ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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反撃、開始します!

 それは、唐突に響いた。

 

 そして、とても心強くなる声だった。

 

 俺はその声の持ち主を知らないと言っていい。

 

 表情を知らない。

 

 人物を知らない。

 

 力を知らない。

 

 それでも、知っている。

 

 彼女は、俺の味方だと。

 

「・・・アンタ、誰だ?」

 

 振り返ることができず、しかし俺は問いかけた。

 

 後ろで女性の呆れた声が響く。

 

「本当に気付いていなかったの? まあ、あんなダメージを受けていたら背中のそれに気づかなくても仕方がないわね」

 

 ・・・背中のそれ?

 

 俺が背中に手をおくより早く、服がめくれ上がるのが分かった。

 

「あれ? 兵夜刺青してたっけ?」

 

「珍しいですね。赤一色のタトゥーなんて実質見ない気がしますが」

 

 ナツミとベルの声が聞こえ、そして、俺はそれが何なのかを理解した。

 

 それは、英霊を統べる者の証。

 

 それは、上位者である英霊を縛る絶対の条件。

 

 それは、英霊に不可能の言葉を捨てさせる奇跡の文様。

 

 それは、サーヴァントとの契約の印・・・!

 

「令呪・・・だとぉ!?」

 

 フィフスが明らかに狼狽する。

 

 ああ、他の連中はまだよくわかっていないだろう。

 

 だが、俺はそれがどういうものなのかだけは理解できる。

 

「・・・俺は、お前のマスターでいいのか?」

 

 震える声で、後ろにいるであろう存在に訪ねた。

 

「それは違うわ。・・・あなたは、私のマスターなのかと聞くところよ?」

 

 後ろから、そうたしなめる声が聞こえた。

 

「俺は・・・お前を無賃労働させようとしたんだぞ?」

 

「できないと思ってたんでしょう? それに、多くの人のためだなんて英雄らしいじゃない。英霊を呼ぶ男にはふさわしいと思うわよ?」

 

 その言葉は、力強く俺の胸に染みた。

 

「俺は、お前にとって力不足に決まってるぞ」

 

「確かにそうだけど、少なくとも見てるぶんにはあなたみたいなバカは面白いわね。・・・真名を聞きたければ、これからふさわしくなりなさい」

 

 それは、俺に叱咤激励し、同時に優しく背中を押した。

 

 ・・・応えよう。

 

 彼女の力に、応えられる存在になろう。

 

 だから、俺はこの二つの言葉を彼女に贈る。

 

「令呪に命ず。・・・必ず勝利し、その手に聖杯をつかみ、(おの)が大望を果たせ」

 

 無意味なことで使い潰すのではない。これは、信頼から来る俺の激励だ。

 

「重ねて令呪を以って命ずる。・・・決してどのような呪詛を以ってしても、他者からの強制を自分の意思以外で受け入れることを禁ずる」

 

 これは俺からできる彼女への補償。

 

 これで、令呪を以ってしても彼女を無理やり動かすことはできない。正真正銘の俺からできるせめてもの安全保障だ。

 

「・・・最後は、保険として残させてくれ」

 

「そのちょっと情けないところも含めて、なかなかみていて面白そうね」

 

 そんな感想を受けてから、俺は静かに振り返った。

 

 ・・・紫の髪をロングでまとめた、一人の美女。

 

 まるで妙齢の女王のような印象を与える不思議な女性。

 

「・・・最後に言おう。宮白兵夜だ。以後よろしくな、俺の英霊(サーヴァント)

 

「アーチャーよ。これから私を楽しませなさい。その代償としてあなたの杖と成り弓と成りましょう」

 

 ここに、契約は完了した。

 

「召喚に、成功、していただと・・・!?」

 

 その姿に、フィフスは完璧に顔色を失っていた。

 

 おそらく、彼だけが本当の意味でこの存在の脅威を理解しているのだろう。

 

 神秘は、この世界の法則へと変化し、身の丈を変えられる。

 

 二流の魔術使い風情が上級悪魔のエリートを打倒寸前まで追い込めるこの世界。そこに一流の魔術師でも戦闘と呼べる行為ができる可能性が限りなく低い英霊が呼ばれればどうなるか。

 

 正真正銘、正しい意味で理解できるのは一人しかいない。

 

「・・・・ヴァーリィイイイイイ!!! 今、すぐ、そいつ・・・そいつを、吹き飛ばせ!!」

 

「なるほど、面白そうだな。・・・さあ、俺を楽しませてくれるかな?」

 

