私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!   作:みかづき

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第3章 新世紀銀河伝説再び! 装甲勇者を大地に立て!(非)日常/非日常編 終劇

中世ヨーロッパ。

何も知らない人間にとってその言葉から連想されるのは

華やかなパリのイメージだろうか。

だが、現実のそれはカトリック的因習が支配する暗黒時代であり、数多の闇を孕んでいた。

”魔女狩り”はその闇の最たるものとして挙げられるだろう。

西洋史に疎い私でもその言葉くらいは聞いたことはある。

古くは黒魔術を使った者を処罰することから始まったそれは16世紀に最盛期を迎える。

魔女という概念はそのレッテルを貼られた者を処刑する免罪符に変わった。

無知蒙昧と社会不安が狂気と熱狂を呼び、多くの無実の人々が魔女として断罪され殺された。

貴婦人から農民の男性まで、それに身分や性別は関係なかった。

この狂気は全ヨーロッパに及び、

15世紀から18世紀までに推定4万人から6万人が処刑されそうだ。

百年戦争の最中にイギリス軍によって捕らえられて魔女として殺されたジャンヌ・ダルクのように

魔女の多くは火刑で処刑された。

燃え盛る炎の中で死に行く魔女を見つめる観衆達。

 

彼らの目に映ったのは、こんな風景なのだろうか・・・。

 

燃える、燃える、中世ヨーロッパが燃える。

処刑人の格好をしたモノクマが足元の藁に火をつけ、中世ヨーロッパの城を模った舞台セットの背景に火は瞬く間に燃え広がった。

火は蛇のように彼女の足に絡みつきその身を焦がした。

中世の魔女達が味わった地獄が再び現世に蘇ったのだ。

その地獄の中で・・・彼女は笑った。

セレスティア・ルーデンベルクは笑った。

午後のお茶を飲んだ後のような優雅な微笑を浮かべて。

セレスさんは笑ってみせたのだ。

熱くないはずがなかった。

祈るように握った手が小刻みに震え、彼女の顔は汗で一杯だった。

それでもなお・・・彼女は微笑を崩すことはなかった。

顔一面に汗を垂らしながら彼女が浮かべる微笑。

それは最後の最後まで強く美しくあろとするセレスさんの矜持そのものだった。

 

・・・美しい。

 

素直にそう思えた。

業火の中で笑う彼女の姿はまるで宗教画の人物のように美しかった

 

 

…だから私は、泣かないと決めた―――

 

 

セレスさんは・・・ギャンブラーだ。

超高校級の、誰もが認める本物のギャンブラーだ。

だからこそ、彼女は死ぬ。

本物であるからこそ、彼女は死ぬのだ。

”闇に堕ちた天才”だろうが、”怪物”だろうが、

ギャンブルを続けていればいつか負ける時が来る。

確率的にはそれは必然だ。

勝ち続けることなどできないのだから・・・。

ならば、彼女はいつか死ぬ。

命賭けのギャンブルを続けるセレスさんは、遅かれ早かれ死ぬしかなかったのだ。

ギャンブルによる死が彼女の運命ならば・・・この死に様はむしろ救いだ。

彼女が憧れた中世ヨーロッパの魔女達と同じように死ねるなら、

それはきっと祝福されるべきことなのだ。

 

 

…だから私は、泣かないと決めた―――

 

 

見届ける・・・くらいしか、私には出来ないじゃないか。

自己憐憫に逃げ込み、部員達の葛藤や苦しみにほんの少しも気づくことはなかった

間抜けで愚かな部長ができることは・・・それくらいしかないじゃないか。

それだけ私に出来るただ一つのこと。

だから・・・それだけは譲れない!

たとえ誰に否定されても、そのはじまりが全て嘘だとわかっていても、

仮初だろうが、偽りだろうが、たとえなんであれ、

部員の晴れ舞台を最後まで見届けるのは、部長の役目だ。

希望ヶ峰学園娯楽部の部長だけができることだ。

私にしかできない。

 

 

…だから私は、泣かないと決めた―――

 

 

ここで顔伏せてメソメソ泣いてしまったら今までと何も変わらない。

それこそブチ切れたセレスさんに殴られてしまう。

それじゃダメだ。

それじゃ安心させてやれない。

セレスさんが安心し天国に逝くことができない。

伝えるのだ。

希望を受け取ったことを・・・

 

セレスさんに

 

 

    ”私はもう大丈夫だよ!”

