ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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このままじゃ、終わりません!

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 意識を取り戻した俺だけど、もうそんなことがどうでもいいような緊急事態だった。

 

「・・・」

 

 みんな落ち込んでいる。どうしようもないぐらい落ち込んでいる。

 

 ああ、俺もそうだよ。

 

 ・・・アーチャーさんが、消滅した。

 

 宮白を助けるために臓器のほとんどを移植して、消滅した。

 

 いつか、仲間が死ぬことはわかっていた。

 

 俺だって全身消滅したし、一人ぐらい死んでしまってもおかしくないことはわかっていた。

 

 だから夢でみんなが落ち込んでいるところを見たときは励ました。落ち込んでる場合じゃないって思ったから。

 

 だけど、これは落ち込むだろう。

 

 そして、世界は本気で大変なことになっている。

 

 クージョー連盟に攻撃を仕掛けた国家の都市の多くが、機能をマヒしている。

 

 俺はよくわからないけど、核爆弾っていうのは使い方次第で電子機器をぶち壊すらしい。それが原因で都市が壊滅したとか。

 

 病院とか空港とかがもう台無しで、しかも被害が大きいせいで救援に行けないらしい。

 

 そのうえ、能力者が大量に生まれている。

 

 ・・・木原エデンは、簡単に能力者を生み出す方法を作っていた。

 

 それを採算度外視で世界中にばらまいて、俺が気絶している間の公開生中継で流れた音楽が脳を刺激して一斉に覚醒したらしい。

 

 まだ全然わからないけど、産まれた能力者は数億人。その大半は能力を見える形で使うことすらできないけど、すごい連中は神滅具でも禁手なしじゃてこずるレベル。しかもそいつらはおそらく百人を超える。

 

 強力な力を手にしたやつらは暴れることもある。

 

 英雄派が禁手に至る方法を拡散させた時もそうだ。それで暴走した人間や転生悪魔が、いろいろ暴れて大変だった。

 

 それが、人間の世界で、しかも国が動けないときに大量に生まれた。

 

 もう世界中が大混乱だ。死んだ人は数百万人を超えているらしい。

 

 そして冥界や神話体系も大きな被害を受けている。

 

 絶霧の技術を解析されていたせいで、あらゆる世界に量産された豪獣鬼が転移。あいつらは隠れながら魔獣を生産して、世界中が混乱している。

 

 宮白は、そしてアザゼル先生は、異世界技術を、異世界の能力者を警戒していた。

 

 彼らの多くは異能を隠すことなく生きていた。宮白の世界の魔術師も、異能を隠すのは隠さないと困るからで、この世界ではその必要がなかった。

 

 だから、あいつらが堂々と技術をばらまいて利益を得る可能性はあった。

 

 だからってここまでするか・・・!

 

「アザゼル、兵夜は大丈夫なの?」

 

 リアスは、顔を上げないけどそれでもそう尋ねる。

 

「・・・何とか容体は落ち着いた。サマエルの毒も抜けたし、もうすぐ目を覚ますだろう」

 

 アザゼル先生はそういって肩をたたくが、その顔は暗い。

 

 ああ、そうだろう。

 

 フィフスの奴、ここまでやらかしやがったなんて!

 

「・・・テレビはどこも機能してないよ。日本はあまり被害がないけど、それでもいくつか電磁パルスが届いたらしい」

 

 父さんが、俺の肩をたたきながらそう言った。

 

 そう、日本は戦争しないって言ってるから被害はそんなにないけど、それでも影響は受けている。

 

 主にアメリカ基地のある沖縄がひどいらしい。割と近いからしっかり狙ってきた。

 

「アザゼル先生、どうするんですか」

 

 木場がそう尋ねるが、アザゼル先生は静かにうなづいた。

 

「・・・あいつが言った通り、一度だけなら反撃の機会はある。だが、そこから先はあいつは速攻でサマエルをグレートレッドに使うだろう。トリプルシックスを使ってな」

 

 そう、それが最大の問題だ。

 

 フィフスはグレートレッドを人質に取った。サマエルとトリプルシックス、そして豪獣鬼の群れでグレートレッドをいつでも殺せると言外に行ったのだ。

 

 誰が想像できるよ。

 

 あいつは、世界最強の存在を人質に取りやがった・・・!

 

 もちろん、好きにはさせやしない。

 

 いざとなったらはぐれになってでも、あいつには落とし前をつけさせてやる。

 

 だけど・・・。

 

「宮白さんは、・・・起きたらどうするのでしょうか?」

 

 アーシアが、涙を浮かべながらそう漏らした。

 

 ああ、俺たちもそう思う。

 

 あいつ、アーチャーさんのこと、結構大好きだったからな。

 

 ・・・大丈夫なんだろうか、宮白。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 意識が、戻った。

 

 どうやら、何とか助かったしい。

 

 アーチャーには感謝しないといけないな、うん。

 

 なんていうか、体がごっそり入れ替わったような気分だ。爽快とはではなく、違和感が結構ある。

 

 ま、とりあえずみんなと話さないといけないよな。

 

 あれだけ大事にして、フィフスがさらに何もしないとは思えない。おそらく俺が気絶してる間にさらにとんでもないことをぶちかましている。

 

 だから、早めに回復してすぐにでも対策を立てないと―。

 

「・・・あ、兵夜くん」

 

 そこで、久遠たちと目が合った。

 

 全員酷い顔だ。喜色が浮かんでるけど、それ以上に沈んでいる。

 

 そして、俺はその顔を見て大体悟った。

 

 ああ、なるほど。

 

 ・・・内臓の大半が台無しになってたな、俺。

 

 あのバカ、そこまでしなくたっていいだろうが。スパロがいるからマスターは代役立てれるだろうに。

 

