ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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ええ、これは単独ではどうしようもないピンチですね。









忘れてませんか? これは、事実上の戦争ですよ?


天に代わって裁きを下す

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

「またせたね、イッセーどん」

 

 暴風が暴風によって相殺される。

 

 さらに、レイナーレには雷撃、炎、氷などのあらゆる属性攻撃がぶっ放された。

 

「・・・なんですってぇ!?」

 

 レイナーレが最上級クラスの攻撃を喰らって叫ぶ。

 

 特に炎が致命的だ。

 

 なにせ、レイナーレが来てるのは油性の服。つまり燃えやすい。

 

 全身が火だるまになりながらも、レイナーレは魔法で回復して新しい敵をにらむ。

 

 お、おお、おおお!

 

 来てくれたのか―

 

「―デュリオ!」

 

「周りの連中倒してたら時間かかったけど、宮白きゅんと通信繋がってせっつかれてね。こっからは俺も手を貸すぜ」

 

 できれば一対一で倒したかったけど、それでもすげえ援軍だ!

 

 魔改造された堕天使と、転生悪魔と転生天使。

 

 なんかすごい組み合わせだなおい!

 

「邪魔よそこのチャラ男! 私とイッセーくんの決着を邪魔しないで!」

 

 かなり本気で激昂しているレイナーレだが、デュリオはぼりぼりと頭をかく。

 

「いや、俺もできれば一対一で決着付けさせてやりたいんだけどね? さすがにそんなこと言ってる場合でもないからさぁ」

 

 本気で気にしてくれてるみたいだけど、言いたいことはわかる。

 

 今回、俺たちは正真正銘最終決戦で大変なことになっている。

 

 なにせ、グレートレッドをいつでも殺せる状態に追い込まれるという最悪の事態だ。なんとしても解決しなけりゃいけない。

 

 残念だけど、一対一にこだわってる暇はないのかもしれない。

 

「・・・ええ、だったらこっちにも考えがあるわ!!」

 

 と、言うなりレイナーレは地上に降下する。

 

 俺たちはすぐに追いかけるけど、そこにカウンターを叩き込むようにサーヴァントの姿があった。

 

 って―

 

「バーサーカー!? 生きてたのか!!」

 

「令呪を何回も使ったけどね! 曹操の脱落分で浮いたのを補充させてもらったわ!!」

 

 くそ! これが開催者権限ってやつか!!

 

 宮白が全部使っててくれて助かったかもしれないけど、これで状況は二対二かよ!!

 

「どうせ知ってもどうしようもないから教えてあげる。バーサーカーはキャスターと同タイプの英霊。その真名はレッドライダー!」

 

 れ、レッドライダー?

 

 なんだよその日本を代表する二大ヒーロー足したような名前は!

 

「ヨハネの黙示録ってのに出てくる存在さ。闘争を司る存在てところかな」

 

 なるほど。神様とか四大魔王さまみたいなもんか。

 

「その殻をかぶった狂戦士。さあ、覚悟はできたかしら?」

 

 そういって、レイナーレはいつも間にか上に回り込む。

 

 そして、バーサーカーも攻撃を開始する。

 

 いつの間にか、あいつが持っていたのは剣じゃなくて銃。あいつの装備、変更できたのか!

 

 しかもあれも宝具なのか、攻撃力が地味に高い。

 

 くそ、令呪でブーストも掛けたってのか!!

 

 そんな激戦の中、デュリオは俺に話しかける。

 

「イッセーどん。アーシアちゃんやギャスパーくんのこと、大事だよね」

 

 あ? なにいってんの?

 

「当たり前すぎるって、それは」

 

「うん、それはよかった。・・・神様が死んじゃったせいで、自分の神器で苦しめられる人間は結構多いんだよ」

 

 ああ、確かにな。

 

 アーシアもギャスパーも神器が原因でいろいろ大変な目にあって、しかも一度死んだ。

 

 そういう意味じゃあ俺もだな。実際俺も、神器持ってたせいで殺されたわけだし。

 

 で、その下手人がレイナーレ。あの後死んだと思ったら、レイナーレが復活して襲い掛かってきて何度も戦闘。

 

 いや、もうこれ因縁ありすぎだろ。フィフスより因縁あるじゃん。

 

「うん、だから俺は神話との和平が完全に締結したら、神器のシステムだけでも改善に協力してほしいって思うんだよ」

 

 おお、すごいこと言ったなデュリオ。

 

 ミカエルさんですら触れようとしなかった聖書の神が残したシステムをいじるって、根性あるな、こいつ。

 

「だから、こんなところでいろいろ大変なことしてるわけにはいかないってね。ちゃんと落とし前つけたら生きて帰るよ、俺は」

 

 ああ、俺もだよ。

 

「勝とうぜ、おっぱいドラゴン」

 

「ああ、勝つぜジョーカー!」

 

 俺たちは同時に飛び出した。

 

 まず向かってくるのはバーサーカー。

 

 ああ、こいつの能力は確かに脅威だ。

 

 なんたって、今乱戦状態だからな。当然敵意は集まってるし、だからこそバーサーカーは思う存分暴れられる。

 

 だけど、なめるなよバーサーカー。

 

 俺は赤龍帝なんだぜ?

