…End   作:吉良吉影に憧れる者

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街での話を少しと、商人に会う話(前から言ってる2()()をなかなか出せなくてもどかしいです…)


第17話

『…End』から、出た俺達は1度研究所に戻る。で、そのまま風呂はいって寝た。ラッキースケベとかはないし、夜伽もやらないと言った以上そのへんの期待も出来ない。(なんなら2人のガード硬すぎません。この手の話ってもう少しそのへんがフラットな感じになるんじゃないの?)

俺は寝室に向かうと、引き出しからいくつかのノートを取り出す。

神からの餞別と言いたいところだが、あいにくこれは元々俺の持ち物だし、死んだ時に持っていたものは殆どこの世界に持ち込まれている。

ただし、鞄の中身はスマホと財布、折りたたみ傘とノートが5、6冊だけ。

俺もよく覚えてないが(この世界の出来事が濃すぎたため)確か、コンビニに行こうとしていたはずだ。だから大したものは持っていない。まぁ、折りたたみ傘を持ち歩くのは癖なんだ。

で、今回重要なのはこのノート。スマホはもちろん使えないし、財布の中身なんて、有って無いようなものだ。(野口が1人とレシート&小銭)

このノートはなんなのかと言えば、『…End』の為のノートだ。皆も経験がないだろうか、ゲームなんかで面白い戦い方や戦術を考えた時にメモっておいたり、必要なアイテムやモンスターの情報なんかをまとめたりした覚えがないだろうか?

いちいちスマホで、ググッてたら欲しい情報はなかなかピンポイントで手に入らないし、スマホが使えない時に困る。あと、暇つぶしに眺めたりするのにも使ってる。

まぁ、この『…End』の為のノートだが、新たな情報を書き込み、効率的な戦闘方法を考えるために使う。

本来俺はすぐに物事を考えられるような性格ではないが、こういった戦術を前もって考えておくのは得意だ。もう既にいくつか思いついてるから明日試すか…。

翌日─

「おはようございますクエイフ様」

「クエイフ様おはよう。」

どう見ても寝起きのはずなのに金色の髪が一切乱れていないイヴと、俺でもそれは整えるぞというレベルの寝癖をつけたまま朝食を食べようとするレイ。綺麗な髪が台無しじゃないか…。

「レイ、カモン」

「?」

どうやら、英語は通じないようだ。(まぁ、あるわけねぇけど)

「レイ、ちょっとおいで」

何故か俺の言葉にイヴがビクリと震えるが、レイは物怖じせずにこちらに向かってくる。

「いいかーレイ?身だしなみってのはな、きちんとするに越したことはないんだぞ?せっかく綺麗な赤髪なんだから、手入れはきちんとしておけよ?」

「んー?イヴ姉に髪洗ってもらってるから大丈夫!」

その自信はどこから来るんだよ。あと、二人一緒に風呂入ってたのかよ。道理で見当たらねぇはずだ。

「あの、ご主人様。図々しいお願いで恐縮ですが、私も頭を撫でていただいてもよろしいでしょうか?」

これそうゆうゲームじゃねぇから。

因みに赤髪の方はわしゃわしゃって感じなんだが、金髪の方はサラサラって感じがしてどっちも手触りがいい。

「ンンッ!話は変わるが、今日は2人の装備を見直すことにする。いや、俺の装備もか…」

あと買い出し。なので、結構やることがある。(あと、手に入れたアイテムを売りに行かなきゃならん、ので結構ハードスケジュールだ。)

「今日の予定を確認しておくぞー?あ、イヴはそのまま聞いててもらって構わない」

朝ごはんを作っている彼女はそのまま続けてもらいつつ、話を進める。

「とりあえず、『大倉庫』に行って、魔石以外の物を売ってくるだろ。次は商店街の方で食料品と回復薬を買って、寝袋は家にあるから買わなくていいな。どっかの鍛冶屋で、矢の補給と新しい杖を買って、アイテム売ってどのくらいになったかによるけど、俺の剣を新調して、出来れば槍か斧が買えればいいな。で、そのまま『…End』潜って、予定では1週間は潜る予定だから。で、イグの洞窟を攻略する流れで、よろしく!」

まぁ、『…End』内での風呂や服の替えにはあてがあるから大丈夫。(イヴの魔法に頼ってしまうあたりが情けない。)

