ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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不死たる神

 

 須澄は全力でエイエヌに聖槍をぶつけていく。

 

 突きや薙ぎ払いだけではない。拳すら時にはぶつけながら、なんとしてもエイエヌを殺そうと躍起になっていた。

 

 脳裏によみがえるのはまだ小さかった時の輝かしい想いでの数々。

 

 あの時は本当に楽しかった。

 

 あんな日々がずっと続けばいいと思っていた。

 

 それを、目の前の男がすべてぶち壊した。

 

 しかもその男は平行世界の自分の兄だという。

 

 なんだそれは。ふざけるな。

 

 なんなんだそのわけのわからない展開は。

 

 そんな激情とともに、須澄は感情的に攻撃を振るう。

 

 そして、そんな攻撃で倒されるほどエイエヌは弱くはなかった。

 

「甘い甘い」

 

 余裕の笑みすら浮かべながらエイエヌは攻撃を捌くと反撃を叩き込む。

 

 かろうじて須澄も防御するが、しかし間に合わなくて全身が傷だらけだった。

 

「……ぅぁああああっ!!」

 

「冷静さがない攻撃ならよけるのは簡単。その程度じゃ―」

 

 隙を突かれてそのままつかまれ―

 

「―俺は倒せないな!」

 

 そのまま全力で投げ飛ばされる。

 

 一気に陸地にまで投げ飛ばされた須澄は何とか体勢を立て直すが、その背に触れるものがあった。

 

「一度やってみたかったんだよ。いや、本来は高速移動なんだが」

 

 次の瞬間、光力の矢が何本も突き立った。

 

「ぐぁああああ!?」

 

 激痛に意識がとびかけ、そのまま地面に墜落する。

 

「……悪いが、これが君と俺との現実だ」

 

 上空で大量の光の槍を生み出しながら、エイエヌは告げる。

 

「俺は仮にも十数年間努力を積み重ねてきた。それこそ、神器だけでなく様々な力をだ」

 

 それが、圧倒的なまでの積み重ねの差。

 

 そこにオーフィスという圧倒的なバックボーンが加わったことで、エイエヌの力量は間違いなく最上級悪魔すら超える領域へと至っている。

 

 そもそも禁手に至った聖槍と、禁手に至らない聖槍では格が違う。

 

 どう考えても須澄にエイエヌを倒すことなど不可能だった。

 

「くそぅ……っ」

 

 涙を浮かべながら、それを理解した須澄は歯を食いしばる。

 

 それを見てわずかに憐憫の情を浮かべながら、しかしエイエヌはためらわなかった。

 

「……アップの元に行くといい」

 

 そして一斉に光の槍が放たれ―

 

「させるかクソがぁああああああ!!!」

 

 割って入った兵夜の展開した装甲板に防がれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 よし、間に合った!

 

「あきらめるな須澄!!」

 

 何全て諦めた顔してやがる、この馬鹿弟!!

 

「まだだ! まだ勝算はある!!」

 

「どこに……どこにあるっていうんだ、そんなもの!!」

 

 涙をぽろぽろ流しながら、そんなこと言ってんじゃねえよ、馬鹿野郎。

 

 俺は勝算がない状況下で勝算があるなんて言うような奴じゃない。

 

 ちゃんと勝算があるかどうか考えてから戦う。宮白兵夜はそういうやつだ。

 

「いいかよく聞け! 神滅具は一つの平行世界に一種類一つしかない! それだけは間違いなく本当だ!」

 

 そうだ、それだけは間違いなく大前提。

 

 そして、今回関わっている平行世界は一つだけ。つまり聖槍はこの世界に一本しかないはずなんだ。

 

 それなのに、須澄とエイエヌの二人も聖槍を保有している者がいる。これはどう考えてもおかしいことだ。

 

 だが、エイエヌの禁手が覇輝(トゥルース・イデア)を限定的に開放することなら仮説は立てれる。

 

「エイエヌは聖槍に反旗を翻されている。当然だ、腐っても善神があんな外道行為を見せられてしかも自分の力を使われて、黙ってみていられるはずがない」

 

 そう、須澄に聖槍が渡ったのはそれが理由だ。

 

 曹操が発動した時に黙殺を選んだ聖書の神の遺志が、エイエヌの所業相手に力を貸すなんてことがありえない。

 

