ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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球技大会、開幕です!!

 

 球技大会開催日。

 

 俺達二年生は、野球をすることになった。

 

 そして野球大会、俺たちは結構活躍していた。

 

 身体能力をスケベに特化させているとはいえ、スポーツ万能の松田がいる。イッセーと俺は悪魔化したことで身体能力がはるかに向上している。

 

 結果、俺達のクラスは快進撃を続けていた。

 

 だがしかし・・・

 

「きゃー! 宮白くん頑張ってー!!」

 

 ・・・この声援はどうにかならないだろうか。

 

 一応真面目に頑張ってるんだが、はっきりって気が散る。

 

 ミーハーな女に興味はない。そういうのはちょっと変化があるだけでギャーギャーうるさい印象があるからだ。

 

 しかもそうでないときは試合そっちのけでぺちゃくちゃしゃべっている女が言っているわけで、俺もそこまで真面目にやっているわけじゃないけどちょっといらつく。

 

 ついでに言えば―

 

「畜生! 宮白のやつモテやがって!」

 

「俺だって・・・俺だってホームラン打ったのに・・・っ!」

 

「くそっ! 所詮世の中は顔なのか!? 顔なのかよ!?」

 

 ―変態三人組の睨みもめんどい。

 

 いや、マジで勘弁してくれないでしょうか?

 

 頼むから俺の本性をバラすだなんて真似だけはしないでくれよ! いろいろと面倒なことになるから本当にばらしたりしないでくれよ!?

 

「・・・品行方正な上にスポーツ万能だなんてさすがだな宮白!」

 

 クラスメイトの男子がほめてくれるがなんてことはない。

 

 前世というアドバンテージは忍耐力という点で非常に強い。

 

 ただ適当に遊ぶのではなく、何らかのトレーニング方法を一つでも知っていればそれを幼少期から繰り返すことで普通に育つよりもかなり有利だ。

 

 具体的には、誰も見てないところでこっそり腕立て伏せとかをして筋力をつけ、ランニングを幼児のころから繰り返すことで体力をつけた。

 

 その結果、俺の身体能力は運動部の男子を相手にしてもかなりいい線行くレベルにまで育っている。自慢じゃないが運動部の助っ人を頼まれたことも何度かあるものだ。

 

 さらにここで魔術を使う。

 

 そのうえで格闘技の本をこっそり立ち読みして格闘戦の基本をにわか仕込みでも仕込んでおく。

 

 ここまでくればエリートの出来上がりだ。

 

 勉強だって同じようなものだ。

 

 既に一度経験があるからだいぶ忘れていてもの見込みが早い。

 

 子供は勉強を嫌う奴も多い。しかし勉強の大切さをある程度理解している俺は餓鬼の頃から授業は真面目に聞いていた。予習復習も短い時間だがちゃんとやっている。

 

 一度経験している分覚えるのは早い。子供のころならさらに記憶力は最大限に利用することができる。下地がしっかりと出来ていれば、たとえ生前経験がなくても新たな知識を覚えるさい有利に働く。

 

 最終的に俺がこの学校でも知識も身体も上位になるのは、当然と言えるだろう。

 

 実家とは仲があまり良くないとはいえ、裕福な家系に生まれたのも大きい。

 

 そりゃ優秀になれるというものだ。

 

 だから・・・

 

「ホームラン!」

 

 このように大活躍していしまうわけだ。

 

 しかし

 

「宮白!? お前なんでそんなに大活躍してるんだよ!!」

 

 イッセーの絶望が混じった声が響く。

 

 こいつのことだ。

 

 悪魔と化した身体能力がある。

       ↓

 球技大会レベルなら十分活躍可能だ

       ↓

 スポーツができる奴はモテることが多い

       ↓

 イッセーハーレム開発も可能!