 泡食ったフィフスに促される形で、興味津々のヴァーリが魔力の塊を放つ。

 

 それはまっすぐアーチャーに飛来し―

 

「―」

 

 聞き取れない、言語が響いた。

 

 そして、魔力弾は霧散した。

 

 魔王の血を引く白龍皇の一撃を一瞬で消し飛ばしたアーチャーにその場にいるものすべてが息をのみ、そしてヴァーリは歓喜に震える。

 

「手加減したつもりはなかったんだがな。これは楽しめそうだ―」

 

「消し飛びなさい」

 

 瞬間、ものすごい太いビームがヴァーリを飲み込んだ。

 

 同時、光翼が全力で光り輝く。

 

『DivideDivideDivideDivideDivideDivid―』

 

 半減の力が立て続けに放たれるが、ビームは僅かに減衰するだけでそのままヴァーリを弾き飛ばす!

 

「俺の半減が通用しない!? 異世界由来の力は効きが悪いが、ここまでとは!」

 

「バカねぇ。あれだけ派手に登場しておいて、私が対策を立ててないと思ったの?」

 

 あからさまに呆れながら、アーチャーは懐から小さなブレスレットを取り出した。

 

「既に対策の礼装は作り出しているわ。・・・製作費と材料を用意するのは大変だったけど、もうあなたの半減は誰でも対処できる代物になり下がったわね」

 

 ・・・いつ、こいつの半減を解析する時間があった!?

 

 あるとすれば、俺が光の槍を叩きこんだあの時だけだ。

 

 たったあれだけの情報で、まがいなりにも対策を取れるとは、これが英霊の本領か!

 

「・・・さて、私のマスターに危害を加えよとした報いは受けてもらうわよ」

 

 アーチャーは態勢を立て直したヴァーリに微笑みすら浮かべ、魔力を全身から込めて・・・。

 

「・・・待ってください」

 

 イッセーが、その肩に手をおいた。

 

「何かしら? 悪いけど、さすがに手加減して勝てる相手じゃないから邪魔しないでくれるかしら」

 

「アーチャーさん。ヴァーリは俺にやらせてください」

 

 イッセー!? なんでこのタイミングに。

 

「俺は赤龍帝ですから。ここで白龍皇に舐められたままじゃ駄目なんです。それじゃあ、俺は宮白に胸を張れない」

 

 その目は決意に充ち溢れていた。

 

「俺は、宮白兵夜の親友として、あの野郎をぶっ飛ばす!!」

 

 莫大な力が湧きあがる。

 

 アザゼルが渡したアイテムが、赤龍帝の力を引き出そうとしているのが良くわかった。

 

「驚いたな。赤龍帝の力が跳ね上がったぞ」

 

 ヴァーリも驚いたのか、戦闘態勢に乱れが生じる。

 

 それに応えたのは、輝き続ける光翼だった。

 

『神器は単純で強い思いを力の糧とする。親友を思う心が引き金になったのだろう。覇をつかさどる龍の持ち主としては意外だが、あれだけまっすぐな思いはドラゴンを扱う資質と言える』

 

「なるほど。そういう意味では俺より奴の方が優れているというわけか」

 

 ヴァーリが静かに戦意を高揚させる。

 

 ・・・できれば、油断してくれた方が良かったんだがな。

 

「うぅ・・・僕は・・・」

 

 その光景をみて、ギャスパーが震えていた。

 

「僕も・・・力になりたい・・・」

 

「だったら、まずは立ちあがりなさい、坊や」

 

 涙を流すギャスパーの肩に、アーチャーが手をおいた。

 

「あなたには力があるわ。大丈夫、その力はあなたのもの。私が手を貸してあげるから、制御するところから始めなさい」

 

 その手がアザゼルが作った制御装置に伸び、そこに魔力が込められる。

 

 それに引っ張られるように、ギャスパーの目に決意が浮かんだ。

 

「僕は・・・僕も・・・男なんだぁああああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗SIDE。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その変化は、すぐに分かった。

 

 今まで体を覆っていた感覚が、一斉に取り払われたかのように消え失せる。

 

 覆っていたときは感じていなかったのに、とられた瞬間には爽快感すら感じていた。

 

 この空間に満ちていた力が消えたのか? それはつまり・・・。

 

「ギャスパーくんの時間停止が、解除されたんだねー」

 

「なるほど、確かに男を見せたな、ギャスパー」

 

 桜花さんとゼノヴィアの言うとおりだ。

 

 この学園全体を覆っていた停止の力が完全に消滅した。

 

