ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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本作のラストバトルスタート!


・・・鮮血舞う

 

「アーチャー! こいつ止めるぞ!!」

 

 考え込んでいる時間はない。

 

 ここでこいつをしとめておかねば、こいつのせいで全世界を巻き込んだ戦争が起こる。

 

 異形社会だけの話じゃない。この野郎は人間世界にも同様に脅しをかけるはずだ。

 

 そのためのクージョーノケイ。そのためのクージョー連盟。そのための禍の団!

 

 この野郎、本気でくるってやがる!!

 

「だがどうやって俺を倒す? 今の俺なら―」

 

「馬鹿め! 俺がどうやってアポプスとアジ・ダハーカを倒したと思っている」

 

 研究と発展は常に行っている! そう、それこそが勝利のカギだった。

 

龍滅し滅ぼす蛇の鱗(ドラグイート・スケイルシールド)、攻撃モード」

 

 対龍装備をさらに、偽聖剣のブースト形態として運用可能に調整させてもらったのさ!

 

「モード、カリブリヌス!!」

 

 サマエルの毒性を攻撃に展開したうえで、徹底的にボコらせてもらう!!

 

 真正面から拳をたたきつけて、衝撃が放たれる。

 

 そして、そのタイミングと同時にアーチャーの魔術攻撃が直撃した。

 

「お前正気か!? もろとも喰らうか普通!」

 

「お前が言うな! そしてその対策も万全だ!」

 

 よく見ろ、俺はひとかけらもダメージ入ってないだろう。

 

「このためだけに新たに魔術を作らせるとか、割とブラック企業なのかしら、あなたの直属は」

 

 と、ため息をつくアーチャーの言うとおりだ。

 

 偽聖剣と魔術礼装をシンクロさせることにより、俺には一切ダメージの入らない魔術攻撃を作ってもらっておいた。

 

 これで俺は流れ弾を気にせずサーヴァントと戦えるのさ!!

 

 だが、フィフスも全然負けてない。

 

「ふはははは! どうした? アポプスを屠った装備はその程度か?」

 

 高密度の攻撃を繰り返しながらも、余裕があるのはフィフスのほうだ。

 

 むしろ、俺の方が攻撃を喰らいすぎて追い込まれている。

 

 なんだ、この攻撃力。化け物すぎる。

 

 そんな状況下で、俺は獣鬼の欠点を思い知った。

 

 準最強の神滅具を暴走状態で禁手に至らせることによって、一勢力が本気を出しても突破困難なほどの戦力を確保した獣鬼。

 

 だが、しょせんはただの化け物だ。

 

 あいつらはただ力任せに暴れまわるだけ。単純な出力で上回っているだけ。スペックだけで上回っているだけで、それ以外はむしろ並だ。

 

 技量が足りない。技が足りない。修練が足りない。

 

 単純なステータスが圧倒的だからこそ、その土俵に持ち込まれれば技量の差がもろに出る。

 

 そう、化け物は英雄に倒される存在だ。圧倒的な力を持つ存在はしかし、それに対応する技や知恵の前に滅ぼされる定めを持っている。

 

 ましてや作り出したのは只の子供だ。それも、強制的に覚醒させられた暴走状態の子供。

 

 そんな子供が英雄に匹敵する技を持てるわけがない。ヴァスコ・ストラーダにイッセーが技量で勝とうとしても勝てるわけがない。つまりはそういうことだ。

 

 だが、ここに例外が存在する。

 

 百年にわたる研鑽を得て、英雄の領域へととうたつした技を持つ男。

 

 そんな男が、天龍とすら戦える能力をもった化け物を鎧として身にまとう。

 

 間違いなく真正面から勝てるわけがない。蒼穹剣という反則なしに、対応できる相手ではない。

 

 ・・・ならば。

 

「助けてくれ俺の愛する女たちぃいいいいい!!!」

 

 情けないけど助けを求めよう。

 

 いるんだろう? クロウ・クルワッハを追いかけて。

 

