鬼の一人旅   作:波美

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プロローグまでしか書いてないので当分ここまで。
♪〜俺はこいつ(村正)と〜旅に出る〜♪
\\ゥオオオォォォ〜〜//(怨嗟)


3話

結論から言おう。とてもつまらなかった。遊びにもなりゃしない。

 

なにがって?そりゃもちろん人間共のレベルが、だ。モンスターは出会った種族がゴブリンだったから、低レベルなのはわかる。

だが、この世界について何も知らない状況で武器を持った人間というのは警戒するに値する。ユグドラシルじゃ高レベルの人間種のプレイヤーは五万といたものだ。

だから装備や武器も神器級で揃えて、あまりふっていないMPにも関わらず高位の魔法を使ったのに………。

 

「拍子抜け……。やっぱりただの野盗か。村を壊滅させたからそこそこ実力あるのかもと警戒して損した。はぁ、MPの回復は時間経過しか手がないのに、結構消費するやつ使っちまった」

 

様々な殺され方をした骸の山の上に腰掛け、経津主は大きな溜息を吐いた。心なしか自身の愛刀の村正も相手の弱さに不満を訴えているように見える。

 

「ま、野盗を〈支配(ドミネート)〉して情報は聞き出せたし、多少役にはたったか」

 

聞き出した事と村の様子を見ての推察になるが、やはり此処はユグドラシルではないようだった。モンスターもいるしアイテムや魔法も使えるからもしかして…なんて淡い期待を抱いていたが、そんなもの簡単に打ち壊された。

 

「リ・エスティーゼ王国だとかバハルス帝国だとか、そんな国はユグドラシルには存在してないし、貨幣も違う。何故か知らないがユグドラシルの魔法が一般的に使用されてるから何かしら関係してるのかもしれんが……」

 

平行世界、というSFによくある設定もあるが……ユグドラシルはそもそもゲームだ。ゲームの平行世界ってなんだ。ゲームの中に入りこんだとかの方がまだ納得できる。

まぁ、無難に異世界……というやつだろうな。まるで物語のようだ。

 

「さぁて、これからどうするかねぇ〜」

 

知りたい情報は手に入った。武器や魔法の確認もできた。食料と衣服、貨幣も野盗から奪い取って手に入れた。

しかし、これからの目的は未定……いや、内心はもう決まっていた。

 

見て回ろうと思うのだ。この世界を。

ユグドラシルにどこか似た、懐かしい世界。

この世界にしかないもの、あの世界と似ているもの、そんなものを見比べてみたい。

自分の中にある思い出を忘れないように。

 

「帰る方法を探すってのもアリだが……あったとしても無理だろうなぁ。現実じゃ俺は死んでるし。戻った所で死体だ」

 

戻れないならば、帰れないならば、せめで思い出を胸にこの世界を生きてき行きたい。罪を背負いながら、いつ来るかもしれない死ぬその時(おわり)まで。

 

「あ、でも鬼の姿のままじゃあPK…討伐されるな。う〜ん、幻術ずっとかけ続けるのは効率悪いし、なんか良いアイテムあったかな………」

 

しかし、旅に出る前に一番重要な問題がひとつ。先程野盗が悲鳴を上げたように、今の自分は人間ではなく鬼だ。こんな見た目で出歩くなんて不可能だ。ヘルムを被って誤魔化そうにも、そもそも角が邪魔で無理だ。

アイテムボックスの中を思い出しながら漁っていると、ふとある仮面の事を思い出す。

 

「いや嫉妬マスク(これ)じゃなくて……あった!」

 

あまり良い思い出のない仮面は戻して、目的の物を取り出した。それは鬼を象った仮面で、鬼種族のみが装着できる『鬼封じの仮面』だ。

これを装備するとレベルは変わらないが種族スキルが一部使えなくなる上にステータスが著しく減り、外見も鬼の特徴ーー角や逆虹彩の瞳、鋭い爪などーーが無くなり人間とほぼ同じ見た目になれる。幻術や指輪を装着せずとも異業種であることを誤魔化せるアイテムなのだが、如何せんデメリットの方が大きい。

ユグドラシルでは鬼しか装備できない鬼封じとかどんなアイデンティティ損失アイテムだと馬鹿にしたものだが、一応保管しておいてよかった。

 