 アザゼルの作ったアイテムと、アーチャーという女性の力があったとはいえ、暴走状態を自分で抑えることに成功するとは・・・。

 

 ああ、僕も負けてはいられない。

 

「イッセー。・・・止めはしない。俺もこれからムチャやるしな」

 

 宮白くんが、そう言ってイッセーくんの肩をたたいた。

 

「一応、切り札はあるから持ってっとけ。・・・死ぬなよ」

 

「ああ、わかってるよ」

 

 言葉少なく、だけど信頼しているのが良くわかる。

 

 そのまま、イッセーくんは赤い輝きに包まれると、竜をを模した鎧の姿になって飛び上がった。

 

 ・・・ああ、ならば僕たちも動こうか。

 

「・・・僕は剣だ。なら、剣の相手をするのが筋だろうね」

 

「お、割と本気で相手になってくれるんか? そらまたうれしいこっちゃ」

 

 ムラマサが妖刀を片手に切りかかる。

 

 単純な剣の腕前なら、今の僕ではかなわないだろう。

 

 だが、それは屈していい理由にはならない!

 

 そして、そう思っているのは僕だけでもない!!

 

「ゼノヴィア!!」

 

「ああ!!」

 

 聖魔剣で打ち合ったところ、さらにその聖魔剣を後ろから叩くようにデュランダルが叩きつけられる。

 

 互角の力を持っていた合一化したエクスカリバーの擬態の力をあっさりと砕いたデュランダルだ。当然、聖魔剣もすぐに砕けてしまう。

 

 だが、それは今まで以上の衝撃を生みだしていた。

 

 ・・・村正の妖刀が、弾き飛ばされる。

 

 破壊力が上乗せされて、彼女の力をわずかながら上回ったのだ。

 

「ホンマ・・・すごいやんけ!」

 

 その光景に、ムラマサは歓喜していた。

 

 戦いを楽しむ戦闘狂か・・・。

 

 強者との戦いに高揚を感じるのは、戦士としては当然のものだろう。

 

 だが、それも行き過ぎれば害悪となる。僕たちは彼女を反面教師にしなければならない。

 

 彼女はここで止める・・・!

 

「おもろいで・・・おもろいでホンマ! やったらこっちも本気見せたる!!」

 

 ムラマサの全身から強力な力を感じる。

 

 この波動・・・禁手か!

 

「行くで、禁手化(バランス・ブレイク)を―」

 

「だから、させると思ったのかなー?」

 

「実質舐めすぎです。・・・そんな暇は与えませんよ?」

 

 真上から切りかかられ、さらに横合いから蹴り飛ばされた。

 

 桜花さんとベルが連続で攻撃を叩きこんで無理やり禁手を中断させる。

 

「ちょ、おたくらなにするん!? ここは禁手みて驚愕するところやろ!?」

 

「実質、それやられたら苦戦必須なのでさせませんよ。・・・強敵の対処法は先制集中攻撃で叩き潰すことです」

 

「大技出すんだったらあの人形を盾にするべきだよー」

 

 苦情をいうベルをバッサリと切り捨てる二人。

 

 確かに、大技を出す隙を突くのは当然だ。これは反論できない。

 

「ベルさん容赦ないでしょ? この人本当実戦じゃすごい人なんだから」

 

 並び立った紫藤イリナがそう言いながらエクスカリバーを構える。

 

 ああ、これならいける。

 

 対抗策はできた。なら、これだけいるなら戦い用もあるだろう。

 

 僕たちは、決して負けはしない!

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSIDE

 

 ヴァーリに向かって俺は突撃する。

 

 散々人のことを残念残念言ってきやがったこの男、これ以上好き勝手にさせやしない!

 

「アスカロン!」

 

『Blade!!』

 

 アスカロンを呼び出して切りかかる。

 

 もちろん、だからってそれだけに頼りはしない。

 

 蹴りは入れるし右手で殴りもする。頭突きだって踏まえて乱れ撃つ。

 

 いくらドラゴンスレイヤーだって、当たらなけりゃ意味がない。

 

 だったら運よく当たればいいぐらいに考えた方が、攻撃手段が多い分当たる可能性も高いはずだ!!

 

「剣を持つと大概それを中心にするものだが、なるほど、少しは面白い!!」

 

 ヴァーリはそう言いながら全部簡単に裁いてくる。

 

 ・・・やっぱり強いか。だけど!!

