SRWXX〜Legend of Kaiser〜 作:BLACKRX
投稿します。
「こちらゲシュペンスト第一小隊、荒魂と遭遇!これより交戦を開始する!」
「こちらベガルタ、敵と遭遇……交戦開始」
ここはEDF日本支部……俺、神隼人は日本支部司令官として部隊を指示し、ある日から活性化した荒魂と激闘を繰り広げていた。
「やはり、特機戦隊を解体してからフットワークが重くなったな」
「そうですね」
「あの時、反対を押し切ってまで作るべきだったな」
だが、対応が遅く対応に不備が出ていた……EDFと刀使との慣れない連携は足並みが揃わず割と一匹倒すのに苦戦してるのもある。
「こんな時にノイズだと⁉︎大変です、司令!ノイズが現れました!ポイントE57」
「ヤツに伝えて向かわせろ、ゲシュペンストとベガルタでは相手にはならない」
「はい」
そして厄介なのは無規則に現れるノイズだ、ソロモンの杖はある一件からこちらが所有してるからコントロールできるがEDF本部がそれを認めるはずもなくノイズ対策はこれまで通りとなっている。
「ゾーンの様子は?」
「はい、ゾーンは徐々に広がりつつあるみたいです……」
「封印が解けつつあるというのか、宙……」
そして問題なのは阿蘇山を中心としたゾーンの様子だ、大荒魂タギツヒメを討伐した辺りから活発化しゾーンのエリアが広がりつつあるらしい……
「ここで考えてもどうにもならないか……」
俺は頭を抱えた後にデバイスを取り出してロック画面を見る、そこには第一次特機隊の初期メンバーで撮った集合写真であり今は亡き友たちの姿もあった。
「俺も老いたな」
「司令……」
「過去は帰ってこないんだ、だから最善を尽くす……」
俺は自分にそう激励すると指示を飛ばす、過去の自分や仲間たちに恥じないように……
ーーーー☆
「こ、ここは……浜辺?」
俺、織斑一夏(兜シロー)は目を覚ますと見覚えの無い海岸で目を覚ました。
「そうだ、確か俺は……束さんから頼まれて……」
俺は立ち上がるとここに来るまで経緯を思い出した、マジンガーの形をしたナニカによって俺の世界は崩壊し束さんから希望を託されて白式の隠された力とマジンカイザーの光子力エネルギーによってここに飛ばされたんだ。
「希望はオリジナルのグレートマジンガーか……とりあえずこの格好は目立つから着替えるか」
俺はIS学園の制服から私服に着替えると近くに街が見えるのでそこまで歩いて看板までたどり着く、どうやら文字を見る限りここは日本みたいだ……だけどこの世界にはISは無いらしい。
「ん?」
そして俺は情報を得るべく駅に入りパンフレットを取る。ここはかなり田舎らしく情報も古いものばかりだ、なんで十年近く前(今は2018年)の情報があるんだろうと思いながらパンフレットを見てるとその中でグレートマジンガーの特集記事を見つけた。
「これがオリジナルのグレートマジンガー……」
そして俺はそのパンフレットを含めたいくつかのものを購入すると海岸に向かい、マジンガーZを纏い空を飛ぶ……向かうは美濃関の近くにあるEDF本部だ。
ーーーー☆
私、衛藤可奈美はタギツヒメを討伐した後、日本各地に荒魂が出現し大混乱になっていた。
「はぁ!」
「てや!」
その中で私は糸見沙耶香ちゃんと一緒に暴れる荒魂たちと交戦、各地へ転々としながら戦っていた。
「ふぅ、やったね!沙耶香ちゃん!」
「うん」
私たちは戦いを終え、輸送機に乗って宿舎に帰る……その途中、私は空を飛ぶナニカを目撃した。
「あれは……特機?」
それは私が昔見た資料に出てきて、かつて私の父親が乗っていて無類の強さを誇ったグレートマジンガーと良く似ていた。
「可奈美?どうしたの?」
「ううん、なんでもないよ」
私は沙耶香ちゃんの方に向いてそう答えてから再び窓を見るが、既にその影は無く私は先ほどのあれはなんだったのだろうかを輸送機が美濃関学園に戻るまで考えるのだった。
「最近、とんでもなく忙しいよね……舞衣ちゃん」
「たしかに……あの一件から荒魂だけでは無くノイズ出現、ゾーンの拡大、そして正体不明の機動兵器群の存在が確認されてるからね」
