ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
ですが、計画としては割と大筋は変わってません。
その場合、ネックとなるのはオーフィスです。
・・・さて、フィフスはオーフィスをどうするための方法として何を狙っていたでしょうか?
「なん、だと?」
膝から崩れ落ちて、クロウ・クルワッハは呆然とした。
目の前の男は何をした? 今まで二対一とはいえまともな勝負になっていたのに、突然ダメージが桁違いに上昇した。
もはや立つことすら困難なダメージを与えて、フィフスは口からこぼれた血をぬぐった。
「・・・普通に食べれるものも食べすぎると中毒を起こす奴があるが、さすがにこれは劇薬だったかこれが」
とはいえなんてこともないようにしているフィフスを、ヴァーリはにらんだ。
あり得ない。いくらなんでも二度もそんなことをするわけがない。
そんなことをすれば今度こそ滅される。和平の流れを台無しにした反逆者でありながら、世界に必要な立場であるがゆえに許されたが、そんなハーデスでも何度もできることではない。
だが、フィフスが使ったものは紛れもなく自分が味わったあれである。
「なぜ、お前がサマエルの毒を持っている・・・っ」
サマエル。
あのオーフィスですら無力化された圧倒的な対龍兵器を、フィフスが所有している事実に驚愕する。
いくらなんでも二度もハーデスが解放するわけがない。
そんなことをすれば、宮白兵夜はどんな手段を用いても確実にハーデスを滅ぼすだろう。そもそも世論が許しはしない。
そして、フィフスは確かにそうだと首を縦に振る。
「ああ、簡単だ。・・・セミラミスってやつを知っているか?」
セミラセス。世界で初めて毒を用いた暗殺を行ったとされる、アッシリアの女帝。
「奴は宝具であらゆる毒を生産する。データさえあるのならばサマエルの毒だって作り出せる。究極の毒宝具を保有している」
回復薬を飲みながら、フィフスはにやりと口元をゆがめる。
さあ、ここまで言えばわかるだろう。
「・・・そのサーヴァントを、降臨させたのか!」
「正解だこれが。わかるか?
ヴァーリが、恐ろしいことにリゼヴィムに同情心すら抱いていた。
この男はとっくの昔にグレートレッドを殺しうる牙を持っていたのだ。それを知らずにせっせと必要のない封印解除を行っていたのだと思うと、憐みすら感じてしまう。
「ならばなぜ、兵藤一誠に使用しなかった?」
「何言ってんだお前。使って強化復活したのがあいつだろうが。二度も復活させれるか」
そうあっさりと切り捨てると、フィフスはガ・ボルグを展開する。
「さて、面倒だしお前から殺しておこ―」
その瞬間、部屋の温度が五度は下がった。
否、現実には温度は下がっていないが、そう錯覚させるほどの殺気が満ち溢れた。
続き、部屋の一角が粉砕される。
「フィ~フ~スく~ん? 何してるのかなぁ?」
ダダンダンダダン♪ ダダンダンダダン♪
一発でだれがどうなっているのかがよくわかる音楽が鳴り響き、フィフスは唖然とした。
「え? アポプスとアジ・ダハーカは? 一人ぐらい殺してくれると思って送り込んだんだけど?」
「さっき殺しといたよ。・・・あんなポッと出のトカゲなんぞに、俺が倒せると思ってるのか?」
つか、つか、と足音を響かせて、そこに彼が到着した。
怒らせれば主神クラスすら蹂躙する、禍の団の怨敵の1人。
サーヴァントをしたがえし魔術使い。神と化した悪魔。
「さて今すぐ聖杯戦争を始めよう。・・・ここで死ねこの野郎が」
ここに、激戦は新たな展開を迎える。
Side Out
く、くくくくく。くっくっくっくっく。
よし、殺そう。
「少しは落ち着きなさい。相手は天龍クラスを二人も倒してるのよ?」
「わかってるわかってる。気を付けないとあいつ殺せないし」
アーチャーにたしなめられるが、うん、いろんな意味で落ち着けない。
偽眼で確認済みだが、イッセーの肉体が人間に戻っている。人間にだ。
全く状況はわからないが、どうやら龍神の肉体をどうにかするという手段をとったらしい。
フィフスの奴、そのためにイッセーの両親を誘拐しやがったな。どこまで警戒してんだか。
「おいイッセー。生きてるな? 生きてるだろ? とりあえず死ぬなよ」
「わ、わかってるよ・・・」
よし、イッセーは生きてる。
これなら当分ほっといても死なないだろう。
というより、ほっとくしか選択肢がない。
なにせさっきはあんなことを言ったが、あいつらをしとめるためにフェニックスの涙を全部使ってしまった。
独自ルートでいくつも手に入れたのにもったいないとは思うが、莫大なオーラが放出されたと思ったら一瞬で消えたので自爆特攻で仕掛けるしか選択肢がなかった。
「やってくれたなフィフス。・・・お前の目的はいったいなんだ?」
とりあえず時間稼ごう。体力を回復したい。
こいつ意外としゃべりたがりだし、乗ってくれるとは思うが・・・。
「簡単なことだ。邪魔されずに聖杯戦争を行いたいんだよこれが」
何を言っている?
