塔を探索していると、ゴブリンメイジに出会う。
「イヴ、こいつの特徴、ちゃんと覚えてるか?」
「はい。目の色によって使ってくる魔法や弱点属性が変わるモンスターですね。単体で現れる時にはそれほど強くもないですけど、ゴブリンやアーチャーゴブリンと連携してくる時には優先的に倒さなきゃいけない。…ですよね?」
ゴブリンメイジとはかなりの距離があるため、お互いに確認をしておく。(と言ってもイヴとレイの2人に教えるだけだが…)
「連携してくる時に優先的に倒す理由は何だっかな、レイ」
「えーと、……目の色に関わらず回復魔法を使えるから?」
「2人ともよくできたな。えらいえらい。じゃ、俺が剣で斬るから、防御魔法と攻撃補助魔法かけてくれ。合図をしたらボウガンよろしく。」
「分かりました、【ダメージソード】。防御の方は強めにかけておきますね。盾あらんことを【スーパーシールド】」
どちらもゲームではあまり出番のない補助魔法だが(基本敵には自分一人で敵一匹を相手するので、わざわざ補助魔法をかけるぐらいなら、攻撃を優先する。まぁ、もちろん全シリーズ通して、全ジョブでのクリアというのはやってきたのだが。)
レイの方は、軽く頷くとボウガンの手入れを始めてしまった。流れるような金髪を撫でたあと、邪魔にならないように赤髪をサラッと撫でる。うん、可愛い&素晴らしい
「ガーゴイルのお陰で上がったレベルの成果を見せてやろう!【終滅斬】ッ!」
この技は名前は最高に強そうなのだが実際の威力はそうでも無いという残念な技なのだが、ソードマンのレベルが、8になるまでは、最速の攻撃速度を誇り、そのうえ攻撃硬直の時間がとても短いという序盤活躍の技なのだ。(後半ではソードマンからソードマスターとかに進化するのでもっといい技がある。)
ゴブリンメイジが確実の俺を捉え、かなりのヘイトをこちらに向けられたようだ。
終滅斬はヘイト稼ぎにも使える技だからな。
レイの名前を叫ぶと待ってましたとばかりに、俺の真横を矢が通り抜けていく。
「あぶねぇ!」
こちらに振り上げた杖を構えた右手は止められてしまい、攻撃出来ないまま大きな的となる。
「そろそろソードマンから変えようかな。【首狩り斬り】」
相手の体力が一定以下だと、確率で即死付与の剣の技だが、一般的にゲームでも剣技は条件付きのものが多く、リスクやコストに対して、リターンが少ない。
例えば、アルティメットソードマスターの最強剣技、【アルティメットスラッシュ】は剣ダメージ(大)の割にすり減らす精神力が尋常じゃない。それだったらランサーとかの方が楽なんだよな。いや、待てよ?攻撃役をレイに任せて、こっちがヘイト管理を受け持つってのもありだな。
「イヴ、レイ、戦闘方法を変える。」
まず俺のジョブを【ガーディアン】に変更して、ハンターは弓と短剣を使えるので、レイには短剣に持ち替えてもらう。俺が使おうと思っていたのだが、別に執着がある訳でもないからいいか。
「で、こうした時の作戦なんだが、まず俺がヘイトを稼ぐ。そしたら、レイが攻撃して、セカンドヘイトを稼ぎ終わったら、イヴは魔法で色々やってくれ。」
それに、ある程度攻撃したら俺もランサーなんかで戦ってもいいかもしれない。
その他細かいところを確認し終えて一息入れると、図ったかのようにゴブリンの団体様が現れる。
「チッ、パーティーか。てことは10体ぐらいいてもおかしくないな。」
〔情報補足:ゴブリン4体、アーチャーゴブリン2体、ゴブリンメイジ2体、ゴブリンナイト3体。計11体〕
謎の声がそんな補足を入れてくれる。うむ、これは助かる。しかしこれは、俺がそれなりの情報を持っているからこその補足であり、俺が完全に知らないことまで丁寧に教えてくれる訳では無い。
「メイジが結構後ろにいて攻撃出来ないな。一瞬開くのが精一杯だから、あんまり期待しないでくれ。」
モンスターたちはこちらに向かって駆けてくる。汚い唾液が垂れようと構えた武器が仲間に当たろうともお構い無しのようだ。
「小手調べだ!【オーバーヘイト】」
「防御掛けます!鉄壁に似たれ【ウォール】」
相手のヘイトを俺1人に向ける技を使ってすぐに防御力上昇の魔法がイヴからとんでくる。オーバーヘイトのお陰でイヴにヘイトは回っていないようだ。
「【オーバースラッシュ】【フラッシュソード】」
ダメージとしては弱いが、かなりのヘイトを俺が引き受けたことになるので、レイやイヴの初級攻撃なら問題ないだろう。
「盾よ、強固たれ【シールドウォー】」
これは確か…盾装備時に防御力を倍加させ一定時間
このタイミングで使ったのは大正解だ。
「イヴ!グッジョブ。【スタンパーティー】ッ!」
今まで俺に攻撃した全ての敵を気絶させる技だが、副作用として、しばらく俺にヘイトが向かなくなる。ここで使えば、敵はノーヘイト状態になり、俺たち3人の誰にも攻撃することが無くなり、メイジが狙いやすくなる。
「イヴ姉ありがと。【パラライズカッター】」
パラライズアローを覚えていれば短剣を装備するだけで使えるようになる短剣技だ。前にゴブリン系には麻痺が有効だと言ったのを覚えていたらしい。
メイジはスタンに麻痺が入ったので、かなりの時間動かない。ほかのゴブリンたちもまだスタン継続中なので、攻撃し放題だ。
「別に言わなくてもいいかもだけど連携のため【ジョブ変更:ウォリアー】」
レイが投げてきた鉄製の斧を構えて周りに叩きつける。これは、ちょっと前に再び会ったメルクから買ったものだ。
程なくして、戦闘を終わらせる。タンク役の俺はともかく、イヴやレイはほとんどノーダメージだ。
「一応、レイにはヒール掛けてくれ。イヴはポーションでいいだろう。俺はハイヒールじゃないとダメかも。」
ヒールは片親が魔力であるイヴにはあまり良くない。別に使えないことは無いが、なんとなく不快感が残るらしい。そのため、回復量は少ないがポーションを使っている。
俺は結構ダメージを受けてるので、ハイヒールを要求する。
〔レベルが上がりました。クエイフLv8イヴLv8レイLv8カークスLv3〕
カークス?どういう事だ!?
続く
ヘイト─敵からの狙われやすさ。
ある程度のものはググれば出ると思います。