ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド 作:グレン×グレン
祐斗SIDE
敵は聖書にしるされし堕天使、コカビエル。
圧倒的な実力で僕たちを翻弄した、正しく今までで最強の敵。
だけど、僕たちの心に恐れるものは何一つない。
部下すら切り捨てたたった一人の孤独な強者なんかに、仲間たちと戦う僕らが負けるはずがないのだから。
「・・・実質、ここで立たなければミカエルさまに申し訳が立ちませんね」
ベル・アームストロングも立ち上がる。
彼女は静かに拳を構えると、ゼノヴィアに視線を向けた。
「立ちなさい、ゼノヴィア」
「ベル・・・」
「あなたは主のために戦うと言った。なら、主が愛する無辜の民のため、その与えられた才能を活かすべきです。・・・才能を活かそうなどと思えず死んだ、バカな私が言うことでもないですがね」
ベルは苦笑すると、その視線をコカビエルに向ける。
そんなベルの姿に感銘を受けたのか、ゼノヴィアをデュランダルを握り直すと静かに立ちあがった。
「そうだな。主がおられなくとも、主が私に命ずるだろうことはわかる。行くぞコカビエル! 主の愛を捨て、戦争を起こそうとするその所業、このデュランダルで打ち砕いて見せる!!」
聖剣デュランダル使いも自分を取り戻した! 今この場において、これはとても心強い!
朱乃さんも、小猫ちゃんも、部長も活力をみなぎらせている。
「行くぜコカビエル! 俺の野望のため、部長達のため、そして何より宮白の頑張りを無駄にしないため、お前をここでぶちのめす!!」
イッセーくんも、ブーステッド・ギアを光輝かせながら拳を構えた。
「会長も頑張ってるしねー。私も当然頑張るよーっと!」
桜花さんもその魔剣を構えて闘志をみなぎらせる。
そして―
「んじゃあ、俺も切り札その2を切るとしますか!」
宮白くんはいつの間に拾っていたのか、ゼノヴィアが投げ捨てていた破壊の聖剣を構えていた!
聖剣を使いこなしている!? いったいどうやって!!
「貴様! まさかあの時の死体から因子を抜いていたのか!!」
コカビエルは事情を察していたのか動揺する。
そういえば、奴の根城に踏み込んだ時、エクスカリバー使いの死体にかがんで何かしていた。
「まさか聖剣因子とは思わなかったがな! 俺の世界、宝石に魔力とか詰め込む不思議魔術が存在すんだよ!! しかもあの後さらに回収済みなので追加!」
宮白くんは懐から宝石を一つ取り出すと、それを飲み干す。
「・・・キタキタキタキタ!! 因子に耐えきれないかもしれないし、さっさと決めさせてもらうぜコカビエル!!」
宮白くんは水を纏うと一気に切りかかる。
それに合わせ、僕とゼノヴィアも視線を交わすと一気に詰め寄った。
「甘いんだよガキども!!」
コカビエルは両手じゃさばききれないと判断し、最初から翼で迎撃する。
なるほど、これは簡単に迎撃されるだろう・・・だが!
「
聖剣の因子を取り込んだ今なら、これぐらいは簡単にできる。
出す量は合計で六本。僕はそれを二本ずつ二人に投げ飛ばす。
「それを使ってくれ!!」
「いいだろう!」
「咥えるのはどうかと思うがな!!」
行うのは先ほど僕がコカビエルに行った不意打ちと同じだ。
両手だけでなく口まで使用した三連攻撃!
とっさのことで聖魔剣までは使えなかったが、それでも九本の聖剣がコカビエルの翼とぶつかり合う。
何とか、一時的にとはいえど拮抗した。それでもまだ一つ残っているが、それは―
「ハイハイ了解ー! やっちゃいますよーっと!」
僕らを超える速度で移動した桜花さんが食い止める。
これで翼は全て封じた。残るは両手だが―
「先ほどの借りは返させていただきます。実質、あなたは終わりですよ!!」
両手に光を纏わせたベルさんを止めるのにふさがった!
そのすきを逃さず駆け抜けるのは、倍化を終了させたイッセーくん。それに続くのは小猫ちゃんだ!