 そして、エイエヌは曹操ほど神器を使いこなせるわけでもない。

 

 おそらく、聖書の神の遺志はエイエヌを何とかするために、最も霊的に近しい須澄を選んだんだ。

 

「お前は神の加護がある。だから負けるな俺の弟。お前は確かに選ばれたんだから!!」

 

「だろうな! つまり―」

 

 いい加減埒が明かないと判断したのかエイエヌは接近戦を仕掛けてくる。

 

 すでに両腕には聖剣と魔剣が生み出され、躊躇することなく切りかかる。

 

「君を殺せば何の問題もない!!」

 

「だからさせないって言ってんだろうが!!」

 

 ブレードを呼び出して受け止めるが、しかし奴の方が性能は高い。

 

 すぐに追い込まれるが、だからってこのまま押し切られるわけにはいかない。

 

「すっこんでろエイエヌ! お前は聖槍の力を全力で放つことはできない。なぜなら何割かは須澄に渡っているからな!」

 

「だから聖槍以外で攻めてんだろうが! それに、お前を殺すだけなら聖槍がなくても問題ないね!!」

 

 エイエヌの言うことは確かに事実だが、それがどうした!

 

「人の弟さんざんボコっておいて、まさかこのままで俺が終わると? ……なめるな!!」

 

 躊躇することなくドーピング剤を使用し、出力を大幅に上げる。

 

 インターバルが短い状況でこれを使った以上、さらに後遺症が悪化しかねないがこの際知ったことか!!

 

 おそらく、聖書の神の遺志はエイエヌ打倒のためならば全面的に協力しているはずなんだ。

 

 その一点をもって、須澄は禁手に目覚める可能性は大きい。

 

 だから、頑張れ。

 

 お前はやればできる子だ。俺がそれは保証する。

 

「だから、あきらめるな……!!」

 

「ええ、その通りよ!!」

 

 横合いから、エストックが突き出されてエイエヌは慌てて回避する。

 

 問題はそれをなした存在だ。

 

 俺は、割と本気で驚いて目を見開いた。

 

「シルシ!?」

 

「待たせたわね、兵夜さん!!」

 

 なんか想定外にもほどがあるが、しかしこの増援はマジで助かった。

 

 でもなんで!?

 

「チッ! 距離が離れすぎて効力が薄れたか!」

 

 ああなるほど。射程距離の限界があるということか。

 

 しかしすぐに冷静さを取り戻し、エイエヌは光の槍を大量にぶっ放す。

 

 あ、これかわせない!?

 

「雪霞狼!!」

 

 が、それを姫柊ちゃんが槍でかき消した。

 

「お待たせして申し訳ありません! ここからは私達も援護します!」

 

「あ、ああ! それでほかに動けるのは!?」

 

「槍でかき消したシェンさんが、ほかの人たちの解除を行っています! 今は魔獣との戦闘を―」

 

「いやだからなめるなって!」

 

 いうが早いか、エイエヌは魔獣を生み出して俺たちを襲わせる。

 

 が、それはヴィヴィとハイディが弾き飛ばした。

 

「大丈夫ですか、須澄さん兵夜さん!?」

 

「お待たせして申し訳ありません!」

 

 うぉおおおおお! すごい助かった!

 

「はっ! 美少女に囲まれてご満悦かい? うらやましいねぇハーレム野郎」

 

「おいコラちょっと待て。少なくとも姫柊ちゃんは暁に予約済みだ」

 

「済んでません! 監視役です!!」

 

 小規模な漫才を繰り返してから、エイエヌは聖槍を突き付ける。

 

「まあまとめて来い。それでも俺が勝たせてもらうがね」

 

 その余裕の表情に、俺たちは一斉に身構える。

 

 だがそんな中、シルシは一人少しだけ目を閉じると、俺に向き合った。

 

「兵夜さん。少し言っておきたいことがあるの」

 

「え、いま!?」

 

「死ぬかもしれないから、今のうちに」

 

 俺はエイエヌに視線を向けると、エイエヌは少し考え込んでからうなづいた。

 

「十分以内で」

 

 許可出たよ!? さすが俺は人がいい。

 

