家(…Endを踏破した両親の研究所)に帰り、適当な部屋に入る。すると、当然居場所のない2人は着いてくるわけで…。
「あー。イヴとレイは同じ部屋でいい?」
「はい。構いません。」
「うん。そっちの方がいい…です。」
イヴは、きちんとした敬語なのだが、レイは結構おかしい。なんの違いだ?
「ねぇ、2人はどこで出会ったの?」
「私たちはあの冒険者のところで会いました。それが2週間ほど前です。」
意外と最近だな…。
とりあえず、2人を適当な部屋に案内し、そのへんの掃除ロボにベットを運ばせる。
忘れている人も多いと思うが、父は天才発明家なので、この手のロボットが大量にある。ほとんど電気で動かすものだが、魔力で肩代わりさせられるタイプも幾つかある。
「あの、この部屋にベットを運ぶ必要ってあるんですか?」
何を言ってるんだろう?もしかして布団派だったのだろうか?というか、この世界に布団なんてあるのだろうか?そんなふうに考えているとふと気づく
「あ!いやいや、夜伽とかはさせないから、簡単な家事とある程度の戦闘だけで十分だしそんなことをしたくて2人を助けたわけじゃないから。」
気軽に接していたので忘れていたが、2人は立場上奴隷だったのだ。
「それと、俺のことは『ご主人様』とかって呼ばなくていいから、普通に名前でね。」
ありがちだが少しずつ2人は奴隷じゃないと意識させて、ある程度強くなったら解放しよう。
「明日は実際に戦闘になるから、ゆっくり休んでね。あと、出来ればでいいんだけど、朝ごはんを作ってくれたらなぁ…なんて。」
夕飯はさっき外食をしたからいいとして、朝から外食できるほど金を持っていない。
風呂も済ませてあるので、あとは寝るだけだ。
2人におやすみと告げて、部屋に戻る。
「優しそうな人だね…」
レイはイヴに話しかける。彼女はまだ奴隷歴が短く、1週間ほど奴隷商のところで生活しすぐに買われて今に至る。
つまり実質3週間ほどしか奴隷ではない。
それに対し、イヴは生まれてからすぐ奴隷になったので(親に売られたため)彼女の奴隷歴は16年にも及ぶ。
いくら同じ歳でも、奴隷歴の違いがしっかりと現れている。
レイは久々の柔らかいベットを堪能し、イヴは初め触るフカフカのベットに戸惑っていたが、今までの疲れからか、すぐ微睡んでしまう。
朝起きると、彼女は柔らかいものに包まれる感触に驚く。
ベットの気持ち良さが恋しく離れたくないなと思いつた昨日主人に言われたことを思い出した朝食を作り始める。
隣で気持ちよさそうな寝顔を浮かべているレイの頬をつつきながら起こす。
「あ、おはようイヴ姉」
思いのほか目覚めがいいらしく、シャッキリとした顔で寝室を出て行ってしまう。
冷蔵庫の中にあるもので簡単な朝食を作り終えると、主人が起きてくる。
「あ、2人とも顔は洗った?水は好きに使っていいからね。あと、朝食ありがとう。…もしかしたら俺の分しかないんじゃないかと思ったけど、ちゃんと三人分あるね。2人が顔洗ってきたらみんなで食べよう。」
「あ、すみません。私たちは食べませんのでご…クエイフ様が全て食べてしまっていいですよ。」
「うん、俺今みんなで食べようって言ったよね。聞いてた?というか聞いて。お願いだから」
程なくして朝食を食べおえ、装備を整える。
「今日は塔に行く前にお互いがどんなことが出来るかを知るために訓練をしよう。というか、2人とも背伸びた?急に伸びた感じするんだけど?しかも、イヴは目のやり場に困るし…」
2人はきちんとジョブに就き、それなりの栄養のあるものを食べたために、大人へと成長したのだ。
ジョブに就くというのは、一般的に成人を認められることでもあるため、そこから急成長することは珍しくもない。
最もゲームにはなかった設定のため、クエイフは知らないし、奴隷の2人がそんな知識を持ち合わせているはずもない。
「まぁ、細かいことは気にせず、2人も感覚が掴めないとかもないんでしょ?なら、いいかな。」
地下にあるロボットの性能を試すための広場でいくつか的を用意する。
「2人ともあれを壊してみて、手段は基本選ばないけど、自分の体を犠牲にとかはやめてね。」
俺が言うと2人は各々武器を構える。
イヴが的に向かい杖を構えると、謎の声が話し始める。まさか塔の外でも使えるとはな…
〔膨大な魔力が杖の先に集中する。赤黒く光る魔力は【フレイム】の魔法を放とうとしているらしい。〕
使う魔法の補足を入れてくれるらしくかなり便利だ。
彼女の魔力が高まると同時に、綺麗な金髪がふわりと浮いて、ゆらゆらと宙を漂う。
一瞬あとには、黒焦げになった的と、勝ち誇ったような顔をするイヴがいた。可愛い
「次は私!」
完全に敬語を忘れ、レイが腕に取り付けてある小型のクロスボウを構える。
イヴがまだ離れきっていないのに、的の方に走っていくと、イヴを
そう、彼女は空を飛んでいたのだ。背中に白い翼を生やし、空を舞っていたのだ。
「まじか…!?」
そのまま、連続で、的に向かいクロスボウを放つ。一撃も外すことなく、人なら急所にであろう場所に刺さっており、確実に絶命してるであろう打ち込みだった。
「いえい!」
そして、無邪気なドヤ顔をしているのであった。やっぱり可愛い。
続く
うーん。戦闘してなかった。