そして学園に戻ると私と沙耶香ちゃんは舞衣ちゃんと合流して一緒にご飯を取ることになった、その中で私は気になるワードが聞こえてきた。
「ねぇ、舞衣ちゃん?謎の機動兵器群って?」
「うん、これを見て……」
私はそう舞衣ちゃんに尋ねる、すると舞衣ちゃんはデバイスを取り出して見せてきた。
「これが一週間前から報告に上がる謎の機動兵器だよ……あと専門家の見立てでは侵略者ではないか?という意見がね、可奈美ちゃん?」
それを見た私は舞衣ちゃんの言葉が耳に入らず画面に釘付けになった、私はこの機体がデータベースにあるとある機体と似ているなと思ったからだ。
「駆動系が……似ている?」
「可奈美にスイッチが入った」
「剣術と特機になるとこうなるんだよ……」
「試合だけだと思ってた」
私はすぐに目の前のご飯を全て掻きこんで食べるとすぐにおぼんをどかしてパソコンを取り出す、そして隼人さんから貰ったライセンスを使って機体データを調べ始める、そしてお目当ての機体を見つける。
「やっぱり……見て!舞衣ちゃん!沙耶香ちゃん!」
私は二人にそう言ってその機体を見せる。その機体の名前はベルゼルート、かつてEDFの新主力機争いに参戦したがテロリストのテロに巻き込まれたせいで凍結された。パイロットのカルヴィナ・クーランジュ元中尉は行方不明になったらしい。
「ベルゼルート……確かに謎の機動兵器群の機体と似ているのがいくつかあるわね」
「これってもしかして、彼らは私たちを侵略しようとしてるのかな?」
「それは分からない、だけど……分かり会えるといいなって思わない?」
「そうだね」
私たちはそう会話した後、剣道場に向かい二人と手合わせする……舞衣ちゃんも沙耶香ちゃんもとても強く楽しかったが沙耶香ちゃんの表情が暗かったのが少しだけ気になった。
「ふはぁ……疲れた」
「おかえりなさい、可奈美」
「ただいま〜、エンペラー……」
そして私は部屋に戻ると唯一の家族である喋る鳥のエンペラーが出迎えてくれた。
「……おやすみ、エンペラー」
そして私は制服のまま横になって眠る、その際にエンペラーがやれやれとした感じで羽を動かしていたのが見えたがそれを気にする暇もなく眠ってしまった。
「お父さん!大好き!」
「そうか、ありがとな……可奈美」
夢の中で映画館らしき場所でお父さんとの思い出を私は見ていた。いつもは師匠……お母さんとの打ち合いのはずなのになぜだろうと考える。
「お父さん!待って!」
だが、そう考えてるうちに映画に写ってる私がだんだん成長するにつれてお父さんが離れていく……
「お父さん‼︎お父さん‼︎」
そして映画は目の前の棺を見る私へとシフトする、私は泣くのを我慢して棺を見る、そして誰もいなくなったところで私は思い切り泣いていた。
「お父さん……ってえ?場面が変わる?」
私はその時の記憶を思い返していると突然場面が変わる。
「鉄也くん、手伝ってくれるか?」
「はい、剣造博士……」
それはどこかの研究所らしきところで若かりし頃のお父さんと誰かが話していた。私はその先が気になり見ようとした時だった。
「こんなところにいたのか、可奈美?」
「師匠……」
突然、後ろの扉が開いてそこから師匠が出てくる、師匠は私の隣の席に座ると突然映画は終わりスクリーンから絵が途絶える。
「可奈美、注意しろ……多分、これは私の未来の旦那からの忠告だ」
「忠告?」
「相模湾岸大災厄以上の脅威がここに迫ってるってことだよ」
「え?あれ以上の……脅威が?」
「そうだ、だからお前のペンダントも光ってる」
私は師匠にそう言われるとペンダントを取り出す、こんなに輝かしく光ったことは今までなかったのに?と考えていた。
「そろそろお別れの時間だな、また会おうな可奈美」
「うん」
私はそう答えると映画館の扉が開いた、私はそこまでまっすぐ歩いて光の中へ入った。
「ふわぁぁ……おはよう、エンペラー」
「おはようございます、可奈美……おや、穏やかな夢を見てたのですか?」
「お父さんとお母さんの夢かな」
