ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

297 / 361
ついに、ついに外伝を投稿します!




















・・・そこ、早すぎるって言わない!


卒業旅行のホーリーグレイル
異世界、探します!


 ふう。俺としてはいろいろと面倒なことになったと心から思う。

 

 なにせ、今の世界は追い詰められすぎた。

 

 フィフス・エリクシルによる世界の混乱は今でもとても大騒ぎだ。

 

 魔法世界(ムンドゥス・マギクス)式の魔法や気などといった戦闘概念。これだけでも、使いこなせば一個分隊程度なら楽に滅ぼせるであろう圧倒的な戦闘能力だ。極めればイージス艦とか機甲部隊だって楽でつぶせることは経験で言える。軍事方面で歩兵が正しい意味で主力になるのは夢ではない。

 

 だが科学も負けてはいない。クージョー連盟がトップがいきなり死に、さらに回収された技術をカウンターウェイトとして意図的にこっちが流出させたから、技術革新は非常にすさまじい。すでに被害の少ない国家はすべてがステルス戦闘機の開発に成功しているほどだ。電磁カタパルトやレールガンの実用化も一年もすればいろんなところで出てくるだろう。

 

 学園都市の能力者が出てきていることも厄介だ。とくに超能力者級は、神器でも禁手クラスがなければ相手ができないものが多い。実際打撃を受けすぎて世紀末ヒャッハー状態の国家では、彼らによる独立もどきにより、国連非加盟国が続出する事態。最早世界大国は戦国時代だ。

 

 そんな中、急成長を遂げているのは我らが日本。

 

 憲法第九条にのっとって自衛隊を派遣しなかったことから、電磁パルスによる被害が少ない。お国柄能力者による犯罪件数も比較的少ない。とどめに先進国。ここまでそろっていて台頭しなければ嘘だろう。

 

 異形社会としてもとにかく世界を抑えてくれる中心核が必要だったこともあり、割と支援を受けれたのも幸いだ。

 

 神話業界的にも宗教色が緩いこの国が、将来的な異形社会の表への名乗りに対して緩衝材になることを期待されている。其のため各種産業に対する出資なども多かった。

 

 実際、悪魔と天使の融和なんて事態に混乱がしなさそうなのは日本ぐらいだろう。各種宗教も本格的に和議を行うみたいだし、神が直々に動いているということもあってテロにも走りずらい混乱状態が起きることは目に見えている。

 

 それを、あと十年足らずで実行に移さなくてはいけないから大変だ。

 

 いまだ続く禍の団残党の散発的なテロ。フィフスとの内通がばれた者たちの暴走。加えて王の駒使用者とのいさかい。

 

 冥界は、三大勢力は、そして何よりこの世界はとても混乱状態だ。

 

 それに何より大変なのが、エヴィー・エトゥルデ。

 

 かの乳神がいるらしい異世界だが、リゼヴィムの奴が割と本気で挑発をぶちかましていることが発覚した。しかもこっちに来れるよう行き方までプレゼントしたらしい。

 

 こちらもどこから集めたのかは不明だが、それなりに情報がある。それによると、どうも善なる神と悪なる神の二勢力が争っているらしい。乳神は善側だそうだ。

 

 三十年後にはこの世界に何らかの接触をしてくるとのこと。異形の世界でいうのなら、あっという間の時間だろう。

 

 この対策も必要不可欠だ。間違いなく重要になる。

 

 下手したら異世界間大戦の勃発だ。そんなことになれば、この戦乱以上に多くの死者が出る。

 

 何とかして対抗策を整えなければならない。そんなことを考えている俺たちに朗報が下った。

 

 各種勢力との和平が結ばれたことを機に、いろいろと調べなおすことが可能になった。その結果、どうにもおかしい事件がいくつか発見されたのだ。

 

 十四年ほどまえ、海鳴という土地の周囲で強大な魔力反応が発見されるという事件が起こった。

 

 上級悪魔クラスが複数人。さらには海の方で魔王クラスすら上回りかねない莫大な魔力反応。一時期三大勢力の戦争が再発しかけたほどの緊張状態になったという。

 

