無論社長の足元にも及びませんが読んでいただけたらなと。
「で、話って何かしら?そんな真剣な顔して珍しいわね。」
私の前にお嬢様のような女の子が座る。
「鮮花、最近何か辛い事あった?」
私の前に座っているお嬢様の名前は黒桐鮮花。私の寮のルームメイトであり私が一目惚れした男の人……の妹でもある。
そして私は瀬尾静音。そんなに声を大にして言えることではないが未来を視ることが出来る。無論目の前にいる鮮花だって未来視のことは知らない。
今日鮮花を呼び出したのはその未来視で視てしまったのだ……鮮花が尋常ではないほど悲しむところを。そこで鮮花に起きるであろう不幸な出来事を私が出来る範囲でなんとかしようと思ったのだ。ルームメイトとしてこれくらいはやらないとね。
そこでさっきの質問をしたのだが返ってきたのは自分の予想とは大きくかけ離れたものだった。
「いえ……特にないけど。どうして?」
だとしたら鮮花に不幸が降り注ぐのはまだ後ということか、それでは私は何も出来ない。今回はお手上げだ。
「いえ、ただ聞いてみただけ。特に深い意味は無いよ。でもやっぱルームメイトなんだし何かあったら相談してね。」
「ありがとう静音ちゃん。そろそろ就寝時間よ。マザーに起きていることがバレたらめんどくさいし早く寝ましょう。」
そう言うと鮮花は部屋の電気を消した。
この2日後に自分の兄にとんでもない出来事が起こるとは知らずに……
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「これは面倒だ……相手は恐らく例の連続誘拐犯か……全く最近誘拐事件が多発しているのに誘拐されるなんて、警戒心のかけらも無いな……まぁ黒桐らしいと言えば黒桐らしいが。」
呆れたようにこう言ったのは煙草をふかす赤髪の女、蒼崎橙子だ。彼女はとてもまずい状況に置かれていた。
彼女は設計の仕事をたまにするのだが最近になって大きい仕事が入ったらしい。しかし頼れるアシスタントである黒桐幹也が誘拐されたのだ。恐らく犯人はこの街を恐怖に陥れている連続誘拐犯だろう。このままだと納期に間に合わない。そうなれば報酬であった大金だって水の泡だ。納期等を考えてもあと3日でなんとしても幹也を探さないといけないのだ。
「フン、誘拐されるなんて自分の警戒心が足りないからだろ。そんなの自分の勝手だ。それでトウコ、犯人の足取りは分かったのか?」
着物を着た中性的な顔をしている美少女、両儀式は橙子にこう質問した。彼女は幹也と高校の頃同じクラスだったらしく幹也とはかなり関係が深い。
「式にしてはかなり心配しているようだね。残念ながらまだ足取りは掴めていない。だが誘拐犯は毎回違った人間である、という情報はある。」
「トウコお前何言ってるんだ。それなら連続誘拐じゃないだろう。模倣犯とか何じゃないか?」
「いや、彼らには共通点がある。顔は違うものの服は上下白色で一般人の呼びかけにはビクともしないらしい。」
「ますます怪しい。それだけで連続誘拐犯と言えるのか?」
「私は彼らは誘拐犯に洗脳されているのではないか、と思っている。模倣犯にしてはあまりにも出来すぎているが誘拐犯に色々な人が洗脳されていると考えればそれも納得がいく。今回の事件、もしかしたら宗教絡みなのかもしれないな。」
宗教が絡んでくると一筋縄では行かなくなる。そうなればとてつもなく面倒だ。3日で救うことはほぼ不可能だろう。
「とりあえず行動してみる他はない。実はこれから大きい仕事が待ち構えていてな、3日しか余裕が無い。式、これは命令だ。今回の幹也捜索に付き合え。相手に本当に洗脳をすることが出来る力があるならあまりモタモタしていると幹也も洗脳されかねないからな。」
「トウコ、その事件、殺すことは出来るのか?」
「時と場合によっては、概念あたりを殺してもらうかもしれないね。」
「そういうことならオレも付き合ってやる。3日だな、分かった。あのバカを連れ戻してやる。」
「そうだ。その意気だ。」
こうして幹也奪還作戦は始まった。
今回はまえがきみたいな感じで
鮮花は多分どこかで出てくると思いますのでどうぞご安心を。