ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

290 / 361
敵の数が多くて困っている?

おいおい、それは能力をうまく使いこなしてないからだよ。

逆に考えるんだ。

多くなって餌が増えたからいいやって考えるんだ。


黒覇の求道者

 何とかトリプルシックスまで潜入することはできたが、よもやここまで厄介だとは思わなかった。

 

 木原とキャスターの二重のハッキング対策を防御することは不可能だった。制御スタッフは全員叩きのめしたが、しかしそれも自動制御があるのでは意味がない。

 

 つまり、どちらにしてもフィフスを叩き潰さなければ話にならない。

 

 だから、ここまで来た。

 

 勝ち目がある、だなんて言うつもりはない。

 

 ・・・勝つ。

 

「フィフスぅううううううう!!!」

 

 俺はフィフスと全力で攻防を繰り広げる。

 

 あいつの血肉は力になった。

 

 神代の魔術師の血肉は、俺の魔術回路を後天的に強化した。その特性はキャスタークラスの能力を発揮することができる。

 

 今の俺の能力は、間違いなく最上級悪魔にまで到達している。模擬戦を何度もして試してみたから断言できる。偽聖剣抜きでも戦えるようになったと断言できる。

 

 そして、今の俺は偽聖剣を極限まで強化できる。

 

 その性能は今まで以上に向上している。ベースとしての出力がオリジナルに匹敵する。そのうえでの俺専用の調整と、蒼穹剣の出力は最高潮。

 

 だから、今の俺は戦える! 今の俺なら、極覇龍のヴァーリすら圧倒できる!

 

 そして、サマエルの鎧の再調整も完了した。

 

 汚染された俺の内臓から採取したサマエルの毒で、血清は作らせてもらったし、鎧にも防毒機能を強化した。

 

 さすがに前回ほどの性能はないが、それでも十分すぎる助けになる!

 

「これ以上お前の好きにはさせない。これまでのツケを清算するときだ!!」

 

 オーラを全力で放出しながら、俺は連続攻撃を叩き込む。

 

 後遺症の可能性はある。偽聖剣が崩壊する危険性もある。

 

 だが、そうでもしなければフィフスは倒せない!!

 

 怒涛の連続攻撃を叩き込みながら―

 

「それがどうした。俺は止まらない」

 

 ―奴はそのすべてをしのぎ続ける!

 

 これでも届かないか・・・っ

 

「百年かけた年月に、あらゆる異世界の技術の投入に、お前の一年足らずが通用するものかよ!!」

 

 殴り合いを続けながら、フィフスは吠える。

 

「年季の違いは俺の方が上! かけた技術力も二人いる分俺の方が上! そして何より」

 

 こちらの攻撃にカウンターを叩き込みながら、フィフスはそして吠える。

 

「根源到達にかける俺の気迫が、五十年生きてない若造に負けるものかよ!! あと百年たってから出直してきやがれぇええええ!!!」

 

 真正面からのストレートをもろに喰らった。

 

 クソが、ここまで強いのかよ・・・・!

 

 まだ、まだ一手足りない―

 

「―それがどうしたぁああああ!!!」

 

 ―わけがないだろうが!!

 

 俺はさらに出力を増大させる。・・・いや、起動させる。

 

 これが、俺の切り札―っ

 

「令呪に命ず!」

 

「何!?」

 

 フィフスが狼狽するが、もう遅い。

 

 ヴァーリから、もらってきておいて正解だったぜ!

 

「―対魔力を、俺によこせ! アーチャー!!」

 

 そのとたん、滅龍魔法のダメージが低下する。

 

 ・・・賭けは俺の勝ちだ。

 

 アーチャーの内臓を大量に取り込んだおれは、アーチャーの特性を発揮できる。

 

 なら、アーチャーのサーヴァントとしてのクラススキルも手に入るはず。

 

 ヴァーリにもらっておいて正解だった。この令呪が、ここで俺の勝算をはね上げる!

 

 ヘッドバッドで鎧を砕いて鼻血を出させながら、俺は吠える。

 

「託されてんだよいろんな奴から! その分をきちんと計算に入れやがれ!!」

 

 対魔力スキルで滅龍魔法を防ぎながら、俺は一気に力押しを行う。

 

 相性差、武器、令呪とサーヴァント、そして託されたこの思い・・・。

 

「散々そっちが使ってきたんだ。今更数で押されても文句を言うなよ!!」

 

「ああ、そうかい!!」

 

 クロスカウンターをぶつけながら、俺とフィフスはぶつかり合う。

 

 あとは、フィフスの鎧の継続時間の延長が蒼穹剣より上かどうかで・・・。

 

「―なら、こちらも切り札を切るだけだ」

 

 ・・・なんだと!?

 

「我、覇の理など歯牙にもかけぬ魔導の鬼神なり!」

 

 その瞬間、莫大なフィールドが形成された。

 

 そして、そのフィールドに触れた者たちが力を失っていく。

 

「無限の困難をこえ夢幻の理想を目指し、求道を行く」

 

 覇の領域は、大量の生命力を消費し、そしてそれを代用することはフィフスには不可能だろう。

 

 だが、一つだけ盲点が存在する。

 

「我、漆黒の闇すら踏破する魔道の追及者となり―」

 

 それは、魔術師にとっての基本中の基本―

 

「―汝にわが夢を妨げた罪を知らしめよう!」

 

 そう―

 

覇鬼(オーバーロード・デーモン)

 

 ―足りないものは、よそから持ってくるという基本中の基本である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのとたん、拮抗していた戦力は大きくゆがみ始める。

 

「あ・・・ぐぅううううう!?」

 

 リアスはそのオーラの力に悲鳴を上げる。

 

 自分の魔力が、生命力が、体力が、急激に消耗していくのを感じた。

 

「これは・・・一体!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこにあったのは、より黒くなった圧倒的な力の具現だった。

 

 あの野郎、周りから生命力を奪って覇の領域へと到達しやがった。

 

「クソが・・・っ」

 

 カウンターを喰らって吹っ飛びながら、俺は最悪の状況に陥ったということに気が付いた。

 

 奴の戦力の大半は使い捨て。そして味方の戦力は基本的に強者。

 

 そいつらのほとんどを一斉に無力化しながら、自分だけパワーアップしやがった!

 

 悔しいが、足りないものをよそから持っていくのは魔術師の基本。

 

 この野郎、ここにきてスタンダートな戦術で仕掛けやがった!

 

「さて、なんていったか? 数で攻められても文句を言うな?」

 

 今まで以上のスピードとパワーを、自身の技量で完全に制御しながらフィフスは吠える。

 

「・・・それは俺らの戦術だ。今更猿真似してんじゃねえぞ少数精鋭が!!」

 

 

 

 

 

 

 

 




原作において覇を克服したイッセー。

どちらにおいても覇を凌駕したヴァーリ。

この作品で覇に対抗する兵夜

そして、ラスボスとして覇を制御したのがフィフス。



足りないものがあるのなら、よそから持ってくるのが魔術師クオリティ。フィフスはトリプルシックスを利用して、周囲の生命力を奪うフィールドを形成しました(敵味方識別機能アリ)。

能力は単純に性能アップ。隙は全くありません。

さあ、兵夜はどうする? イッセーはどうする? みんなは、どうする!?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。