 と、とりあえず許可をもらったので、俺はシルシを見返した。

 

「で? いったいなんだ?」

 

「私はあなたが好きよ」

 

 ………さて、どうしたものか。

 

 確かに好意はうれしいが、しかしそれは俺の遺志が介在しない行為だ。

 

 それで好かれても正直困るし不誠実なんだが―

 

「言っておくけど、眼のことじゃないわよ」

 

 え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私、シルシ・ポイニクスにとって、千里眼の苦悩はひどいし絶望ものだが慣れたものだった。

 

 絶望も、諦観できれば日常にできる。少なくとも私はそういうものだった。

 

 禍の団との戦いが始まるころには解決策が手に入ったけど、実はそれまで諦観とともに受け入れられた。

 

 冷静に考えれば犯罪の目撃証言を言えるということだもの。事件解決に一役買ったし、そういう意味では役得ね。

 

 だから、本当のことを言えばそれに対する感謝はあなたを愛する理由じゃないの。

 

 そして、問題も別にあった。

 

 問題は、受け入れるまでの時間がかかりすぎたことね。

 

 それまでの間常に意気消沈してたから、全然伸びなかったのよ。

 

 上級悪魔としても素質は平凡。ええ、そういう意味では腐っていたわ。

 

 そんな中、アウロス学園の開校の話を聞いて、気晴らしに参加してみたわ。

 

 ええ、気晴らし。本当に気晴らしで私は参加したのよ。

 

 どうせ、適当なことを言って励ますだけしかないと諦観すらしていたわ。

 

 ところが―

 

「そういう上級悪魔でここにいるのは、魔力というステータスが少ないものばかりです」 

 

 バッサリ。ええそれはもうバッサリ現実を言い切ったのよ、貴方。

 

 それはもう驚いたわ。そんなことをはっきり言うだなんて、この人ものを教える気があるのだろうか……って。

 

 でも違ったわ。あなたは物を教えるためにあそこに来ていた。

 

「ぶっちゃけよう。今のアウロス学園にやる気のない奴まで面倒を見る余裕はない」

 

 ええ、その言葉に頭をガツンとたたかれたような気がしたわ。

 

 貴方は、本当に学び現状を打破しようとする者のために、そのための手段を教えに来ていた。

 

 その時、私は自分が甘えていたことに気が付いたのよ。

 

 上級悪魔としての力が足りないのならば、それ以外の手段を身に着ければいい。

 

 あのサイラオーグ・バアルもそうして最強の若手悪魔になったのに、私はそれを見ていなかった。

 

 そこからはもう、猛勉強の日々だったわ。

 

 眼の問題も解決したことから、私はそこから勉学に励んだわ。

 

 私の心に光をともしてくれた人。

 

 誇るべき私の教師、宮白兵夜。

 

 私はあなたの力になりたい。

 

 あなたの言葉で学ぶことを知った私が、貴方の力になることが、それを教えてくれた恩返しになると信じているから。

 

 ……そうやって頑張ってるうちに、いつの間にか好きになっちゃったのよ。

 

 子供みたいでしょう? ホント、子供が親身になってくれる教師にほのかな恋心を抱くような話。

 

 だけど―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だけど、好きになっちゃったのは仕方がないじゃない」

 

 顔を真っ赤にして、シルシはそう告げた。

 

 ああ、そういえば俺はそんなことを言ったんだ。

 

 遊び半分でアウロス学園に入ってくるやつがいないように、そういう警告もかねて告げたんだが……。

 

 そうか、そこまで成長してくれた人がいたんだ。成長しようとしてくれた人がいたんだ。

 

「……それが、私があなたを好きになった理由よ」

 

 ものすごく恥ずかしそうにしながら、シルシは俺のすぐ近くに立つ。

 

「貴方にしてみれば不特定多数の誰かだったかもしれないけど、私はしてみればたった一人の先生なのよ」

 

 なんかもう、はたから見ていて気絶しそうな表情で、シルシは告げる。

 

「一生懸命勉強したのよ? 資料作成とか資料整理とか、パソコンの勉強とかそりゃもう一から」

 

「ああ、確かにすごいわかりやすかった」

 

 そんな短い時間でそこまでできるようになったのか。

 

 ああ、才能はあったかもしれないけど頑張ったな。

 

「そんな中、あんな裏の意味が込められていることを言われて、私がどれだけうれしかったかわかる?」

 

 いや、どんだけだったのでしょうか?

