…End   作:吉良吉影に憧れる者

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次回は設定まとめにします。


第24話

〔レベルが上がりました。クエイフLv8イヴLv8レイLv8カークスLv3〕

カークスまでレベルが上がっている?なぜだ?俺やイヴ、レイはパーティ設定をしてあるから経験値が一律で入るため同じようなレベルアップが起きるが、カークスをパーティに入れた覚えはないし、そもそもパーティに入れられるのはジョブに就いている人だけだ。

〔パーティ情報

クエイフ:男:ランサー:Lv8

イヴ:女:アルティメットワイズマン:Lv8

レイ:女:ハンター:Lv8

カークス:男:神兄:Lv3〕

神兄?なんだそれは?初めて聞いたジョブだ。そもそもジョブか?まさか…()()()()()()での神ということなのか?

それがジョブとして認められるのなら、パーティに入れることが出来るのか…?

そうして、俺が長い間考えていると、謎の声の悲鳴に似た警報が鳴り響く。と同時にイヴが防御魔法を詠唱し始める。

「クエイフ様!なにか来ます!」

彼女の叫びとともに、俺はジョブをガーディアンに変更する。イヴの支援魔法を受けて盾を構える。

「おいおい、『アルケタイプ実験室』ならまだまだ先のはずだろう…」

ゴツゴツとした岩のような肌に中央の赤いコアがおぞましく光る。ずしりずしりと音を立てながら歩いてくるそいつは、正しくゲームで見た通りのゴーレムであった。

「な…なんですか、このモンスターは…?」

イヴの声は震えきってる。それもそうだろう塔の外側─絶対に壊すことの出来ない石と同じ色をしていて、ただの岩の塊の癖してここまでグロテスクな見た目をしているのだから…。

「こいつはゴーレム。普通はこの階層では出ないはずなんだが…」

「クエイフ様は物知りですね。なんて言えるような状況じゃないので、何も言わなくていいですか。」

当たり前だ。俺だって唖然としてる。流石に初期ジョブでは勝てない。中級で苦戦するような敵なのだから、最低でも上級ジョブでLv20、装備万全ぐらいの状態で戦うようなやつなのだ。…言わずもがなゲームでの話。

〔スキル『勇気』が発動しました。これにより、全ジョブが勇者用のジョブとなります。〕

ああ、そうだよな。この程度勝てなきゃ魔王も神も両親も倒せるわけないよな。しょーがない。

「2人は逃げろ。俺が引きつける。」

【オーバーヘイト】を使って、ゴーレムの注意をそらす。イヴとレイはなんとか逃げてくれたようで、ゴーレムも二人を追うことはしない。

「さーて、俺が逃げるわけにはいかないよな…。」

剣も青銅の一般的なものだし、鎧はレイのアイテムボックスに入っている。盾は構えてはいるが、ガーディアン用に使うものはこれもレイのアイテムボックスの中だ。

確かにLvもジョブも装備も経験も何もかも足りない。なんなら持ってない。それでも、俺にはたった一つの最強の武器がある。

()()だ。

懐かしいな、最初の頃の『…End』はゴーレムが1番強かったんだ。神様とは戦わなくて、ラスボスが父親と母親で、ゲームクリアのあとのお楽しみ要素みたいな部分でキングゴーレムが君臨してたんだよな。全然勝てなくて、父親(現実に血の繋がった方)に泣き縋ったんだよな。なのに親父はあっさり勝ちやがって…。

ゴーレム系最大の弱点は、不気味にひかるあのコアだ。最初に見た時に赤色だった()()は、いまは鈍い青色に光っている。なんというか気持ち悪い。

あの光っているコアが、この話の核なのだが(コアだけに)あのコアは光っている色の属性を帯びている心臓のようなもので、今黒色に光るあれは闇属性、闇に有効なのは光属性なので、光の攻撃を与えるとその時点で動かなくなり即死するのだ。俺はゴーレムと戦う時によく弱点を突いている。(親父はゴリ押しで勝ってたが)

全てゲームでの設定だが、こいつにも有効だろう。

こんなふうに長々と説明しながらだが、ちょいちょい攻撃されている。それでも、ゲームと攻撃パターンがほとんど同じなので、避けるのも容易い。

しかし、このまま防戦一方というのも難しい。反撃のチャンスを伺ってはいるものの、イマイチ掴めない。

それでも、ミスというものは犯してしまうもので…、

〔ゴーレムの鋭い一撃があなたにのしかかる。その一撃だけであなたは再起不能に陥ってしまう。〕

まずい、ここで()()()()()()が出るとは思わなかった。その油断が命取りになると何度も2人に言い聞かせてきたのに…。ゲーム中の口癖だったのに…。

俺は…ここで…死ぬのか?……イヴ、レイ………

ピコンッ!

〔『勇気』発動しました〕

死んでたまるかッ!俺が…この塔を…

「この塔を手に入れるのをどれだけ望んでいたと思う!」

〔ジョブ変更:ハンター ジョブ変更:スライム ジョブ変更:モンク〕

この3つは使いどころが難しく、わざわざ使わなくてもいいと思い封印していたものだ。なんせ、ハンターはレイが居るし、スライムは擬態にも使いにくい上、必殺技である【スラ・ストライク】が大して強くない。モンクはヘイトをあまり稼げるジョブではないので、2人に攻撃が及んでしまう。

しかし、武器も吹っ飛び装備もあってないようなものであるこの状況では、速度が1番高いハンターで近づき、形状を自由に変化させられるスライムならゴーレム物理ダメージはほとんど無効化する。そして、武器のいらないモンクの最大の特徴─

「武器未装備時攻撃力2倍!そのうえ、即死付与10%!」

今は眩しいような白色に光るこの中心部に、『勇気』を込めて!

「【ブラック…」

お前を倒すのに小6の俺はなんど泣いただろうか。お前に自力で勝った時中3の俺はどれだけ喜んだろうか!

高校三年生には、この世界にいる限りなれないけれど、きっと、お前を倒して馬鹿みたいにはしゃぐのだろう。

だから、自分のいるべき、死の香りが漂うあの実験室でまた戦おう。

「ハンマー】ッ!」

続く

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