過保護な兄   作:かるな

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珍しく投稿間隔が短い!




第6話

ビーチに戻ってきた真琴と菜々花は一旦別れ、それぞれ巴やあこ達の元へと向かった。

 

 

 

「結構日差しが強い・・・巴とあこはちゃんと日焼け止め塗ったのかな?」

 

 

 

最愛の妹sを心配しながら辺りを見回すも、流石にこの人の多さでは中々困難である。

 

炎天下の中をしばらく歩くと、人集りを発見した。

 

それもそこそこの規模である。

 

 

 

「う~ん、お昼にイベントなんてあったかな?ライブは夕方のはずだし・・・」

 

 

 

何が行われているかは知らないが、あれだけ集まっていれば妹達もいるかもしれないと考えた真琴は、その集団の方へと歩みを進めた。

 

人混みに近づくにつれて、そこから発せられる熱気にむせ返りそうになりながらも何とか中が見える位置に辿り着いた。

 

 

 

「うわ、早速やってるよ・・・」

 

 

 

何とそこでは、巴達とあこ達によるビーチバレー対決が行われていたのである。

 

人数は4vs4。擬似的に作られた(棒か何かで線が引いてある)コートの中で試合を行っており、コートの外では燐子とモカが二人揃って体育座りをしていた。

 

試合はかなり白熱しており、何度もコートを行き来するボールと、上下する胸に視線を奪われる程だった。

 

メンバーの殆どは水着を着用しているのだが、紗夜だけは何故か私服のままだった。

 

 

 

「紗夜ちゃん動きにくそうだな~・・・あっ、転んだ」

 

 

 

真琴の予感が的中したのか、ボールを取ろうと動いた彼女の足がもつれ、受け身を取れずに顔面から砂浜へとダイブした。

 

 

 

「これは、滅多に見れない紗夜ちゃんだ・・・ププッ」

 

 

 

いつもの彼女からは想像出来ない行為を見た真琴は、こらえ切れずに吹き出してしまった。

 

それが聞こえたのかは分からないが、笑いが収まった時には倒れ込んでいた筈の彼女は既に立ち上がっており、何故か真琴の方を向いていた。

 

 

 

(えっ、気づかれた?いやいや、こんなに大勢人が居るんだからそんな事はない・・・と思う・・・・・・だから紗夜ちゃんがあんなに怖い顔して僕の方へ歩いてくるはずが)

 

 

「真琴さん、今から水着に着替えてくるので少しの間試合に出て下さい。それで先程私を笑った事には目を瞑りますので」

 

 

「はい・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「疲れた」

 

 

「流石に砂浜でスポーツはきついよなぁ」

 

 

「体を動かすのも悪くないですね」

 

 

「またやりましょうよ!」

 

 

 

ビーチバレーも一段落し、今は事前に用意してあったパラソルに体を隠して各々休憩を取っている。

 

飲み物を飲む者、談話をする者、日焼け止めを塗直す者、寝っ転がる者、様々である。

 

 

 

「ところで、菜々花は何処にいたの?」

 

 

 

てっきり審判でもしてるのかと最初は思っていた真琴だったが、試合中に彼女の姿を見ることは無かった。

 

試合が終わってからいつの間にか一緒に居たのである。

 

 

 

「何って、勿論蘭ちゃんの水着姿をカメラに収めてたのよ。はぁ~・・・かわいいなぁ」

 

 

 

菜々花が手にしているカメラの画面には蘭の水着姿がドアップで映し出されていた。もうここまで来ると変態の域なのでは?と思った真琴だが、自分も巴やあこの写真を撮りまくっていたので何も言わないことにした。

 

 

 

「それ、蘭ちゃんに見つからないようにね」

 

 

 

撮った写真を見てだらしない顔をしている菜々花に一声かけ、その場を離れて巴達の方へと向かう。

 

 

 

「皆、そろそろ時間だよ」

 

 

「もうそんな時間か。サンキュー兄貴」

 

 

「ところで、皆水着で出るの?」

 

 

 

先程から着替える素振りを見せないメンバーに思った事を聞いてみる。ただ折角ビーチで演奏出来るのだから、この姿でいたいのだろうか。

 

 

 

「流石に上着は羽織る。夕方でちょっと寒いし、菜々花さんや知らない人にマジマジと見られるのも気分が悪い」

 

 

「菜々花が聞いたら泣きそうな言葉だね」

 

 

 

今回の旅で彼女に対してかなりストレスが溜まっているのか、蘭の口調はかなりトゲトゲしかった。

 

しかし蘭自体は彼女の事を嫌ってはおらず、どちらかと言うと妹離れが出来てない姉、という認識である。

 

巴達は大丈夫そうなので、真琴はあこ達の元へと向かった。

 

 

 

「皆準備は・・・・・・大丈夫そうだね」

 

 

 

パッと見準備完了の状態で、各々集中力を高めている彼女達を見て感心する真琴。

 

流石はプロ意識の高いバンドである。

 

 

 

「あ、お兄ちゃん!上着貸して!」

 

 

「あれ?あこは自分の持ってなかったっけ?」

 

 

「う~、さっき濡らしちゃって、まだ乾いてないだよ・・・」

 

 

「あ~、僕は別に構わないけどちょっとサイズが合わないかなぁ。巴ならまだしも、あことなると・・・そうだっ!おーい、菜々花!」

 

 

 

袖がブカブカだとドラムが叩きにくいとだろうと思った真琴は菜々花へと声をかける。菜々花のやつもあこよりは大きいサイズだが、まだ許容範囲だろう。

 

蘭の写真を堪能していた菜々花は真琴の言葉に気付くと「なに?」という表情を浮かべた。真琴は彼女の近くまで寄ると、彼女の着ている上着を指さしてこう言った。

 

 

 

「脱いで」

 

 

「死ね変態」

 

 

「ごめん、言葉が足りなかった。菜々花の水着には微塵も興味無いけど、あこに上着を貸して欲しいから上着脱いで」

 

 

「・・・・・・。」

 

 

 

実は水着を着ていた菜々花。そんな彼女は額に青筋を浮かべながら笑顔で立ち上がり、そのまま真琴の股間を蹴り飛ばした。

 

痛みに必死に耐える真琴には目もくれずにあこの元へと向かい、自分の上着を脱いで彼女へと渡した。

 

 

 

「ありがとう、菜々花お姉ちゃん!」

 

 

「いいっていいって。ライブ、頑張ってね」

 

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イベント開催時刻となり、設置されたステージの上で司会者が挨拶をしている。

 

巴やあこ達はすでに裏で待機しており、真琴と菜々花はそれぞれ飲み物片手に演奏が始まるのを待っていた。

 

 

 

「ねえ菜々花、ちょっと寒い」

 

 

「少しは我慢しなさいよ。私の上着をあこちゃんに貸してるんだから、私の分はアンタが補いなさい。それに、どうせすぐに暑くなるでしょ」

 

 

「見られる部分無いくせに・・・」

 

 

「なに?また蹴られたいの?」

 

 

 

菜々花のヤル気満々の目に萎縮した真琴は、一言「ごめんなさい」と言い、ライブが始まるまで大人しくしていた。

 

 

 

ライブが始まってからはあっという間で、午前午後とはしゃいでいたはずの観客は熱気を取り戻し、真琴達も運転の疲れを忘れる程に盛り上がったのだった。

 




ちょっとはしょりました。

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