 とは思うが、しかしあいつがそこまでしたってことは理由があるんだろう。たぶん、あいつもやばかったんだろうな。

 

 ああ、そんなレベルだったんだ。

 

 ・・・ああ、そうだな。

 

「みんな。・・・どうなっている?」

 

「ファック。その一言に尽きるよ」

 

 小雪がそういうが、その口癖の重さが段違いだ。

 

 なる程な。問題はやはり世界級と。

 

「兵夜さま。体の方は大丈夫ですか?」

 

「ああ、あいつのおかげで助かったよ。本当に助かった」

 

「本当だよ。本当に心配したんだからね・・・っ!」

 

 ベルにそう聞かれて素直に答えるが、ナツミに大泣きされてしまった。

 

 うん、みんな悪かった。俺本当にうっかりだ。

 

 あいつには最後まで迷惑をかけた。

 

 ああ、本当に、迷惑を・・・。

 

「みんなごめん。頼みがある」

 

「「「「え?」」」」

 

 異口同音に尋ねるなよ、恥ずかしいだろ。

 

 やべ、顔が真っ赤になってきた。

 

 ああ、アーチャー。俺頑張るから。

 

 ここまでしてくれた分の成果は必ず上げるから。

 

 だから、ちょっとだけお前のために苦しませてくれ。

 

「・・・少しの間、慰めてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして二時間ぐらいして、俺はイッセー邸のリビングに突入した。

 

 一誠に視線が集まるが、全員酷い顔してやがる。

 

「宮白!? 大丈夫か?」

 

 はじかれたかのように近づいてきたイッセーの顔を見て、俺はにっこりうなづいた。

 

「ああ、イッセーちょっと言いたいことが」

 

「え?」

 

 そう聞いたイッセーの顔に、俺は全力でヘッドバッド!!

 

「ぐはぁ!?」

 

「み、宮白!? いきなり何を!?」

 

 慌てたゼノヴィアたちを真剣に俺は怒鳴りつける。

 

「どいつもこいつもなんだその顔は!! まるで全部終わったみたいじゃねえか、あ?」

 

 ええい、こいつら俺が死にかけてから何日たったと思っている。

 

 イッセーの死(勘違い)を何とか乗り越えたと思ったのだが、どうやらそうでもなかったらしい。

 

 ああ、アーチャーが消滅したことは確かに俺もきつかったとも。割と本気で慰めてもらいましたとも。

 

 だが! お前らは! 何日もたってるだろうが!!

 

「クソな理由でそんな状況に追い込んだ連中に、落とし前もつけさせないほどオカルト研究部は腑抜けだったか? 違うだろう!」

 

 まったく、どいつもこいつも俺がいないと本当に駄目だな。

 

 こういう時に吐き出し方が全然できてない!

 

「・・・親父さん! ジオティクス様からいただいた酒全部持ってきてください!!」

 

 まずはガス抜き。それが大事。

 

「え、いや、イッセーたちは未成年―」

 

「どうでもいいですそんなことは!」

 

 こういう時の基本はわかりきってるっての。

 

「まずはあびるだけ酒飲んでしっかり吐き出す! んでもって抜けた分やる気入れる!!」

 

 いやなことがあったときはやけ酒をしっかりする。酒を使って流して溶かす。

 

 んでもって二日酔いになって、迎え酒いして、そんでもって―

 

「―そしたら今度は反撃準備だ。俺はフィフスに仕返ししますが、あなたはこのまま泣き寝入りですか、姫様」

 

「・・・そうね。そうだったわ」

 

 そこまで言って、ようやく姫様は立ち上がった。

 

「私たちの大切な仲間を滅ぼした、フィフスを、このままのさばらせておく道理はないわ」

 

 その目には、少しだけどしっかりやる気が見えていた。

 

 ああ、そうでしょう姫様。

 

 あんたは負けず嫌いなんだから、負けっぱなしは性じゃないでしょう。

 

「兵夜を、イッセーを、アーチャーを。あれだけ痛めつけてくれたお礼はしないとね」

 

「そうね! 人類を不幸のどん底に落としたフィフスには、天に代わって裁きを与えないとね!」

 

 と、イリナもオートクレール片手に気合を入れる。

 

 そして、ゼノヴィアと木場も立ち上がった。

 

「確かにそうだ。グレモリー眷属の柄じゃなかったな」

 

「確かにね。このままやられっぱなしじゃ終われない」

 

「・・・ヴァレリーの聖杯を取り返してないですし、僕もやります!」

 

 おお、ギャスパーもすっかり根性を身に着けた。

 

「ま、そうだろうな。このままってのはファックだな」

 

 と、小雪も後ろから参入してくる。

 

「割と責任感じるからねー。私はいくよー」

 

「ミカエル様の勅命があれば、ベルは即座に参戦しますよ」

 

 と、久遠もベルもノリノリだ。

 

 そして一緒に入ってきたナツミは、イッセーと顔を見合わせる。

 

「で、どうするの?」

 

「・・・決まってんだろ?」

 

 そして二人はニヤリを笑うと、俺の方を振り向いて、腕を突き出した。

 

「「作戦よろしく!」」

 

「・・・ああ、任せろ!!」

 

 待ってろよ、フィフス。

 

 お前の好きには絶対させない!!

 




反撃準備、開始。









悲しいのはわかる。苦しいのも分かる。実際そうだし籠りたい。

だが、逃げるわけにはいかない。

なぜから文字通り託されたから。

俺の体が問いかけるのさ。

このまま、泣き寝入りするような奴だったのかと。

ああ、そうだ。

俺はそんな奴じゃない。

見ていてくれ。

お前にもらったこの命、残さず、全部、無駄にしない
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