 

「ドライグぅうううう! 透過に出力を半分以上ぶっこめぇえええええ!!」

 

『応!』

 

 そして、同時にデュリオに肩を貸す。

 

 それだけで、デュリオもレイナーレもどういうことが狙いなのかわかってくれた。

 

「し、しまったっ!?」

 

「OKイッセーどん。んじゃ、天界のジョーカーがどんだけすごいか堕天使に教えてやるか!」

 

 デュリオの周りに、一斉にシャボン玉が発生する。

 

 も、もしかしてこれがデュリオの禁手《バランス・ブレイカー》!?

 

「その名も聖天虹使の(フラジェッロ・ディ)必罰、終末(・コロリ・デル・アルコバレーノ、)の綺羅星(スペランツァ・ディ・ブリスコラ)さ!」

 

 なんていうかすごい大仰な名前の通り、シャボン玉に入ったバーサーカーに、炎やら嵐やら雷やら吹雪やらが襲い掛かる!

 

 そして、それをより凶悪にするためにこれも追加だ!

 

『Penetrate、Transfer!』

 

 透過の力を譲渡された神罰が、バーサーカーの宝具を突破して一気に焼き尽くした!

 

「バーサーカー! このクソガキども!!」

 

 激高したレイナーレが襲い掛かってくる。

 

 だが、レイナーレの暴風をデュリオは同じく暴風で相殺する。そしてカウンターで落雷がたたきつけられた。

 

「悪いね。君とは相性がいいんだ」

 

 そして、俺の肩をポンとたたく。

 

「さ、行ってきな」

 

 ああ、ありがとう。

 

 思えば、あれが俺の初デートだった。

 

 内心どこまでも馬鹿にしてやがったけど、それでも表向きは喜んでくれた夕麻ちゃん。

 

 ああ、思い返せば悪くない初デートだった。

 

「サヨナラだ、レイナーレ!!!」

 

 俺は全力のドラゴンブラスターを、レイナーレに向かってぶっ放す!!

 

「アンタは、俺が戦った中で最強の堕天使だったぜ!!」

 

 ホント、マジ強かったよ。

 

 そして、砲撃にのまれるレイナーレは―

 

「最強の、堕天使? ・・・私が、さいきょ―」

 

 その言葉に、一瞬だけ微笑んだように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・今度こそ、さよなら、俺の初恋。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 祐斗Side

 

 対象を抹殺する能力の持ち主。剣士の天敵ともいえるサーヴァント。そして神すら殺す狼のコピー。

 

 その圧倒的な力を前に、僕たちは防戦一方へと追い込まれる。

 

 そして追い込まれる僕たちを冷徹な目で観察しながら、レイヴンは告げた。

 

「さて、そろそろ仕留めるころ合いか。・・・ゆけ、セイバー、フローズヴィトニル」

 

 僕たちが追い込まれたそのタイミングで、一気に二つの化け物が襲い掛かる。

 

 くっ! こんなところでやられるわけにはいかない。

 

「やられるものか! やられるものか! 私達は希望を託されたのだから!」

 

 そうだゼノヴィア。その通りだ。

 

 僕たちは、こんなところでやられるわけにはいかないんだ!

 

 だから、僕も負けるわけにはいかない。

 

「負けられないね。僕たちはグレモリー眷属なんだから!!」

 

 たとえこの身が砕けようとも、僕らは負けるわけにはいかない。

 

 この戦いは、未来をかけた一戦なのだから!

 

 だからこそ、気力を振り絞って立ち上がろうとしたその時、肩に手が置かれた。

 

「よくぞ言った、戦士ゼノヴィアに戦士祐斗よ。・・・その粘りが、私を間に合わせた」

 

 僕たちが唖然としながら振り返る。

 

 そこにいたのは一人の老人。

 

 だが、そこにいるのは最強の聖剣使い。

 

 その姿を見て、レイヴンすらも愕然とした。

 

「ヴァスコ・ストラーダ・・・っ!?」

 

 ああ、なぜここに、猊下がいるというのか!?

 

 この戦いは、政治の要職を送り込めないと判断されたもののはずなのに!?

 

「なに。途中で取りやめたとはいえクーデターの計画者が枢機卿を続けるわけにはいかないのでな。今の私は隠居した老人だよ」

 

 そういいながら、しかし彼は威風堂々とした姿を見せつける。

 

「そして通信の確保に成功したものがいてな。・・・近くにいるからと頼まれてしまっては断れん」

 

 そう、間違いなく彼はこの場で最強の味方なのだから

 

「さて、それでは世界を混沌へと追い込んだ者たちへ、主の代行として裁きを与えねばな」

 

「・・・フローズヴィトニル! セイバー!!」

 

 即座に攻撃命令を出したのは、いい判断だといえるだろう。

 

 この場において最も警戒するべき相手に、主力をぶつけるのは戦術として当然の判断だ。

 

 だが、惜しむらくは―

 

「なかなかの能力。だが、残念だが私も負けるわけにはいかんのだよ」

 

 ―彼の能力が圧倒的だということだ。

 

 剣の性能を限界まで引き出したセイバーの一撃をたやすくいなす。

 

 神速で迫りくるフローズヴィトニルを真正面から殴り倒す。

 

 これが、教会の暴力装置とまで恐れられた伝説の男の力・・・!