「はいはい来ましたよー!」

 

「実質遅れて申し訳ありません!!」

 

 久遠とベルが速やかに一撃を叩き込んでくれる。

 

 積み重ねた年月が厚さを持つ剣技に、優れた師範に出会い覚醒した拳が、フィフスをわずかに揺らがせる。

 

「チィッ! ここにきて増援か!!」

 

 しかしそれすらわずかな揺るぎで済ませながら、フィフスはしかし舌打ちする。

 

 その理由は単純明白。

 

 ・・・おそらくギリギリで完成したのだろう。だからこそ、短時間しか運用できないはず。

 

 おそらくこの隙を突くしか現状勝利の方法がない。それだけの化け物に仕上がっている。

 

 冗談抜きで主神すら殺せる。単純戦闘能力なら天龍を超えるだろう。

 

 だからここで仕留めなければ、収拾できるかもわからない。

 

 頼むぜマイラヴァーズ! ここで俺に奴を倒す力をくれ!!

 

「行くぜ二人とも・・・いや、四人とも!!」

 

「ファックに忘れなかったのは褒めてやる!!」

 

「カッハ! さすがご主人だな!!」

 

 空間ごとフィフスを押しとどめ、そこに竜巻が襲い掛かる。

 

 ここで小雪とナツミも参戦。状況は大いに好転した。

 

「は! 女に頼るとは情けないんじゃないかこれが?」

 

「負け惜しみと受け取ろう! っていうか、この緊急事態に体裁なんて気にしていられるか!!」

 

 俺は全力を出してフィフスと戦闘する。

 

 恐ろしいことに、これだけの状況ですらフィフスはまだ対応できている。

 

 全員が最上級悪魔クラス。そんな六対一をまともに受けておきながら、しかしフィフスは倒れない。

 

 くそ、さすがは超獣鬼。ルシファー眷属を総出で相手にして持ちこたえただけはある!

 

「・・・だれか、イッセーを連れて逃げろ!! 周りを気にしている暇がない!!」

 

 俺はそう叫ぶが、しかし期待は薄かった。

 

 なにせ今のフィフスは正真正銘の化け物。この場にいる全員が本気で挑んでもなお危険。

 

 そんな状況下で、瀕死の連中と正真正銘の一般人を五人も拾って誰が離脱できるというのか。

 

 そんなことをしたら、ほかのメンバーが死ぬだろう。比喩表現抜きでそれだけの領域だった。

 

 だが、奇跡は意外と起きるものだった。

 

「なら、私が引き受けよう」

 

 こ、この声は・・・。

 

「ディハウザー・ベリアル!? あんた無事だったの!?」

 

「皇帝の異名は伊達ではないさ。・・・贖罪ぐらいはさせてもらう」

 

 わぁい! これだけの人物なら本気で任せられるよ! やったぁ!

 

 などとふざけたくなるぐらい危険だ。

 

 ・・・さて、時間を稼げるか?

 

 などとは思うが、それどころではないだろう。

 

 こいつはここで確実に倒す!!

 

 それだけの覚悟を秘め、俺たちは全力で戦闘を行う。

 

 それが一時間も続いただろうか、ついにフィフスに限界は訪れた。

 

 すでに暗黒鬼は崩壊し始めている。どうやらまだまだ研鑽が甘かったらしい。

 

 冷静に考えてみれば当然だ。

 

 封印系神器の全力とはすなわち覇の領域だ。そんなものを平然と運用できるわけがない。

 

 まあ、フィフスとキャスターと木原が三人そろっていれば、このデータを基にして戦闘継続能力は数倍以上に向上するだろう。

 

 だからこのチャンスは逃さない。

 

「最大出力でぶちのめす!!」

 

 禁手による肉体強化すらぶちかまして、俺は一気に懐に飛び込んだ。

 

 後遺症は覚悟の上。ここでこいつをしとめなければ、世界は大きく揺り動かされる!!