 

「私は、貴方に救われた。だから、貴方のためにこの人生を使いたい」

 

 まっすぐに俺を見て、まっすぐにほほ笑みながら、シルシは俺にこう告げる。

 

「私を、貴方の婚約者にしてほしい。……どうか、真剣に考えて」

 

 ……そっか。

 

 それが、シルシの本音。

 

 俺が仕事の一環で間接的に救ったんじゃない。

 

 俺が、仕事ではあったが直接的に救ったんだ。

 

「シルシ、確かにそれはそれで結局仕事の一環だ」

 

 俺はそう告げ、シルシはわかっていたかのように寂しげにほほ笑む。

 

 だけど、俺が言うことはここから先だ。

 

「だけど、俺は惚れっぽいんだ」

 

 ……まったくもって困ったもんだよ。

 

「そこまで思わず真剣に救ってしまったのなら、ああ、責任は取らないといけないかもな」

 

 ああ、もうだめだ。

 

 俺は本気であいつらに殺される。

 

 でも仕方ないだろ? だって、こんなに可愛い女の子が、こんだけ真剣に想ってくれてるんだ。

 

 それも俺が直接救い出したからで、そりゃ責任は取らないとな。

 

「後で幻滅した時はまあそれまでだが、ま、それまではよろしく頼む」

 

 うん、我ながら顔が赤いのは間違いないな。

 

「……はい。私を、貴方のお嫁さんにしてください」

 

 ヤバイ、満面の笑みが可愛すぎる。

 

 うっわぁ、周りの女の子も全員顔が真っ赤だよ。

 

 まあ、そりゃそうだろ。なんたって目の前で告白シーンが繰り広げられてるんだからな。

 

 ああ、さすがは俺だ。ラブシーン公開処刑宮白兵夜なだけあるぜ。

 

「……目の前で俺に彼女ができるとかすごいな、オイ」

 

 そして、忘れちゃいないぜエイエヌ。

 

「じゃあ時間はまだあるが、そろそろサクッと逝っとこうか?」

 

「気が早いな、エイエヌ」

 

 ああ、気が早い。

 

 まだ最後の仕掛けが終わってないぜ?

 

 俺は即座に靴に仕込んだ魔術式を起動させると、魔方陣を展開する。

 

 そして、俺はシルシに呼び掛けた。

 

「……シルシ、誓いだ。俺はお前を幸せにするために努力する」

 

 だから―

 

「俺たちが幸せになるために、お前も努力してほしい」

 

 ―俺たちみんなで幸せになろう。

 

 とりあえずは、あいつらに謝ることから始めるか。

 

「……ええ、非常に不本意な形だけれど、誓いをここにもらうわね」

 

 そう苦笑して、シルシと俺は口づけを交わす。

 

 そして、ここに契約はかわされた。

 

 さあ、反撃の時だエイエヌ。

 

 こっから先はこれまでとは段違いだぜ?

 

「……来たれ(アデアット)

 

 それは、異界の世界での仮契約。

 

 魔法を使うものとその従者が行う主従契約。

 

 主と魔力的なラインをカード越しに創られた従者は、アーティファクトという魔法の道具を手に入れる。

 

 さあ、反撃だシルシ。

 

 俺の従者よその意を示せ。

 

「反撃と行こうか、シルシ!」

 

「ええ、いくわよ兵夜さん!!」

 

 シルシが呼び出したのは一つのネックレス。

 

 一つの大きな宝石がまぶしいそれは、なぜかシルシの首元ではなく彼女の手に収まった。

 

 だがそれでいい。その使い方はよくわかる。

 

 これは、彼女が身に着けるものではないのだから。

 

「じゃあ兵夜さん?」

 

「ああ、わかってる」

 

 みなまで言うな心は一つだ。

 

 俺は、シルシにネックレスをかけられながら頷いた。

 

 ああ、わかってる。

 

 今から俺たちの反撃だ。

 

 頼りにしてるぜ、シルシ?