 

 気づけば、ゼノヴィアは傅いてデュランダルを差し出していた。

 

「猊下。残念ながら今の私では真価を発揮できません。そして、この戦いにおいて下手な加減は無用。・・・デュランダルの真の力を、私に示してはくださいませんか?」

 

 みれば、彼女の手はさすがに震えていた。

 

 ゼノヴィア。さすがに悔しいだろう。

 

 セイバーはあくまで剣の担い手として最高峰に到達できるのであって、剣士として最高峰ではない。ゆえに剣士として真の本質である、「剣で切り捨てる技量」を高めれば打倒可能。それは桜花さんが示して見せた。

 

 だが、其れはまだ僕たちでは到達できない。

 

 ならば双方ともに究極点である彼に任せるしかない。

 

「・・・ああ、任せておくといい。つらいことをさせているようだな」

 

「いいえ。いずれ、このようなことをしないで済む戦士になってみせます!」

 

 ゼノヴィアはそういうと、エクスカリバーを手にもって立ち上がる。

 

 そして、レイヴンは状況を速やかに把握したようだ。

 

 静かにうんうんとうなづくと、片手を掲げて見せる。

 

「令呪に命ず。・・・時間を稼げ、セイバー!!」

 

 そう言い放つと一気に距離をとっていく。

 

 逃げる気か! だが、させない!!

 

「ゼノヴィア! 猊下! ここは任せました!!」

 

 逃がしはしない、逃がしはしないぞ、レイヴン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕たちは全力で追走劇を行っている。

 

 それだけの危険な状況下、僕は冷静にレイヴンを追いかけていた。

 

 逃げながらも、彼もまた一流の魔術師として戦闘を行っている。

 

 死霊魔術師は死体から魔術礼装を作り上げる者達と聞いた。それにふさわしい兵器を作り出して、僕をけん制し続ける。

 

 そして、僕もまたうかつには近付けないとレイヴンは確信している。

 

 なぜなら彼が持つ直死の魔眼は、彼にしか見えない弱点を映し出す。そしてその弱点は文字通り致命的なのだから。

 

 線で切り落とされればフェニックスですら再生しない。そして、点を突かれればトライヘキサすら一撃で死ぬ。

 

 そんなものを持っている相手と迂闊な接近戦など、間違いなく死を招く。

 

 だから、僕も聖魔剣の投擲などで攻撃を行うことがメインになっている。

 

「ちっ! セイバーはやられたか!!」

 

 逃げながらレイヴンは舌打ちする。

 

 どうやら猊下はセイバーを打ち倒したらしい。あとはフローズヴィトニルだけだ。

 

 そして、あの二人ならそれを成し遂げられると信じている。

 

 だから、僕は僕のやることをなすだけだ!

 

「レイヴン、覚悟!!」

 

 僕はリョウメンスクナを展開すると、速度強化の聖魔剣を使って一気に突撃する。

 

 同時にバムルンクを呼び出してオーラを展開。その出力で一気に攻撃を無視して突撃する。

 

 そして一気に距離を詰められ―

 

「―かかったな」

 

 ―レイヴンが笑うと同時に、偽腕が溶けた。

 

 その瞬間に僕の体にこびりつき、動きを一瞬だが止める。

 

 だが、彼にとってはその一瞬で十分。

 

 その一瞬で直死の魔眼がきらめき―

 

「かかったね」

 

「・・・なんだと?」

 

 そう、きらめいても意味がない。

 

 なぜなら、このタイミングこそが僕が狙った最後の一瞬。

 

 一瞬で、地面から聖魔剣を生み出して彼の両手両足を切断する。

 

「あ・・・があああああああ!?」

 

「悪いねとは言わない。それは、あなたが行ってきた所業に対する報いとしては軽すぎる」

 

 ・・・アーチャーさんは最後の戦いのためにいろいろと遺してくれていた。

 

 その中には、当然対魔眼対策も含まれる。多少ギャンブルの要素はあったが、短時間なら発動させれば十中八九防げると思っていた。

 

 そして、僕たちは彼を殺さない。

 

 万が一のハーデス神の暴走を何とかするためにも、相応の準備が必要だからだ。

 

 本当なら殺したいぐらいだったが、宮白くんに土下座で頼まれた以上仕方がない。

 

 素早く拘束しながら、僕はトリプルシックスがある方向に視線を向ける。

 

 あとは、任せたよ宮白君、イッセーくん!




強敵に対する基本的な戦術=戦力の集中投入。

通信設備を確保することに成功したため、よりスムーズな作戦展開ができるようになりました。









一人じゃ駄目でも二人なら。それでもだめなら三人で!

数の暴力で散々苦しめられてきたグレモリー眷属ですが、ここにきて反撃です。

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