ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
………え? フォンフはすでにおっぱいで暴走しているようなもの?
いえいえ、方向性が違うとですたい。
1 もしフィフスが目には目を歯には歯を理論を選択していたら。
九尾の狐である八坂を誘拐した英雄派とフィフス・エリクシル!!
そして疑似京都でイッセー達を待ち受け、その姿を現したのはフィフスだった!!
「フィフス!! てめえ、一体何をするつもりだ!!」
怒りに燃え、赤龍帝の鎧を展開して指を突き付けるイッセーに、フィフスは静かに嗤う。
「知れたこと。……お前の力を取り込むことだ」
「何だと!?」
「駒王会談、悪魔のパーティ、そしてディオドラのレーティングゲームを利用した旧魔王派の作戦。俺は絶望したといってもいい」
目を閉じ、フィフスはそれを回想する。
『手前ぇええええええ!!! 部長のおっぱいを半分にするだとぉ!?』
アザゼルのものすごく阿呆な説明を受け取り、史上最強の白龍皇、ヴァーリ・ルシファーの完全な禁手を不完全な禁手で圧倒するイッセー。
それにあっけに取られて、下級悪魔の木っ端魔術師である宮白兵夜に股間まで蹴られたのは散々な思い出だ。
『禁手《バランス・ブレイカー》、赤龍帝の鎧《ブーステッド・ギア・スケイルメイル》! 主のおっぱいつついてここに見参!!』
データ収集もかねて様子を観に行けば、いつの間にか禁手に覚醒していた兵藤一誠。
乳首つつく程度で至れるほど安い覚醒だったのかと絶望した。
さらには胸に顔をうずめて覇を限定制御する始末。最早悪夢としかいうほかない。
この悪夢の克服は急務だった。
……故に、フィフスはひらめいた。
それは逆転の発想。それは逆に考えるんだ。それはまさに逆転裁判……何かが違う。
しかし、考えてみれば当然のことだった。
敵が女の胸で奇跡を起こすのなら、逆にこちらが胸の力を借りればいい。
「九尾の狐の乳をかり、おれはあまねく乳を吸収し、一つの神的存在となる。それこそ、お前の乳の力を超える真なる方法!!」
「な、なんだと!? 乳と一つに!?」
「いや、そんな話は聞いてないぞ!?」
イッセーの驚愕と曹操の狼狽が重なった。
2 もしフィフスの最終目的がすでにフォンフに汚染されていたら。
トライヘキサをレイヴンの手によって殺し、トリプルシックスを起動させたフィフス・エリクシル。
彼はトリプルシックスの力で艦隊を消滅させ、さらにはその技術力で世界中の主要都市にEMP攻撃を放つ。
「さあ、俺達の力は見せつけたはずだ。ここから最大の要求を行いたい」
最大の要求。それは、これまでの要求が前座だと言う事に他ならない。
その映像を見ている者達全員が固唾をのんで見守る中、フィフスは口を開いた。
「全ての女性に対する、減乳を目的とした美容整形技術の強制だ!!」
「ふっざけんなぁあああああああああああ!!!!」
「イッセー! ちょっと気持ちが分かるけど今は抑えて!! あなた死にかけてるのよ!?」
「イッセーさん! まだ、まだ回復しきってないので寝ててください!!」
「物理法則を、地球法則を、宇宙法則を破壊する魔性の力、乳!! そのような存在がこの地球に存在することを、俺は決して認めない!! だからすぐにでも今すぐこっち来て乳を減らせうわ何をするやめろぉおおおおお!!!」
―しばらくお待ちください
3 もしフォンフが逆転の発想で暴走を開始したら。
フォンフは髪の毛をかきむしりながら戦意を高ぶらせる。
相対するのは平行世界の赤龍帝。
厳密には別人と言う事になるが、そんな事は知った事ではない。
ただ殺すだけでは飽き足らない。可能な限り怨念を晴らす方法で殺さなければならない
「貴様を殺すだけでは怨念は清算されない。俺はエイエヌの協力の元新たな聖杯を作り、そして願う! 俺の怨念の清算を!!」
そう、そしてフォンフはその為の宝物を見据える。
戦闘形態をとっているがゆえに成長したヴィヴィオとアインハルトの―
「そう、胸を我が力へと変えるのだ!!」
―おっぱいを。
いや、マジで。
魔獣達すら硬直した。
古城の呼び出した眷獣が、放った雷光ごと固まった。
「…………ちょっと待って?」
「待たないぜ乳乳帝!!」
フォンフは心から羨望の表情を浮かべながら、固まったアルサムをかいくぐり真剣に見据える。
その目の色は、明らかに羨望だった。羨望の色だった。
「乳!! それこそエントロピーの法則すら凌駕する奇跡の産物!! フィフス・エリクシルを絶望のどん底へと叩き込んだその力を取り込んでこそ、フィフス・エリクシルの怨念は清算される!!」
ぎょろりとその視線が周囲のオパーイへと向けられる。
むろん、全ての乳を持つ女性が一歩引いた。
「巨乳、それは奇跡を生み出す宝物庫!! 巨乳、それは究極のエネルギー原!! 俺はこの力の源を手にする滅乳魔法を開発したが、あと一歩足りない!!」
ゆえに、聖杯によってその研究を完成させる。
「乳をこの手に掴むのだよ、俺は!!」
「いやいやいやいや、ちょっと待って!? 乳乳帝ぃ!?」
赤龍帝は渾身のツッコミを入れた。
それはもう、心からのツッコミだった。
赤龍帝から韻を踏んでいる感じはするが、しかしなんだそれは。
ドラゴンどこ行った。
『なんだ、なんだそれは!? 俺は誇り高い赤い龍の帝王だぞ!! 赤も龍もないではないか!!』
ドライグにいたってはもう泣き出しそうなほどにショックを受けている。
そんな様子を見て、フォンフは首を傾げた。
「………まさか、お前は乳首をつついていないのか?」
「いや、乳首ってつつくものなの?」
頭がいかれてるとしか思えないほど真剣な顔で放たれた問いに、とりあえず真剣に返してみる。
そしてその瞬間―
「この勝負、俺の勝ちだぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
勝利を確信してフォンフは雄たけびを上げた。
「乳首をつついてもない兵藤一誠など張子の虎!! この戦い、俺たちの勝ちだ!!」
「いやちょっと待って!? 俺、神滅具二つ持ちなんだけどぉ!?」
心底真剣に赤龍帝は抗議した。
当然である。自分は神滅具を二つも保有している存在である。
いかに本体である自分の素質が低めとはいえ、それでも両方とも禁手に至っているのだ。下手な最上級悪魔なら瞬殺できる自信がある。魔王クラスとだって真正面から戦えるはずだ。
そんな心を言外に込めたが、フォンフは何を言ってるんだという顔をした?
「は? お前にとって神滅具なんておまけだろうに? 何言ってんのお前?」
「えぇえええええええええ!?」
きょとんとした顔で言われては信じる他ないが、絶対に信じたくない。
そんな感情を心から込めて、絶叫を上げてしまった。