ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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前代未聞な、全裸にする男VS全裸になる女の対決はどうなる!?


内緒の作戦、開始します!

イッセーSIDE

 

 全裸での戦闘を平然と行う、今まで俺が裸にしてきたライザーの眷属たちとは一線を画す恐ろしい実力者。

 

 ベル=アームストロングの猛攻は、明らかに俺を上回っていた。

 

 殴りかかろうとしたらその間にカウンターを叩きこむ。

 

 距離を取ろうとしたらそれ以上の速さで体当たりを喰らう。

 

 無理やり倍化して対応しようにも、二倍程度では手も足も出ない。

 

 何とか身をひねったりして直撃は避けてるが、これじゃあどうしようもない!

 

「・・・やりますね。把握できる実力はそれほどでもないですが、何よりガッツがある。実質実力以上の力を発揮する敵ですね」

 

「そりゃどう・・・も!」

 

 ダメだ、このままじゃ勝ち目がない。

 

 木場のほうも魔剣を出したそばから破壊されてるし、このままだと不味い!

 

 こうなったら奥の手だ!

 

 俺だっていろいろとライザーとのレーティングゲームで考えてるんだ!

 

 俺の秘策を察知したのか、ベルさんが警戒して一歩下がる。

 

「何か考えてますね。・・・これは警戒した方がよさそうでしょうか?」

 

「負けるか! これが俺の奥の手だ!」

 

 懐から取り出したのは、宮白に頼んで調達してもらった俺の切り札。

 

 それに倍化を譲渡して、一気に地面に叩きつける。

 

「・・・閃光弾!?」

 

 そう、俺が持ってきたのは閃光弾。

 

 ただでさえ目がくらむそれは、倍化の力によってさらに眩しくなっている。

 

 ・・・宮白の作戦は本当にすごかった。

 

 あのレーティングゲームであいつだけが、能力だけでなく小細工まで使って勝ちに行った。

 

 結果的に失敗したけど、あのライザーをあと一歩のところまで追い詰めたんだ。

 

 だから俺もそれを見習う。

 

 俺の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)は時間をかければかけるほど強くなる。

 

 そのための時間稼ぎをすることが当面の俺の鍛え方だ。

 

「このすきに殴りかかっても、アンタだったら簡単に返り討ちにできるはず。今の間にしっかり倍化をためさせてもらいます!!」

 

「良い考えです。実質、私は目を閉じても近接格闘はこなせますからね」

 

 俺のことをここまで評価してくれるのはちょっと嬉しい。

 

 だが、おかげで時間は整った!

 

「行くぜ、ブーステッド・ギア!」

 

『Explosion!!』

 

 これで一気に勝負を賭ける!

 

「うぉおおおおおおっ!」

 

「くっ!」

 

 全力の拳は後ちょっとのところでかわされるが、拳はすぐ後ろにあった木をへし折った!

 

 この威力ならいけるか!?

 

「実質、強敵以外の何物でもないですね。なら・・・」

 

 だが、ベルさんはそのまま後ろに下がると、地面に落ちていく折れた木に手を添える。

 

 そのまま両手で抱えると持ちあげて・・・持ちあげて!?

 

「え、ちょ、ちょっとストップ―」

 

「少し本気を出します!!」

 

 グハァ!?

 

 フルスイングで俺の脇腹に木の幹が・・・っ

 

 こ、この人・・・小猫ちゃんより怪力だぁああああああっ!?

 

 そのまま吹っ飛んだ俺は、部長達の方へと勢いよく吹っ飛んでいく。

 

 ああ。このまま部長の胸にダイブできるのなら、それはそれでよかったかなぁと思ったけど、そこには割って入る小猫ちゃんの姿が目にうつり―

 

「・・・危ないです、部長」

 

「フゴッ!?」

 

 両手であっさり受け止められた!