 それを詳しく検査しなおした結果、どうにも今までとは違う反応であったことが発覚した。

 

 ・・・もしや異世界からの来訪者は、俺たちが思っているよりたくさんいるのかもしれない。

 

 そして、彼らの力を借りればE×Eに対する抑止力になるのかもしれない。

 

 そう考えた異形社会は、ある計画をスタートした。

 

 それがコロンブス計画。

 

 技術革新によって生産された異空間航行船を利用して、先に別の異世界を発見。そして、交流を結び技術を得、可能ならば同盟を結んで後ろ盾となってもらう。

 

 そんな実験段階の計画に、参加した男が一人。

 

 それが、俺こと宮白兵夜。

 

 人は俺を、神喰いの神魔(フローズヴィトニル・ダビデ)と呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこの俺は、これでも上級悪魔だ。

 

 厳密にいうと、元人間の転生悪魔で、ついでに言うと神様も兼任している。

 

 意味が分からない奴は本編を見直してこい。この作品はあくまで後日譚なのである。ケイオスワールドありきなのである。

 

 まあ、そういうわけで俺は下僕悪魔を獲得するための悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を持っている。もちろん合計15個だ。

 

 だが、俺個人としてはまだ眷属を本格的に集める予定はない。

 

 将来的なアウロス学園の生徒たちの雇用拡大のためにも、それを支援した俺が卒業生を入れないわけにもいかないだろう。それまでに魔術師組合の連中からも何人か拾って眷属にする予定だ。フルメンバーにするのに十年は掛けたいところだ。

 

 だが、大活躍をぶちかました俺の転生悪魔になりたいというやつがゴロゴロいる。それこそ一時期は若手悪魔からの売り込みが多発しそうになった。

 

 が、今俺の下僕悪魔は三人だけだ。

 

 それはなぜか。

 

 理由は簡単。そのうちの一人が大物すぎて、比べられることを恐れて尻込みしやがったからだ。

 

「ホント、お前には感謝してるぜグランソード」

 

「いや、俺も感謝してるんだぜ大将。ほかの連中は俺を下僕にしたがらねえしよ」

 

 と、俺のお礼にグランソードは平然と返す。

 

 こいつが俺に売り込みをかけてきたのは、俺が駒をもらってすぐのことだ。

 

『大将助けてくれ! 俺を最上級悪魔にしようって連中がゴロゴロいるんだ!!』

 

 普通に聞けばいいじゃねえかと考える奴も多いだろう。しかしそうはいかない。

 

 なぜなら、グランソードは元テロリストだ。それでもまったく気にしないのが現四大魔王だが、しかしそれはそれとしてグランソードが気にするのだ。

 

 ちなみに、ヴァーリ・ルシファーは最上級悪魔になった。一応断ったそうなのだが、どうしてもと頼まれたうえにアザゼルの意向もあったそうだ。リベラルすぎるよ!?

 

 特に王の駒の発覚などで貴族の立場がだいぶ降下してるからどうにか盛り上げたいのだろうが、それにしてもテロリストを最上級悪魔とかリベラルすぎるだろう。

 

 その辺に関しては常識人なグランソードは、割と本気で断ったのだが、しかし旧家派閥が割としつこい。

 

 誰かの眷属悪魔になるということも考えたが、真なる魔王ベルゼブブの末裔であるグランソードを眷属にするなど、恐れ多くて純粋たる悪魔は絶対拒否だ。転生悪魔だって、そのあとくる注目から考えれば逃げたいところだろう。

 

 と、いうわけで何度か雇っていた俺に相談してきたというわけだ。

 

「まあ、俺としても間違いなく腕利きのお前を眷属にするのは素晴らしくメリットがある。加えてお前の舎弟を部下にできるからこそこの船も動かせるわけだしな。本当に感謝してるよ」

 

 まさにそれこそが最大のメリットだ。

 