「貴様ら―」
「喰らいやがれコカビエル!!」
「・・・さっきのお返し」
両手と翼を完全にふさがれたコカビエルは、それを回避しきれない。
全力で振りかぶった二人の拳が、見事にコカビエルの顔面を捉え、そして吹き飛ばす。
そして、吹き飛ばされる方向には既に回り込んだ二人の姿が。
「さあ、今度こそけし飛びなさい!」
「私の機嫌を損ねた罪、とても重いですわよ?」
二大お姉さまの合体攻撃!
消滅の魔力と雷撃が重なり合い、吹き飛ばされたコカビエルの容赦なく直撃する!
だがこの程度で倒せるとは思わない。さらにここから一気にたたみかけるために、桜花さんは一気に駆け抜ける!!
「こっちは完全になまってるけどー。やっちゃいますよー斬岩剣!!」
文字通り岩をも切り裂きそうな重い斬撃がコカビエルに叩きこまれる。
コカビエルは光の剣を作り出して防ぐが、その重い一撃をとっさの行動ではガードしきれず、上空に弾き飛ばされる。
「木場祐斗! 剣の種類はどうでもいいので、とにかく奴の周囲に出せるだけ出してください!!」
ベルが僕に向かって叫ぶ。
よくわからない要請だが、僕はとっさに大量の聖魔剣を奴の周囲に展開した。
あれだけ展開すると、僕自身でも操作できそうにない。それをいったいどうやって・・・?
「別に剣を扱うことはできなくても、実質ぶつけるだけなら問題はありません」
剣の方向が一斉にコカビエルへと向く。
先ほどの高速移動と言い、あれがベルの特殊能力か!
「舐めるな小娘ぇ!!」
遅い来る聖魔剣を、コカビエルは翼を振り回すことで迎撃しようとする。
だが、聖魔剣はその範囲外で一度急停止し、翼が止まった後に再度加速して襲いかかった!
コカビエルの全身に、浅いが切り傷がいくつも出来る!
「オーケーオーケー。そのまま押さえてろよお前ら」
いつの間にか、宮白くんはコカビエルの足元にまで移動していた。
そして、その手には破壊の聖剣だけでなく、融合したエクスカリバーすら握られている。
「フリードの戦闘はみてないのでわからないが、紫藤イリナはもう少しひねるべきだった。剣以外にも変化できるというなら、そもそも剣として使うことが間違っている」
エクスカリバーが変化すると同時に、宮白君はその手を離す。
だが、エクスカリバーの変化は止まらず、彼の全身へとまとわりついた。
数秒後、そこには強大な聖なるオーラを纏う鎧姿が。エクスカリバーは鎧となって、今ここに新たな可能性を見せつけていた。
・・・その発想は存在しなかった。彼の独創性には舌を巻くしかない。
「
コカビエルが態勢を立て直すのと、宮白君が悪魔の翼を出すのはほぼ同時。
次の瞬間、彼は動いた。
「切り刻もうか!!」
鎧の全身から刃を生やし、コカビエルへと突貫する。
「舐めるなよ・・・雑魚共がぁ!!」
コカビエルは両手に剣を持ち、さらに翼すら動かして宮白君を狙う。
それに対して、彼は破壊の聖剣とすべての刃を使って拮抗した。
さらに
フリードをはるかに凌駕するほどにエクスカリバーの特性を生かし切っている!
一時的にとはいえ二人の攻防は拮抗し、やがてお互いに弾き飛ばされるかのように校庭へと叩きつけられる。
衝撃に宮白君の口から苦悶の響きが聞こえるが、彼はそれを押しとどめる。
そのまま、イッセーくんの方を向いて叫んだ!!
「イッセー! 悪いが二の腕くれてやれ!!」
二の腕・・・赤龍帝の鎧を使うのか!?