 

 だけど勢いが全部止められるわけで、全身がくの字に折れ曲がり、正直な話衝撃がきつすぎて全身が痛い!

 

「す、すいません! 思わぬ強さについ加減を間違えてしまいました! ・・・兵藤一誠? だ、大丈夫ですか・・・?」

 

 正直答える余裕がありません・・・。

 

 地面に倒れ伏す俺の目は、そのまま木場とゼノヴィアの戦いが・・・。

 

「なら、この僕の最大の魔剣で勝負だ!」

 

「・・・残念だよ先輩。選択が間違っている」

 

 木場の身長より長い魔剣を、ゼノヴィアのエクスカリバーがやすやすと砕く!

 

「・・・攻撃力不足という短所をカバーするのは妥当な考えですが、真正面からぶつかりすぎですね。スピードが乗っているタイミングで呼び出し、その勢いを乗せて横になげば衝撃で突き飛ばすことぐらいはできたでしょうに。実質、判断ミスですね」

 

 ベルさんは木場に辛辣な評価を下す。

 

 クソっ! これで二連敗かよ!

 

 こうなったら宮白に頼るしかな―

 

「違うわ! 空孫悟のドラゴン波はもっと腰を深く落とすのよ!」

 

「バカ。あれは両手がドラゴンの頭部を模してるんであってだな・・・」

 

「何してんのキミら!」

 

 全身の激痛を無視してツッコミをいれた!

 

 なんでドラグ・ソボールのポーズなんてしちゃってるのこの二人!?

 

 あれれ? 確か二人は俺がなぜ変態なのかとかいう失礼な話をしてるんじゃないですか?

 

 それが何で仲良くポーズについて語り合ってるんだよ! 話が脱線するにも程があるよ!

 

 それとあれはもっと両手に力を込めるんだよ! アニメ全部見てるから断言できるね!

 

 ほら、ベルさんもゼノヴィアもため息ついちゃってるし!

 

「・・・実質、これで終わりにした方がよさそうですね。これで失礼させていただきますね、リアス・グレモリー」

 

「もう少し部下を鍛えた方がいいよ、リアス・グレモリー。・・・行くぞイリナ」

 

「あ、待っても二人とも。・・・って言うかベルさん! 服を着てください服を!」

 

 ・・・完敗だ。最後はちょっと疑問だけど、完璧に俺達の負けだ。

 

 畜生。俺・・・弱いなぁ。

 

SIDE OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふう、たまには童心に戻るのもいいもんだ。

 

 あのイリナとかいう奴の長所だな。無邪気な自分を取り戻させてくれる。

 

 たぶん、ドラグ・ソボールについてあそこまで熱く語ったことはないと思うぞ。

 

 ・・・とりあえず、この場は何とかしのげたか。

 

 ぶっちゃけて言えば、俺はこの勝負に勝つつもりなど毛頭ない。

 

 このままだと爆発して戦闘になりそうだったから、良い感じにガス抜きするタイミングを見計らっただけだ。

 

 神器の特性上、冷静な判断力が売りの木場は頭に血が上っている状態で勝てるはずはないし、イッセーはどうなるかわからなかったが、まあ、ライザーより格上の堕天使幹部を相手にする連中のリーダー相手に、禁手無しのイッセーじゃ勝ち目は薄かった。

 

 俺はまあ美味い感じにお流れになったし、結果としてはまあ良い感じか。

 

 しかし、エクスカリバーか。

 

 厄介なのがやってきたな。

 

 流れから考えてフリードがエクスカリバーを持っている可能性がある。

 

 奴は、それがなくてもかなり凄腕の実力者だった。それが超強力な武装を持っているとなると、割と本気でピンチだと言ってもいい。

 

 そしてそれ以上にヤバいのがコカビエル。

 

 確か堕天使幹部の中でも相当トップクラスの、聖書に名前が記された奴だったはずだ。

 