「それはいい夢でしたね」
私は起きると忘れていたが、それでも心の中にある暖かい気持ちを思い出した。
「行こう、エンペラー」
「その前に着替えて朝食を食べてからですよ」
「ははは、そうでした」
こうして私は美濃関の制服に着替えた後にエンペラーが用意してくれた朝ごはんを食べ終えた、その後だった。
「もしもし?舞衣ちゃん、どうしたの?」
突然、携帯端末が鳴ったので出ると携帯の受話器から爆音が聞こえて来ていた。
「可奈美ちゃん!今どこにいるの?」
「え?何処って……寮だけど?」
「⁉︎、逃げて‼︎」
「え?」
舞衣ちゃんがそう叫んだとほぼ同時だった、窓ガラスをぶち破り謎の生物が襲って来たからだ。
「光子力バリアァァァ‼︎‼︎」
それを見た私は御刀を手に取ろうとしたが謎の生物が速く、その爪が私を引き裂こうとしたとほぼ同時だったにエンペラーがそう叫ぶと、私の周りに謎のフィールドが張られ私は間一髪助かる。
「可奈美、逃げるぞ!」
「うん!」
私は迷わず御刀、千鳥を取ると扉をこじ開けて部屋を出る、すると謎の生物も私が逃げたことに気がついたのか急いで後を追ってくる。
「とお!」
私は写を貼って地面に飛び降りるとその怪物も降りて来た、その怪物は大きな口を開けて私のことを食べようと牙を立てていた。
「可奈美、無事でよかった」
「沙耶香ちゃん!」
その直後にその怪物は切られその後ろから沙耶香ちゃんがそう話しかけて近くにくる。
「こいつらはなに?」
「わからない。でも、荒魂じゃないみたい……一体一体がとても強い、EDFの部隊が美濃関の生徒と一緒に応戦してる」
「じゃあ、急いで合流しよう」
そう私たちが話しかけた時だった、先ほど沙耶香ちゃんが斬った怪物が起き上がり牙を向いて来たからだ。
「沙耶香ちゃん‼︎」
「可奈美⁉︎」
私は沙耶香ちゃんを押し出すと千鳥でその一撃を防ぐが吹き飛ばされる。
「う……」
私はその一撃で写が解けて無防備になる。
「可奈美!」
「はっ……」
そして気がつけば周りには沢山の怪物がひしめいており、私は絶対絶命のピンチに陥っていた。どうやらあの怪物はそれが狙いだったらしい……一匹一匹が私に向かって舌を舐めながら近づいてくる。
「くっ……」
私はなんとか立ち上がって御刀を構える、だが……先ほどの沙耶香ちゃんの一撃を喰らっても再生した怪物を相手にどう立ち回ればいいか考える。その中で私は不安になりペンダントを握る。
「ペンダントが熱い……」
するとお父さんから貰ったペンダントが熱を帯びていたからだ。
「もしかして……」
私はペンダントを握り締めると頭の中に若かりし頃のお父さんの姿が浮かぶ、その姿は遥かに遠くそして目指すべき背中だった、それを見た私は空高く千鳥を掲げる。
「可奈美?可奈美‼︎」
沙耶香ちゃんは怪物を一匹倒した後に不思議そうに私を見つめる、怪物たちはそれが合図となり私に襲いかかってくる。
「スクランブルダァァァァッシュ‼︎‼︎」
私は高らかにそう叫ぶ、すると周りの怪物たちは消し飛びそこから一つの鉄の機体が現れて大空を飛びあがり滞空する、
「ネーブルミサイル‼︎」
そして沙耶香ちゃんの近くにいた怪物を胸から出るミサイルで消しとばす、その威力は控えめだが再生できる怪物がほぼ一発で消し飛ぶがほどで沙耶香ちゃんが驚きながら見ていた。
「聞け‼︎私はグレートマジンガー‼︎‼︎偉大な!勇者だ‼︎」
私はそう答えると怪物たちは飛び上がり私に向かって襲いかかってくる。
「マジンガーブレード‼︎」
私はマジンガーブレードを取り出すと地面に着地して切りまくる、怪物たちはマジンガーブレードに切り裂かれるが再生する。
「沙耶香ちゃん、捕まって!」
「うん」
私は沙耶香ちゃんを掴んで持ち上げるとそのまま天高く腕を掲げて雲に光子力エネルギーを送りそのまま電撃がこちらに降ってきて腕にエネルギーがたまる。
「轟け!サンダァァァァァァ‼︎‼︎ブレェェェェェェク‼︎‼︎」
そして私は電撃を放つと怪物たちは跡形もなく消し飛ぶ、その威力はクレーターができるほどで周囲にいた怪物たちを文字通り跡形もなく消していた。
