ハイスクールD×D 転生生徒のケイオスワールド   作:グレン×グレン

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本来ならもうちょっと時間をかける予定でしたが、ある事情により活動報告を更新したのでちょっと客寄せも兼ねてアップ。

ぜひ見ていただけると幸いです。この作品を見ていただける方なら、きっとおそらく気に入るはずの情報ですので。


つい、やっちゃいました。

 目の前に、壮大な光景が広がっていた。

 

「おかえりなさいませ、リアスお嬢様!!」

 

 まるで国賓を迎える空港も真っ青になるレベルで、壮大な歓迎がなされていた。

 

 なにやら空には騎士が舞うし、楽隊が一斉に音楽を鳴らし始めるし、空には花火まで上がっている。

 

 ・・・恐るべし72柱。想像をはるか凌駕するものすごいスケールだ。

 

 国家の首脳陣だってここまでの待遇は受けないんじゃないか? どんだけだよ。

 

 ギャスパーにいたっては顔を真っ青にさせてるしな。・・・死ななきゃいいんだが。

 

「ただいま、皆。ありがとう」

 

 部長も動じることなく優雅に応じている。やはり慣れか。

 

 さっき聞いたが領地は日本の本州ほどもあるとのことだし、スケールが違いすぎる。

 

 そんななか、グレイフィアさんが一歩前に出てきた。

 

「おかえりなさいませお嬢様。道中、ご無事で何よりでした」

 

 そう言って一礼するグレイフィアさん。・・・うん、美人だ。

 

 この人結婚とかしてないのだろうか。どう考えても引く手あまただと思うのだが。

 

「さあ、本邸までは馬車をご用意しています。眷属の皆様もお乗りください」

 

 ものすごい豪華な馬車が目に映る。

 

 うっわすげえ豪華! 馬もなんか特別製っぽいし、どんだけだよ!

 

「なかなかいい趣向じゃない。これならついてからも期待できそうね」

 

 アーチャーは動じていない。さすがは神代の王族。ケタが違うのはこちらも同じか。

 

 荷物のほうを意識して後ろに視線を向ければ、既に数多くのメイドさんが運び出ししている。さすが貴族だ。行き届いている。

 

 ここまで豪華な迎えられ方をされたのは初めてだが、これを何度も体験することになるんだろうな。

 

 うん、調子乗りそう。

 

 イッセーたちはグレイフィアさんと一緒に部長と同じ馬車に乗ることになった。俺も一緒に乗りたかったが、定員があるしナツミが不安げに裾をつかむので他の馬車に乗ることにする。

 

「さすがは72しかない上級悪魔の名門なだけあるわね。馬車一つにしても手入れが行き届いているわ」

 

「ま、グレモリーの姫様と眷属をのせるってーならこんなもんだろ。驚くほどでもねーよ」

 

 正真正銘の王女様(アーチャー)総督の直属(小雪)は平然としているが、俺はさすがに緊張してしまう。

 

 まさかこんな豪勢な馬車に乗る機会が人生にやってくるとは思わなかった。

 

「う、うぅ・・・。だ、大丈夫だよね? うっかり物壊して弁償させられたりとか、ないよね?」

 

「ないない。その辺のものよりよっぽど頑丈にできてるだろうから安心しろ」

 

 俺はナツミの頭をなでてなだめながら、馬車の外に視線を向ける。

 

 ・・・道一つとってもセンスがいいな。どんだけだよ上級悪魔。

 

 おっと、そんなことをしている場合でもなかった。

 

 俺は地図を取り出すと片手で広げてざっと目を通す。

 

 部長の眷属となったことでグレモリー領の土地をもらえることになったが、これは非常に重要だ。

 

 魔術を利用すれば土地運用に置いて破格の効果が得られるだろう。

 

 さまざまな不運や災厄などかシャットアウトされた安全な環境。それは必然的に成功を舞いこむ土地となる。

 

 俺単体でそこまでのハイスペックはできないだろうが、アーチャーがいれば可能になる。

 

 だが、それを可能とするためには土地そのものの属性や龍脈など、注意するべき点も数多い。

 

 それらを踏まえたうえで有効な土地を見つけ出さねばならない。

 

 将来的にはその時のノウハウをもとにグレモリー領をはじめとする土地を魔術的に開発するというビジネスをつくりたいところだ。

 

 魔術師たちの本領が発揮されるし、それによって魔術師の地位向上ができれば奴らも落ち込んだり暴走したりすることもあるまい。

 

「・・・やはり地図の上からじゃ分からんな。アーチャー。広域探査用の礼装をつくれないか?」

 

「作れるでしょうけどここまで広大な土地だとさすがに時間がかかるわね。本格的に土地をもらうのは騒ぎが収まってからの方がいいんじゃないかしら」

 

 やはりそういうことになるか・・・。

 

 禍の団との戦闘は早めに終わらせたいところだな。

 

 そうすれば、待っているのは俺の黄金時代・・・!

 

「あの、実質怖いですよ、その笑顔」

 

 ベルのツッコミが辛辣だったが、ああ、気にしない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 グレモリー本邸での出来事は本当に衝撃的だった。

 

「おかえりなさい、リアスお姉さま!!」

 

 サーゼクス・ルシファーのご子息、ミリキャス・グレモリー。

 

 魔王が称号と化しているが故にグレモリー姓だが、正真正銘魔王の血を引く少年だ。

 

 ちなみに、魔王さまについての情報は既に把握しているので母親についても情報は入手済みだ。

 

 意外というか納得というか・・・。

 

 部長の次の当主候補だそうだが。見る限りでは利発そうでかつ礼儀正しいと人格面においては現状問題はないだろう。

 

 こんな優秀な孫がいながら娘の結婚を焦るとか、グレモリー家元当主はちょっと跡目問題にビビりすぎではないだろうか?