腕を別物に変えろと言うに等しい宮白くんの言葉に、しかしイッセーくんはためらわなかった。
「準備はとっくの昔にやってるよ! 頼むぜドライグ!!」
『Welsh Dragon over buuster!!』
イッセーくんが閃光に包まれる中、宮白くんは聖剣を構え、立ち上がるコカビエルを睨みつける。
「
その言葉と共に、聖剣のオーラが増幅したのを感じる。これが宮白くんの使う魔術ということか。
イッセーくんの攻撃に合わせ、一気に勝負を決める気か。
さらに一撃に全てをかけるためか、宮白くんの動きが止まる。
それを通り過ぎ、赤い鎧をまとったイッセーくんが、コカビエルと正面から激突した。
「いい度胸だ赤龍帝!! まさかここまで楽しめるとは思わなかったぞ!!」
「言ってろ! 後でほえ面かかせてやる!!」
先ほどの超高速の攻防とは打って変わり、今度は全力での一撃がぶつかり合う。
あの赤龍帝の鎧を以ってしても、コカビエルを押し切ることができていない。
「・・・イッセー! タイミングを見計らって譲渡しろ!!」
聖剣を構えたままの宮白くんが声を張り上げる。
そうか。宮白くんの狙いは赤龍帝の鎧のパワーをもってコカビエルを倒すことではない。
赤龍帝の鎧によって桁違いに上昇した譲渡の力で、さらに攻撃力を高めることだったのか!
だが、こんな大声でそんなことを叫んだのは痛恨のミスだ。
「させると思うか! 赤龍帝の小僧はここから一歩も動かさんよ!!」
そう、あれだけ離れてしまえば、譲渡するまでに嫌でも時間がかかる。
さすがに赤龍帝の鎧状態のイッセーくんの譲渡はコカビエルも危険視する。当然、それを阻止するためにもイッセーくんが移動するのは阻止するはずだ。
だけど、宮白くんの表情は、不敵な笑顔のままだった。
そして、殴り合いを続けながらイッセーくんはぽつりとつぶやく。
「俺は宮白の喧嘩や、もめごと解決を何度かみてきたことあるけどさぁ」
会話に気を取られたせいか、左腕が翼で機動をそらされ―
「―宮白は、基本的に搦め手がえげつないぜ?」
透明な何かに、触れた。
『Transfer!』
それは、イッセーくんの譲渡の力。
次の瞬間、宮白くんの姿が消えたかと思えば、その左手に触れる形で剣を構えた宮白くんが現れた!!
いや、宮白くんがいた位置には、フリードが使った時のようにエクスカリバーのよる触手ができている。
みれば、その触手は宮白くんの足元から生えていた。。
まさか、擬態の聖剣と夢幻の聖剣を掛け合わせて偽の自分を作り出していたのというのか。それも本体は透明の聖剣をフルに使って姿を消し、足音で気付かれないよう擬態の聖剣の上に乗ってい移動したのか。
「
宮白くんの言葉が聞こえると同時に、ただでさえ倍化していたエクスカリバーが、さらにオーラを増幅させる。
・・・まだ異世界の力を使っていなかった!? まさか、
「なぁ・・・にぃいいいいいっ!?」
驚愕しながらもコカビエルは剣をふるうが、宮白くんはそれをあっさりとかわす。
アレは天閃の聖剣の力! しかも破壊の聖剣には鎧がからみついてさらに力を増幅させている!!
エクスカリバーすべての力を利用し、さらに自身の能力とイッセーくんの力まで借りた一撃は、驚愕するコカビエルには反応しきれない!
その一撃はコカビエルの両腕を切り飛ばし、そしてそれにとどまらない。
「イッセー! もう一丁!!」
「おうよ!!」
エクスカリバーにイッセーくんの左手が触れ、さらに倍化の力が譲渡される。
莫大な出力にエクスカリバーが耐えきれないのか、鎧の一部がひび割れ、宮白くんの右手があらわになる。
そこには、全力で光り輝く彼の神器の姿もあった。
「光力も追加だ! ・・・くらっとけ戦争ジャンキーィイイイイイイイイッ!!!!!」
「こ、このクソガキどもがァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!!??!?」
限界をはるかに超えて強化されたエクスカリバーは、その身を砕きながらもコカビエルを吹き飛ばした。
SIDE OUT
ついにコカビエル戦、決着です。