ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
おいおい、それは能力をうまく使いこなしてないからだよ。
逆に考えるんだ。
多くなって餌が増えたからいいやって考えるんだ。
何とかトリプルシックスまで潜入することはできたが、よもやここまで厄介だとは思わなかった。
木原とキャスターの二重のハッキング対策を防御することは不可能だった。制御スタッフは全員叩きのめしたが、しかしそれも自動制御があるのでは意味がない。
つまり、どちらにしてもフィフスを叩き潰さなければ話にならない。
だから、ここまで来た。
勝ち目がある、だなんて言うつもりはない。
・・・勝つ。
「フィフスぅううううううう!!!」
俺はフィフスと全力で攻防を繰り広げる。
あいつの血肉は力になった。
神代の魔術師の血肉は、俺の魔術回路を後天的に強化した。その特性はキャスタークラスの能力を発揮することができる。
今の俺の能力は、間違いなく最上級悪魔にまで到達している。模擬戦を何度もして試してみたから断言できる。偽聖剣抜きでも戦えるようになったと断言できる。
そして、今の俺は偽聖剣を極限まで強化できる。
その性能は今まで以上に向上している。ベースとしての出力がオリジナルに匹敵する。そのうえでの俺専用の調整と、蒼穹剣の出力は最高潮。
だから、今の俺は戦える! 今の俺なら、極覇龍のヴァーリすら圧倒できる!
そして、サマエルの鎧の再調整も完了した。
汚染された俺の内臓から採取したサマエルの毒で、血清は作らせてもらったし、鎧にも防毒機能を強化した。
さすがに前回ほどの性能はないが、それでも十分すぎる助けになる!
「これ以上お前の好きにはさせない。これまでのツケを清算するときだ!!」
オーラを全力で放出しながら、俺は連続攻撃を叩き込む。
後遺症の可能性はある。偽聖剣が崩壊する危険性もある。
だが、そうでもしなければフィフスは倒せない!!
怒涛の連続攻撃を叩き込みながら―
「それがどうした。俺は止まらない」
―奴はそのすべてをしのぎ続ける!
これでも届かないか・・・っ
「百年かけた年月に、あらゆる異世界の技術の投入に、お前の一年足らずが通用するものかよ!!」
殴り合いを続けながら、フィフスは吠える。
「年季の違いは俺の方が上! かけた技術力も二人いる分俺の方が上! そして何より」
こちらの攻撃にカウンターを叩き込みながら、フィフスはそして吠える。
「根源到達にかける俺の気迫が、五十年生きてない若造に負けるものかよ!! あと百年たってから出直してきやがれぇええええ!!!」
真正面からのストレートをもろに喰らった。
クソが、ここまで強いのかよ・・・・!
まだ、まだ一手足りない―
「―それがどうしたぁああああ!!!」
―わけがないだろうが!!
俺はさらに出力を増大させる。・・・いや、起動させる。
これが、俺の切り札―っ
「令呪に命ず!」
「何!?」
フィフスが狼狽するが、もう遅い。
ヴァーリから、もらってきておいて正解だったぜ!
「―対魔力を、俺によこせ! アーチャー!!」
そのとたん、滅龍魔法のダメージが低下する。
・・・賭けは俺の勝ちだ。
アーチャーの内臓を大量に取り込んだおれは、アーチャーの特性を発揮できる。
なら、アーチャーのサーヴァントとしてのクラススキルも手に入るはず。
ヴァーリにもらっておいて正解だった。この令呪が、ここで俺の勝算をはね上げる!
ヘッドバッドで鎧を砕いて鼻血を出させながら、俺は吠える。
「託されてんだよいろんな奴から! その分をきちんと計算に入れやがれ!!」
対魔力スキルで滅龍魔法を防ぎながら、俺は一気に力押しを行う。
相性差、武器、令呪とサーヴァント、そして託されたこの思い・・・。
「散々そっちが使ってきたんだ。今更数で押されても文句を言うなよ!!」
「ああ、そうかい!!」
クロスカウンターをぶつけながら、俺とフィフスはぶつかり合う。
あとは、フィフスの鎧の継続時間の延長が蒼穹剣より上かどうかで・・・。
「―なら、こちらも切り札を切るだけだ」
・・・なんだと!?
「我、覇の理など歯牙にもかけぬ魔導の鬼神なり!」
その瞬間、莫大なフィールドが形成された。
そして、そのフィールドに触れた者たちが力を失っていく。
「無限の困難をこえ夢幻の理想を目指し、求道を行く」
覇の領域は、大量の生命力を消費し、そしてそれを代用することはフィフスには不可能だろう。
だが、一つだけ盲点が存在する。
「我、漆黒の闇すら踏破する魔道の追及者となり―」
それは、魔術師にとっての基本中の基本―
「―汝にわが夢を妨げた罪を知らしめよう!」
そう―
「
―足りないものは、よそから持ってくるという基本中の基本である。
そのとたん、拮抗していた戦力は大きくゆがみ始める。
「あ・・・ぐぅううううう!?」
リアスはそのオーラの力に悲鳴を上げる。
自分の魔力が、生命力が、体力が、急激に消耗していくのを感じた。
「これは・・・一体!?」
Side Out
そこにあったのは、より黒くなった圧倒的な力の具現だった。
あの野郎、周りから生命力を奪って覇の領域へと到達しやがった。
「クソが・・・っ」
カウンターを喰らって吹っ飛びながら、俺は最悪の状況に陥ったということに気が付いた。
奴の戦力の大半は使い捨て。そして味方の戦力は基本的に強者。
そいつらのほとんどを一斉に無力化しながら、自分だけパワーアップしやがった!
悔しいが、足りないものをよそから持っていくのは魔術師の基本。
この野郎、ここにきてスタンダートな戦術で仕掛けやがった!
「さて、なんていったか? 数で攻められても文句を言うな?」
今まで以上のスピードとパワーを、自身の技量で完全に制御しながらフィフスは吠える。
「・・・それは俺らの戦術だ。今更猿真似してんじゃねえぞ少数精鋭が!!」
原作において覇を克服したイッセー。
どちらにおいても覇を凌駕したヴァーリ。
この作品で覇に対抗する兵夜
そして、ラスボスとして覇を制御したのがフィフス。
足りないものがあるのなら、よそから持ってくるのが魔術師クオリティ。フィフスはトリプルシックスを利用して、周囲の生命力を奪うフィールドを形成しました(敵味方識別機能アリ)。
能力は単純に性能アップ。隙は全くありません。
さあ、兵夜はどうする? イッセーはどうする? みんなは、どうする!?