ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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こっからそろそろ本番に突入します。

さて、そろそろ盛り上がってまいりますぜ?


クソ神父、生きてました!

 

「そういうわけで、これからちょっと探索に行ってくる」

 

『いや、大将? なんで大将自ら行く必要があるんだよ』

 

 当然のツッコミがグランソードから放たれた。

 

 が、悪いがそういうわけにもいかん。

 

「何か行動しないと俺の貞操がヤバイ。あと現場で動く方が性に合ってる」

 

『兄上。本音を真っ先にばらしているところ申し訳ありませんが、相方はシルシ義姉様ですのよ?』

 

 雪侶、それは能力上仕方がない。

 

 あとお前の中では俺が押し倒されるのが確定なのか!?

 

 などと内心で苦労しながら、潜入調査用のステルス飛行艇を操作しながら俺は最終調整を進めていた。

 

 無人探査機のデータから推察するに、どうにも文化体系は割と進んでいる・・・どころか地球以上の可能性が大きい。

 

 とにもかくにもまずは調査を進めてみないとな。・・・何とか協力を結んでE×Eに対する抑止力になればいいんだが。

 

「エンジンもあったまったわよ。さあ、そろそろ新婚旅行としゃれこみましょう?」

 

「はいはい成田離婚成田離婚」

 

 シルシを適当にいなしながら、俺は飛行艇を発進させる。

 

「宮白兵夜、行きまーす!」

 

『あ、大将もやっぱそのアニメ好きなんだな?』

 

 ああ、一度言いたいぐらいにはシリーズ見てるぞ?

 

 などと思いながら次元の狭間を移動する。

 

「それで? シルシ、見えるか?」

 

「・・・流石に次元間が繋がってないと大変ね。それより、うっかり操作をミスして墜落なんてやめてよね?」

 

 おいおい、流石に酷いな。

 

「安心しろ。練習は暇つぶしにちょくちょくやってたし、いくらなんでもそんないきなりトラブるなんて―」

 

 俺は軽く笑って流し―

 

 その瞬間、警報が鳴り響いた。

 

「・・・ああ、本当にトラブル続きの人生」

 

「これを生き抜かなければ、あなたの妾にはなれないのね」

 

 俺達は即座に諦観した。

 

 ああ、間違いなく俺達は大変な事になっているのだと。

 

 そして、俺達は何かに引っ張られるように空間の歪みに飲み込まれる。

 

 ぎゃぁあああああ! お助けぇええええええ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空間転移から何とか抜け出し、スラスターを付加して軌道を修正する。

 

「クソが! なんでこんなに俺の人生はトラブルに恵まれてんだ!」

 

 雪侶が誘拐された事に始まり、ヤクザの跡目争いと俺の人生は波乱続きだ。

 

 ことイッセーが悪魔になってからの一年間は壮絶だったと言っていい。体の半分近くを取り換えるとか普通あり得ない。イッセーは全身丸ごと二回取り換えたがアレは異常なだけだ。

 

 ああ、本当に壮絶な戦いだった。そしてその後も大変だった。

 

 レーティングゲーム元三位の取り押さえに協力したり、禍の団の残党と戦ったり。コカビエルやディオドラが脱走したり。

 

 ぶっちゃけ、いい加減嫌気がさしてきたから逃げてきた節もある。

 

 それなのにここでもトラブルかよ!

 

「畜生が! いろんな意味で俺の人生は波乱万丈だな!?」

 

「これが終わったらストレス発散に存分に私を貪りなさい。っていうか貪っていいから落とさないでくれると嬉しいわね」

 

 クールなうえに平常運転だねシルシさん!

 

 加速状態でいきなり空間転移したことで色々バランスを崩したが、しかし何とか態勢を整え直した。

 

 そして、俺に世界の姿が見える。

 

 遠くに街が見える。そして真下に森が見える。

 

 これが異世界か。あんまり俺達の世界とそこまで変わらないな。

 

「これが異世界・・・! ぶっちゃけ今の段階だと色々と儲けがないなぁ!」

 

「はいはいぼやかない。エンジン出力を制御するから、ステルスを起動しなさい」

 

 はいはい! シルシさんは厳しいことで!

 

 だが、何とか軌道は修正された。さて、これからどうするか?