 

 という方程式を作っていたに違いない。

 

「あのなイッセー? 俺だってお前と同じだし、お前と同じように練習してるぞ?」

 

「くそっ!? 俺の理知的な計画が全部台無しじゃないか!?」

 

 いや、お前の場合はマイナスが大きいから、その計画の致命的な穴となってるぞ。

 

「イッセーさんも大活躍じゃないですか! 大丈夫、負けてないです」

 

 アーシアちゃんがそんなイッセーを気遣うが、それに続く女子の姿は全くない。

 

「どうせ三人そろってスケベなことを考えてたんでしょ? とらぬ狸の皮算用って諺知ってる?」

 

「桐生、止めを刺すな」

 

 クラスメイトの桐生が地味にイッセーの心をえぐる。

 

 元浜のようなスカウター能力を持つメガネ女子で、イッセーたちと話が合う稀有な女だ。

 

 アーシアちゃんとも仲良くしており、その辺はありがたいのだが、どうにもエロ知識を与えているらしく心配である。

 

 まあ、友達がいるっていうのは便利だよなぁ。

 

 そんなこんなで、この球技大会は大活躍だったりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、三年のほうはテニスだったりする。

 

「いくわよソーナ!」

 

「いいでしょう。きなさいリアス!!」

 

 我らが部長の決勝戦の相手は生徒会長だ。

 

 ・・・・・・まった。いま、球が曲がらなかったか!?

 

「くっ! やるわねソーナ。だけど私のグレモリー式魔導球はそんなものじゃないわ!!」

 

「来なさいリアス! 支取ゾーンは全てをうち返します!」

 

 魔力使ってるー!?

 

 そんな驚愕している中、俺の隣に小猫ちゃんの姿が。

 

「魔力、使ってますね」

 

「・・・使っちゃってるよねー」

 

 しかも桜花の姿もあった。

 

「どうすんだオイ。これ、ヤバいだろ?」

 

 俺がそう漏らす間も、魔力あふれる飛んでもテニスは続行され続けていた。

 

 ・・・あの~、もう少し様子を見て行動してもらえないでしょうか?

 

 こんなものを見せられたら、学園中の人間の心に違和感が―

 

「すごい! 魔球だよ魔球!」

 

「さすがリアス先輩! テニスもすごい上手だわ」

 

「すげえよ生徒会長! 俺、一生ついてく!」

 

 ―みんな納得してるぅ!?

 

「なーんか、納得しちゃってるねー」

 

「・・・能天気な人たちですね」

 

「なぁんか、どうにでもなれって感じになってきたなぁ」

 

 俺はなんか本当にそんな感じになってきた。

 

 この学校。魔力的な何かに違和感持たないような魔術でもかかってるんじゃないだろうか。

 

「ふはははは!! 会長、勝ってくださぁい!!」

 

「部長ぉおお!! そこだぁああああっ!!」

 

 匙とイッセーがそれぞれ大声で応援している。

 

 特に、応援旗まで用意してフェンスから乗り出す匙の本気ップリが非常にすごい。

 

 これは本当にすごい戦いだ。

 

 魔力を使っていなければ、俺も妙な不安を覚えることなく純粋に楽しめていただろう。

 

 一年は一年で白熱していたというし、ウチの学校、ホントこういうイベントが熱狂状態になるよなぁ。

 

「ふふふ。忘れていないわねソーナ? 負けた方が、小西屋のうどんをトッピング全部乗せでおごる約束は有効だからね?」

 

「ええ。だけど、私より先に貴女にそれを食べられるのは我慢なりません。先に食べるのは私ですよ?」

 

 待て上流貴族の悪魔。

 

 賭けの内容が庶民的すぎやしませんかね?

 

 いや、この以外と庶民的なところが人気を取る秘訣になるのかもしれない。

 

 俺としては、もうちょっとエレガントな賭けをしてほしかったりするけど

 

 そんなことを思う俺をよそに、ハイテンションでテニスの試合は続いていった。

 

 ちなみに、最終的に二人のラケットが使い物にならなくなったため試合結果は引き分けに終わったという。

 

 まあ、魔力なんて込めて使った魔球を相手にすれば、ラケットの方が持たなくなるのは当然か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 部活対抗戦。試合内容はドッジボール。

 

 さて、ドッジボールは基本的に相手にボールを叩きつける競技だ。

 

 ここで、我らがオカルト研究部の陣営を再確認してみよう。

 

 まず、我らが部長のリアス先輩。学園でもトップクラスの人気を誇るお姉さまであり、男女問わずモテモテである。

 

 うん、当てられないね。

 

 次に、我らがドSな副部長である朱乃先輩。こちらも部長に負けず劣らずの人気の持ち主。ドSな本性は知られていないが、これが人気をあげているのか落としているのかは俺には分からないし、できればわかりたくない。