『大倉庫』にて─

「全部で200Gになります!」

「あ!?ばかいえ、この量のアイテムだぞ?ゴブリンの皮1つで100Gあるはずなのに、全部で200だなんて頭のおかしい値段になるわけねぇだろ!」

なお、俺の言っている値段はゲームの相場である。100Gなんて、ゲームだったら秒で稼げるわ。

俺は続けて、受付嬢の様な人を怒鳴りつける。

「ならいいぞ!こんな所では売らねぇからな!」

割と大きな声で怒鳴っているが、現実の夏のコミケ的なあれよりも賑わっているここではさして目立たない。

「そう言われましても、それが相場ですし…」

「おいおい、嬢ちゃん。()()()()()()()()()()()()()。」

俺たちの後ろにいた無精髭を生やすガタイのいい大男が、受付嬢らしき人物に声をかける。

()()()()()()()()()()()()()()()()()

「はぁ、もしかして初めての売却って嘘なんですか…?」

「いや、それは本当だよ。ただ、これだけ売って200だなんて、どう考えても欲張りすぎだから」

俺が肩を竦めて言うと、後ろの男は豪快に笑う。

「ハハッ!そりゃちげぇねえ!だが兄ちゃん。根性座ってんな。『大倉庫』とはいえ、公務員にはまちがいねぇのに、反論するなんてよぉ!」

「フッ!あいにく俺の故郷では公務員ってのは、あんましあこがれの職業ってわけじゃねえんだよ。なんせしょっちゅう問題を起こすからな。」

そりゃちげぇねえ!と、また豪快に笑い出す大男さん。

「ま、この辺の公務員も問題は起こすけどな!例えば新人探索者を騙してアイテムを安く買い叩くとかな!」

意地悪そうに方目をつぶって受付嬢をみる。どことなくキザったらしくて決まったポージングだ。渦中の受付嬢は、どこ吹く風で、よそ見をしている。ただ、少しバツの悪そうな顔をしているのを見ると、この人にはよくバレて怒られているらしかった。

「で、ホントの値段は」

「50Gよ。」

ゴツン!

おいおい、グーでいったぞ。

「うぐッ!痛いわねぇ!何すんのよ()()!」

「いいから、さっさとホントの値段を言ってきっちり払わんか、このバカ娘!」

バカ息子はよく聞くけどバカ娘って…

てか、親子かよ!

その後、もう一悶着あったが、無事2000Gほど手に入れた。(これでも、結構買い叩かれた方だと思うけどな…)

なお、本当の値段を言った時に、

「てめぇ!10分の1も下げてたのか!このバカ!」

と言われて、もう1発くらっていたことは俺の心に留めておこう。

『大倉庫』での、くだらない話が思いの外長くなってしまったが、レイの矢も、イヴの杖も新しく買うことが出来た。しかし、2人の防具と買ったため、おれは槍と鎌を買っただけになった。(武器の新調は出来ずじまい…)

続く




捕捉コーナー
大倉庫─『…End』や、ほかのダンジョン、フィールドでモンスターを倒すと、素材や、アイテムがドロップすることがある。それらを直接加工所に持っていくのは大変だし、わざわざクエストにすると高くなるという理由で商人たちがより集まって、冒険者や探索者の持ってくる素材を全て保管しておく施設。売却と保管の役割を担っており、加工所はここから素材を買うことが多い。このシステムが導入されてからしばらく経ったある日に、国が正式に認め、資格を持った人がこの倉庫を管理するようになった。受付嬢達は、大抵鑑定系のスキルを持っている。
彼ら彼女らの儲け方としては
探索者や冒険者から、ある素材を100Gで買ったとする。それを加工所に500Gで売ると差額の400Gが、そのまま利益になるのだ。
なので、初心者や初めて売却に来た人は大抵買い叩かれて、先輩や周りの反応で買い叩かれていることに気づく。なお、気づかないバカもたまにいる。
探索者─『…End』を含めた『人類未到達エリア』を、探索する人のこと。
冒険者─『人類未到達エリア』以外を探索する人で冒険家業を生業とする人、クエストばかりやる冒険者や、『人類未到達エリア』の到達している部分(…Endで言うとイグの洞窟)で、お金を稼ぐ人を指す。
人類未到達エリア─名前の通り人類ないしモンスターが到達した事の無い領域。『…End』や火山の中、深海に宇宙のことである。その中でも、『…End』は最高難易度とされている。現在人間が確認している中で人間が到達できていないのは、『…End』、『変化の里』、『亜人の街』、『混合都市』、『龍国家』、『神々の大陸』である。火山や、深海、宇宙は理論上到達可能エリアとされており、魔法ないし科学技術の発展によっては到達できるらしい。
補足が長くてすみません!『…End』以外の人類未到達エリアはあまり関係ないです!
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