今回の作品は1話辺りの文字数が少なめです(2000字程度)。
暇つぶし程度に読んでってください(*´ω`*)
ここは東京のとある大学。その敷地内には様々な棟があり、平日の午前中である今現在はそこら中で講義が行われている。
「今日はここまでだ」
教授の声により午前最後の講義が終了した。多くの学生が部屋を後にする中、二人の男女学生がまだ残っていた。男の方は熱心にスマホを操作しており、もう一人はそれを隣で見ながらウンザリとした表情をしていた。
教室に残っているのが彼らだけになった時、講義が終わってからひたすらスマホを操作していた青年が満足気な表情をしながら席を立ち、その場を離れようとした時だった。
「ねえ、真琴」
隣で彼を見ていた女子学生が声を掛け、呼び止めたのだ。真琴と呼ばれた男子学生は、きょとんとした表情で振り返る。そこにはこちらを見ながら何やら不貞腐れた表情をしている彼女がいた。
「私に何か言うことあるでしょ?」
そう言われるものの、彼女に対して何かした覚えの無い彼は、小さく首を傾げる。身長165cm程、さらに童顔である彼のその行動は、一見小動物を想像させるほど可愛らしいものだった。
「菜々香、いつから居たの?」
菜々香と呼ばれた少女は、自分の想像していたのとは全く違う言葉を聞かされ、今まで何とか抑えていた怒りを顕にした。
「い・つ・か・ら~~? 最初から居たわよ!何ならアンタと一緒にこの教室まで来て!講義を受けて!!皆が食堂に行くのを見ながらいつ終わるか分からないアンタのやり取りをずっと急かしてたわよ!!! お陰で今頃食堂は大混雑、お昼食べれなかったらどうしてくれるのよっ!」
彼らが通っている大学は他の学校に比べて食堂のメニューが豊富で味が良く、しかもかなり安い。そのためお昼はいつも戦争なのである。しかも運が悪い事に、つい先程彼らが受けていた講義は食堂から結構離れた距離にある教室で行われていた。終わってすぐに早足で向かえば何とか間に合ったかもしれないが、もう既に15分ほど経過している。これでは走ったとしても間に合わないだろう。
そんな事態の元凶である真琴に詰め寄った菜々香は彼を睨みつけるが、当の本人はあまり気にしてない様子だった。
「一度でいいから、食堂のご飯が食べたい......」
さっきのような怒りの表情は消え、懇願するように真琴へ縋り付く菜々香。そんな彼女を尻目に、彼はまたスマホを操作し始めた。
「そんなに行きたいなら僕を置いて行けばいいのに」
「出来たらそうしたい所よ!はぁ、アンタの妹達に頼まれなかったら、今頃食堂で美味しい料理を頬張ってるのに......」
「でも菜々香の事だから、そんな事してたら間違いなく太るよね。食堂の料理は確かに美味しいけど、結構カロリー高いし」
「えぇそうよ!お陰で高校の時よりも遥かに減量できて感謝してるわよっ!!」
先程収まった筈の怒りが再度顕になり、目まぐるしいほどの喜怒哀楽(今は怒と哀しかない)を見せる菜々香。しばらくあーだこーだと文句を垂れていた彼女だったが、スッキリしたのかいつもの調子へと戻って行った。
「で、今日は何処で食べるの?」
「う~ん......コンビニかなぁ」
そんな会話をしながら、近くのコンビニがある棟まで歩く二人。そして棟の中へ入ると、そこには彼らと同様食堂に入れなかった者達が外に設置されている複数の丸テーブルを囲んで食事をしていた。
「食べ物は私が買ってくるから、真琴は席取ってて」
「はいはい」
真琴は菜々香に言われた通りに空いている席を見つけて陣取ると、再びスマホを取り出して操作を始めた。画面に表示されているのはトークアプリのホーム。そこには彼が今まで登録してきた友達や家族の名前が並んでいた。と言っても、人数はかなり少なく、10人も居ない。そんな貴重な数人の中に、先程まで彼と一緒にいた菜々香の名前もあった。そしてついさっきかた連絡を取り合っていた二人の人物から、それぞれ返信が来ていた。
内容を確認して返事を送ると数10秒後に既読が付き、その数秒後に返信が来た。それに対して何と返そうか考えていると、ふと手元からスマホが消えた。
正確に言うと、取られたのである。
「はい、お待たせ」
「結構早かったね」
買い物を終えた菜々香が右手に食べ物や飲み物が入った袋を持ち、左手には先程まで真琴が操作していたスマホを持っていた。
袋をテーブルの真ん中に置いた彼女は、空いた手で彼のスマホの画面を操作し始めた。
「プライバシーの侵害だと思いまーす」
「アンタがあの娘達に変な事言ってないかチェックしてるのよ」
そう言いながら素早く操作してチェックする菜々香。そして目的の人物とのやり取りを見終えると、そのままスマホを自分のカバンへと仕舞った。
「ちょっ、返してよ」
「食事が終わるまではダメ。少しは私の話し相手になりなさいよ」
「愚痴しか言わないくせに」
そう言いながらも、真琴はしっかりと彼女の話を聞いていた。
「はぁ~、やっと終わったぁ!」
午後の授業が終わり、真琴と菜々香は帰路に着いていた。二人共電車通学であるため、今は駅のホームで電車を待っている。
「ねぇ真琴、今日はどっち?」
彼女の言う'どっち'と言うのは、彼らが家に帰る途中に顔を出しに行くバンドグループの事である。実際に彼らがグループに入っている訳ではなく、真琴の妹二人がそれぞれ別のグループに所属しているのだ。
「今日はアフグロだよ」
これは二人の妹を持つ兄の、過保護な日常物語。
バンドリのアニメが思ったより面白かったです。
OVAのロゼリア最高でした。
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