 

 うん、これも当てられない。

 

 今度は、匠桐生の手によりなぜかブルマなアーシアちゃん。最近人気の金髪美少女であり、その性格からこれまた大人気である。

 

 キャラ的に当てたらかわいそうな気がする。

 

 続いて小猫ちゃん。彼女は狙われてもあっさり対処できる身体能力を持っているが、はたから見れば誰が見ても年下のか弱い美少女である。

 

 これを当てるのは精神的にきついだろう。

 

 今度はぼんやりしすぎな木場。女子にとってあこがれのプリンスぶっちぎりトップである。その分逆恨みしている男子は数多いが、こいつに当てた場合女子に恨まれることが確定してしまう。

 

 当てるわけにはいかない。男子にとっては切実な理由で当てるわけにはいかないのだ。

 

 んで、俺の場合は、学業成績優秀かつ身体能力優秀。顔はまあ、下手に不細工より少しぐらいイケメンの方がいろいろ役立つので美容には気を使ってるし平均から少し上かぐらいだろう。品行方正なのは努力している。

 

 ・・・別に当てれんことはないだろうな。

 

 そして最後はイッセー。

 

 なぜ、ハイスペックすぎる美女軍団にこいつが入っているんだろう。変態のくせにハーレム気取りなのか? 許せん。俺を、私をそこに入れるべきだろう常考! 

 

 当ててやる。当てないと気が済まない。こいつだけは全力で当てないと俺達の心が持たないんだよ!

 

 と、言うわけで

 

「兵藤一誠に確実な死を!!」

 

「ブルマ最高! アーシアちゃん最高! そしてイッセーは死ねぇええええっ!」

 

「駆逐する! ただ兵藤を駆逐する!!」

 

「お姉さま達のためにも! イッセーを滅ぼして皆!」

 

「お姉さま最高! 兵藤は最低! 最低はさっさと退場しろおおおお!」

 

「兵藤を狙い撃つ!」

 

「しね! 俺よりもてる奴は皆死ねばいいんだ!」

 

「エロ兵藤がアーシアさんと一緒にいるだなんて、そうよ! 万死に値するわ!!」

 

「このゆがんだ世界を破壊する! ぶっ潰れろ兵藤ぅううううっ!」

 

「死になさい変態! アンタはお姉さまにふさわしくないわ!」

 

 俺、暇だなぁ。

 

 あまりにもイッセーに目標が集中しすぎてるせいで、俺の出番が一切存在しない。

 

「これが犠牲(サクリファイス)戦術ということね! イッセー! がんばりなさい!!」

 

 あと部長は本当に戦闘関連だと鬼です。

 

 とにかくイッセーを狙ってくるボール。これを小猫ちゃんが横取りすることで一人ずつ確実に始末して行っている。

 

 地味に効率がいい殲滅の仕方だ。参考にするべきかしないべきか・・・。

 

 そんな調子で、この戦いはこのイッセーの犠牲によりすんなり進んだのだが・・・。

 

「もうヤケだ! 消え失せろイケメンめぇええええっ!」

 

 女子に嫌われることよりイケメンを憎む気持ちが勝ったのか、一人の男が木場に向かってボールを投げる!

 

 いや、あいつなら簡単に回避するはずだ―

 

「・・・・・・」

 

「「何やってんだよ木場!」」

 

 思わずイッセーとハモる!

 

 木場の奴、最近やけにボーッとしていると思ったが、球技大会の中でもボケっとしてやがる!?

 

 イッセーがそんな木場をかばうように前に出るが・・・

 

「・・・あ・・・れ・・・?」

 

 ・・・・・・

 

「や・・・ヤベ・・・」

 

 投げた男子も固まった。

 

 と、いうか、観客も含めたこの場にいる男子全員が硬直している。

 

 ああ、だろうな。

 

 だって・・・ボールが・・・

 

 イッセーの股間に!

 

「イッセェエエエエエエエ!?!??!」

 

 ・・・ちなみに、試合は小猫ちゃんの活躍もあって決勝戦出場を決めました。

 

 あ、イッセーはアーシアちゃんのおかげで回復したから、全国の男子諸君は安心するように!


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