 

 

そう伝えるためにも・・・目を背けるな!

今だけでいい!今だけは強くなれ!

 

 

…だから…だから私は―――

 

 

 

次の瞬間、ふとセレスさんと目が合い、お互いなぜか笑ってしまい・・・

 

「あ・・・」

 

 

涙が・・・零れ落ちた。

 

(いかん!ダメだ!ダメだ!)

 

慌てて涙を拭い、顔を上げる。

直後、けたたましいサイレンが鳴り響いた。

これが外の世界だったら、それこそ涙を流すほど嬉しかっただろう。

だけどここは希望ヶ峰学園。

悪鬼に支配された絶望の世界。

希望などありはしない。

扉を跳ね除け、一台の消防車が現れた。

モノクマが運転する消防車は処刑場にまっすぐに向かっていく。

消防車は処刑場に近づくにつれ、速度を落とすどころかどんどん増していった。

その結末を予期し、絶望に胸を締め付けられた直後、現実としてそれは起こった。

速度を最高潮に上げた消防車は跳ね上がり、セレスさん目掛けて突っ込んだ。

凄まじい衝撃音と共に舞台セットは崩れ落ちた。

その崩壊により火のほとんどは鎮火した。

瓦礫の中、消防車の下に何かが見えた。

近づいてよく見ると、それは人の腕・・・セレスさんの腕だった。

 

死んでしまった。

セレスさんが死んでしまった。

 

中世ヨーロッパの華やかさに憧れた彼女が。

最後まで、強く美しくあろうとしたセレスさんが。

 

死んだ。

道端のカエルのようにひき潰されて死んだ。

セレスさんは・・・ぐちゃぐちゃに潰れて死んでしまった。

 

セレスさんの亡骸の前に立つ。

腕だけしか見えない彼女の前に私は立ち尽くした。

 

その横を

 

「ギィヒヒ」

 

残り火を消防士の格好をして鎮火したモノクマが嗤いながら通り過ぎていた。

 

 

彼女の最後のささやかな願いすら、黒幕は・・・アイツは踏み躙ったのだ。

 

 

その後ろ姿を私は見つめる。

拳を握り締め、震えながらその姿が消えるまで見つめ続けた。

 

それは恐怖でもなく、たぶん憎悪でも、ましてや絶望でもない。

それはきっとこの学園に来て初めての感情。

 

 

―――悔しかった。

 

 

悔しくて、悔しくて、悔しくて、悔しくて、悔しくて、悔しくて、悔しくて、悔しくて、

悔しくて!悔しくて!悔しくて!悔しくて!悔しくて!悔しくて!悔しくて!悔しくて!

悔しくて!悔しくて!悔しくて!悔しくて!悔しくて!悔しくて!悔しくて!悔しく・・・て

 

 ・・・悲しく…て

 

 

私は血が滲むまで拳を握り締め続けた。

 

 

 

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どれくらい時間が過ぎたのだろうか。

セレスさんの亡骸に別れを告げ、私はエレベーターで上に戻る。

赤い扉の部屋には・・・苗木君と霧切さんがいた。

あれからずっと、わたしのことを待っていてくれたのだ。

 

言わなければならない。

この人達に言わなければならない。

 

「あ、あの・・・」

 

伝えたい言葉がある。

どうしても・・・今だからこそ、君達に聞いて欲しい。

 

「わ、私は・・・も、もう一度」

 

それは外の世界ではきっと鼻で笑われてしまう言葉。

後々思い返したら赤面して足をバタつかせるような恥ずかしいセリフ。

 

それでも・・・それでも言わなければならない。

いや、言いたいのだ。

私自身がもう一度歩き出すために!

 

「な、苗木君!霧切さん!わ、私は!も、もう一度、希―――」

 

 

 

 ”おかえり、黒木さん!”

