目が覚めると、身体中が嫌な湿り気に包まれていた。
その正体はどうやら汗のようで、吐き気を催すほどの悪臭とベタベタとやたら服と皮膚を独特の不快感を晒す。
「一回帰った方が良さそうだ。」
自分が気絶していた理由は全く分からないので、それを調べるためにも塔を出ることにする。幸い、敵との遭遇は無かった。喜ぶべきだが、少しつまらなかった。
帰るとすでに夜も更けており、服を洗濯し次の日に備え寝ることにした。
次の日に
そこで、一定数のアイテムと、経験値(あと、お布施という名目の金)を犠牲にして仰々しい儀式を執り行えば、ジョブ変更ができるとの事だ。しかし、未熟な司祭や、アイテムの質が悪いと、『酔い』のようなものを起こすらしい。つまり、自分の戦闘スキル変更は、司祭もアイテムも経験値もない状態で行うのでかなり強く酔ってしまうのかもしれない。さらに付け加えると、《ソードマン》から《ランサー》や《ウォリアー》という近接戦闘のタイプから同じく近接戦闘タイプへの変更なら未熟な司祭でも質の悪いアイテムでも酔いを起こすことは滅多にないそうだが、遠隔攻撃タイプやその他諸々へ変更しようとすると、ベテランの司祭に大量かつ質のいいアイテムが必要なのだそうだ。
結論:最悪のコンディションかつ最低のシチュエーションで、未熟どころか根すらしっかりしてないやつが、何も持たずに儀式をすっ飛ばしたので、死ぬほどまで酔った。
気を取り直し、また塔へ向かう。ちなみにソードマンに戻した。(当然酔ったがベットで寝てた。)
既に月が昇ろうかとしている頃だったので、寝袋とモンスター対策を色々準備して、『…End』の薄気味悪い門をくぐる。
スライムとクリムゾン、さらにはアクアスライムまでも余裕で倒していく。それもそのはず2回目の探索で最初の敵─スライム─を倒したらLvが上がったのだ。
Lvが上がると全てのジョブで上がったことになるようで、ウィザードと、アーチャーも【Lv2】のステータスになっていた。(ステータスや技を見るだけなら変更せずにできる。)
補足だが、ソードマンの時に杖を構えても魔法は全く使えないし、弓を持っても、矢をつがえるのに時間がかかりすぎる上練習しても上手くならない。適性なしとみなすようだ。
「まずいな…ゴブリンか。」
探索をしていると、薄気味悪い緑の皮膚、そこから少しだけ浮き出た筋や骨に、ダラダラと汚くよだれを垂らしながら、右手に混紡を引きずるようにもつ亜人種の代表的モンスター 『ゴブリン』だ。
勝てるかどうか怪しいが逃げられる様子はない。
〔ゴブリンは、貴方に棍棒を振り下ろす。それを間一髪避けたあなたは素早く体勢を立て直す〕
謎の声の言うように、そんなに早くない【振り下ろし】を間一髪と言うより余裕で避けて、剣を構える。今なら逃げられるが、そんな選択肢はいらない。
「ゴブリンは、スライムと同じで負ける方が難しいからな…。対策なんて無いってのがゲームだったが、無策で行けば流石に死ぬよな…?」
だれに聞いているかもわからないが、1人でつぶやく。
だが、あえて突っ込むという強さもある。しかし、
「こいつを喰らえ!【スラッシュ】ッ!」
俺の腰ほどしかないゴブリンの頭に剣を突きつけ、そのまま下におろしていく。剣の技であるスラッシュを使ったので運が良ければ
そのまま、流れるようにあらとあらゆる場所を切りつけてみる。が、やはりスライムほど簡単に行かないようだ。
さっきから、少しずつダメージをくらってしまっている。まだ痛くはないが蓄積すれば疲労と相まって大きな隙が出来てしまうかもしれない。
しかし、それでも雑魚ポジであるゴブリンは、棍棒を振り下ろそうと両手を上げ胴体ががら空きになる。
すかさず剣道の『胴』のように切りつける。綺麗に決まったので致命傷になり、ゴブリンは絶命する。ざまあみろと思う反面、『
「殺したのは怪物…人じゃない…亜人で、モンスター…大丈夫。俺は人殺しでもサイコパスでもない…大丈夫!」
言い聞かせるように1人つぶやく。
と、何処かで小さな悲鳴が聞こえる。あの二人なのだろうか?しかし、どちらも女性のような気もするが…?成長期の関係か…?
続く
「僕達じゃないです!でも、出番は後々あるらしいので、その時に自己紹介します。…だから自己紹介出来るようにするんだよキュレー。」
「お兄ちゃんがそう言うなら頑張る。」
というわけアリ2人の会話です。しかし、次出てくるのはヒロインズなのでした。