 

「ドライグ! アスカロンに力を譲渡だ!」

 

 普通に振るって当たらないなら・・・

 

『Transfer!!』

 

 聖剣のオーラが一気に増大する。

 

「なるほど、これはさすがに強力だな。だが、当たらなければ意味がない!」

 

 ヴァーリは後退して魔力の塊を放とうとする。

 

 だけど、俺の方が早い!!

 

「伸びやがれぇええええええっ!!!」

 

 俺はアスカロンを目いっぱいまで伸ばして、そのまま正面につきだした!

 

 そうさ、普通に振るって当たらないなら、普通じゃない方法で振るえばいい!!

 

 刀身を伸ばせるのはギャスパーに血を与えるときで証明済みだ! ちょっとした遠距離攻撃だぜ!!

 

 そのままアスカロンは魔力弾とすれ違って、切っ先が少しだけどヴァーリを掠める!!

 

 俺も魔力弾をもろにくらっちまったけど、何とか一発目は当たったぞ!!

 

 おお、ヴァーリの奴が少しぐらついた!

 

 そうだ、あいつは悪魔でドラゴンなんだ。龍殺しの聖剣なら効果は二倍じゃないか! 俺と同じだ!

 

「さすがにアスカロンは効くな・・・! だが、伸ばしたままなのは頂けない!!」

 

 ヴァーリはそういうとアスカロンの刀身をつかんだ。

 

 ・・・ヤバい! あいつの神器は触れた相手の力を半減するんだった。

 

 既に掴まれた以上はなれようがない。このままじゃ半減されるのは避けられない。

 

 避けられないなら・・・。

 

『DivideDivideDivide・・・』

 

『BoostBoostBoost・・・』

 

 鳴り響く半減と倍増の発動音。

 

 半減された分だけ俺は無理やり倍増させる。

 

 とりあえず、これで弱体化することだけは何とか避けれたはずだ!

 

『だが相棒、奴は半減で奪った力を己のものとできる、こちらは倍化を続ければ制限時間が減る。このままだとジリ貧だぞ』

 

 ドライグが俺に忠告する。

 

 ヴァーリの背中からは、まるで半減をし続けているからか光の粒子のようなものがまきちらされていた。

 

『いや、あれはキャパシティを超える力を放出しているだけだ。つまり、奴は暴発することなく力を奪い続けられる。このまま奪われた分だけ力を倍加させても意味はないな』

 

 分かってる。このままじゃ俺はあっさり負ける。

 

 あらゆる面でスペックが違うから、無理やり振り払うのも難しいだろう。

 

 だけど、だったら離してもらうようにするだけだ!

 

 この状態でアスカロンを収束!! 引っ張られる勢いで体当たりを叩きこむ!!

 

「うぉおおおおおおおおおお!!」

 

「なるほど! そう来る―」

 

 ヴァーリの奴が言い終わる前に激突する。

 

 激突の衝撃で、俺と奴の兜が砕け散る。

 

 兜の内側のヴァーリの顔は笑っていた。

 

 この野郎、心底この状況を楽しんでやがる!!

 

 いいぜ、だったらそのにやけ面、止めてやるよ!!

 

「なあ、半減と強化の力、お前はどれだけ制御できる?」

 

「なにを・・・」

 

 奴が応えきるより早く、俺は組みついて譲渡を奴に行う。

 

 あいつだって扱える力には限度がある。だったら、その能力を奴が使えれるより強くすれば・・・!

 

『Transfer!!』

 

 |白龍皇の鎧《ディバイン・ディバイディング・スケイルメイル》の宝玉がめちゃくちゃに点灯し、奴の動きが一瞬鈍る。

 

 チャンスは今しかない。

 

 宮白から渡された虎の子を出す。

 

 それは、小さな指みたいな塊が中に入った透明な何かだった。

 

 俺はそれを左腕に持つと、アスカロンの力も込めて叩きつけた。

 

「喰らいやがれぇええええええええ!!!!」

 

 そして、俺の視界は真っ白になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザゼルSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 状況が二転三転していて本気で面白いな。

 

 とくに、あのサーヴァントとかいうのは本気で面白い。

 

 フィフスが狼狽するのもわかる。アレはマジで化け物だ。

 

 出力だけなら俺や今のカテレアに次ぐレベルだろう。低く見積もっても最上級悪魔クラスと言ったところか。

 

 赤龍帝や聖魔剣もなんだかんだで頑張っているし、この会談に参加することを決めて本当に良かった。

 

 見どころのある若い連中や、面白いものを見るのは本当にいいもんだ。

 

