過保護な兄   作:かるな

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秋のイベント思いつかないよ!



第7話

暑苦しい夏は去り、その余韻を残しながらも比較的過ごしやすい秋がやってきた。秋と言えば読書、味覚、スポーツ等と言われているが、ここ宇田川家ではいつもと変わらぬ生活を送っていた。ただ一人末っ子

あこを除いて。

 

 

「ただいまぁ・・・」

 

 

いつもなら元気よく、それもそこらの男子とは比べ物にならないあこなのだが、今日だけはやけに覇気が無かった。

 

 

「おかえり。かなり疲れてるみたいだけど、何かあったの?」

 

 

いつもの様にあこの気配を感じた真琴は、電話の最中だというのにあこを出迎えていた。手に持つスマホからは、電話相手である菜々花の声が聞こえるのだが、今はそんなことよりもあこの状態が心配であった。

 

 

「うぅ、体育祭の練習がぁ・・・」

 

 

どうやら、秋の一大イベントでもある体育祭が近いようだ。そのせいで練習はハードになり、それに加えてバンド練習は通常通り行っている。流石のあこでもかなりくたくたなようだ。

 

 

「お疲れ様。お風呂沸かしてくるから、荷物を部屋に置いてきな」

 

「うん・・・」

 

 

真琴の言葉に少し頷いたあこは、重い足取りで二階へと上がっていった。その後ろ姿を見た真琴は通話が切れているスマホを操作し、先程会話をしていた人物に電話を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~すっきりした~・・・」

 

 

お風呂から上がったあこは、タオルを首に巻いたままリビングへと入ってきた。そしてそのままソファへと倒れこむ。お風呂に入って気分的にはすっきりしたものの、体の方の疲れは残っているらしい。

 

このまま寝てしまうと姉に怒られてしまうため、あこは体を起こして何とか睡魔に耐える。

 

 

「ずいぶん眠そうだね、あこちゃん」

 

「ん、ん~・・・その声、菜々花お姉ちゃん?あれ?何でここに・・・」

 

 

眠りにつく直前に起こされたあこは、寝ぼけた目で声のした上の方へと顔を向けた。そこにはここにいるはずのない菜々花が、ソファに両腕を横にして乗せ、重ねた手にあごを乗せた状態であこを見ていた。

 

 

「真琴からあこちゃんが疲れてるって聞いてね、マッサージでもしてあげようかな~って」

 

「え・・・・・・」

 

「ねぇあこちゃん、何でそんな引き気味なの?」

 

「んにゅ・・・だって菜々花お姉ちゃんは・・・特殊な性癖だってお兄ちゃんが・・・スゥ」

 

 

凄まじい爆弾発言をしたあこは、睡魔に耐え切れずにそのまま眠ってしまった。一人残された菜々花はあこに向けた笑顔を引きつらせながら、ソファを離れ、ある人物の部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「真琴ぉ!!アンタあこちゃんに何吹き込んでんのよ!!!」

 

「えっ!?何のこと?!」

 

「とぼけんじゃないわよ!さっきあこちゃんから聞いたんだからね!!何よ特殊な性癖って!!!」

 

「あ・・・・・・」

 

「おもっきし心辺りあんじゃない!いいわ、あこちゃんのマッサージの前にアンタを治療してあげる・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「菜々花お姉ちゃんありがと。何だか凄く体が軽いよ!」

 

「どういたしまして。やっぱ若い娘って柔らかくて気持ちいいわ~」

 

「えっ・・・」

 

 

あこの自室のベットでマッサージをしていた菜々花は、あこの体を堪能したのかツヤツヤとした表情であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ兄さん、前から言ってるけど、いい加減余計な事言わない方がいいんじゃないか?」

 

「いつつ・・・・・・それは分かってるんだけど、つい出ちゃうんだって」

 

「兄さんはそれ程、菜々花さんのことを見てるってことだよ」

 

 

菜々花の折檻が終わったのち、頃合いを見計らって真琴の様子を見に来た巴。折檻のダメージがまだ残る真琴に肩を片してベッドへ寝かせると、長女として説教を始めたのだ。

 

 

「見てるも何も、他に女子と会わないだけだって・・・」

 

「でも、蘭たちや湊さんたちとはよく会ってるよな?」

 

「それは確かにそうだけど・・・あの子たちは妹みたいな感じで・・・・・・あ、いや勿論一番は巴とあこだけど、何ていうか、恋愛対象かって言われると」

 

「じゃあ菜々花さんは恋愛対象だってことか」

 

 

真琴の言葉にニヤニヤとした表情を浮かべる巴。対する真琴は深くため息をし、そのまま枕に顔を埋めた。

 

 

「おやすみ」

 

「あー・・・悪かったよ兄さん。だからそんな拗ねないでくれ」

 

「拗ねてない」

 

 

顔を上げない真琴に対し、巴は少し言いすぎたかなと思いつつ「おやすみ兄さん」と言って部屋を出て行った。

 

 

その日以降、あこが体育祭の練習で疲れて帰ってくるたびに菜々花がマッサージをし、何とか怪我もなく乗り越えることが出来た。だが、それは菜々花のサポートのお陰だけではなく、裏では真琴も手をまわしていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巴が部屋から出た後、真琴はある人物に電話をかけていた。

 

 

『もしもしリサちゃん?』

 

『どうしたの真琴さん?電話してくるなんて珍しいじゃん』

 

『実はさ、リサちゃんは同じ学校だから知ってるかもしれないけど、あこが最近疲れ気味なんだよね』

 

『あー、確かにそうかもしんない。アタシらは男女で別々の種目やるけど、あこたちは共通だからねぇ』

 

『そこでさ、もしあこが大変そうだったら、色々手伝ってあげて』

 

『え?そんなこと?真琴さんの事だから、あこを休ませてくれって言うのかと思ったよ~』

 

『流石にそんな事言わないよ。あこは体育祭を楽しみにしてるし、バンドだって自分でやりたいって言って入ったんだ。僕ができるのは応援だけだよ』

 

『真琴さんってホント優しいよね。あこや巴が羨ましいな~』

 

『まぁもしあこが倒れちゃったら、僕は学校の講義全部休んで看病するつもりだよ』

 

『ねぇ真琴、留年とかホントやめてよ?アタシ真琴さんと同級生とか恥ずかしいから。それに、何より菜々花さん可愛そうだし』

 

『僕の心配じゃないんだね・・・てか、流石の僕でも2回はないって!』

 

『冗談だって~。あこのことは任せて。それじゃおやすみ!』

 

 

 

 




最近菜々花の扱いが色々変わってきた気がします()

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