 

「……力を貸しなさい、闇の契約」

 

 そう、それがシルシのアーティファクト。

 

 そして、闇の契約が輝くと同時に、シルシの体が光の粒子となって吸い込まれる。

 

 これがシルシのアーティファクトの能力。

 

 相手をネックレスの中に取り込むことによって、それを装着した人間にその能力を与えるアーティファクト。

 

 つまりどういうことかというと―

 

「それがどうした!!」

 

 いうが早いか、エイエヌが光の槍を発射する。

 

 それはねじ曲がりながら放たれて防ごうとするヴィヴィオたちを交わし、そして俺すら通り過ぎてまず須澄を狙い―

 

「悪いが見えてる」

 

 振り向きもせず、俺はそれをすべて撃ち落とした。

 

「なんと!」

 

 その光景に驚愕するエイエヌが、続いて攻撃を放つ。

 

 今度は攻撃の一部を透明化して放つという工夫をしたが、しかしそれも()()()いる。

 

『ええそうね。すべてこの目で見通せるわ』

 

 ああ、俺も見えるぞシルシ。

 

 お前が見えてる世界が、こんどこそ完璧に見えている!!

 

 これが、これがお前の見ている世界なんだな?

 

『そうよ。これが私の見ている世界。……正しくそれを共有できるだなんて、これは結構うれしいわね』

 

 そうだな、俺もうれしいよ、シルシ。

 

 それに、おかげでだいぶ戦える!

 

「須澄を頼む! エイエヌは俺が何とかする!!」

 

「できると思うか!!」

 

 むろんエイエヌは余裕だ。

 

「フォンフから聞いているぞ、お前は神格をまともに制御できない! フルに使えば肉体が崩壊するんじゃないか!?」

 

「それがどうした!!」

 

 何の躊躇もなく俺は神格の力を開放させる。

 

 むろん、体が崩壊するが今は何の問題もない。

 

 そう、今俺はシルシの力を得ているから。

 

 全身が炎に包まれ、そして同時に神格の力がエイエヌとぶつかり合う。

 

 激痛が俺の体を苛むが、しかしそんなもんは実感できなければ何の問題もない。

 

『なかなか狂った力ね。なんていうか違和感がすごいわよ?』

 

「悪いなシルシ、耐えてくれ!」

 

 俺とエイエヌは大出力の攻撃で遠距離戦をぶっ放す。

 

 近距離だと聖槍が危険だが、使いこなせていないエイエヌなら遠距離戦は気にならない。

 

 ならば、やりようはいくらでもある!!

 

「この野郎! 拒絶反応をフェニックスの不死で無理やり治すとか正気かこの野郎!?」

 

「お前が言うなお前が!!」

 

 お前も似たようなことをやっているだろうが!

 

 とはいえ、神殺し相手に神が挑んでも苦戦必須なのは変わらない。

 

 頼むから、そろそろ立ち上がってくれよ、須澄!!

 

 

 

 




シルシの恋愛パターンは、当人も独白していましたが教師に恋する生徒のそれです。

自分でも子供っぽいと思ってたので眼のこととごまかしていたが、実際はそっちの方だったというわけです。照れ顔がかわいくて兵夜も思わずフォーリンラブ。そして言い訳無用でハーレム御殿建設計画に王手なのには気づいていない阿呆。









シルシのアーティファクトは、まさに不死鳥の特性と千里眼を誰かに与えることができるのが最大の利点。

どちらもシルシの場合は技量の低さから直接戦闘では使いずらいですが、使いこなすことができる戦士の手に渡ればこれだけのことに。こと兵夜の気狂い戦闘スタイルと不死鳥の再生能力は相性が抜群です。だって神格最大限に発揮できるしね!









それと、聖槍の絡繰りはたぶん想定できなかったのではないでしょうか?

前にも言いましたが、エイエヌは神滅具をあまり使いこなせていません。ぶっちゃけ神滅具一つ一つで本来の持ち主と戦えば、9割以上の確率で負けます。

魔獣創造は前書いたとおり。聖槍も曹操が化け物すぎて太刀打ちできませんし、絶霧に至っては実は最大でも少人数しか使えません。都市一つ壊滅させれる神滅具のスペックをほとんど使えていない。

そこに赤龍帝憎しの感情で禁手が爆発的に目覚めてしまい、多分一番問題のある装備となってしまっております。

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