 冥界どころか地球を救った英雄の一人である俺なら、旧家といえど文句は言えないだろう。ましてや俺はゼクラム・バアルの茶飲み友達であり、魔王に生中継で説教した男。そこそこの箔ってもんがある。

 

 一度眷属悪魔になった以上、政府の方も無理はできない。これで当分の間は大丈夫というわけだ。

 

「しっかし大将は大丈夫なのかよ? 長期出張とか女が不倫するぜ?」

 

「そ、そんなことになったらまあショックだが、わずか数か月で不倫されるようならその程度の器だったとあきらめるさ。・・・それに、なんていうかもうハーレムというより共生態だから四人でしっぽりやってるだろ」

 

 グランソードの軽口に堪えながら、俺は映像越しに次元のはざまを見る。

 

 いつみても酔いそうな光景だ。お茶上代わりにするもんじゃないな。

 

 と、そこでドアを開けて俺の眷属の残りメンバーが入ってくる。

 

「兄上! お茶をするなら雪侶も誘ってくださいまし!」

 

 と、入ってくるのは俺の僧侶となったマイシスター、宮白雪侶。

 

 もともとイッセーの僧侶狙いだったのだが、イッセーの僧侶がアーシアちゃんとレイヴェルで埋まってしまったため俺のところに転がり込んできやがった。

 

「仮にも魔法使い組織の若きエリートとして、僧侶以外の駒などありえませんの!」

 

 とは雪侶の弁だ。まあプライドはそこそこあった方がいいだろうが、なぜ兄の駒を占拠する。

 

「それで兄上? そろそろ次元世界とやらには着きませんの? 毎日毎日代り映えのしない景色は退屈しますのよ?」

 

「はっはっは。無茶言うな雪侶。・・・あるのはわかってもどこにあるのかまではわからないんだ。今回の探査では見つからない可能性の方がでかいっつの」

 

「わかってますわよ~。言ってみただけですの~」

 

 そういいながら、お茶を取り出すと、席に座って飲みだす雪侶。

 

 まあ、優秀さという意味では間違いなく優秀なんだが、性格的に癖が強いからなぁ、俺の妹。

 

 まあ、それはいい。それはいいんだ。

 

 だが、問題は・・・。

 

「・・・」

 

 俺は、視線を彼女に向ける。

 

 青い炎と例えるべき水色の髪をロングにし、眼帯をつけたスマートな女性。

 

 胸が小さいといえば小さいのが難点だが、間違いなく十人中十人が美少女と答えるだろう美しい要望。

 

 彼女が、ゼクラム・バアルに頼まれてやってきた俺の騎士。

 

「私もご一緒させてもらっていいかしら? 兵夜さん♪」

 

 そのまま俺の膝の上に座ると、いたずら小僧のような笑顔を浮かべる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・シルシ・ポイニクス。フェニックス家の分家に当たる、ポイニクス家の出身。大王派に所属する家系の出であり、割とゼクラム・バアルと懇意にしている悪魔の娘。

 

 上級悪魔としての戦闘能力はそこまで高くないが、美しい要望を持ち、家事も優秀。加えて事務能力においてもなかなか優れている秘書タイプ。上級悪魔が悪魔稼業をするにあたり、一人は欲しいタイプだ。

 

 うん、つまりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 政略結婚用の人材なんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゼクラム・バアル!? 俺、そういうのしないって言ったよねぇ!?

 




思った以上に早く書けました!









兵夜は眷属を即座に集める方針ではありません。ほら、長い目で探した方がいいのが見つかるかもしれないでしょう?

グランソードは割と早めに眷属入りを決定しました。あいつの性格だと最上級に取り入られるのは極力避けるだろうけど、眷属悪魔にしてくれそうなのは兵夜ぐらいしかいかなったし、間違いなく一級品の戦力ですので。

雪侶も兵夜の眷属入り。・・・イッセーの僧侶が埋まってるからね、仕方がないね!








そして外伝のヒロインであるシルシ・ポイニクス。

彼女はフェニックスの傍流に属するものですが、実はケイオスワールドでいそうでいなかった人物です。

詳しいことは次の話で。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。