「俺が放っておくと思っているのか?」
「いや全く? 俺が言ってるのは二回目だ」
二回目だと?
何を考えている?
「なあ、根本的な問題としてだな。・・・ぶっつけ本番で根源到達なんてできると思うか?」
・・・・・・・・・うん?
あ、確かに聖杯戦争は根源到達どころか、願望機としての機能も実行されたことはないな。
だいたい根源到達だって、一人分の穴しかあけられないということが判明したから殺し合いになってるわけだし。
うん、確かにハイリスクなのは認めよう。
「そこで俺は考えた。根源に本当に到達できるかどうか聞くところから始めよう、と」
そ、その発想はなかった。
「な、なるほど、願望機を演算装置として使えば、根源そのものには到達できなくても根源に到達する方法はわかると」
「そうだ。だから俺はアサシンを生贄にささげる気はないし、まあ確実に余るだろうからどうすれば聖杯戦争に安全に勝てるかもシミュレートとする」
なるほど。聖杯を使って優勝できるサーヴァントとその召喚までの手順を調べると。
そして参戦するメンバーすら厳選することによって、安全に聖杯戦争を優勝しようと。
「こんなばかに殺されたリゼヴィムがかわいそうだ!!」
マジかわいそうで涙出てきたぞ俺は!!
ああ、せめて安らかに眠れ我が同類。本気で冥福を祈るぞ。
「何が馬鹿だ。異世界移動も考慮すれば、失敗する可能性を考慮してある程度の慎重さは必要だ。・・・ヴァーリとカテレア以外は了承させたぞ」
「無駄に交渉能力が高いな」
や、やはりフィフスはアインツベルンだ。
一理あるような気もするが、根本的な部分で問題がある。
いや、確かに理論上のことだから本当に根源にたどり着けるか裏付けを求めるのはわかるんだが。
やはりこいつも魔術師か。どこか頭がおかしい。
「だったらなんでこんな大騒ぎを起こした? お前正気か?」
「正気だ。いくら聖杯といえど限界はあるから、聖杯戦争以外の要素は自力でどうにかしないといけないだろう?」
どういうことだ?
こんな全面戦争を起こしかねない真似をして、余計な邪魔が入らないとでも?
だいたい、サマエルの毒を量産できるってことはグレートレッドをいつでも殺せるってことだ。さらにトライヘキサの力をある程度利用できるならなおさらだ。
そんな凶悪な戦力、いやでも気にせざるを得ないだ―
「・・・待て、お前まさか」
世界最強格の化け物と、その同格を瞬殺しかねない最悪の毒。
それを保有して邪魔されない方法ってまさか・・・。
「お前、正気か!?」
「正気だ。乱暴だがこれが一番手っ取り早い」
あり得ない。狂ってやがる。
この野郎・・・。
「トライヘキサとサマエルの毒で、すべての世界を脅すつもりか!?」
この野郎はつまりこういいたいのだ。
グレートレッドを殺されたくなければ、聖杯戦争の邪魔をするな、と。
こいつ、世界最強の存在を殺すと恐喝してやがる!!
フィフス「夢幻殺されたくなかったら邪魔すんな。OK?」
兵夜「な、なんだってー!?」
地上最強の存在を殺すと脅す馬鹿がどこにいる?
・・・ここにいる!