                

            ”おかえりなさい”

 

 

 

 

 

私はもう一度希望を信じたい―――

 

 

そんな小っ恥ずかしいセリフを言い終える前に、

苗木君に言われてしまった。

霧切さんに先に言われてしまった。

 

私が考えていることなど、彼らはとっくに推理済みだった。

苗木君と霧切さんには全てわかっていたのだ。

 

希望を信じて歩き続ける人達だから。

決して希望を捨てない人達だから。

 

私が言おうとしたことなど・・・お見通しだったのだ。

 

何かいろいろ言い訳を考えてみたが、

ここに至ってはもはや観念するしかない。

 

そう・・・私が言えるのはこの言葉だけだ。

 

 

 

    ”うん・・・ただいま!”

    

 

 

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脱衣場に全員が集まる中で私はセレスさんから渡されたものを取り出す。

それは、ロッカーの鍵だった。

該当のロッカーに鍵を差し入れ回す。

 

「おひさしぶりです!もこタマ!」

 

PCを開くと起動音と共にアルターエゴが・・・ちーたんが声を出した。

 

「あなたをここに隠したのはセレスさんね?」

「はいそうです!言われた通り、ずっとスリープしていました!」

 

霧切さんの問いにちーたんは明るく答えた。

 

「皆タマ、全員集まってどうしたのですか?あれ・・・?」

 

辺りをキョロキョロ見渡した後、

ちーたんは不思議そうに私を見つめ尋ねた。

 

 

 

 

”セレスタマは?山田タマと石丸タマはどこにいるのですか・・・?”

 

 

 

 

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物音ひとつない静まり返った娯楽室の真ん中に立つ。

誰もいない娯楽室の真ん中で私は手を広げる。

 

見渡す遊戯、全ては私の・・・私の・・・もの・・・ではない。

私のものなどはじめからなかった

ここにあるもの全ては誰のものでもなかった。

ダーツもビリヤードも何もかも最初からそこに置かれていただけだ。

ここはただの娯楽室だ。

ただそれだけだ。

でも・・・それでも、ここは私にとっての陽だまりだった。

 

いたんだ・・・”娯楽部(わたしたち)”はここにいたんだ・・・!

 

「・・・これも片付けないとね」

 

娯楽室の後片付けを始める。

山田が持ち込んだコタツを運ぶ。

一人だとこんなに重いものなのだろうか。

それでも私ひとりでやるのだ。

これが部長としての最後の仕事なのだから。

あらかた片付いて、残りは両手で持てるだけの量となった。

コルクボードの写真を外す。

娯楽部の最初で最後の写真。

私もセレスさんも山田も・・・みんなが笑っていた。

この時も二人は様々な葛藤を抱えていたはずだ。

それでも、この時は・・・この瞬間のこの笑顔に嘘はなかった。

それだけは信じることができた。

写真を荷物の上に乗せ、私は部室を出て扉を閉める。

 

「娯楽部」

 

そう書かれた張り紙を見る。

山田が書いたその張り紙を外すことで娯楽部は終わる。

ただの娯楽室に戻るのだ。

 

「あッ・・・」

 

張り紙に手を書けた時、バランスが崩れ、荷物の上に乗せていた写真が宙を舞った

 

 

その時―――

 

 

 

 

 

 

 

    ”黒木さん!”

    

          ”黒木智子殿!"

             

 

 

 

 

 

声が・・・聞こえた―――

 

 

 

 

 娯楽室

 

 

 

 

 

プレートにそう書かれている部屋のドアを開く。

 

 

 

 

 

”あら、こんな時間に起きるなんて、黒木さん、アナタは本当にどうしようもないクズですわね”

 

 

 

”まったく正真正銘のクズですな。まあ、我々もさっき来たばかりですけど”

 

 

 

そこには自堕落でクズな“悪友”達が私を・・・

 

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悪友・・・達が・・・わ、私を・・・

 

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私を・・・うう・・・ま、待って・・・

 

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ううう馬鹿ぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  山田の馬鹿ぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    セレスさんの馬鹿ァあああ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私が希望ヶ峰学園から出られないのはモノクマが悪い!