「これで見た目の問題は解決できるし、この世界のレベルはどうやら低いみたいだから、逆にこらくらい弱体化した方が合わせやすいだろ」

 

この仮面は別に顔に装着せずとも装備として扱えばその効力を発揮する。さすがに鬼の仮面を付けて出歩いたら鬼から人に化けたのに怖がられたり疑われそうだ。

 

「腰に付けるか……いや、頭の横に付けよう。ふふん、ちょっとカッコよくないか」

 

耳の上辺りで紐を結び、側頭部のちょうどいい所で調整して……仮面の能力を発動させる。魔法で水を集めて水面に映ったのを確認すれば、ちゃんと角も無くなって、瞳は変わらずに紅だったが普通の虹彩だった。爪も人間と変わらない。

 

「よしよし、上手くいったな。装備も落として〜……うん、これならある程度の耐性や弱点もカバーできるし、この武具はダメージ減少、こっちは筋力増強……。あと、武器はやっぱりこれ!村正だけは外せないよな〜」

 

鬼の総大将!って感じの希少金属やドラゴン素材で出来た最上武具や耐性付与の大盤振る舞いの着流しや羽織りをとっぱらって、だいぶランクの低い赤い着流しに黒い羽織り、胴や手足の武具のみという軽装に変える。

今装備しているのも耐久性や付与された効果は十分であるし、一人旅程度ならこれくらいでちょうどいいだろう。なにより愛刀であり相(愛)棒である妖刀:村正(こいつ)がいれば問題ない。

まぁ、こいつ抜くと自動発動型の〈鬼気〉が溢れ出て、抵抗できないと動きが鈍ったり最悪恐慌状態になるが………うん、あまり対人で使わない方がいいな。

 

「腰にさしてるだけでも物々しいというか禍々しいな……。普段はこっち使おう」

 

あ、なんか村正がショック受けたみたいに震えてるけど…スマン、モンスター相手ならちゃんと使うから。

 

もう一本の刀は「十の型:炎鬼」。鍛冶師の職業を使って作り上げた俺の作品の中では最高傑作とも言えるひと振りだ。建の使っていた「建御雷八式」にも劣らない代物だ。

これを背負い、あとは……属性変換のできる「五の型:神羅」も便利だから村正と反対側の腰にさしておこう。

 

ちょっと武器多いか……?本当は槍とか斧とかも使いたいんだが……自重しよう。どうせすぐ取り出せるし。

 

「ただ放浪するってのも味気ないし……そうだ!死獣天朱雀さんから地図の作り方を教わったし、世界地図に挑戦してみようかな。ぷにっと萌えさんも情報は大事だと言っていたから、ただの地図じゃなくそこに棲んでる種族や強さのランク付け、規模なんかも後付できるようにしよう。あとは、なんか趣味……あ、せっかくだからこっちでは鍛冶師の職業をメインにしてみようか。この世界の素材でオリジナルの武器を作ってみたい!建に負けないやつ!ふっふっふ、やる気出てきだぞぉ〜」

 

ぶつぶつと独り言を呟いたが、目標は定まった。

 

「よしっ、行くか」

 

 

 

ーーーこうして、一人の鬼の果てのない旅路が幕を開けたのだった。

 




さらっと出ましたが、建こと武人建御雷が主人公の親友です。彼に誘われてユグドラシルを始めたっていう設定。
以下、主人公が使うオリジナル武器

妖刀:村正…神器級アイテム。テキストには"数多の妖怪を斬り殺した末に怨念が溜まり妖刀と化し、手にした者を次々と呪い殺した"と載っており、持ち主以外が触れると恐慌や発狂などの状態異常にさせる他、殺された妖怪や元持ち主の怨恨が木霊する……らしい。
スキル等で耐性があっても、自身や相手にバフやデバフが付こうとも必ず攻撃がヒットする補助がある。

十の型:炎鬼…自身の製作した神器級アイテム。身の丈程もある大太刀で、黒炎を纏う。攻撃範囲の広い刀で、刀の軌跡や衝撃波に纏っている黒炎を付与して地獄の業火を味合わせる事ができる。

五の型:神羅…自身の作製した神器級アイテム。長さは村正と変わらないが、こちらは両刃。柄に孔が空いており、そこに元素魔法を結晶化させた珠を装着させる。込められた元素魔法(五大元素)の属性に合わせた攻撃が可能になる。

これも適当なのでふわっと流してください………(汗)
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