 

「シルシ、町までの距離は?」

 

「真上までって意味なら約100kmね。この船ならすぐにつくけど・・・待って」

 

 と、シルシの視線が真下に向く。

 

 その表情は少し緊張感があるものになっていた。

 

「あんな所に・・・子供? 視覚を共有するから礼装を付けて」

 

 と、シルシが眼帯と同じ物を俺に渡す。

 

 これはシルシの見ている映像を見る為の魔術礼装だ。これで短時間なら彼女が目で見ている光景を俺も追体験できる。

 

 すぐに付けると、そこには夜の森があった。

 

 その中に、どう考えても町中で着るような恰好をした女の子が二人、彷徨っている。

 

 ・・・あ、これやばい感じだ。

 

「現地の子にしてもおかしいけど、どうする?」

 

「とりあえずもうちょっと様子を見てからに・・・待て」

 

 と、その視界の中で更に一人人が出てきた。

 

 年の頃は十代後半。白い髪が目立つ少年・・・って!?

 

「人がきたわね。これなら放っておいても―」

 

「大ありだ!! 降りるぞ!!」

 

 俺はすぐに飛行艇を急降下させる。

 

 やばい、やばいやばいやばい!

 

 あいつはヤバイ!!

 

 あの野郎、二年の頃の初夏からずっと姿を見せてなかったけど、生きてやがったのか!

 

 まずい、何も知らない無垢な子供なんて、明らかに危険だぞ!!

 

「うぉおおおおおおおお! ちょっと待ったぁああああああああ!!!」

 

 俺は素早く飛行艇から飛び降りるとダイナミック介入を開始。

 

 そのままイーヴィルバレトをけん制射撃しながら、その間に割って入り―

 

「ふぶるぉ!?」

 

 そのまま着地をミスって地面に激突し、更に転がった。

 

 しまった。俺は大幅に弱体化してるんだった。こんなアクロバティックな軌道は行えない。

 

「きゃ!?」

 

「うおっ!? 大丈夫か姫柊(ひめらぎ)!?」

 

 しまった! 更に人がいたのか!!

 

 俺は即座に後ろに飛ぶと、速攻で土下座を敢行する。

 

「すいませんでした!? いるとは思わず失礼なマネを!!」

 

「え? えっと、その、・・・どうしましょう」

 

「やけにあっさり謝る奴だな。・・・まあ、なんか分からないけどその子達を助けようとしてたんだし、許してやってもいいんじゃないか?」

 

 そこにいたのは、学生服の二人組。

 

 黒髪セミロングの中学生と、色素の薄い髪のパーカー来た男子学生。

 

 更にこんな場所に似つかわしくない格好だなぁ。彼らも訳ありか?

 

 と、俺が助けた女の子達もこっちに駆け寄ってくる?

 

「あ、あの、大丈夫ですか!?」

 

「受け身はとれていたようですが・・・、お怪我は?」

 

 お、よく見たらこの子達、二人ともオッドアイだ。

 

 珍しい二人組だなぁ・・・じゃなくて。

 

「細かい話は後でする。あそこの白髪から離れろ!!」

 

 俺はすぐに銃を突きつけると、その白髪に狙いをつける。

 

「待ってください!? 状況はよく分かりませんが、仮にも聖職者を相手にいきなり銃を突きつけるのは―」

 

「安心していい。とっくの昔に追放されてる」

 

 黒髪少女にそう言って、俺は奴を睨みつけた。

 

「よう、殺人神父。最近会ってないが、エンジョイ快楽殺人ライフは楽しかったかい? ・・・フリード!!」

 

「な、なんでこんなところに宮白兵夜が!? ・・・なーんてことを言っちゃいたいぐらい驚きの再会だね! うひゃひゃひゃひゃ! 殴られた借りをこんなところで返せるとは、ファッキン神様も粋な計らいをするもんだぜ!」

 

 相も変わらず腐れ外道が。

 

 フリード・セルゼンめ、生きていたのか!

 




・・・本編で回収しきれなかったキーワード。フリード・セルゼン。

ホーリー編で兵夜がむちゃくちゃ動いた結果、出番を削られた男。

じつはレイナーレと同じく魔改造をぶち来まして暴れまわる予定だったのですが、なかなかうまく盛り込めなくて排除することになった悲劇のキャラ。

そういうわけで、後日譚で大暴れさせますぜ?

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