 こんなことを考えるとは俺も歳かねぇ? ま、いい加減長生きしてるのは事実だけどな。

 

 まあ、それなら俺は年寄りらしいことをするだけだ。つまりは・・・。

 

「若い連中の邪魔になるもんぐらいは片付けとくか」

 

 古い考え方に取りつかれて、そっから先が考えられない旧魔王の血族。オーフィスに借りた力で偉そうにしているあたり、老害って言葉が似合いすぎて笑えるぐらいだ。

 

 丁度いい。いい感じに皮肉がきいた倒し方にもなるし、アレつかって倒してやるかね。

 

「いい加減決着付けようか。若い連中の頑張りをじっくり見たくてたまらねえんだよ」

 

「ご心配なく。あなたを倒したら私自らすぐに倒して差し上げましょう」

 

 カテレアの奴は俺は倒せると踏んでるのか、まだそこまであわててはいないようだ。

 

 まあ、フィフスの奴がアレ使っちまったからなぁ。ほかの奴らはまだ動けねえだろうし、余裕見せるのもまあ分かるか。

 

 和平が結ばれたら意味もなくなるし、抗体セットであいつらに渡すつもりだったんだが、あの野郎覚えてろよ。

 

「丁度いい。お前にいいものを見せてやるよ」

 

 取り出すのは俺のとっておき。

 

「・・・なんですかそれは」

 

「俺の研究の集大成。戦争なんぞよりよっぽど面白い、人造神器だよ」

 

 そして追加で見せてやるよ。せいぜい目玉ひん剥いてて驚きやがれ!

 

禁手化(バランス・ブレイク)!」

 

 そう、これが俺の開発した正真正銘の傑作。

 

 伝説のドラゴン、黄金龍君(ギガンティス・ドラゴン)ファーブニルを封印した、現状作れるなかでは最高クラスの出力を発揮する、正真正銘の俺の奥の手!

 

堕天龍の閃光槍(ダウンフォール・ドラゴン・スピア)の禁手、|堕天龍の鎧《ダウンフォール・ドラゴン・アナザー・アーマー》だ。・・・どうだ、すげえだろ?」

 

 俺の全身を包む黄金の鎧。

 

 ヴァーリのおかげで洒落にならないレベルで研究が進んだからこそできたわけで、封印している者がモノだから爆発的な力を発揮する。

 

 おお、やっぱり驚いてやがるな。

 

「バカな!? フィフスの話ではまだそこまで研究はすすでいなかったはずです!」

 

「あいつも結構研究には関わってたがな。ヴァーリの相方で研究畑じゃない奴が、奥の奥まで知ってるわけがないだろうが」

 

 まあ、それでも相当深いところまで調べてたと思うけどな。

 

 下手をすりゃあ、今回の戦闘データで模造品ぐらいは作れるかもしれねえし、要警戒か。

 

「さぁて、それじゃあ来いよ。相手してやる」

 

「この・・・舐めるなぁあああああ!!!」

 

 カテレアは全力でこっちに突進する。

 

 オーフィスの力を受けているのはだてじゃ無い出力だが・・・今の俺の敵じゃあない。

 

 真正面から弾き飛ばし、逆に一撃を叩きこんでやった。

 

「フ。・・・楽勝」

 

「こ、の舐めるなと、言ったはずです!!」

 

 振り返ると同時に、左腕に触手がまきついた。

 

 触手はカテレアの腕が変化するように現れたもので、いつの間にやらなんか文様が浮かんでいる。

 

 この文様、自爆用か?

 

「この身を以って三大勢力の一角を崩せるなら意味もありましょう! わが命を込めたこの呪術、私が死ねばあなたも死ぬ!!」

 

 なるほどな。

 

 確かに、言うだけの効果を発揮できるほどの術式は込められているだろうな。

 

 俺の力でもこれを解くのは無理だろうが・・・。

 

「いまどきそんな流行らねえもんに付き合う気はねえよ」

 

 槍を出してスパッと一閃。

 

 よし、切れた。

 

「な・・・・自分の腕を切ったですって!?」

 

「お前程度なら腕一本がちょうどいいぐらいさ」

 

 むしろ高いぐらいだ。その分お題はもらってもらうぜ?

 

「そんじゃぁ、あばよ!」

 

 堕天龍の鎧の力を込めた光の一撃、お前さんじゃあ耐えられないだろう?

 

 実際、自分でもやりすぎた出力の光は一瞬で奴を飲み込んでいった。

 

 じゃあな、カテレア。思ったよりてこずったぜ。

 

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