
「ふざけたことをしているようだな、フィフス・エリクシル」
前からの強襲を交わし、その勢いでケリを叩き込んだ。
ケリで弾き飛ばされた部外者は、しかしすぐに間合いを詰めると攻撃を再開する。
「よう、クロウ・クルワッハ」
「・・・お前はドラゴンを舐めすぎた。アポプスとアジ・ダハーカも黙ってはいないだろうな」
超高速での攻撃がかわされるなか、クロウ・クルワッハは怒気を漏らしていた。
「オーフィスボコられて兵藤一誠まで怒られたのがそこまで不機嫌かい? アンタも人間にやさしくなったもんだ・・・な!」
フィフスはうっとうしいといわんばかりに、クロウ・クルワッハのみぞおちに膝蹴りを叩き込む。
ミシミシという音が響くが、しかしクロウ・クルワッハはその足を抱え込んだ。
「腹立たしいが、今は共闘するべきだ」
「ああ、そうだろうな」
その言葉が聞こえるより早くフィフスが放った裏拳は、ヴァーリに即座に止められる。
「兵藤一誠は俺の獲物だ。誰にも殺させはしないよ」
「んじゃああの世でやってくれ。それなら誰も邪魔しない」
直後、全身から毒炎が放たれて二人は即座に距離をとる。
天龍クラスと同時に相手をする。そんな地獄以外の何物でもない状況におかれながら、フィフスは全く動じていない。
その後同時に迫りくる二人の攻撃を捌きながら、フィフスは余裕すら見せていた。
百年にわたる研鑽。超獣鬼という龍神すら足止め可能な戦力。そして何より願いにかける覚悟。
それらすべてが、主神の領域にすら到達している存在を同時に相手取るという奇跡を成し遂げる布石となる。
そして、その戦闘は短時間もてばそれで十分だった。
「なあ、滅龍魔法はその特性の物体を食べてエネルギーに変える。その特性上、その手のタイプには無敵じみた耐性を持つ」
針金の腕すら用いてすべての攻撃を裁きながら、フィフスはそう告げる。
「火龍なら炎で天龍なら大気だ。滅の特性をもつ魔法は、同類でなければ同種の能力で相手をすることはできない。それほどまでに抵抗力が高くなり、むしろ養分と化す」
そういいながら、フィフスは器用に針金の腕でカプセルを飲み込んだ。
「さて質問だ。龍にとっての猛毒を、毒龍は無効化することが可能か?」
その言葉の意味に気づいたのは、くしくもヴァーリだけだった。
イッセーは瀕死でそもそも聞こえておらず、クロウ・クルワッハは経験がないため反応が遅れた。
そして、ヴァーリですら反応しても間に合わないほどの一瞬で、フィフスは双方に一撃を叩き込んだ。
「さあ、これで終わりだ」
そして、鮮血が飛び散った。
フィフスにも鎧を用意させていただきました。
超獣鬼を残したのは偏にこのため。もったいなかったのでこうやって持ち込んでみました。
龍神であるグレートレッドの攻撃にすらなん回も耐えた化け物を宿しているだけあって、その能力は驚異的。変な特性は一切ありませんが、ゆえに格闘戦の達人であるフィフスとの相性は抜群です。
そして、フィフスの切り札はもう一つあり・・・