 

 

 

 第3章 新世紀銀河伝説再び! 装甲勇者を大地に立て!(非)日常/非日常編   終劇 

 

          

   [死亡] 石丸清多夏 山田一二三 セレスティア・ルーデンベルク

 

   [“希”還] 黒木智子

 

 

 

 

 

 

 

 

    生き残りメンバー 残り―――8人

 

 

 

 




【あとがき】
第三章の最終話にして最終話?いかがだったでしょうか。
前話と合わせて書くことも考えましたが、長すぎるという理由で断念しましたが、
今回、書き終えてやはり分けて正解だったと思います。
個人的にはいいもの書けたと満足しています笑
再起の物語と位置づけられたこの章ですが、どうだったでしょうか。
私としては2章と3章は対になる物語で2つで1つと思っています。
2章では不二咲と大和田。3章では山田とセレスがいい働きをしてくれました。
どちらの章でも重要人物となる石丸はこの作品における希望をもっとも体現した人物であり、
それはもこっちに引き継がれます(”イマワノキワ”でそれがわかります)


■もこっち”希”還する
再”希”と迷いましたが、
帰ってきたという今回の話を考えればこちらの造語の方がいいかと思いました。
もこっち、何気に卒業を除いてコロシアイ学園生活の最中に
希望に戻った唯一のキャラとなる(私の知識の範囲では)

■もこっちは苗木にとっての希望

苗木は等身大で苦しむもこっちを実の娘を見る心境で見ている節があります。
そのため今回のことは本当に嬉しかったと思います。
それについて江ノ島は分析済みで、それは5章での話になります。

■江ノ島は最後までもこっちを分析できなかった

江ノ島盾子というキャラに関しては解釈は難しいですが、
この作品では、人というより魔人であり、生きることに退屈しきっています。
彼女にとって今までの人生は大人が赤ん坊(その他の人間)とガチバトルを強制されているようなものであり、
どんなに手を抜いても負けることがないため、基本的に全て舐めプです。
超高校級達には一定の敬意を持っていますが、
全員をあっさり倒し、記憶を奪った実績から、やはり舐めています。
超高校級に対してそれなので、もこっちなど本当の意味で眼中にありません。
また本能的にサプライズ(自身が脅かされるような)を求めています。
それに対してもこっちは、誰よりも苗木よりも超高校級の”絶望”がどんな人間か
理解しています。
それが今回のセレスの処刑でよりはっきりしました。
この両者の認識の差が、5章において江ノ島の人生最大の屈辱をもたらすことになります。
それでも最終章において江ノ島はもこっちの才能を分析し、完璧な対策を打ってきます。
それでもなお勝てなかったのは、人間を才能の有無で断定し、
もっと本質的なものを見てなかったのでは・・・と結果論から思います。
でも、それは超高校級達のイマワノキワを分析できるか?と同じことなので
そもそも分析できないことで、江ノ島の性格や実績から気づくはずもなく、
なにより江ノ島自体、勝つ気なんてないので、
うん、考えれば考えるほどやっぱり江ノ島って面白くて難しいキャラですね。


■最後に

前話でいろいろ言ったので、これ以上あまりいうことはありません。
作品に対する熱意は消えてないです。
ただ書く体力とかメンタルとか全て含めいろいろ劣化したと感じています。
そのため連載というかたちは難しくなりました。
だからいったん完結(打ち切り)としたいと思いました。
それでもこの作品を書いてよかったと思います。
この作品を書く中で読者様から
”感動した”とか”二次作品で一番好き”というような言葉を頂き
この作品を書くことができて本当によかったと実感できました。
引退はした・・・つもりですが、
この作品に対する熱意は燻っているのは本当です。
また私の引退の決意はこの世界にとって何の価値もなく
プロレスラーの引退より軽いと理解しています。
そのためもし完結したはずのこの作品がなぜか第4章がスタートしているという
不可解な事象が起きた場合も「ああ、そうですか」程度に思って頂けたら幸いです。

本当に最後ですが、
もしこの作品を原作を知らないで読んだ方がいたら是非、原作をご覧ください。
どちらもすごく面白いです。

それでは今まで本当にありがとうございました。

みかづき



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