「このまま舞衣ちゃんたちと合流するよ」
「うん」
殲滅したのを確認した私たちはそのまま舞衣ちゃんたちと合流すべく空を駆ける。
「可奈美、あれ?」
そろそろ舞衣ちゃんたちと合流できそうになった時だった、グレートマジンガーに似た黒い機体がそこには立っておりその周りにはあの怪物たちの死体があった。
「可奈美ちゃん!沙耶香ちゃん!」
「舞衣ちゃん!無事でよかったー!」
「きゃ、ふふ……心配してくれてありがとう、可奈美ちゃん」
そのあと、私は舞衣ちゃんたちと合流すると抱きついて無事を確かめる。
「貴方は何者?可奈美と同じような機体を操っていたけど?」
そして沙耶香ちゃんは目の前にいる、黒い機体にそう尋ねるとその機体は淡い光の粒子となって消えて中から人が現れる。
「……」
その人はどことなくお父さんに似ていた、優しい顔つきだがどこか芯があるような表情……だが、同時に哀愁が漂っていた。
「俺が何者か語る前に、自己紹介するよ……俺は織斑一夏、本当の名前は兜シロー……俺はある目的のために別の世界からやってきた」
その言葉を聞いた時、私の中で一つの歯車がカチリとハマる音が聞こえ……
「この世界に来たのはある人を探すためだ、その人の名前は剣鉄也……この世界にいると聞いてるんだけど知らないかな?」
この出会いは偶然では無く必然だと感じた、だから……
「剣鉄也は私のお父さんです」
私はこう返した。沙耶香ちゃんは少し不安そうな表情をしていたが私は一夏さんが嘘をついてない風に思えたしそれにその目は嘘をついてる目ではなかったからだ。
「…鉄也さんは今どこに?」
「…………お父さんは死にました」
一夏さんはそう尋ねてくる。私は一瞬答えるのに言い淀んだがちゃんと答える。
「そうか、ごめん……嫌なことを聞いてしまって」
「いえいえ、大丈夫ですよ!気にしないでください、それにお父さんは気にしませんから」
「そうか、そうだな……」
そのあと、私たちはEDFの人たちと合流して隼人司令のところに向かうのだった。
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とある場所にて……
「トーヤ、テニア、わかってるな」
俺、トウ=ヤ・シューンこと郡統夜は幼馴染でバシレウスに選ばれた幼竜と心を通じ合った少女、フェステニア・ミューズと共に父、エ・セルダに呼ばれて地上世界とここ地下世界ラ・ギアスを繋ぐゲートの前にいた。
「分かっています、父さ……騎士団長」
「ここでは父さんでいい。何……ここは別に階級とか関係ないのだからな」
俺がまだ準騎士となって数日、わずか十六歳でここまで来れたものは我が師であり次期騎士団長と名高いアル・ヴァン以来らしく、天才と周りから言われたが俺自身はそうは思ってない……これは全部師と父による訓練による成果だ。
「トーヤ、分かってると思うが一応、再度説明しておく……今回の任務は我々を裏切り地上世界を侵略しようとする元騎士団長であるグ・ランドン・ゴーツならびにその一派の者達を捕らえることだ。本来なら騎士アル・ヴァンに頼みたいが今は別の任務に向かわせている、終わり次第合流するつもりだ。あとシャナ・ミナ様からトーヤに聖王機が貸し出されることになった、お前なら使いこなせるだろう……だが注意しろ、敵は強い。だから今回は助っ人も呼んでおいた……既に現地にいるから合流できるはずだ」
「分かりました」
俺はその説明を聞き終えるとゲートの前に立って騎士礼装から私服へと着替える、そして俺はテニアの手を握る。
「行くよ、トーヤ」
「ああ」
そして俺たち二人は中に突入する、そしてゲートを抜けた先はどこかの平原だった。
「着いたな」
「そうだね」
俺とテニアは周りを警戒していると白い機体がこちらに高速で向かって来た。
「よう、アンタたちが一緒に仕事をしてくれる人たちかな?」
「そうだ」
「私はギン・ミノワ!
こうして、俺が準騎士となっての初任務が幕を開けたのだった。
感想、アドバイス、お待ちしております。