 

「フィフス・・・覚悟!!」

 

「なめんじゃねえぞこれが!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まさにそのタイミングで、宮白兵夜の体は破裂した。

 

「・・・え?」

 

 破裂といっても全身が四散したわけではない。せいぜいが全身が裂傷を刻んだだけである。

 

 だが、その一瞬で何が起こったのかを把握できたのは一人しかいなかった。

 

 至近距離ですべてを目撃し、肌で感じたフィフス・エリクシルだけがすべてを理解した。そして彼も理由はわかっていなかった。原因だけを、しかし正確に把握した。

 

 宮白兵夜ですらわかっていなかった。むしろ彼だからこそ分かっていなかった。

 

 うっかり。戦術戦略ですら優秀でありながら、肝心なところで見落としをする先天的な欠陥。

 

 宮白兵夜は、サマエルを利用した魔術礼装の真モードを、アーチャーとアザゼルにしか言っていなかった。

 

 それは、時間がなかったという理由もあるが、あまりにも致命的だった。

 

 二人は知らなかった。兵夜にとってサマエルが、あまりにも猛毒である事実を。なぜそうなのかという理由すら知らなかった。

 

 もし、桜花久遠がそれを知っていたらまだ事態は変わっていただろう。

 

 彼女はその致命的欠点の原因なのだ。彼女と兵藤一誠だけは、その欠点を想定する可能性があった。

 

 そして、それを久遠が理解するまでにすべては決した。

 

「・・・ああ、なるほど」

 

 フィフスは即座にサマエルの毒を兵夜に叩き込んだ。

 

 ・・・そして、崩壊は決定的になる。

 

「あ・・・ぐ、あぁあああああ!?」

 

 全身を腐食させながら、兵夜は絶叫を上げる。

 

 痛覚の実感麻痺を行う余裕もなく兵夜はもだえ苦しみ、そして四人がその事態に麻痺を行った。

 

 久遠は何が起こったのかわかってしまったが故。そして残りは何が起こったのかわからなかったが故。

 

 その致命的な隙を突き、致命の一撃が放たれ―

 

「・・・馬鹿!!」

 

 唯一、アーチャーだけが割って入ることができた。

 

 しかし彼女はしょせん魔術師。耐久力ではサーヴァントして最底辺。

 

 その彼女が割って入ったところで、何をするわけでもなく―

 

「・・・兵夜、アーチャー!?」

 

 小雪が叫ぶ中、二人は血反吐を吐いて吹き飛んだ。

 

 その悲鳴を聞いて、久遠は我に返った。

 

 自分のあまりにも軽はずみな行動によって生まれた致命的な事態に対して、しかし傭兵である彼女は手遅れだが対応できた。

 

 今の状態では自分たちでは勝てない。動揺がひどすぎて戦闘を行う余裕がない。

 

 それを理解できたからこそ、彼女は即座に対応した。

 

「・・・逃げるよー!! 急いで!!」

 

 暗黒鬼が時間切れのフィフスなら、追撃はしない。そんな余裕は彼にもない。

 

 だからこそ、彼女は兵夜とアーチャーを抱えると素早く後退する。

 

 三人ならそれだけで反応してくれる。それを期待しての即座の撤退だった。

 

 じっさい、三人ともすぐにわかって急いで離れる。

 

 特に小雪は大気の噴出点を用意して速度を稼いでくれた。

 

 だが、フィフスも甘くなかった。

 

「・・・木原、ミサイル攻撃!!」

 

『わかったぞぉん』

 

 下手に距離をとったせいで、基地の被害を考慮させないのが不幸だった。

 

 ・・・動揺して対応しきれない四人に、ミサイル攻撃が襲い掛かった。

 




最初は、あれを伏線として書いてたわけじゃなかったんです。

ですが、今回の状況と今後の展開のための説得力づくりにとても使えると思ったので、ここで結果的な伏線とさせていただきました。









どっかのジャンプ漫画で、過去の話を読み返して伏線として利用するというのがありましたが、まさに今回のがそれです。
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