 現状のオカルト研究部で対処できる相手か? いや、生徒会と手を組んで挑めばあるいは・・・。

 

「待ちなさい!」

 

 部長の鋭い声で我に返る。

 

 見れば、木場が部室を出て行こうとしているところだった。

 

「あなたにはぐれになってもらっては困るわ! 落ち着きなさい祐斗!」

 

「僕は、彼らの・・・同志たちの恨みを魔剣に込めなければならないんだ・・・っ」

 

 部長の制止を振り切って、木場が部室を出ていく。

 

 ・・・ヤバいな。

 

 完全に憎しみで我を忘れている。

 

 コカビエルの手元にあるエクスカリバーは四本だ。

 

 もし、それら全部の使い手を見つくろっていたとすれば、木場といえど勝てるわけがない。

 

 まあそれもあるが、それ以上に気をつけねばならないのはただ一つ。

 

「木場・・・」

 

 イッセーが、この状況下で動かないわけがないってことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・やっほー。どうしたの兵藤くん」

 

「それで? 俺達を呼び出した理由はなんだよ」

 

 ・・・まさか桜花と匙を呼び出すとは思わなかった。

 

 イッセーの奴は、どうやら俺に止められると判断したのか単独行動。どうやったのか知らないが桜花と匙を呼び出して、喫茶店で相談しようとしている。

 

 まったく哀れな奴め。確かに普通なら俺は止めに入るだろうが、お互いのことが分かってるのはお互い様だろうに。

 

 こんなこともあろうかと、既にイッセーの制服には発信機を仕込んである。

 

 本気を出した俺を出しぬけると本気思っていたのだろうか。

 

「さすがに舐められてるよな。なあ小猫ちゃん」

 

「・・・そうですね。あ、お代わりお願いします」

 

 小猫ちゃんも店員さんに追加注文をしながら同意する。

 

 ちなみに、イッセーに気付いた小猫ちゃんを俺が止めてこうして付けている感じだ。

 

 どうせなら思いっきり驚かしてやろうと思ってな。

 

 そのため小猫ちゃんには納得してもらうためおごることになった。

 

 ・・・確かに大金は当たってるけど、それを利用してそれなりに礼装に使えそうな材料を買いそろえたからちょっと心配。

 

 今までは材料も金も足りなかったから、できの悪い礼装をバラして材料に変えてまた作っての繰り返しだったんだよなぁ。

 

 本来の魔術的にも金がかかるし、正直あきらめていたぜ。

 

「・・・エクスカリバーの破壊許可を得たい。協力してくれ」

 

 イッセーが切りだした。

 

 しっかしストレートだな。それで断られない方がどうかしてー

 

「いいよー」

 

 桜花さん!? アンタちょっと正気ですか!?

 

「おい桜花! お前何考えてるんだよ!」

 

「いやね元ちゃん。会長はダメっていってたけどさー。ちょっと気になることがあったんだよねー」

 

 思ったより頭の回転は速そうだな。まあ、ウチの学校競争率高い方だしバカではないか。

 

 だが、内容が内容だ。

 

 部長と会長はこの戦闘に対する不介入を決めた。

 

 つまり、これは見事なまでに契約違反だということだ。

 

 それを破ったりしたらいったい何をされることやら。

 

 匙はそれがわかっているようで、思いっきり逃げ腰になっている。

 

「ふ、ふざけんなよ! 俺は帰るぞ! やってられるか―」

 

「・・・ダメです」

 

「ダメだな」

 

 だが逃がさん。

 

 二人で同時に匙をとっ捕まえ、逃走を完全に阻止する。

 

「あれー? 二人ともこんなところでなにしてるのー?」

 

「み、宮白!? 小猫ちゃんまで・・・」

 

 しまった。もっとビビらせるつもりだったのに失敗した。

 

 ま、別にいいか。

 

「面白そうなことしてんじゃねえか? 俺も一枚かませろよ?」

 


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