 

 そしてグレモリーの親で驚かされたのは彼女。

 

「うちのリアスがお世話になっているわ。・・・よろしくね、新しい眷属悪魔さんたち」

 

 ・・・部長と外見年齢が変わらない人が、部長の母親だった。

 

 悪魔は外見をある程度自由にできると聞いてはいたが、まさか女子高生レベルの外見にしているとは思わなかった。

 

 ヴェネラナ・グレモリー。亜麻色の髪が美しい、正真正銘リアス部長の実の母親。

 

 外見は髪の色と目の形以外は部長そっくり。親子なだけあるというべきかどういうべきか。

 

 ちなみに、彼女達と出会った城は非常にでかいが、あくまで本邸であり他にも城はあるとのこと。

 

 スケールが、でかすぎる。

 

 しかもイッセーの両親の土産に城を用意しようというレベルだ。

 

 ・・・しかし、今はそれどころじゃない。

 

「それではイッセーくん。これから私のことはお義父さんと呼んでくれて構わないよ」

 

 おいちょっと待て主の親。

 

 なぜいきなり婿入り確定の話になっている。

 

 部長がイッセーのことを大好きなのが知られているのはまあいいだろうが、告白のこの字も出てないはずだぞ?

 

 なぜ付き合っているような状態になってるんだ?

 

 さすがに性急すぎと奥さんにたしなめられているが、性急ってレベルでもない気がするんだが・・・。

 

「ではイッセーさん。あなたには少しの間、紳士的な振る舞いというものをお勉強してもらいます」

 

 はいアウト。

 

 奥さんも奥さんで性急ですよ。

 

 だめだこいつら。イッセーと部長をくっつける方向で既に方針が固まっている。

 

 ライザーとの婚約もそれがからんでいたのだろう。早いうちに婚約させて家を盤石にしようとかそんな感じがあったりするんだな。

 

 孫いるだろうがアンタら!!

 

 仕方がない。ここは俺が動くしかないか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アザゼルSIDE

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかしまー、会談に予想以上の時間がかかったな」

 

「まぁ、あんなもんは時間かかるって相場が決まってんだろ」

 

 小雪といっしょにぼやきながら、俺たちはグレモリー邸の廊下を歩いている。

 

 既にあいつらはメシ食ってる時間だろうが、わざわざ待っててくれたこいつには感謝しないとな。

 

「それで? 会談の方は大丈夫だったのかよ? ファックな展開にはなってねーだろうな」

 

「それなら安心しろ。どいつもこいつも平和主義者ばっかりでちょっと拍子抜けしたぐらいだ」

 

 良くも悪くも悪魔側は内戦を経験しているのがいい感じになったな。

 

 徹底抗戦を主張していた旧魔王派は政府から排除されている。その歴史があるから表だって戦争再開を支持する連中は数少ない。

 

 魔王側はどいつもこいつも戦争に消極的どころか興味すらない連中だらけだからな。何の問題もない。

 

 そういう意味ではコカビエルが神の子を見張るものの一員だった俺達の方がよっぽど問題があるぐらいだ。内輪もめなんてない方がいいに決まっているが、ちと羨ましくなる。

 

 しかしそれはそれとして面倒なことをしてたのも事実だ。冷めてると思うが晩飯を堪能するとしよう。

 

 かのグレモリー家の晩餐だしな。さぁて食うぞ食うぞ・・・。

 

「・・・・・・それで、火急の要件とは一体何かね? リアスとの話も終わっていなかったのだが」

 

「それについては誠に申し訳ありません。ですがリアス様に万が一にでも聞かれる可能性は除外せねばなりません故」

 

 廊下の奥からグレモリー夫妻を連れて、宮白の奴があるいてきた。

 

 ・・・なんだなんだ? なにがあった?

 

 正直な話、あいつのことは結構評価している。

 

 神器とか禁手とかの話じゃない。政治的な内容の話だ。

 

 落胆しきっていた自分と同じ世界の転生者を説き伏せ、前向きにさせようと動くと同時、世界に悪影響を及ぼさないように誘導するなど、こいつの政治方面の才能は群を抜いている。若手悪魔の眷属内ならトップだろう。

 

 だから、アホな用事ではないと思うがいったい何があった?

 

 俺は嫌な予感がして足を速める。運よく宮白も俺に気付いたので急いで声をかけた。

 

「おい宮白。いったい何が―」

 

「・・・・・・だらっしゃぁああああああああっ!!!!!」

 

 顔面に光力満載の拳が突き刺さった。

 

 いいパンチするじゃねえか宮白。タイミングが良すぎるせいでよけれなかったぜ。

 

「あ、あああああああああアザゼルーッッッ!?!??!!」

 

 小雪の絶叫が耳に響くが、俺としてはそれどころじゃなかった。

 

 あれ? 俺、なんかしたか?

 




我慢できなかった兵夜君。

ちなみにこの暴挙には当然わけがあります。原作読んでる方ならわかるとは思いますが、ある意味でアザゼルが元凶なわけなのでつい暴発してしまったわけです。







































PS

ハーメルンにPixiv製Fate作品の中でも最高クラスと自分が評価している作品、Fate/sn×銀英伝クロスを考えてみた が改訂版で投稿されました。

自分の作品を読んでいる方々ならFateに対する知識もあると思いますが、この作品非常に完成度が高いです。まだ一話しかありませんが、これだけでもPixiv版よりも話を丁寧に作られているので、ぜひお気に入り登録をお勧めします。

詳しい解説や評価ポイントは活動報告にありますので、よろしければ読んでくださると幸いです。

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